結論

お祝いとして贈るなら5〜10万円が目安です。

金額の幅が大きいのは、お祝いなのか、住宅資金の援助なのかで性質が変わるためです。 この2つは渡す時期も、のしの扱いも、税金の扱いも違います。 分けて考えるのが、いちばん確実です。

「お祝い」と「資金援助」の違い

項目新築祝い(お祝い)住宅資金の援助
目的 完成を祝う気持ちを形にする 取得費用の一部を負担する
時期 完成・入居後 契約・支払いの前
金額 5〜10万円 数百万円〜。家計の判断による
のし 紅白の蝶結び/「御新築御祝」 つけない
税金 この金額なら基礎控除の範囲 贈与税の制度を確認する

両方を行っても構いません。その場合も、資金援助は支払い前に、お祝いは完成後にと分けておくと、あとで整理しやすくなります。

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お祝いとしての目安は5〜10万円

親から子への新築祝いは、5〜10万円が目安とされています。他の関係(兄弟姉妹1〜5万円、友人5千〜1万円)と比べて高めですが、これはお祝いの中に家具や家電を買い揃える費用の足しという意味が含まれているためです。

贈り方目安考え方
お祝いの気持ちを形にする 5〜10万円 一般的な新築祝い。のしをつけて渡す
家具・家電を贈る 5〜20万円 現金の代わり。希望を必ず聞く
住宅取得の資金を援助する 家計の判断による お祝いとは別の話。税金の確認が必要

家具・家電を贈る場合は、必ず希望を聞いてからにします。新居のインテリアは何か月もかけて決めているため、親の好みで選ぶと使われないまま残ります。

お祝いと資金援助を分けて考える理由

「新築祝いはいくら包むべきか」を調べていくと、たいてい途中で住宅資金の援助の話に行き当たります。数百万円という数字が出てきて、急に話のスケールが変わります。

この2つは、名前が似ているだけで別のものです。混ぜて考えると判断しづらくなります。

分けて考えるとはっきりすること

お祝いは、家が完成してから、のしをつけて渡すものです。金額の目安があり、慣習で決まっています。

資金援助は、支払いの前に渡すものです。金額に慣習上の目安はなく、家計と制度で決まります。のしはつけません。

とくに時期が重要です。資金援助は、住宅の代金を支払うに渡す必要があります。家が完成して支払いが終わったあとに渡すお金は、住宅取得の資金として扱われないためです。

資金援助をする場合の税金の話

ここから先は、マナーではなく税金・制度の話です

以下は2026年8月9日時点の国税庁タックスアンサーの記載に基づく、制度の概要です。税制は改正されます。また適用要件は本記事に書ききれないほど細かく定められています。

実際に資金援助を行う際は、必ず国税庁の最新の案内を確認するか、税務署または税理士にご相談ください。本記事は税務相談に代わるものではありません。

まず基本:年間110万円の基礎控除

国税庁によれば、暦年課税では1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円を超える場合に贈与税がかかります。合計額が110万円以下であれば、贈与税の申告は不要とされています。

新築祝いとして5〜10万円を渡す分には、この範囲に十分収まります。お祝いの金額で贈与税を心配する必要は、通常ありません

住宅取得等資金の贈与には非課税の制度がある

まとまった資金を援助する場合には、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」という制度があります。父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得のための資金を受け取った場合の特例です。

住宅取得等資金の非課税(国税庁タックスアンサー No.4508)

項目内容
対象期間 令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間の贈与
非課税限度額 省エネ等住宅は1,000万円まで/それ以外の住宅は500万円まで
受贈者の年齢 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上
受贈者の所得 合計所得金額2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)
家屋の床面積 登記簿上40㎡以上240㎡以下で、2分の1以上が受贈者の居住用

出典:国税庁タックスアンサー No.4508「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(2026年8月9日確認)。 要件はこれ以外にも定められています。必ず原典をご確認ください。

対象期間は令和8年12月31日まで

この非課税措置の対象期間は令和8年(2026年)12月31日までとされています。今後どうなるかは、その時点の税制改正によります。利用を検討している場合は、必ず国税庁の最新情報で現在の取り扱いを確認してください。

制度を使うときに気をつけたいこと

  • 資金の贈与であること。家そのものを買って与えるのではなく、住宅を取得するための資金を渡す形が前提です
  • 渡す時期。支払いの前に渡す必要があります。取得や居住の時期についても要件が定められています
  • 申告。この特例を受けるには、要件を満たしたうえで期限内に贈与税の申告を行う必要があります
  • 他の制度との関係。相続時精算課税など別の制度もあり、どれを選ぶかで結果が変わります

いずれも判断を誤ると税額が変わります。金額が大きい話なので、税理士または所轄の税務署に確認したうえで進めてください。

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兄弟がいる場合の公平さ

子どもが複数いる場合、金額を揃えておくほうが安心です。住宅は金額が大きいため、差が出ると後々まで記憶に残ります。

難しいのは、家を建てる時期が子どもによって何年もずれることです。長男が家を建てたときに援助し、次男はまだ賃貸、というときにどうするか。

ケース例:長男が家を建て、次男はまだ予定が無い

長男への援助を控える必要はありません。ただし次男に方針を伝えておくことが大切です。「次に家を買うときは同じようにする」と言葉にしておけば、不公平感は生まれにくくなります。

伝えないまま長男だけに渡すと、次男が後から知ったときに問題になりやすくなります。金額の大小より、知らされていなかったことが引っかかるためです。

なお、生前の贈与は相続のときの取り扱いにも関わってきます。兄弟間の公平を長い目で考えるなら、この点も含めて専門家に相談しておくと安心です。

のしと渡し方

お祝いとして渡すなら、のしをつけるのが正式です。紅白の蝶結びに、表書きは「御新築御祝」。中古住宅やマンションの購入なら「御新居御祝」にします。

ただし親子間では、のし袋を省略することも多くあります。改まった形にこだわらず、渡しやすい形で構いません。資金援助として渡す場合は、のしはつけません。お祝いではなく、資金の受け渡しだからです。

渡す時期は、新居が完成して入居したあと。お披露目に呼ばれたらその日に持参するのが自然です。

新築祝いの「のし」を詳しく見る(水引・表書き・名前の書き方)

子からのお返しは必要か

親から子への新築祝いには、お返しは不要とされるのが一般的です。親子間では内祝いを省略します。

その代わりになるのが、新居に招いてもてなすことです。新築祝いには、お披露目でのもてなしがお返しにあたるという考え方があり、親子ならこれで十分とされます。

高額の援助を受けた場合も、品物で返す性質のものではありません。きちんとお礼を伝え、その後の様子を知らせることのほうが意味を持ちます。

新築祝いのお返しは必要?内祝いの金額・時期を詳しく見る

よくある質問

親から子への新築祝いはいくらが目安ですか?

お祝いとして贈るなら5〜10万円が目安です。金額の幅が大きいのは、お祝いの気持ちを形にするだけなのか、住宅取得の費用を援助するのかで性質が変わるためです。援助まで含める場合は、お祝いとは別の話として金額と税金を考えます。

新築祝いと住宅資金の援助は何が違いますか?

新築祝いは家が完成してから贈る、お祝いの贈り物です。住宅資金の援助は、家を取得するための資金を渡すもので、渡す時期も金額の規模も異なります。混ぜて考えると、のしの扱いも税金の扱いも判断しづらくなるため、分けて考えるのが確実です。

親から子へのお金に贈与税はかかりますか?

国税庁によれば、暦年課税では1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円を超える場合に贈与税がかかります。110万円以下であれば申告は不要とされています。5〜10万円程度の新築祝いがこの範囲に収まるのは明らかですが、住宅資金の援助となると規模が変わるため、制度の確認が必要になります。

住宅取得資金の贈与に非課税の制度はありますか?

国税庁の「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」があります。令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間の贈与が対象で、省エネ等住宅なら1,000万円まで、それ以外の住宅なら500万円までが非課税とされています。年齢・所得・床面積などの要件が細かく定められているため、必ず国税庁の案内を確認するか、税務署・税理士にご相談ください。

兄弟がいる場合、金額を揃えるべきですか?

揃えておくほうが安心です。住宅は金額が大きく、差が出ると後々まで残ります。同時期に揃えられない場合は、下の子が家を建てるときに同じ扱いをする方針を伝えておくと、不公平感が生まれにくくなります。

親から子への新築祝いにものしは必要ですか?

お祝いとして渡すなら、のしをつけるのが正式です。紅白の蝶結びに「御新築御祝」とします。ただし親子間では省略することも多く、のし袋に入れずに渡しても失礼にはあたりません。資金援助として渡す場合は、のしはつけません。

まとめ

  • お祝いとしての目安は5〜10万円
  • お祝いと資金援助は別のもの。時期・のし・税金の扱いがすべて違う
  • 資金援助は支払いの前に渡す。完成後では住宅取得の資金にならない
  • 贈与税は年間110万円の基礎控除を超える場合にかかる(国税庁)
  • 住宅取得等資金の非課税は省エネ等住宅1,000万円/それ以外500万円、対象は令和8年12月31日までの贈与
  • 要件は細かい。国税庁の最新情報を確認し、税理士・税務署に相談する
  • 兄弟がいるなら方針を伝えておく。金額差より「知らされていないこと」が問題になる
  • 子からのお返しは不要。新居に招いてもてなすのが代わりになる
新築祝いの相場全体を見る(関係別の早見表)

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参考情報

  1. 国税庁 タックスアンサー No.4508「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(2026年8月9日確認)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
  2. 国税庁 タックスアンサー No.4402「贈与税がかかる場合」(2026年8月9日確認)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
  3. リンベル ギフトコンシェルジュ「【贈る相手別】新築・引越し祝いの相場金額。基本マナー、人気ギフトもご紹介!」
    https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/1939
  4. 郵便局のネットショップ「【贈る相手別】引越し・新築祝いの相場、マナー、人気ギフトを解説」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx

税務に関する記述(110万円の基礎控除、非課税限度額、対象期間、受贈者・家屋の要件)は、すべて国税庁タックスアンサーの記載に基づいています。 金額のマナーに関する記述は、ギフト各社の情報を照合しています。

本記事の税務に関する記述は2026年8月9日時点の制度の概要であり、要件のすべてを記載したものではありません。税制は改正されます。 本記事は税務相談に代わるものではないため、実際の手続きにあたっては必ず国税庁の最新情報をご確認のうえ、税理士または所轄の税務署にご相談ください。 金額や作法に関する記述は一般的な目安であり、ご家庭の慣習によって異なります。