結論
のしとは、紙全体のことではありません。 紙の右上にある小さな六角形の飾りだけを指します。
のしはお祝い事にだけ使います。 弔事には付けません。もとは薄く伸ばした鮑を贈り物に添えた習わしに由来します。
まず押さえる3つの言葉
| 言葉 | 指すもの | 使う場面 |
|---|---|---|
| のし(熨斗) | 右上の小さな飾りだけ | 慶事のみ |
| のし紙 | のし+水引が印刷された紙 | 慶事 |
| 掛け紙 | 品物に掛ける紙の総称。 水引だけの弔事用も含む |
慶事・弔事の両方 |
日常会話では紙全体を「のし」と呼びますが、売り場で正確に伝えたいときはこの区別が役に立ちます。弔事なら「のしの付いていない掛け紙」を頼みます。
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のしは「右上の飾り」のこと
贈り物に掛ける紙を、多くの人が「のし」と呼びます。ただし本来の「のし」は、その紙の右上にある、小さな縦長の六角形の飾りだけを指す言葉です。
六角形の中に、細長い黄色いものが描かれています。これがのしの本体です。紙も水引も、のしではありません。
この区別が役に立つ場面
ふだんは紙全体を「のし」と呼んで差し支えありません。ただし弔事の贈り物を用意するときに、この区別が効きます。
弔事に使うのは「のしの付いていない紙」です。売り場で「のしをお願いします」と言うと、慶事用が出てくることがあります。「弔事用の掛け紙で」と伝えるのが確実です。
なぜ鮑が由来なのか
のしのもとは熨斗鮑(のしあわび)です。鮑の身を薄く削ぎ、引き伸ばして干したものを指します。
「熨斗」の「熨す(のす)」は、薄く伸ばすという意味です。伸ばした鮑だから熨斗鮑。この言葉が縮まって「のし」になりました。
鮑は保存がきき、古くから神事の供え物や、貴重な贈り物として扱われてきました。長く伸びる形から長寿や繁栄を願う意味も持ちます。
やがて本物の鮑を添える習わしは簡略化され、紙で包んだ意匠となり、現在は紙に印刷された絵として残っています。もとの鮑を知らなくても困りませんが、「生もの(なまもの)の象徴」という点だけは、後で説明する場面で効いてきます。
のし紙と掛け紙の違い
よく混同されますが、この2つは包含関係にあります。
| 種類 | のし | 水引 | 用途 |
|---|---|---|---|
| のし紙 | あり | 紅白・金銀など | お祝い、お礼、季節の贈り物 |
| 掛け紙(弔事用) | なし | 黒白・黄白など | 香典、お供え、法事の引き出物 |
「掛け紙」は品物に掛ける紙の総称です。のし紙も掛け紙の一種にあたります。弔事用を区別して呼びたいときに「掛け紙」という言葉が使われます。
のし紙を構成する3つの要素
のし紙は、次の3つでできています。どれを選ぶかで、贈り物の意味が決まります。
「のし」と呼ばれるのは右上の小さな飾りだけで、紙全体のことではありません。
弔事ではこの飾りが無い紙(掛け紙)を使います。
| 要素 | 位置 | 決めること |
|---|---|---|
| のし | 右上 | 慶事か弔事か(弔事なら付けない) |
| 水引 | 中央 | 色・本数・結び方で場面を表す |
| 表書き・名前 | 水引の上下 | 何の贈り物か、誰からか |
迷いやすいのは水引の結び方です。同じ慶事でも、結婚祝いと出産祝いで逆になります。
輪が二つあるのが蝶結び、中央で固く結ばれているのが結び切りです。
何度あってもよいお祝いは蝶結び、一度きりであってほしいことは結び切りを使います。
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のしを付けない場面
のしはお祝い事のしるしです。次の場面では付けません。
| 場面 | 理由 | 代わりに |
|---|---|---|
| 弔事全般 (香典・お供え・法事) |
祝い事ではないため | 黒白または黄白の結び切りの掛け紙 |
| お見舞い | 繰り返したくないこと | 紅白の結び切り、のしは付けない |
| 生ものを贈るとき | のし自体が生ものの象徴。意味が重複する | 水引だけの紙にする |
生ものについては、現在はそこまで厳密に扱われないことも多くなっています。気になる場合は売り場で「魚を贈ります」と伝えれば、適切なものを用意してもらえます。
お見舞いと快気祝いは逆になります
お見舞いは「繰り返したくないこと」なので、のしを付けず、結び切りを使います。
一方快気祝い(回復のお礼)は祝い事なので、のしを付け、紅白の結び切りにします。「病気が治って、これきりでありますように」という意味で、蝶結びにはしません。
選び方の3ステップ
売り場やネット注文で迷わないための順序です。
| 順番 | 決めること | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | 慶事か弔事か | 慶事ならのし紙、弔事なら掛け紙 |
| 2 | 水引の結び方 | 一度きりなら結び切り、何度あってもよいなら蝶結び |
| 3 | のし紙の掛け方 | 手渡しなら外のし、配送なら内のし |
店で用意してもらう場合は、「何のお祝いで、手渡しか配送か」を伝えれば適切なものが出てきます。「結婚祝いで、手渡しします」のように伝えるのが確実です。
重ねる順が違うだけです。内のし=品物→のし紙→包装紙、外のし=品物→包装紙→のし紙。
どちらが正しいという決まりはなく、渡し方に合わせて選びます。
よくある質問
のしとは何ですか?
のし紙の右上にある、小さな縦長六角形の飾りのことです。紙全体を指す言葉ではありません。もとは薄く伸ばした鮑(熨斗鮑)を添えた習わしに由来し、現在は紙に印刷された意匠として残っています。
のし紙と掛け紙は何が違いますか?
のし紙は、のしと水引が印刷された慶事用の紙です。掛け紙はより広い言葉で、水引だけが印刷された弔事用のものも含みます。弔事にはのしが付いていない掛け紙を使うため、売り場では「弔事用」と表示されたものを選びます。
弔事にのしを付けてもよいですか?
付けません。のしはもともと祝い事の贈り物に添えるものだからです。香典やお供え、法事の引き出物には、のしのない掛け紙を使います。水引は黒白または黄白の結び切りを選びます。
生ものを贈るときものしを付けますか?
付けないという考え方があります。のしは生ものの象徴である鮑に由来するため、魚や肉など生鮮品を贈る場合は意味が重複するとされるためです。ただし現在はそこまで厳密に扱われないことも多く、売り場で確認すれば適切なものを用意してもらえます。
お見舞いにのしは使いますか?
お見舞いにはのしを付けないのが一般的です。病気や災害は繰り返したくないことなので、水引も結び切りを使い、のしは付けません。快気祝いになれば、紅白の結び切りにのしを付けます。
のし紙は自分で用意する必要がありますか?
百貨店やギフト売り場で購入する場合は、用途を伝えれば適切なものを用意してもらえます。「結婚祝いで、手渡しします」のように、目的と渡し方を伝えるのが確実です。市販ののし紙を自分で用意することもできます。
まとめ
- のしは紙全体ではなく、右上の小さな六角形の飾り
- 由来は熨斗鮑。薄く伸ばした鮑で、長寿・繁栄を願う意味を持つ
- のし紙=のし+水引(慶事)/掛け紙=総称。弔事用はのし無し
- のし紙はのし・水引・表書きの3要素でできている
- 弔事・お見舞い・生ものにはのしを付けない
- お見舞いはのし無しの結び切り、快気祝いはのし付きの結び切り
- 選ぶ順は慶弔 → 結び方 → 内のし/外のし
- 売り場では「何のお祝いで、手渡しか配送か」を伝えれば確実
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参考情報
- シャディ ギフトモール「のし(熨斗)とは何なのか?気になるのしの使い方」
https://shaddy.jp/manner/wrapping/decoration/ - リンベル ギフトコンシェルジュ「のし紙と掛け紙の違い、押さえておきたいマナーについて解説」
https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/7665 - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー|それぞれの違いやシーン別の選び方・表書きを解説」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 高島屋「進物の基礎知識 掛紙とのし紙|タカシマヤのご贈答マナー」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
「のしは右上の飾りを指す」「熨斗鮑に由来する」「弔事にはのしを付けない」という点は、参照した情報源で一致しています。
本記事で紹介している作法は一般的な目安です。のしや水引の扱いは地域やご家庭の慣習によって異なる場合があります。 判断に迷う場合は、ご親族や購入先の売り場にご確認いただくのが確実です。