結論
式へ伺えないと分かったときは、まず弔電を送り、香典は後日渡すという形が基本になりますので、 当日までに済ませることをこの二つから決めていくと迷わずに済みます。 弔電は葬儀の開始前までに届くよう、自宅ではなく式場宛で手配します。
欠席の理由をこちらから詳しく述べる必要はなく、「やむを得ない事情で」とだけ伝えれば足ります。 ご遺族は葬儀の支度と弔問への応対が重なっている最中ですので、 伝える言葉が短いほど、相手の側で返す言葉も少なくて済みます。
やることの順序
訃報の知らせを受けたその場で、仕事の予定や住んでいる場所の事情から式へは伺えないと分かることがあり、 そのとき何から手をつければよいのかで動きが止まります。 翌日が通夜、その次の日が葬儀という日程で知らされることも珍しくありません。
連絡・弔電・供花・香典と手立てはいくつも並んでいますが、それぞれに間に合う時限が決まっていますし、 どれを選ぶかは故人やご遺族とどれだけ近かったかで変わります。 式が終わってから動いたのでは意味をなさないものと、あとからでも間に合うものが混じっている点が、判断を分けています。
| やること | 間に合わせる時期 |
|---|---|
| 1 欠席の連絡 | できるだけ早く伝え、あわせてお悔やみを述べます |
| 2 弔電 | 葬儀の開始前までに届くよう手配します |
| 3 供花・供物(任意) | 通夜の開始前までに間に合うよう申し込みます |
| 4 香典 | 葬儀後1週間から四十九日までの間に渡します |
四つを全部そろえなければ失礼になるということはなく、1と4だけでも十分に弔意は伝わります。すでに間に合わない手立てを慌てて追いかけるよりも、まだ手の届くものを一つずつ確実に済ませるほうが、受け取る側の手間も増えません。
訃報が届くのは平日の夜や早朝が多く、勤め先の会議や子どもの行事と重なって身動きが取れないと分かった時点で、 まず電話かメールで伺えない旨を伝えておきます。 ここで日をまたいでしまうと、席や料理の数を数え直す手間がご遺族の側に残ります。
早めに一報を入れておけば先方は当日の人数を組み直さずに済みますし、 こちらも弔電や香典の段取りのほうへ気持ちを移せます。 後日あらためて香典を渡すつもりでいるのなら、その旨も最初の連絡で添えておくと、二度手間になりません。
弔電の送り方
弔電は電報の一種ですが、ふだん打つ機会のないものですので、 どこへ宛てて誰の名前で出すのかという初歩のところでつまずきます。 式場の住所も、訃報の知らせに小さく添えられているだけということがあります。
迷いやすいのは宛先と宛名、それに文中で故人をどう呼ぶかの三つで、 いずれも喪主を基点にして考えると自然に決まります。 式場で読み上げられる場面を思い浮かべておくと、どちらの言い方が収まるのかも見当がつきます。
| 決めること | どうするか |
|---|---|
| 宛先 | 式場へ送ります。自宅宛では届きません |
| 宛名 | 喪主の氏名にします。不明なら「〇〇家 ご遺族様」とします |
| 届く時期 | 葬儀の開始前までに届くよう手配します |
| 申し込み先 | NTTの「D-MAIL」や郵便局の窓口から申し込めます |
| 故人の呼び方 | 喪主から見た続柄にします(ご尊父様、ご母堂様) |
文面で気をつけるのは忌み言葉で、重ね重ね・たびたび・ますます・返す返すといった重ね言葉は、不幸が繰り返される連想から使いません。「死ぬ」「生きる」も「ご逝去」「ご生前」へ言い換えますが、用意された定型文をそのまま使えばこの心配は残りません。
申し込み先はNTTの「D-MAIL」だけではなく、郵便局や各種オンラインサービスからも出せますので、 深夜に訃報を受けた場合でも手続きそのものは進められます。 文例は台紙の種類ごとにいくつも並んでいて、選んで差出人の名前を入れるだけで文面が整います。
故人の呼び方を喪主から見た続柄にするため、友人の父親が亡くなった場合でも文中は「ご尊父様」、 母親であれば「ご母堂様」と書きます。 自分から見た関係で書いてしまうと読み上げる側も受け取る側も一度考え込むことになりますので、 申し込みの画面で誰に宛てているのかを確かめてから送信します。
香典をどうするか
式に出ないのだから香典も控えるべきなのか、それとも包む額を減らすものなのかというところで手が止まります。 顔を出さないまま現金を包むこと自体に、どこか落ち着かないものを感じる方もいます。
ここで判断を分けているのは香典が何に対して包むものかという一点で、 これは参列の対価ではなく弔意を示すものですから、式に出るかどうかとは切り離して考えます。 あとは自分がどこに住んでいて、いつご遺族に会えるのかによって渡し方が決まります。
| 渡し方 | 向いている場合 |
|---|---|
| 後日弔問して手渡す | 近くに住んでいる場合に選べ、もっとも丁寧な形になります |
| 現金書留で送る | 遠方のときに選びます。普通郵便では送れません |
| 参列する人に託す | 確実に渡せる相手がいる場合にかぎって選びます |
包む額は参列した場合と同額で構わず、式に出ていないからといって減らす必要はありません。表書きは四十九日までなら「御霊前」で浄土真宗だけ「御仏前」、四十九日以降は「御仏前」となり、宗派が分からなければ「御香典」にしておけばどの仏式でも使えます。
もっとも丁寧なのは日を改めて弔問し、仏壇の前で直接お渡しする形で、同じ市内に住んでいるのであればこれが選べます。 ただし葬儀の直後は弔問客の応対が続いていますので、初七日を過ぎたころに先方の都合を尋ねてから伺います。
遠方で伺えないときは現金書留で送ることになり、現金を普通郵便に入れて出すことはできませんので、 郵便局の窓口で専用の封筒を求めます。 同じ職場の人が参列するのなら託す方法も残っていますが、確実に渡せる相手がいる場合にかぎられ、 面識の薄い相手に預けると受付でどう扱われるか分かりません。
香典を後日渡す方法を詳しく見る供花・供物を送る場合
弔電だけでは足りないと感じるほど故人と近かった場合に、供花や供物を送るという選択肢が出てきます。 式場の壁際に並ぶ花の列を思い浮かべて、そこへ自分の名前も出しておきたいと考える場面です。
ただし供花はこちらの一存で手配できるものではなく、会場の広さや祭壇の統一という事情が 葬儀社とご遺族の側にあります。 宗派によって使う花そのものが違いますし、はじめから受け付けていない葬儀も少なくありません。
| 確かめること | どうなっているか |
|---|---|
| 葬儀社への連絡 | 必ず先に連絡してから手配します |
| 受け付けの可否 | 会場の広さや祭壇の統一のため、断る葬儀があります |
| 花の種類 | 仏式は白菊が中心で、キリスト教式は籠花になります |
| 供物の可否 | 神式・キリスト教式では贈らないことがあります |
近年は「供花・供物ご辞退」と案内される葬儀が増えており、その案内が出ているのであればそれに従います。家族葬では香典も供花もまとめて辞退されることがよくありますので、ご遺族の意向が最優先で、こちらの気持ちを通す場面ではありません。
供花を思い立ったら、まず訃報に記されている葬儀社へ電話を入れて、受け付けているかどうかと締切を尋ねます。 祭壇の左右に並ぶ花はあらかじめ数と大きさが決められていることが多く、 あとから一基だけ足すと全体の形が崩れます。
果物の籠や線香といった供物を送る場合も同じで、神式やキリスト教式では贈らない習わしのところがありますので、 宗旨を確かめないまま手配すると先方が扱いに困ります。 葬儀社を通して申し込んでおけば、その式に合う形のものをそろえてもらえます。
伝え方の例
欠席を伝える電話で、行けない理由をどこまで話すべきかで迷い、 つい出張や会議の事情を並べてしまいがちです。 黙っているほうがかえって不誠実に見えるのではないかという気持ちも働きます。
分かれ目はこちらの事情をどれだけ話すかではなく、聞く側にその話を受け止める余裕が残っているかどうかで、 そこを読み違えると気遣いのつもりが逆に働きます。 理由を並べるほど、相手はそれに応じる言葉を探さなければならなくなります。
| 場面 | 言い方 |
|---|---|
| 避けたい言い方 | 「出張と重なっていて、どうしても外せない会議が」のように並べます |
| 欠席を伝える | 「やむを得ない事情で伺えず、申し訳ありません」と述べます |
| お悔やみの言葉 | 「このたびはご愁傷様でございます」が定型になります |
| 書面やメールで結ぶ | 「心よりお悔やみ申し上げます」も定型として使えます |
| 死因 | 尋ねません。ご遺族から話す場合を除いて触れません |
ご遺族は葬儀の支度と並行して多くの人に応対している最中ですから、短く伝えるほうが負担になりません。言葉を尽くさなかったことが冷たさとして残るわけではなく、長い説明のほうがかえって相手の時間を奪います。
電話口で「このたびはご愁傷様でございます」と述べ、続けて伺えない旨を一言添えれば、それで用件は足ります。 長く話す必要はありませんし、書面やメールであれば「心よりお悔やみ申し上げます」と結んでおけば形になります。
もう一つ気をつけたいのが死因で、何があったのかをこちらから尋ねないのが基本になります。 ご遺族が自分から話す場合を除いて触れないほうがよく、 こちらが黙っていれば、話したくなったときに向こうから口を開けます。
式に伺えないときの振る舞いに一つだけの正解があるわけではなく、 故人とどれだけ近かったかと自分の置かれた事情を見て、手の届く範囲から選べばそれで足ります。 同じ市内であれば日を改めて弔問できますし、遠方であれば弔電と現金書留だけでも弔意は伝わります。
どの場合でも変わらないのは、伺えないと分かった時点で早めに一報を入れることと、 こちらの事情を長く述べないことの二つだけです。 この二つを押さえていれば、供花の可否や表書きの細かいところを思い出せなくても、受け取る側が困ることはありません。
よくある質問
葬儀に行けないとき、まず何をすればよいですか?
できるだけ早く欠席の連絡とお悔やみを伝え、次に弔電を葬儀の開始前までに届くよう送ります。香典は葬儀後1週間から四十九日までの間に渡しますので、四つをすべて行う必要はなく、連絡と香典だけでも十分に弔意は伝わります。
弔電はどこに送りますか?
自宅ではなく式場に送ります。宛名は喪主にしますが、氏名が分からなければ「〇〇家 ご遺族様」としておけば差し支えありません。届くのが葬儀の開始後になっては意味をなしませんので、開始前までに間に合うよう手配してください。
弔電の文面で気をつけることは?
重ね重ね・たびたび・ますます・返す返すといった重ね言葉は、不幸が繰り返される連想があるため避けます。「死ぬ」「生きる」も「ご逝去」「ご生前」へ言い換えますが、定型文が用意されていますので、そのまま使えば問題ありません。
参列しない場合、香典は減らしますか?
参列した場合と同額で構わず、式に出ていないからといって減らす必要はありません。渡し方は後日弔問して手渡すか現金書留で送るかのどちらかで、現金を普通郵便に入れて送ることはできませんので、郵便局の窓口で専用の封筒を求めてください。
供花を送ってもよいですか?
会場の広さや祭壇の統一のため受け付けない葬儀がありますので、必ず葬儀社に連絡してから手配してください。宗派によって使う花も異なりますし、近年は「供花・供物ご辞退」と案内される葬儀も増えていますので、案内があればそれに従います。
欠席の理由は説明すべきですか?
詳しく説明する必要はなく、「やむを得ない事情で伺えず、申し訳ありません」で十分です。ご遺族は多くの人に対応している最中ですので、事情を並べるほど相手はそれに応じる言葉を探すことになり、短く伝えるほうが負担になりません。
まとめ
- まず弔電を送り、香典は後日渡します
- 弔電は葬儀の開始前までに式場宛で手配します
- 宛名は喪主にし、不明なら「〇〇家 ご遺族様」とします
- 重ね言葉を避け、定型文をそのまま使えば足ります
- 香典は参列した場合と同額で構いません
- 郵送は現金書留のみで、普通郵便では送れません
- 供花は必ず葬儀社に確認してから手配します
- 欠席の理由は詳しく説明しません
参考情報
- リンベル ギフトコンシェルジュ「贈り物のマナー」
https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/1939 - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
弔電を葬儀開始前までに式場へ送る点、忌み言葉を避ける点は、参照した情報源で共通しています。供花の可否を葬儀社に確認する必要がある点も同様です。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。地域・宗派・ご家庭の慣習によって差が大きい分野です。判断に迷う場合は、ご親族や葬儀社にご確認ください。