結論

両方に参列するのは家族・親族ととくに親しい間柄の方で、 友人・知人・仕事関係であればどちらか一方に伺えば十分ですし、 弔意の深さが参列した回数で測られることはありません。

両方に出る場合でも香典をお渡しするのは一方だけで、 二日目の受付では記帳だけを済ませ、 「昨日お渡ししております」とひと言添えておけばそれで通ります。

関係別・どちらに参列するか

関係目安考え方
家族・親族 両方に参列します 見送る側に立ち、出棺と火葬にも関わります
とくに親しい友人 両方、または告別式に伺います 最後まで見送りたいときはこちらになります
友人・知人 どちらか一方で足ります 夕方から始まる通夜が選ばれています
仕事関係 通夜だけで差し支えありません 部署のなかで歩調を合わせておきます
近所の方 通夜だけで差し支えありません 町内でまとめて伺う地域もあります
面識が薄い 通夜のみか、香典だけを届けます 参列しないという選び方も残っています

両方に出るほど丁寧になるというものではなく、参列する人が増えればご遺族の側で整えるものも増えていきます。 関係に見合ったところで参列を区切っておくことが、席を用意する側にとっては結果としていちばんの配慮になります。

両方出るのは誰か

訃報の知らせには通夜と告別式の日時が並べて書かれていることが多く、 受け取った時点でどちらへ伺うのかを決めなければなりません。 故人にお世話になった思いが強いほど、両方に足を運ぶのが筋ではないかという気持ちが先に立ちます。

ここで見ておきたいのは、自分が見送る側に立つのか、送られる側の輪の外にいるのかという点です。 同じように悲しんでいても、会場のなかで担う役目はこの二つでまったく変わりますので、 参列の回数もそこから決まってきます。

参列者が増えるとご遺族の側で起きること
受付記帳と香典の受け取りに人手が要ります
返礼品人数を見込んで数を用意することになります
席会場の広さと椅子の数を決め直します
通夜ぶるまい料理の量を人数に合わせて増やします
喪主の挨拶一人ずつ応対する時間がそのぶん延びます

とくに家族葬や小さな会場での葬儀では、人数が絞られていることが前提になっています。丁寧にしようという気持ちで二日とも伺うことが、席の数や返礼品の手配という形でご遺族の手間に変わってしまう場合もありますので、関係に見合ったところで区切ってください。

葬儀そのものが小さくなってきていることは、業者の全国調査からも読み取れます。 鎌倉新書が運営する葬儀相談サイト「いい葬儀」が2026年2月27日から3月3日にかけて、 直近2年以内に喪主または喪主に準ずる立場を経験した全国の40歳以上の男女2,000件から回答を得た第7回お葬式に関する全国調査では、 実際に行った葬儀の種類は家族葬が47.0パーセントで最も多く、一般葬が30.2パーセントで続いています。

これは参列する側の意向を尋ねたものではなく、喪主を務めた方が実際に行った葬儀の形式を集計したものですが、 通夜を行わない一日葬が11.9パーセント、直葬・火葬式が10.8パーセントを占めており、 そもそも二日に分けて営まれない葬儀が2割を超えていることも分かります。

香典は一方だけ

通夜と告別式の両方に伺うと決めたとき、次に迷うのが香典袋をいくつ用意するかという点です。 受付は二日とも設けられていますし、記帳の列もその都度できますので、 手ぶらで前に立つことにためらいを覚えます。

判断の分かれ目は、受付に並ぶ回数と香典をお渡しする回数を同じにするかどうかにあります。 弔事には繰り返しを避けるという考え方が通っていますので、 この二つは切り離して考えることになります。

日受付ですること
通夜香典をお渡しし、あわせて記帳を済ませます
葬儀・告別式記帳だけを済ませ、渡した旨をひと言添えます
告別式から伺う初めに並んだ受付で香典をお渡しします

二度お渡しすると不幸が重なるという受け取り方をされますので、香典は先に伺った日にお渡しします。受付の係は日ごとに交代することが多く、前日のやり取りまでは引き継がれていない場合がありますので、二日目にひと言添えておくと確認の手間が生まれません。

実際にありがちなのが、二日目の受付で袱紗を出しかけて、係の方に押し戻される場面です。 名簿と照らし合わせて確かめようとすると列が止まりますし、 うしろに並んでいる方を待たせることになりますので、こちらから先に伝えておくほうが早く済みます。

伝え方は、記帳を終えて筆を置いたところで、昨日お渡ししておりますと短く添えるだけで足ります。 係の方はそのまま名簿へ印を付けて次の方へ移れますので、 説明を足したり、金額に触れたりする必要はありません。

服装は変えてよいか

二日続けて会場へ足を運ぶとなると、クローゼットの前でもうひとつ迷うことになります。 昨日と同じ喪服をそのまま着ていってよいのか、それとも何か替えるべきなのかという迷いです。

考え方の軸になるのは、二日のあいだで格を下げていないかどうかという一点です。 通夜と告別式では求められる格が違うとされていますので、 同じ喪服かどうかよりも、前の日との上下のほうが見られます。

組み合わせ可否
通夜が略喪服、告別式が準喪服そのまま整う形で、問題ありません
両日とも準喪服もっとも一般的で、迷ったらこちらです
通夜が準喪服、告別式が略喪服格を落とすことになるので避けてください

同じ喪服を二日続けて着ることには、この表のどの組み合わせであってもまったく差し支えがありません。替えるのはシャツやインナー、靴下といった内側のもので十分ですし、そのほうが二日目の朝に慌てずに済みます。上着とスカートやスラックスのほうは、洗い替えを探さずにそのまま同じもので通してください。

困るのは、通夜へ仕事帰りに立ち寄った方が、告別式でも同じ濃紺のスーツで済ませようとする場合です。 通夜だけであれば急いで駆けつけた形として受け取られますが、 翌日の告別式は日中に営まれますので、支度をする時間があったものとして見られます。

前日に略喪服で伺ったのであれば、翌朝は黒の喪服に替えて出直しておけばそれで整います。 手元に喪服がない場合でも、光沢のない黒に近い色でそろえ、 ネクタイと靴と鞄を黒にしておけば、格が下がったようには見えません。

葬儀の服装を詳しく見る

親族として両方出る場合

叔父や叔母、いとこといった立場で声をかけられたとき、自分が参列する側なのか迎える側なのかで迷います。 席次も焼香の順も当日に案内されますが、当日までに決めておかなければならないことがいくつかあります。

分かれ目になるのは、会場に人を迎える側へ回るかどうかという一点で、 ここが変わると到着の時刻も服装の決め方も香典の扱いも動きます。 一般の参列者と同じつもりで支度をしていると、当日になって間に合いません。

項目親族の場合
到着開式の1時間前を目安に会場へ入ります
服装準喪服にします(喪主と近親者は正喪服のことも)
香典通夜で渡しますが、費用を分担するなら包みません
焼香一般の参列者より先に、故人に近い順で進みます
告別式のあと出棺と火葬、精進落としまで関わります

親族の服装で優先されるのは、格の高さそのものよりも家のなかでそろっているかという点です。一人だけ正喪服になっていたり、逆に一人だけ軽い装いになっていたりすると並んだときに目立ちますので、喪主やご家族に前もって確かめておくのが確実です。

とくに間違えやすいのが香典の扱いで、葬儀の費用を兄弟姉妹で分け合う取り決めがある場合には、 そこへ重ねて香典を包む必要がありません。 話し合いが済まないまま当日を迎えると、受付で渡すかどうかをその場で決めることになります。

通夜の前日までに、喪主を務める方へ一度だけ尋ねておけばそれで片づきます。 費用を分担するのか、それぞれが香典として包むのかを聞いておけば、 当日は到着の時刻と服装のことだけを考えていれば済みます。

一方を選ぶときの基準

訃報は前触れなく届きますので、二日とも空けられることのほうが少なくなります。 勤務の予定が入っていたり、子どもの学校の行事が重なっていたり、 新幹線や飛行機の便を押さえるところから始めなければならないこともあります。

決め手になるのは、自分の都合と、故人をどこまで見送りたいかの兼ね合いです。 通夜と告別式では始まる時刻も、そのあとに続くものも違いますので、 どちらが自分の事情に収まるかで選ぶことになります。

こんなときは選ぶ
仕事や学校を休めない夕方から始まる通夜のほうへ伺います
最後まで見送りたい出棺のある告別式のほうを選びます
遠方から向かう移動にかかる時間で決めて差し支えありません
職場でまとまって参列する部署としての方針にそろえておきます

どちらの日も都合がつかないときに、参列しないままで終える必要はありません。香典を現金書留で郵送する、弔電を式に間に合うように送るという手立てが残っていますし、後日あらためてご自宅へ弔問に伺う道もありますので、その日に伺えなかったこと自体が失礼になるわけではありません。

職場から複数人で参列する場合は、自分だけで決めずに先に周りへ声をかけておいてください。 同じ部署から一人は通夜、もう一人は告別式というように分かれてしまうと、 受付の芳名帳にも香典の記録にも二か所へ会社の名前が並ぶことになります。

取引先の葬儀であれば、上長がどちらへ出るのかを確かめてから合わせておけば間違いがありません。 社名で供花や弔電を出す手配とも重なりますので、 誰がどちらの日に伺うかを一度そろえておくほうが、あとの整理も楽になります。

どちらに伺うかに唯一の正解があるわけではなく、故人との関わり方も、その日に動かせない予定も人それぞれです。 両方に足を運べる立場の方はそうすればよく、一方しか伺えなくても、 それで弔意が半分になるということはなく、会場で人を迎える側に回るかどうかによって参列の回数はおのずと決まってきます。

どの立場であっても変わらないのは、香典をお渡しするのは一度きりにとどめることと、 迷ったときにはご遺族の手間が増えないほうを選ぶことです。 二日目の受付でひと言添えておく、部署のなかで出る日をそろえておくといった小さな配慮が、 忙しく立ち働いているご遺族の側をいちばん助けます。

よくある質問

通夜と葬儀の両方に参列すべきですか?

両方出るのは家族・親族と、とくに親しい間柄です。友人・知人・仕事関係はどちらか一方で十分です。弔意の深さは参列回数で測られるものではありません。

両方出る場合、香典は2回渡しますか?

渡しません。二度渡すと「不幸が重なる」として避けられます。通夜で渡し、二日目の受付では記帳のみを行い「昨日お渡ししております」と伝えます。受付の係は日ごとに交代することが多いため、ひと言添えると確認の手間がなくなります。

通夜と告別式で服装を変えてもよいですか?

構いません。ただし告別式のほうを整えるのが原則です。通夜が略喪服で告別式が準喪服という組み合わせは問題ありませんが、その逆は避けます。同じ喪服を二日続けて着ることは問題ありません。

親族は何時に会場へ行けばよいですか?

開式の1時間前を目安にします。親族は参列者を迎える立場になるため、一般の参列者より早く入ります。服装は家の中で揃えることが優先されるので、喪主やご家族に確認しておくと確実です。

どちらか一方を選ぶとき、何を基準にしますか?

仕事や学校を休めないなら通夜、最後まで見送りたいなら告別式です。職場でまとまって参列する場合は部署の方針に合わせます。どちらも都合がつかない場合は、香典の郵送や弔電という方法があります。

両方出たほうが丁寧ですか?

そうとは限りません。参列者が増えれば受付・返礼品・席の用意など遺族側の準備も増えます。とくに家族葬や小規模な葬儀では人数が絞られていることが前提です。関係に見合った参列が、結果として配慮になります。

まとめ

  • 両方に伺うのは家族・親族と、とくに親しい間柄にかぎられます
  • 友人・知人・仕事関係はどちらか一方で足ります
  • 香典は一方だけで、二日目は記帳だけを済ませます
  • 二日目は「昨日お渡ししております」と添えます
  • 服装は告別式のほうを整えます
  • 親族は開式の1時間前を目安に会場へ入ります
  • 両方に出るほど丁寧、ということはありません

参考情報

  1. 安心葬儀「通夜と葬儀・告別式の違いとは?どちらに参列すべきか解説」
    https://ansinsougi.jp/p-129
  2. 小さなお葬式「通夜と葬儀・告別式は何が違う?流れや日程の決め方を解説!」
    https://www.osohshiki.jp/column/article/859/
  3. 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「お葬式(お通夜/告別式)に相応しい服装【迷わないための完全ガイド】」
    https://www.zensoren.or.jp/dictionary/dictionary04/
  4. 鎌倉新書「いい葬儀」第7回お葬式に関する全国調査(2026年)(2026年2月から3月に実施・有効回答2,000件)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000009951.html

本文で引用した鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」は、2026年2月から3月にインターネットで2,000件の回答を得たもので、参列する側の意向ではなく、喪主を経験した方が実際に行った葬儀の形式を集計したものです。通夜・葬儀・告別式それぞれの意味、開始時刻、流れは、参照した情報源で共通しています。「一般参列者がどちらに出るか」は説明の力点が分かれるため、本文では経緯を含めて記載しています。

本記事で紹介している流れや作法は一般的な目安です。地域・宗派・葬儀社によって進行が異なる場合があります。ご判断に迷う場合は、案内状の記載や葬儀社の指示に従ってください。