結論
成人祝いは現金がもっとも多く選ばれていますが、 品物で贈るのなら社会に出てからも長く使える実用品が向いており、 流行を追ったものより、素材のよい定番のほうが結局は残ります。
ただし18歳や19歳の相手にお酒を贈るのは避けてください。 成年年齢は18歳へ引き下げられましたが、 飲酒と喫煙については従来どおり20歳からと定められたままになっています。
品物選びに迷うのであれば、現金と小さな品物を組み合わせる形にすると、 当座の費用と記念の品を一度に贈ったことになりますから、 実用の面でも気持ちの面でも過不足のない形に収まります。
現金と品物のどちらにするか
成人祝いを用意しようとして最初に立ち止まるのが、 現金にするか品物にするかという分かれ道で、 現金はどうしても味気なく見えますし、品物は品物で好みを外すおそれがあります。
判断の軸になるのは本人が何にお金を使う時期にいるかという点で、 成人式の前後は振袖の支度や写真代、大学の学費や一人暮らしの費用が重なり、 使い道を自分で決められる現金のありがたみが大きくなります。
| どんな間柄か | 向いている贈り方 |
|---|---|
| 祖父母から孫へ | 現金にして、使い道は本人に任せます |
| 叔父叔母から甥姪へ | 現金のほうが好みを外さずに済みます |
| 親から子へ | 記念に残る品物を選ぶ家が多くなっています |
| 友人どうし | 品物にして、金額はあまりかけないほうが気楽です |
| 好みがよく分かっている | 品物を選んでも外しません |
| 何年も会っていない | 現金か商品券にしておくほうが確実です |
現金が味気なく見えてしまうのは、袋に何も添えていないからです。短い手紙を一枚入れておくだけで受け取り方が変わりますし、そこに書かれた言葉のほうが、包んだ金額よりもずっと長く手元に残ります。品物を選ぶ自信がないのであれば、現金に手紙を添えるという形がいちばん確実です。
現金と品物の両方を組み合わせるやり方も、親や祖父母のあいだで広く取られています。 祝い金をきちんと包んだうえで、名入れのできる小さな記念の品を添えるという形になります。
現金と品物を組み合わせる形が収まりやすいのは、実用と記念がそれぞれ別の役割を担うためで、 現金は当座の費用に消えていきますが、万年筆や腕時計は十年後にも手元に残ります。 添える品は高価である必要がなく、名入れができるものであれば、 価格にかかわらず記念としての意味が生まれます。
男性へ贈るときの定番
男性へ品物を贈るとなると、途端に選択肢が絞りにくくなるもので、 趣味の分野に踏み込めば外しやすくなりますし、 かといって当たり障りのないものを選ぶと、今度は印象に残らないまま終わります。
選ぶ手がかりになるのはこれから社会に出る時期にいるという点で、 就職活動や新社会人の場面で使う道具は、本人がまだ持っていないことが多く、 自分では後回しにしがちな品でもあります。
| どんな品か | 向いている理由 |
|---|---|
| 腕時計 | 就職活動から仕事まで長く使えます |
| 革の名刺入れ | 社会に出てすぐ必要になる道具です |
| 万年筆やボールペン | 名入れができるので記念に残ります |
| 革のベルトや長財布 | 自分では上等なものを買わない品です |
| ネクタイ | 就職活動を控えているなら実用的です |
| ビジネスバッグ | 進路が決まっているなら喜ばれます |
筆記具を目上へ贈るのは避けられていますが、成人祝いでは事情が違います。「勉学に励みなさい」という含みが問題になるのは目上へ贈るときの話であって、これから社会に出ていく若い相手に贈るぶんには、むしろ節目にふさわしい品として受け取られます。
品物を選ぶときに気をつけたいのがサイズや好みに左右されるもので、 服や靴は寸法が合わなければ使えませんし、 色や形の好みも二十歳前後でははっきり分かれます。
同じ身につけるものでも、寸法の関係しない小物であれば外しにくくなります。 名刺入れ、財布、キーケースといった革小物は、サイズが問題になりませんし、 黒や濃い茶色を選んでおけば手持ちのものとも合わせやすくなります。 どうしても服を贈りたいのであれば、本人か親に好みを聞いてからにしてください。
女性へ贈るときの定番
女性へ贈る場合も考え方の筋は同じですが、 身につけるものの好みがより細かく分かれるため、 アクセサリーや化粧品は、間柄が近くないかぎり選びにくい分野になります。 同じ真珠の一粒でも、留め具の形ひとつで好みが割れることがあります。
判断の手がかりは本人がふだん何を身につけているかで、 金色を好むか銀色を好むか、装飾の多いものを選ぶか簡素なものを選ぶかで、 同じ予算でも喜ばれる品がまったく変わります。
| どんな品か | 向いている理由 |
|---|---|
| 小ぶりのアクセサリー | 本人の好みが分かっているなら記念になります |
| 革の長財布や名刺入れ | 社会に出てから長く使えます |
| 腕時計 | 就職活動でも使えるので実用的です |
| 化粧品や香水 | 好みが分かれるので、間柄が近いときに限ります |
| カタログギフト | 好みが読めないときは、これが確実です |
| 商品券やギフトカード | 現金より柔らかく見えて、使い道も自由です |
好みが読めないのなら、カタログギフトを選んでも失礼にはなりません。目上へ贈るときには手抜きに見えると言われることがありますが、成人祝いは年下へ贈るものですし、本人が自分で選べるほうが結局は使ってもらえます。
女性への贈り物で意外と喜ばれるのが、 成人式の当日にそのまま使えるもので、 振袖に合わせる小物は、レンタルの一式に含まれていないことがよくあります。
髪飾りやショール、草履を入れる袋といった品は 当日その場で役に立ちますし、写真にも残ります。 ただし振袖の色柄と合わせる必要があるため、 贈るのであれば親に一度確認してからにしてください。 支度を進めている母親は、何が足りていないかをいちばんよく把握しています。
避けたほうがよいもの
成人祝いには避けたほうがよい品がいくつかあり、 なかには成年年齢の引き下げによって新たに注意が要るようになったものまで含まれていますから、 良かれと思って選んだ品が、渡す段になって問題になることがあります。
分けて考えたいのは、法律の上で問題があるものと、 縁起や含みの上で避けられてきたものの二つで、 前者は間柄にかかわらず必ず外しますが、後者は相手との間柄と、 その場にどの世代が居合わせるかで判断が変わってきます。
| どんな品か | 避ける理由 |
|---|---|
| お酒(相手が18歳や19歳) | 飲酒は20歳からと定められています |
| たばこ関連の品 | 喫煙も20歳からなので、年齢を確かめます |
| 刃物 | 縁を切るという含みがあるため避けられています |
| 靴下やスリッパ | 踏みつけるものなので、目上へは贈りません |
| 白いハンカチ | 別れを連想させるという見方が残っています |
| 高価すぎる品 | 親が返礼を考え始めるので、控えめにします |
年齢の確認だけは省かないでください。成年年齢は18歳へ引き下げられましたが、飲酒と喫煙、それに公営競技の投票券の購入については、従来どおり20歳からと定められたままになっています。二十歳の式に出ている本人であっても、その年の誕生日をまだ迎えていなければ19歳ということがあります。
お酒を贈るなら、誕生日を確かめてから
成人式は一月に行われるため、その年度に二十歳になる人のなかには、まだ誕生日を迎えていない人が含まれます。式に出ているからといって、全員が二十歳とは限りません。
本人の誕生月が分からないのであれば、お酒は外して別の品にしておくほうが確実ですし、どうしても贈りたいのであれば、親に一度確かめてから決めてください。
縁起の上で避けられている品については、 親族や年下へ贈るぶんには気にしない家も増えています。 靴下やハンカチを実際に贈って問題になったという話は、そう聞くものではありません。
とはいえ、気にする人が一人でもいる場では避けておくほうが無難で、 とくに祖父母の世代が同席する場面では、そうした含みを知っている人が必ずいます。 本人が気にしなくても、まわりから「あれはどうか」という声が出ると、 受け取った側が居心地の悪い思いをすることになります。
予算別の選び方
品物で贈ると決めたあとに残るのが予算で、 いくらまでの品なら重くならないかという線引きが難しいところで、 安すぎれば物足りない見た目になりますし、高すぎれば相手に気を遣わせることになります。
目安になるのは現金で贈る場合の相場で、 甥姪へなら1万円から3万円、孫へなら3万円から5万円という範囲に品物の価格を合わせておけば、 間柄との釣り合いが大きく崩れることはありません。
| 予算 | 選べる品 |
|---|---|
| 5千円まで | 名入れのボールペンや小さな革小物が選べます |
| 1万円前後 | 名刺入れや財布が手に入る価格帯です |
| 2万円から3万円 | 腕時計やビジネスバッグが選べます |
| 5万円以上 | 上等な腕時計や、現金と品物の組み合わせにします |
| 金額を決めかねている | 1万円前後にしておけば、どの間柄でも外しません |
| 友人へ気軽に贈りたい | 3千円から5千円で、実用的な小物を選びます |
3万円を超える品を贈ると、相手の親のほうが返礼を考え始めます。成人祝いは本来お返しの要らない祝い事ですが、高価な品ほど何かしなければという気持ちが働きますし、その負担は本人ではなく親にかかりますから、多くかければ喜ばれるというものでもありません。
予算を決めたあとに効いてくるのが包み方と渡し方で、 同じ価格の品でも、のし紙を掛けて手渡すのと紙袋のまま渡すのとでは 受け取る側の印象がまるで違います。
品物には紅白の蝶結びののし紙を掛け、 表書きは「御成人御祝」としておけば形が整います。 手渡しであれば包装紙の外側に掛け、配送するのであれば内側に掛けてください。 外に掛けたのし紙は、輸送の途中で擦れて表書きが読めなくなることがあります。
何を贈るかに決まった正解はなく、現金にして使い道を本人へ任せる家もあれば、 十年後にも残る品を選ぶ家もあって、どちらが正しいということはありません。 好みが読めるほど近い間柄なら品物を、しばらく会っていないのなら現金か商品券を、 と分けて考えれば、迷っている時間のほとんどは省けます。
どの場面でも変わらないのは、相手の年齢を確かめてからお酒を選ぶことと、 価格を間柄の相場に合わせることの二つだけで、 この二つさえ押さえておけば、品物の選び方で失礼になることはありません。 受け取る本人にとっても、間柄に見合った品のほうが気兼ねなく使えます。
成人祝いの金額を関係別に見るよくある質問
成人祝いは現金と品物のどちらがいいですか?
現金がもっとも多く選ばれています。成人式の前後は振袖の支度や学費が重なるため、使い道を自分で決められる現金のありがたみが大きくなります。好みがよく分かっている間柄であれば、品物を選んでも外しません。
男性には何を贈るといいですか?
腕時計、革の名刺入れ、万年筆やボールペンなど、社会に出てから長く使えるものが向いています。服や靴は寸法と好みに左右されるので、寸法の関係しない革小物のほうが外しにくくなります。
女性には何を贈るといいですか?
革の長財布や名刺入れ、腕時計が実用的です。アクセサリーや化粧品は好みが細かく分かれるため、間柄が近いときに限ってください。好みが読めないのであれば、カタログギフトを選んでも失礼にはなりません。
お酒を贈ってもいいですか?
相手が20歳になっているか確かめてから決めてください。成年年齢は18歳へ引き下げられましたが、飲酒と喫煙は従来どおり20歳からと定められています。成人式は一月に行われるため、式に出ていてもまだ19歳ということがあります。
避けたほうがいい品はありますか?
刃物は縁を切るという含みがあり、靴下やスリッパは踏みつけるものとして目上へは贈りません。ただし年下へ贈るぶんには気にしない家も増えています。祖父母の世代が同席する場では避けておくほうが無難です。
予算はいくらくらいが目安ですか?
現金で贈る場合の相場に合わせてください。甥姪へなら1万円から3万円、孫へなら3万円から5万円が目安です。3万円を超える品を贈ると、相手の親が返礼を考え始めます。
まとめ
- 現金に手紙を添える形にしておきます
- 品物なら長く使える実用品を選びます
- お酒は20歳になっているか確かめます
- 価格は間柄の相場に合わせます
参考情報
- 政府広報オンライン「成年年齢引下げを知ろう!」(飲酒・喫煙は20歳から)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html - QUOカード「成人祝いの金額相場やマナー、おすすめギフトを解説」
https://www.quocard.com/individual/column/article/coming-of-age-ceremony/ - Anny「成人祝いに喜ばれるプレゼント|相手別のおすすめギフト」
https://anny.gift/scene-coming-of-age-ceremony/
飲酒・喫煙が20歳からである点は政府広報オンラインの案内によります。品物の傾向は各社の解説をまとめたもので、公的な基準はありません。(最終確認:2026年8月)
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。地域・家・親族間の取り決めによって考え方が異なる場合があります。迷ったときは、ご家族や近い親族に確認してください。