結論
まずは子どもの人数と年齢を先に伝えるところから始まり、 それだけで相手は出す菓子も座らせる場所も決められます。 当日の玄関で「連れてきちゃった」と切り出す形になると、 そこから棚の上の物を下ろす作業を始めてもらうことになります。
当日は持ち物と片づけで印象が決まりますので、 汚さないようにすることより汚しても自分で拭ける支度をしていくほうが確実で、 布巾とごみ袋を鞄に一組入れておくだけで、こぼしたときに相手の台所へ何度も立たせずに済みます。
事前に伝えること
友人の家へ行く約束を取りつけたあと、子どもも連れて行くとひと言添えるべきかどうかで手が止まります。 ふだんから子ども込みで会っている相手だと、 わざわざ断るのが他人行儀に思えてきて、そのまま当日を迎えてしまいがちです。
ところが迎える側から見ると、大人だけの茶飲み話と子ども連れの訪問とでは、 出す菓子も座らせる場所も掃除の範囲もまるで変わってきますので、 何を先に伝えておけば相手が動きやすいのか、という順序で考えると迷いが減ります。
| 伝えること | なぜ |
|---|---|
| 子どもの人数と年齢 | 茶菓や座る場所の支度が変わりますので、まず伝えます |
| アレルギー | 食事や菓子を出す場合に健康へ直に関わります |
| 昼寝の時間 | 何時に伺うかを決める材料になります |
| 歩き回る年齢か | 相手が危ないものを先に片づけられます |
| 滞在の目安 | 子連れは長居しにくいものですので、先に伝えておきます |
まずは「子どもも一緒で構いませんか」と尋ねるところから始まります。相手にも都合がありますし、大人だけで話すつもりでその日を空けていたということもありますので、人数と年齢はその返事をもらう前に伝えておきます。
いちばん困らせるのが、当日の玄関先で「連れてきちゃった」と切り出す形で、 そこから片づけを始めてもらうわけにはいきません。 前もって伝わってさえいれば、相手は棚の上の花瓶を下ろし、 床に置いた小物をしまい、掃除の範囲まで広げて待っていられます。
年齢を添えておくのも同じ理由で、まだ歩かない子と走り回る子とでは、 相手が用意する座る場所も片づけておく物も違ってきます。 アレルギーについては菓子を出す前に知らせておかないと相手が困りますので、 これだけは省かないでください。
持っていくもの
子連れの訪問は、玄関に立った時点で荷物が大人だけのときの倍近くにふくらみますが、 これは着替えやおやつのような子どもの世話に要るものと、相手の家を汚さないためのものと、 性格の違う二つを同じ鞄に詰めることになるためです。
うっかり抜けるのはたいてい後者のほうで、布巾もごみ袋もその場では調達できませんので、 結局は相手の台所から借りることになります。 そのたびに家の人は話の途中で立ち上がることになりますし、こちらも頼むたびに気をつかいます。
| 持ち物 | 理由 |
|---|---|
| ウェットティッシュ・布巾 | 自分で拭けますので、相手のものを借りずに済みます |
| レジャーシート・タオル | 食べる場所に敷いておけば、床を汚さずに済みます |
| 子どもの飲み物・おやつ | 相手に用意させずに済みますので、持参します |
| おもちゃ・絵本 | 音の出ないものを選んで持たせます |
| 着替え | こぼして濡らしたときに、その場で替えられます |
| ごみ袋 | おむつはこれに入れて持ち帰ります |
| スリッパ・靴下 | 素足のまま家のなかを歩かせずに済みます |
汚さないようにすることより、汚しても自分で始末できる支度をしておくほうが現実的です。子どもが茶をこぼすところまでは止められませんが、鞄からすぐ布巾を出せるかどうかは支度しだいですので、相手のほうも安心して座っていられます。
実際に困るのは食べこぼしよりも、使ったおむつの置き場所が見つからないという場面です。 相手の家のごみ箱に入れさせてもらうのは気が引けますし、 次の収集日まで匂いの残ることを考えれば、袋ごと持ち帰るほうが早く済みます。
おもちゃは音の出ないものにしておくと大人どうしの話を遮りませんし、 集合住宅であれば足音まで階下に響きますので、 絵本やシールのように座ったまま遊べるものを一つ二つ鞄に入れておくと、 こちらも落ち着いて話ができます。
手土産
手土産を選ぶ段になると、いつもと同じ菓子折りでよいのか、 子連れだから少し良いものにすべきかで、売り場の包み紙を眺めながら迷いますし、 相手の家にも同じくらいの年頃の子がいるのであれば、 その子の分をどうするかまで含めて、なおさら決めかねます。
ここで見るべきなのは金額よりも誰が食べるかという点で、 大人だけが口にする菓子折りと、子どもが手を伸ばせるものとでは役目が違いますので、 その日に卓を囲む顔ぶれを一人ずつ思い浮かべながら選ぶと、迷いはずいぶん小さくなります。
| 選び方 | どうするか |
|---|---|
| 大人向けと子ども向け | 分けて用意すると喜ばれますので、二つ提げていきます |
| 相手の子の分 | 相手にも子どもがいるなら、その子の分も添えます |
| 個包装 | その場で分けられますので、配るのが楽になります |
| 金額 | 通常どおりで足りますので、子連れでも増やしません |
| アレルギー | 相手の子の分は先に確認してから選びます |
大人向けの菓子折りだけを提げていくと、相手の子どもが卓の脇で手持ち無沙汰になります。子ども向けのものを少し添えるだけで場は和みますが、口に入るものである以上、相手の子のアレルギーだけは先に確かめておいてください。
金額を上げる必要はなく、子連れだからと普段より高いものにすると、 相手のほうがかえって身構えることになります。 いつもどおりの菓子折りに子ども向けの小さな包みを一つ添えるくらいで足りますし、 相手が気にするのは値段よりも、その場の全員が一つずつ手に取れるかどうかのほうです。
個包装のものを選んでおくと、卓の上で袋のまま配れますので、 包丁も取り皿も出してもらわずにその場で分けられます。 子どもが一つ持って隣の部屋へ行ってしまっても食べかけを残されずに済みますし、 余った分はそのまま相手の家に置いていけます。
滞在中に気をつけること
久しぶりに会った相手と話し込んでいると、 いつのまにか子どもが座敷から廊下へ出ていることがあります。 話の途中で腰を上げるのは気が引けますが、 目を離していた時間の長さが、そのまま片づけの手間になって返ってきます。
ここで相手が見ているのは子どもの振る舞いそのものではなく、 親が気づいて止めているかどうかのほうです。 騒ぐこと自体は年齢によっては止めようがありませんので、 気づいた側がどう動くかで、その日の印象が決まります。
| 場面 | どうするか |
|---|---|
| 子どもから目を離す | 会話に夢中にならないことが、いちばん大切です |
| 部屋の物を触る | すぐ止めて、「相手のものだよ」と本人に伝えます |
| 走り回る | 階下に響きますので、座らせて落ち着かせます |
| 壊した・汚した | その場ですぐ謝り、弁償を申し出ます |
| おむつを替える | 断ってから場所を借り、使用済みは持ち帰ります |
| 「気にしないで」と言われた | 言葉に甘えきらずに、汚した場所は片づけます |
子どもが騒ぐこと自体を相手はさほど気にしておらず、見ているのは親が注意しているかどうかのほうです。そこを放っておいたまま話を続けていると、その日の印象がまるごと変わってしまいますが、声を荒げる必要まではなく、そばへ行って手を止めさせるだけで十分に伝わります。
いちばん気まずいのが、棚の置物を落としたり、飲み物を絨毯にこぼしたりした場面です。 相手はほぼ間違いなく「気にしないで」と言ってくれますが、 その言葉を額面どおり受け取って何もしないでいると、 あとに残るのは片づけと弁償の話だけになります。
その場ですぐ謝って弁償を申し出るのが先で、 断られたとしてもそこで引き下がってしまわないでください。 後日あらためて何か持参する形にしておけば相手も受け取りやすく、 こちらもそのまま気にせずに次の約束ができます。
食事の場面
昼をまたぐ訪問になると、卓に子どもの分の取り皿が並び、 食べこぼしがそのままテーブルクロスや絨毯へ落ちていきます。 大人だけの食事なら気にせずに済むところが、子連れだと座る前から段取りを考えることになります。
分かれ目になるのはどこまで自分の側で用意しておくかで、 器も敷物も相手任せにするとそのたびに台所へ立ってもらうことになりますし、 食べられないものがあるかどうかも、卓に着いてからでは動きようがありません。
| 場面 | どうするか |
|---|---|
| 食べる場所 | シートやタオルを敷いて、床やテーブルを汚しません |
| 子ども用の食器 | 持参しておけば、相手が用意しなくて済みます |
| 食べこぼし | その場で拾いますので、あとに残しません |
| 相手の皿を借りる | 断ってから出してもらい、黙って使いません |
| 食後 | テーブルと床を拭いてから席を立ちます |
| 食べられないもの | 事前に伝えておきますので、当日は困りません |
食後にテーブルと床を拭くところまでを、こちらの仕事だと考えておいてください。敷物を一枚広げてあればこぼれたものはその上に落ちますので、丸めて持ち帰るだけで片づきますし、相手が絨毯の染みをあとから気にせずに済みます。
アレルギーや好き嫌いのある子であれば、 先に伝えたうえで自分のほうで食べるものを用意していくほうが、双方とも楽になります。 「うちの子が食べられるものを持ってきました」と一言添えて袋を開ければ、 相手に気を遣わせずに済みます。
こちらとしても、卓に並んだ料理の材料をひとつずつ確かめながら箸を運ばずに済みますし、 断りを入れてさえおけば持参したものを出すのは失礼にあたりません。 相手のほうも遠慮せずに自分の作ったものを勧められますので、卓の上が静かになりません。
帰るタイミング
話が弾んでいるところで腰を上げるのは切り出しにくく、 もう少しと思っているうちに子どもが畳に寝転がり始めます。 そこから支度をしても玄関までまとまりませんので、帰る時機は話の途中で決めておくことになります。
子どもが機嫌よく遊んでいられる時間には限りがあり、 ぐずり始めてからでは遅いという点が大人だけの訪問といちばん違うところで、 まだ畳の上で笑っているうちに切り上げるほうが、こちらも見送る相手も後味よく終われます。
| 目安 | 理由 |
|---|---|
| 1〜2時間 | 大人だけのときより短めに切り上げます |
| ぐずり始めたら | 切り上げの合図ですので、そこで支度を始めます |
| 昼寝の時間の前 | 寝てしまうと動けなくなりますので、その前に出ます |
| 食事が終わったら | ちょうど区切りがつきますので、切り出しやすくなります |
腰を上げる前に、広げたものを元へ戻してから玄関へ向かってください。おもちゃを箱に戻し、ごみを袋にまとめ、こぼした場所を拭いておくだけで見送る側に残るものがまるで違ってきますし、子どもの持ち物は座敷のあちこちに散らばりますので、忘れ物の確認も同じときに済ませます。
使ったおむつや菓子の袋は、相手のごみ箱に入れさせてもらわずに袋ごと持ち帰ります。 玄関では子どもにも「ありがとう」と言わせておくと相手の顔がほころびますし、 子ども自身にも、訪問が一度きりで終わらない付き合いなのだと伝わります。
家に着いたら、その日のうちに短くお礼の連絡を入れておくと、 子どもが世話になった礼までまとめて伝えられます。 汚した場所があったのならそこにもう一度触れておくほうがよく、 そうしておけば相手も気にせずに次の約束を切り出せます。
帰るタイミングの伝え方を見る子連れの訪問に一つだけの正解があるわけではなく、 子どもの年齢と相手の家の様子を見て、そのつど決めればそれで足ります。 歩き始めたばかりの子と小学生とでは、 先に伝えることも持っていくものも帰る時機も、そのまま変わってきます。
どの場合でも変わらないのは、行く前に人数と年齢を伝えておくことと、 汚したところを自分で片づけて帰ることの二つだけです。 この二つを押さえていれば、細かい持ち物を思い出せなくても、 迎えた側は気持ちよく次の約束をしてくれます。
よくある質問
子連れで訪問するとき、事前に何を伝えますか?
子どもの人数と年齢、アレルギー、昼寝の時間、それに歩き回る年齢かどうかを伝えます。子どもがいると分かっていれば相手は棚の上の物を下ろし、掃除の範囲まで広げて待っていられますので、当日の玄関で切り出す形にはしないでください。
何を持っていけばよいですか?
ウェットティッシュや布巾、レジャーシート、子どもの飲み物やおやつ、着替え、ごみ袋といったものを鞄に入れておきます。汚さないようにすることより、汚しても自分で始末できる支度をしておくほうが現実的で、相手のほうも安心して座っていられます。
手土産で気をつけることは?
大人向けと子ども向けを分けて用意すると喜ばれますし、相手にも子どもがいるならその子の分も添えてください。ただし口に入るものである以上、相手の子のアレルギーだけは先に確かめておきます。金額は通常どおりで、子連れだから増やす必要はありません。
滞在中でいちばん大切なことは?
子どもから目を離さないことで、会話に夢中になっているあいだに座敷から廊下へ出ていることがあります。騒ぐこと自体は年齢によっては止めようがありませんが、親が気づいて止めているかどうかを相手は見ています。
物を壊してしまったら?
その場ですぐ謝って弁償を申し出てください。相手はほぼ間違いなく「気にしないで」と言ってくれますが、その言葉を額面どおり受け取って何もしないでいると、あとに残るのは片づけと弁償の話だけになります。断られたなら、後日あらためて何か持参する形にします。
どのくらいで帰ればよいですか?
大人だけのときより短めにして、1〜2時間で切り上げるのが目安になります。子どもがぐずり始めたら切り上げの合図ですので、そこで支度を始めてください。腰を上げる前におもちゃを箱へ戻し、ごみをまとめ、こぼした場所を拭いておきます。
まとめ
- 行く前に人数と年齢を伝えます
- 当日になってから連れて行くと切り出しません
- 布巾とごみ袋を持参します
- おむつとごみは持ち帰ります
- 相手の子への菓子も添えると場が和みます
- 子どもから目を離しません
- 壊したらその場で弁償を申し出ます
- 滞在は1〜2時間で切り上げます
- 帰る前にこぼした場所を拭きます
参考情報
- 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 高島屋「進物の基礎知識」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html - 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
手土産の金額や渡し方に公的な基準はありません。本記事は広く共通して挙げられる目安をまとめたものです。地域・ご家庭・間柄によって実際には大きく異なります。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。手土産に決まりはなく、地域・ご家庭・間柄によって異なります。とくに親しい相手との間では、形式より相手の負担にならないことを優先してください。