結論

職場からのお祝いは誰の名前で渡されたかで扱いが変わり、 会社名義の祝金にお返しは要らず、部署の連名であれば皆で分けられる菓子、 個人からであればいただいた額の3分の1から半額が目安になります。

式に招いて出席してもらった方には、引出物がすでにお返しにあたりますので、 そこへ内祝いを重ねる必要はなく、返すのは欠席された方と、招かなかった方からいただいた分だけで足ります。

誰名義かで変わる

結婚することを職場に伝えたあと、部署の代表の方から封筒を渡されたり、 給与とは別に会社から祝金が振り込まれていたりと、お祝いは思っていたよりいろいろな形で届きます。 受け取った側としては、まず返すべきものなのかどうかというところから考えることになります。

判断が分かれるのは誰の名前で渡されたものかという一点で、 会社の制度として出たものと、同じ部署の方々が出し合ったものと、上司が自分の財布から包んだものとでは、扱いがそれぞれ違います。 金額の大きさを見比べるより先に、袋の表と裏に書かれた名義のほうを確かめておく必要があります。

誰からお返しの目安
会社名義(規程による祝金)福利厚生にあたるため、お返しは要りません
部署一同・有志一同個別に返さず、皆で分けられる菓子を選びます
個人からいただいた額の3分の1から半額を返します
上司から個人的に同じ目安で、品物の形にして返します
取引先から会社の規程を先に確かめてから決めます

袋の表書きと添え書きを、まず読んでください。会社名なのか、部署名に一同と付いているのか、個人名なのかで扱いが分かれますし、ここを取り違えると要らないお返しを送ることになります。就業規則や慶弔規程に基づいて支給される祝金は福利厚生の一部ですので、上司と担当の部署にお礼を伝えれば足ります。

分かりにくいのが、部署の名前で渡されたのに、実際には数人しか出していない場合で、 袋には営業部一同と書かれていても、集めたのが同じ島に座っている四、五人ということがあります。 渡してくれた方に何人で用意したものかを尋ねておくと、返す品の大きさを決めやすくなります。

会社名義の祝金にお返しが要らないのは、それが個人の気持ちではなく制度として支払われているためで、 品を送り返すと受け取った側の担当者が処理に困ることになります。 伝票を回してくれた総務の方と、直属の上司に口頭でお礼を述べておけば、それで十分に伝わります。

式に招待した場合

式を挙げるのであれば職場の方を何人か招くことになり、 当日ご祝儀をいただいた相手にまで内祝いを送るべきなのかというところで手が止まります。 引出物を一人ずつに用意した記憶がある分、同じ相手へ二重に返すことにならないかが気になります。

分かれ目は披露宴の席に来てもらったかどうかで、 出席した方には料理と引出物という形ですでに返っている一方、欠席された方や招かなかった方には何も渡っていません。 同じ金額のご祝儀をいただいていても、この違いだけで返すか返さないかが分かれます。

状況お返し
出席してご祝儀をいただいた引出物がお返しにあたるため、重ねません
欠席でご祝儀をいただいた3分の1から半額の内祝いを送ります
招待していない方から同じく3分の1から半額を返します
式を挙げていないいただいた分に内祝いを返します
相場より高額だった引出物とは別に、改めて返すことがあります

出席した方への引出物が、すでにお返しの役目を果たしています。そこへ内祝いを重ねると、受け取った側は多すぎると感じますし、返し合いを続けるつもりかと構えさせることにもなります。ご祝儀が相場を大きく上回っていたときだけ、別に用意すると考えておけば足ります。

迷いやすいのが、招待しなかった同僚から後日お祝いをいただく場面で、 朝いちばんに机の上へ小さな包みが置かれていたり、休憩室で手渡されたりという形で届きます。 この場合は引出物が渡っていませんので、3分の1から半額を目安に内祝いを返してください。

式そのものを挙げないと決めた場合も、考え方は変わりません。 披露の席がない分だけお返しの機会もありませんので、いただいた相手には一人ずつ内祝いを届けることになりますし、 入籍だけを済ませたのであれば、その日から一か月以内を目安にすると間延びしません。

金額の目安

返すと決めたあとにいちばん迷うのが金額のほうで、 3千円のお祝いに対していくらの品を選べばよいのかは、贈答品の棚をいくら眺めていても決まりません。 半額返しという言葉は聞いていても、端数をどちらへ寄せるかまでは誰も教えてくれません。

判断が分かれるのは相手が目上かどうかのところで、 同僚や後輩からのお祝いであれば半額返しをそのまま当てはめられる一方、 上司や役員から相場を超える額をいただいた場合は、同じ計算をするとかえって落ち着きません。

いただいた額お返しの目安
3千円千円から1,500円ほどの品を選びます
5千円1,500円から2,500円ほどにします
1万円3千円から5千円ほどの品を返します
2万円7千円から1万円ほどを目安にします
連名(総額1万円)3千円から5千円分を皆で分けられる形にします

目上の方からいただいた高額なお祝いに、半額をそのまま返す必要はありません。3分の1ほどにとどめても失礼にはあたりませんし、いただいた額に近い品を返すと、気持ちを丸ごと突き返す形に見えてしまいます。差額は品物ではなく、お礼の言葉と新しい暮らしの報告で埋めるものだと考えてください。

連名でいただいたときは一人あたりいくら出したのかがこちらには分かりませんので、総額を人数で割り戻すところから考えることになります。 十人で1万円であれば一人千円ですから、そこへ律儀に個別で返そうとすると、 三百円ほどの品を十個並べることになり、かえって受け取る側を困らせます。

金額をきっちり合わせることに気を取られると、選べる品のほうが窮屈になります。 2千円の予算に無理やり合わせて中途半端なものを選ぶより、2,500円の菓子折りで気持ちよく渡せるほうが受け取る側の記憶にも残りますし、 目安から数百円ずれたところで、失礼だと受け取られることはまずありません。

内祝いの一般的な考え方を見る

何を返すか

金額の見当がついても、実際に何を選ぶかというところでもう一度立ち止まります。 相手の好みが分からないまま食器や置物を選ぶと、使われないまま棚の奥へしまい込まれることになりますし、 同じ時期に結婚した人が職場に何人もいると、贈った品どうしが重なることもあります。

分かれ目は個人からか、連名からかのところで、 一人から受け取ったのであれば相手の顔を思い浮かべながら選べる一方、 連名の場合は誰がいくら出したのかが分からない以上、一人ずつに合わせて選ぶこと自体ができません。

相手向いているもの
部署一同から人数分に分けられる個包装の菓子を選びます
個人からカタログギフトやタオル、菓子が向きます
上司からやや改まった見た目のものを選びます
好みが分からないカタログギフトにすると外れません
避けたいもの刃物や割れものは外しておくのが無難です

連名でいただいたら、皆で分けられるものにしてください。一人ずつに返そうとすると、出した額が分からないまま金額がちぐはぐになりますし、受け取る側も自分の分がいくらだったかを気にすることになります。休憩室に置いて各自で取ってもらえる個包装の菓子であれば、配って回る手間もかかりません。

好みが分からないときにカタログギフトが選ばれることには、受け取った側の答えという裏づけがあります。 カタログギフト大手のリンベルが2024年3月19日から22日にかけて、前の年に結婚内祝いを受け取った男女400名へインターネットで尋ねた調査では、 もらってうれしかったものの第1位がカタログギフトでした。 実際に何が贈られたかを数えた集計ではなく、うれしかったかどうかを聞いた意識調査です。

同じ調査では、同じものが重なっても困らないものとして、自分で商品を選べるカタログギフトを挙げた方が69.3%にのぼっています。 職場のように結婚や出産の重なりやすい場所では、この重なっても困らないという点がそのまま効いてきます。 刃物や割れものを避けるという言い伝えについては諸説ありますが、外しておいて損をすることもありません。

時期とのし

品が決まっても、いつ渡すかというところでもう一度手が止まります。 式の後片づけと新しい住まいの荷ほどきが重なる時期ですし、休暇明けで席に戻ったばかりだと、 渡す機会そのものを作りにくくなります。

あわせて迷うのがのし紙の書き方のほうで、 水引の色と結び方、表書きの言葉、そして名前をどう書くかの三つを、店の窓口でその場で決めることになります。 姓が変わったばかりの時期でもありますので、名前の入れ方ひとつをとっても判断が要ります。

項目目安
時期挙式から1か月以内を目安に渡します
式を挙げない場合入籍した日から1か月以内に届けます
水引紅白の結び切りを10本のものにします
表書き表には内祝、または寿と書き入れます
名前新しい姓か、両名の名前を入れます
渡し方手渡しを基本にし、難しければ郵送します
遅れたときお詫びの一言を添えたうえで送ります

結び切りを使うのは、繰り返さないことを願う事柄だからです。ほどいて結び直せる蝶結びは、出産や入学のように何度あってもよい事柄に使いますので、結婚では選びません。店の窓口で結婚の内祝いだと伝えれば間違えられることはありませんが、自分で用意するときはここだけ気をつけてください。

蝶結びと結び切りの違いを見る

お礼の言葉は品を用意するより先で構いませんので、手配が終わるのを待たずに伝えておいてください。 いただいたその場か、遅くとも翌日には口頭で述べておけば、品の手配に二週間かかっても相手を待たせている感じにはなりません。 連名でいただいた場合は、まとめてくれた代表の方と、出してくれた方々の両方に伝えておく必要があります。

渡すときは、朝の始業前や休憩の時間帯を選ぶと、相手の手を止めずに済みます。 商談の直前や締切の当日に机へ置かれると、その場でお礼を返すこともできないまま荷物になりますので、 相手が席にいて手の空いている時間を見計らってください。 遠方の支店へ異動された方であれば、送り状に一筆添えて郵送する形で十分に伝わります。

職場での慶弔の記事

職場での慶弔は、結婚だけでなく出産や弔事の場面でも同じように迷うことになりますが、 それぞれで名義の扱いも金額の目安も違っていますので、一つの決まりでまとめて片づけることができません。

報告をいつ誰にするかという順番や、部署からまとめていただいたものへの返し方は、場面ごとに書き分けてあります。 いま手元にある封筒がどの場面にあたるのかを見たうえで、あてはまるものから直接お読みください。

出産祝いのお返しを見る

職場からのお祝いへの返し方に、どの職場でも通じる一つの正解があるわけではなく、 会社の規程として出たものと、同じ島の数人が出し合ったものと、上司が個人で包んだものとでは、返し方がそれぞれ違います。 前任の方がどうしたか、部署にこれまでの例があるかを聞いてみるのが、いちばん確かな手がかりになります。

どの場合でも変わらないのは、品を用意するより先にお礼の言葉を伝えておくという一点だけです。 それさえできていれば、金額の端数や表書きの言葉を思い出せなくても失礼にはなりませんし、 渡してくれた方も、気持ちが届いたことをその日のうちに受け取れます。

よくある質問

職場から結婚祝いをもらったらお返しは必要ですか?

「誰名義か」で変わります。就業規則に基づく会社名義の祝金は福利厚生にあたるためお返しは不要で、お礼を伝えれば足ります。個人からなら3分の1〜半額が目安です。

式に招待して出席してもらった場合は?

引出物がすでにお返しにあたるため、重ねて内祝いを送る必要はありません。ただしご祝儀が相場より大幅に多かった場合は、別に返すことがあります。

式に招待しなかった人からもらったら?

引出物がないため、内祝いを返してください。3分の1〜半額が目安です。欠席でご祝儀だけいただいた場合も同じです。

部署一同からもらった場合は?

個別に返さず、皆で分けられる個包装の菓子にしてください。個別に返すと、誰がいくら出したか分からないため金額がちぐはぐになります。休憩室に置ける菓子が確実です。

目上の方から高額をいただいたら?

半額返しにこだわらなくて構いません。3分の1程度でも失礼になりません。全額に近い額を返すと、かえって気持ちを断る形になります。

お返しはいつ、どんなのしで渡しますか?

挙式後1か月以内が目安です。紅白の結び切り(10本)に「内祝」「寿」と書き、新姓か両名の名前を入れます。結び切りを使うのは、繰り返さないことを願う事柄だからです。

まとめ

  • お返しは誰名義かで変わります
  • 会社名義の祝金にはお返しを返しません
  • 個人からは3分の1から半額を返します
  • 出席した方には引出物がお返しにあたります
  • 招待していない方には内祝いを届けます
  • 連名には皆で分けられるものを選びます
  • のしは紅白の結び切りに内祝と書きます
  • お礼の言葉は品より先に伝えます

参考情報

  1. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  2. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  3. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  4. リンベル「【2024年調査】もらってうれしかった!ホンネの結婚内祝い(お返し)・人気ランキング」
    https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/10006

本文で引いたリンベルの調査は、前年に結婚内祝いを受け取った男女400名がインターネットで答えた2024年3月の意識調査で、実際の贈答を数えた集計ではありません。餞別やお返しの金額に公的な基準はありません。本記事は広く共通して挙げられる目安をまとめたものです。職場ごとの慣行が優先します。前例を確認するのがもっとも確実です。出典は2026年8月15日に確認しました。

本記事で紹介している金額や品物は一般的な目安です。職場ごとの慣行が大きく異なります。前任者がどうしたか、部署の慣例があるかを確認するのがもっとも確実です。また贈ること自体が必須ではありません。