結論
葬儀の場で渡されるものには二種類あって、 会葬御礼は参列した方全員へ当日その場で渡される500円から1,000円ほどのお礼にあたり、 香典返しのほうは香典をいただいた方へ忌明けを待ってから贈るものですので、 受け取る相手も渡される時期もまったく別のものになります。
近年は香典返しを葬儀当日に渡してしまう当日返しという形も広まってきていますので、 受付で袋を二つ渡されて、両方をその場で受け取ることがあります。 二重に受け取ってしまったのではないかと気になるところですが、 性質の違う二つが同じ日に渡されているだけですので、そのまま持ち帰って構いません。
2つの違い
| 会葬御礼 | 香典返し | |
|---|---|---|
| 誰に | 参列した方全員に渡されます | 香典をいただいた方にだけ贈ります |
| いつ | 葬儀当日、受付を済ませた場で渡されます | 忌明け、四十九日を過ぎてから贈ります |
| 意味 | 参列したこと自体へのお礼にあたります | いただいた香典へのお返しにあたります |
| 金額 | 500円から1,000円ほどに収まります | 香典の3分の1から半額を目安にします |
| 添えるもの | 会葬礼状が一枚添えられています | 忌明けの挨拶状が添えられます |
| 香典を渡さなくても | そのまま受け取って構いません | こちらは受け取ることがありません |
香典を辞退している葬儀であっても、会葬御礼のほうは変わらず渡されますので、そこで手を引っ込める必要はありません。足を運んで参列してくれたことへのお礼にあたるものですので、遠慮せずに受け取っておいてください。
会葬御礼とは
葬儀の受付で記帳を済ませると、その場で小さな袋を手渡されて、 香典を出していないのに受け取ってよいものかどうかというところで一瞬ためらいます。 後ろには次の方が並んでいますので、断るか受け取るかを立ったまま決めることになりますが、 ここで手を引っ込めると、かえって受付の方を困らせてしまいます。
会葬御礼が渡される理由は香典の有無ではなく、 足を運んで参列してくれたことそのものにあります。 香典を出したかどうかとはまったく切り離されたものになりますので、 受付で渡されたのであれば、そのまま両手で受け取っておいて構いません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 渡す相手 | 参列した方全員に、分け隔てなく渡されます |
| 金額 | 500円から1,000円ほどに収まる品になります |
| 品物 | お茶やハンカチ、菓子、クオカードなどが選ばれます |
| 添えるもの | 参列への感謝を記した会葬礼状が入っています |
| 香典との関係 | 香典の有無にかかわらず渡されます |
香典を渡していない方も、辞退せずにそのまま受け取っておいてください。参列したこと自体へのお礼にあたるものですので、遠慮して辞退すると、受付の方は用意した品の行き先を失ってしまい、かえって遺族を困らせることになります。
中身はお茶やハンカチ、菓子やクオカードといったあたりで、 五百円から千円ほどに収まる品が選ばれるのが通例になっています。 参列した全員に同じものが渡されますので、 金額の高い低いで気を回すような性質のものではありません。
袋の中には会葬礼状という挨拶状が一枚入っていて、 参列してくれたことへの感謝が印刷された形で添えられています。 その場で開いて読むものでもありませんので、 受付では両手で受け取って黙礼し、席に着いてから改めて目を通せば足ります。
香典返しとは
葬儀の日から一か月以上たったころ、 思いがけず宅配便で品物が届いて、これは何だろうというところで箱を前にします。 葬儀の当日にも袋を受け取っていたはずですので、 二重に受け取ってしまったのではないかという気持ちが先に立ちます。
この二つは渡す相手も時期もまったく別のもので、当日に受け取ったのは参列へのお礼、後から届いたのは香典へのお返しにあたります。 それを同じ「返礼品」という言葉でひとくくりにして数えてしまうと、 どうしても二重に受け取ったように感じられてしまいますので、性質の違いのほうから見ておいてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 渡す相手 | 香典をいただいた方にだけ贈られます |
| 時期 | 四十九日の忌明けを過ぎてから贈ります |
| 金額 | 香典の3分の1から半額を目安に選びます |
| 品物 | お茶や海苔、タオル、カタログギフトが選ばれます |
| 添えるもの | 忌明けを知らせる挨拶状が添えられます |
いただいた額に応じて品物を変えるという点が、香典返しを当日には用意できない理由になっています。誰がいくら包んでくださったのかを一件ずつ集計したうえで、それぞれに見合う品を選んでいくことになりますので、どうしても忌明けまでの時間が要ります。
香典の三分の一から半額を返すことから半返しと呼ばれる形で、 一万円を包んだ方には五千円ほどの品が届くという見当になります。 集計と手配に時間がかかるからこそ忌明けまで待つもので、 遅れて届いたわけではありませんので、急かすようなことはしません。
品物として選ばれるのはお茶や海苔、タオルやカタログギフトといったあたりで、 いずれも後に残らないか、日常で使い切れるものになります。 箱には忌明けの挨拶状が添えられていて、 四十九日を無事に終えたという知らせを兼ねた形になっています。
香典返しの品物と時期を詳しく見る当日返しとは
受付を済ませたところで袋を二つ渡されて、 片方は会葬御礼だとして、もう片方は何なのかというところで手元を見ることになります。 後から届くはずの香典返しが同じ日に渡されているわけですが、 案内があるわけでもありませんので、その場では判断が付きません。
これは当日返し(即日返し)と呼ばれる形で、遺族の手間が軽くなることから近年ずいぶん広まってきました。 忌明けまで待って一件ずつ品を選ぶ従来の形とは、 渡す時期も、金額の反映のしかたも変わってきますので、 両者を並べて見ておくと、袋が二つになる理由も分かります。
| 忌明け返し | 当日返し | |
|---|---|---|
| 渡す時期 | 四十九日を過ぎてから発送されます | 葬儀の当日に手渡されます |
| 金額の反映 | 香典の額に応じて品を変えます | 全員に同じ品物が渡されます |
| 遺族の手間 | 集計と発送の作業がひととおり要ります | 当日で終わるため負担が軽くなります |
| 受け取る側 | 後日、宅配便で自宅に届きます | その場で受け取って持ち帰ります |
当日返しでは、会葬御礼と香典返しの両方を受付でまとめて受け取ることになります。袋が二つ渡されることがあるのはこのためで、二重に受け取ったわけではありませんので、そのまま持ち帰って構いません。
当日返しは参列した全員に同じ品を渡す形ですので、 相場より多く包んだ方にとっては、いただいた品と包んだ額とが釣り合わなくなります。 その場合は忌明けを過ぎたころに、差額を埋める形であらためて品物が届くことがありますので、そこで気にする必要はありません。
当日に一つ、後日にもう一つ受け取ることになりますが、 これも二重に受け取ったわけではありませんので、そのまま受け取っておいて構いません。 遺族の側で額を確かめたうえで足りないぶんを送っているものですので、 辞退の連絡を入れると、かえって手間をかけることになります。
高額を包んだ場合
親族として葬儀に参列し、関係の近さから相場より多めに包んだところ、 受付で渡されたのは他の参列者と同じ袋だったという場面があります。 当日返しを取っている葬儀では全員に同じ品が渡りますので、 包んだ額に応じた品はその場では出てきません。
ここで気にかけておくことは何もなく、 差額は忌明け後に改めて届くのが一般的な扱いになります。 当日返しはあくまで参列した全員へ一律に渡すためのもので、 額に応じた調整のほうは、集計を終えたあとに行われることになります。
| 場面 | 起きること |
|---|---|
| 高額を包んだ | 当日返しだけでは額が釣り合いません |
| 忌明け後 | 差額を埋める品があらためて届きます |
| 届いたとき | お礼を伝えず、そのまま受け取ります |
| 二重に感じたら | 性質の違うものですので、気にせず受け取ります |
届いた品にお礼を伝える必要はなく、黙って受け取っておくのが弔事の場での作法になります。次の節で触れるとおり、香典返しにお礼を返すと弔事のやり取りが往復してしまいますので、受け取ったところで区切っておいてください。
親族のように関係が近く、相場を超えて包む立場にある方ほど、 この二段構えの形に出会うことになります。 当日の袋が軽いように感じられても、その場で何かを尋ねるようなことはせず、 忌明けを待っておけば、遺族の側から届きます。
逆に、忌明けを過ぎてしまっても何ひとつ届かないという場合もあります。 これは香典返しそのものを辞退する家であったり、 当日返しで完結させる方針であったりするだけのことですので、 こちらから問い合わせるようなことはしません。
受け取るときの振る舞い
香典返しが届いた日の夜、遺族へ電話をかけて一言お礼を伝えるべきかどうか、 受話器の前で迷うことになります。 品物をいただいたのだからお礼を返すのが筋のようにも思えますが、 弔事の場合、ここは慶事とは反対の作法になります。
分かれ目になるのは礼儀の重い軽いではなくやり取りをどこで終えるかという点で、慶事とは向きが逆になります。 香典返しには弔事のやり取りをここで終えるという意味がありますので、 お礼を返すと、慶事のように往復が続く形になってしまいます。
| 場面 | 振る舞い |
|---|---|
| 受付で会葬御礼を渡された | 両手で受け取り、黙礼して席へ向かいます |
| 香典を渡していない | それでも辞退せずに受け取っておきます |
| 香典返しが届いた | お礼の連絡はせず、静かに受け取ります |
| どうしても伝えたい | 「無事に届きました」と受け取りだけ報告します |
| 次に会ったとき | 近況を尋ねる程度にとどめ、品物には触れません |
遺族が届いたかどうかを心配していそうな場合は、「無事に受け取りました」という事実の報告であれば差し支えありません。「ありがとう」という言葉を使わないでおくことが要点になりますので、そこだけ言い換えておけば通じます。
受付で会葬御礼を渡されたときは、両手を添えて受け取り、 言葉は交わさずに黙礼だけしておけばそれで足ります。 後ろには次の方が並んでいますので、 その場で長く言葉を交わすことのほうが、かえって進行を止めてしまいます。
後日あらためて顔を合わせる機会があったときも、 品物のことには触れず、近況を尋ねる程度にとどめておきます。 弔事のやり取りはすでに終わっているものですので、 そこへ戻すような話し方をしないほうが、相手にとっても楽になります。
返礼を辞退したい場合
職場の同僚どうしで少額ずつ出し合って連名で包んだような場合、 一人あたりの額から考えて、返礼まで用意してもらうのは気が引けます。 遺族は一件ずつ品を選んで送る作業を抱えていますので、 辞退できるのであればそのほうが親切に思えます。
ここで大事になるのは辞退するかどうかではなくいつ伝えるかという時機のほうで、伝える先も渡すときの一枚に限られます。 香典を渡した時点で伝えてあれば手間を減らせますが、 後から断ると、すでに用意が済んでいるためかえって手間が増えてしまいます。
| どこに | 書き方 |
|---|---|
| 中袋または別紙 | 「香典返しのお気遣いはご無用に願います」と書き添えます |
| 連名の別紙 | 全員の氏名とあわせて、同じ一文を書き添えます |
| 伝える時機 | 香典を渡す時点で書き添えておきます |
品が届いてから断るということはしません。遺族の側ではすでに品を選んで送り出していますので、そこで辞退を伝えるとかえって手間を増やすことになります。辞退するのであれば、香典を渡す時点で書き添えておいてください。
書き方は改まったものである必要はなく、 「香典返しのお気遣いはご無用に願います」と一行書き添えておけば伝わります。 中袋の余白か、金額を書いた別紙の末尾に添えておけば、 遺族が集計をする段階でそのまま目に入ります。
連名で出す場合は、全員の氏名を書いた別紙の末尾のほうに、同じ一文を添えておきます。 四名以上でまとめるときの名前の並べ方や、 辞退の言葉をどこに置くかについては、次の記事のほうで細かく分けてあります。
連名と辞退の書き方を見る受け取り方に一つだけの正解があるわけではなく、当日に渡されたものは参列へのお礼、 後から届いたものは香典へのお返しと分けて見ておけば、それで戸惑うことはありません。 袋が二つ渡されたのであれば当日返しを取っている葬儀だというだけのことですし、 忌明けを過ぎてから届いたのであれば、額に応じた差額が送られてきたということになります。
どの場面でも変わらないのは、返礼を受け取ってもこちらからお礼は返さないという一点だけになります。 香典返しにはやり取りをここで終えるという意味がありますので、 受け取ったところで区切っておけば、細かい違いを思い出せなくても失礼にはなりませんし、 遺族の側も、そこで一区切りを付けられます。
よくある質問
会葬御礼と香典返しはどう違いますか?
会葬御礼は参列した方全員へ葬儀当日に渡される500円から1,000円ほどのお礼で、参列したこと自体へのお礼にあたります。香典返しのほうは香典をいただいた方にだけ忌明け後に贈るもので、金額は香典の3分の1から半額が目安です。渡す相手も時期も別のものになります。
香典を渡していなくても受け取ってよいですか?
会葬御礼のほうはそのまま受け取ってください。参列したこと自体へのお礼にあたるものですので、香典の有無とは切り離されています。遠慮して辞退すると受付の方が用意した品の行き先を失いますので、かえって遺族を困らせることになります。
袋を2つ渡されたのはなぜですか?
香典返しを葬儀当日に渡す当日返し(即日返し)を取っている葬儀では、会葬御礼と香典返しの両方をその場で受け取ることになります。二重に受け取ったわけではなく、性質の違う二つが同じ日に渡されているだけですので、そのまま持ち帰って構いません。
当日返しのあとに品物が届きました
当日返しは参列した全員に同じ品を渡す形ですので、相場より多く包んだ方には金額が見合いません。その差を埋める形で、忌明け後にあらためて品物が届くことがあります。遺族の側で額を確かめたうえで送っているものですので、そのまま受け取っておいてください。
香典返しにお礼を言ってよいですか?
香典返しには弔事のやり取りをここで終えるという意味がありますので、お礼の連絡はしないのが作法になります。遺族が届いたかどうかを心配していそうな場合は、「無事に受け取りました」という事実の報告であれば差し支えありません。
返礼を辞退したいときはどうしますか?
香典を渡す時点で、中袋か別紙に「香典返しのお気遣いはご無用に願います」と書き添えておいてください。連名であれば、全員の氏名を書いた別紙の末尾に同じ一文を添えます。受け取ってから断ると、遺族はすでに品を用意していますので、かえって手間になります。
まとめ
- 会葬御礼は参列した全員に当日渡されます
- 金額は500円から1,000円ほどになります
- 香典返しは香典をいただいた方にだけ贈ります
- 時期は四十九日の忌明け後になります
- 金額は香典の3分の1から半額を目安にします
- 当日返しでは袋を2つ受け取ります
- 香典返しにお礼の連絡はしません
- 辞退するなら渡す時点で書き添えます
参考情報
- ハーモニック ギフトメディア「会葬御礼と香典返しの違いとは?」
https://www.harmonick.co.jp/media/archives/1961/ - リンベル ギフトコンシェルジュ「香典返しはいつまでに贈る?時期と「当日返し(即日返し)」と「後返し」の違い。」
https://www.ringbell.co.jp/ringbell/contents/kouden/4811 - 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「お悔やみの言葉:状況に応じた正しい言葉遣いの基本とマナー」
https://www.zensoren.or.jp/dictionary/dictionary10/
会葬御礼と香典返しの違い、金額の目安、当日返し(即日返し)の扱いについては、参照した情報源で共通しています。
本記事で紹介している目安は一般的なものです。地域やご家庭の考え方によって異なる場合があります。相手の状況を最優先に、無理のない形をお選びください。