結論

葬儀を終えたあとに弔問へ伺うこと自体はまったく問題がなく、 参列できなかった場合や、後から訃報を知った場合の弔意の示し方として広く行われています。 時期は葬儀のあと3日ほど空けてから、四十九日までのあいだが目安で、 伺う前に必ず連絡を入れて、都合のよい日は相手に決めてもらいます。

香典は辞退されていないのであれば持参するもので、 お供えのほうは日持ちのする消えものから選んでおけば外しません。 服装は改まった平服にしておき、喪服のほうは着ないでください。葬儀はすでに終わっている時期にあたりますので、喪服のまま玄関に立つと、その場だけが仰々しくなってしまいます。

葬儀後の弔問

項目目安
早さの下限葬儀のあと3日ほどは空けておきます
遅さの上限四十九日までに伺うのが目安になります
連絡必ず事前に入れ、都合は相手に決めてもらいます
香典辞退でなければ持参し、表書きは時期で変えます
お供え3千円から5千円の消えものを選びます
服装改まった平服にし、喪服は着ません
滞在20分から30分ほどで切り上げます

香典とお供えは両方を持参しても、どちらか一方だけでも構わず、そこに決まりはありません。香典を辞退されている場合であれば、お供えだけを持って伺うという形を取ることもできます。

いつ伺うか

訃報を知ったのが葬儀の終わったあとだったという場合、 一日も早く手を合わせに伺いたい気持ちのほうが先に立ちます。 ところが電話をかけようとしたところで、 この時期に連絡を入れて迷惑にならないかというところで手が止まります。

弔問には早すぎる時期というものがあって、 葬儀の直後は片づけや役所の手続き、挨拶回りがひととおり集中していますので、 伺うこと自体が遺族にとっては応対の手間になってしまい、 弔意を示すつもりが、かえって時間を奪う形になります。

時期扱い
葬儀の翌日から2日後もっとも忙しい時期にあたり、避けます
3日後から1週間伺うのにいちばん適した時期になります
1週間から四十九日こちらも落ち着いていて、適しています
四十九日以降伺えますが、遅れた事情の前置きが要ります
一周忌以降法要の機会に合わせるほうが自然な形になります

時間帯は午前10時から11時、午後2時から4時のあたりを選んでおくのが無難になります。食事の時間帯にかかると支度の負担をかけることになりますので、その二つの帯のどこかで、相手に決めてもらってください。

連絡を入れるときは、こちらのほうから日時を指定してしまわないようにしておきます。 「近いうちにお線香をあげに伺いたい」とだけ伝えておけば、 遺族のほうは自分の都合のよい日を挙げられますので、断りたいときにも、無理なくその意向を示すことができます。

伺ったあとは二十分から三十分ほどのところで切り上げるのが目安になります。故人の話を長く続けたい気持ちが出てきたとしても、 遺族は同じ話を何人もの弔問客に繰り返している時期にあたりますので、 長居をしないほうが、結局はいちばんの気遣いになります。

香典を持参するか

伺う日が決まってくると、今度は香典を持っていくべきかどうかというところで迷うことになります。 葬儀に参列できなかったのだから当然という気もしますし、辞退されていたと聞いているのであれば、持っていくこと自体が押しつけになるようにも思えてきます。

判断の軸はすでに渡してあるかどうかという一点だけで、辞退されているかどうかがそこに重なってきます。 葬儀に参列して香典を渡してあるのであれば重ねて持参する必要はありませんので、 まだ渡していない場合と、案内に辞退の記載があった場合とを分けて見ておけば、 持っていくかどうかはその場で決められます。

弔問の時期表書き
四十九日まで「御霊前」とします(浄土真宗は御仏前です)
四十九日以降「御仏前」とし、全宗派で使えます
宗派が分からない「御香典」としておけば外しません

伺う時期によって表書きの言葉が変わってくるという点が、葬儀の当日に渡す場合との違いになります。葬儀の日のつもりで「御霊前」と書いた袋を用意すると、四十九日を過ぎてからの弔問では合わなくなりますので、日を決めてから書いてください。

四十九日を境に「御霊前」から「御仏前」へ切り替わることになりますので、伺う日が決まってから袋の表を書くようにしておけば、書き直しが要りません。 宗派が分からないまま用意することになったのであれば、 「御香典」としておけば、どの時期でもどの宗派でも通ります。

香典を辞退されているのであれば、そこは持参せずに伺うことになります。その場合でも手ぶらでは落ち着かないという方であれば、 お供えだけを持って伺うという形が取れますので、 金額のことは考えずに、日持ちのする品を選んでおけば足ります。

後日弔問の香典を詳しく見る(金額・袋・渡し方)

お供えの選び方

お供えを持って伺うと決めたところで、今度は売り場に立って何を選ぶかというところで迷います。 仏前に置いてもらうものだからと改まった品を探したくなりますが、 葬儀を終えたばかりの家に、置き場所の要るものを持ち込むわけにもいきません。

選ぶ基準は使えばなくなる「消えもの」であることで、 金額のほうは三千円から五千円のあたりが目安になります。 仏前に供えたあとで片づける場面まで含めて考えると、 向いているものと向かないものが、はっきり分かれてきます。

向いているもの避けるもの
個包装の焼き菓子肉や魚は殺生を連想させるため避けます
常温で日持ちする果物傷みやすいものや要冷蔵のものは向きません
線香・ろうそくにおいの強い花やとげのある花も避けます
故人が好きだった飲み物かさばるものや重いものも持ち込みません

掛け紙は黒白または双銀の結び切りにし、表書きを「御供」としておけば、宗派を問わずそのまま使えます。弔問客が続く時期にあたりますので、個包装で日持ちのするものであれば、そのまま来客に出すこともできて実際的です。

個包装で日持ちのするものが喜ばれるのは、 葬儀のあとしばらくは弔問に訪れる方が続くからです。 大きな菓子を一つ選ぶよりも小分けの詰め合わせのほうが、そのまま来客に出すこともできますし、集まった親族で分けて持ち帰ることもできます。

掛け紙のほうは黒白か双銀の結び切りを選び、表書きは「御供」としておきます。 「御霊前」「御仏前」のように時期や宗派で変わる言葉ではありませんので、 伺う日がまだ決まっていない段階で用意しても、 後から書き直すことにはなりません。

お供えの品物と金額を詳しく見る

四十九日を過ぎた場合

年賀状のやり取りで初めて訃報を知ったというように、葬儀から半年も経ってから知らされることがあります。 いまさら伺ってよいものかどうか、 かえって蒸し返すことにならないかというところで、連絡そのものをためらいます。

伺えないわけではありませんが、前置きが要るという点だけが、四十九日までとは変わってきます。 時間が経つほど訪問は遺族にとって改まった出来事になりますので、 伺うという形だけにこだわらず、 別の形で弔意を示すという選び方も、あわせて考えておくことになります。

方法向いている場面
あらためて弔問する「存じ上げず、ご連絡が遅くなりました」と添えます
手紙を送る訪問が負担になりそうなときはこちらにします
法要の機会に合わせる一周忌以降であれば、こちらが自然な形です
香典を郵送する現金書留にお悔やみの手紙を添えて送ります

郵送する場合の表書きは「御仏前」で、四十九日を過ぎている以上「御霊前」では合わなくなります。現金書留の封筒に香典袋ごと入れたうえで、お悔やみの手紙を一枚添えておいてください。

時間が経つほど訪問は改まった出来事になっていきますので、 伺うことだけが弔意の示し方であるとは限りません。手紙を一通送る形であれば相手に応対の支度をさせずに済みますし、 一周忌以降であれば、法要の機会に合わせるほうが自然に収まります。

伺う場合には「存じ上げず、ご連絡が遅くなりました」と一言添えたうえで、用件を切り出しておきます。 遅れた事情を長く説明する必要はなく、 知らないままでいたことを一言で伝えておけば、 相手も、なぜ今になってという引っかかりを持たずに済みます。

遅れて知った場合のお悔やみの言葉を見る

家族葬だった場合

家族だけで見送ったと後から聞かされると、 せめて手を合わせに伺いたいという気持ちが強くなります。 ところが同じことを考える方はほかにもいますので、 葬儀のあとに弔問の申し出が一度に集中することになります。

家族葬では弔問まで辞退されていることがありますので、 伺うかどうかを自分で決めるのではなく、まず意向を確かめるところから始めます。 遺族の側は小さく見送ることを選んだわけですので、 その意向を確かめずに動くと、選んだ形そのものを崩してしまいます。

状況対応
弔問も辞退と伝えられた伺わずに、手紙だけにとどめます
辞退の記載がない連絡を入れて、都合のほうを尋ねてみます
返事がない重ねて連絡することはしません
香典も辞退されている持参せず、お供えだけにする方法もあります

返事が返ってこないということも、それ自体がひとつの意思表示にあたると考えておいてください。断りの言葉を書くこと自体が負担になる時期でもありますので、催促のような連絡は入れず、そのまま引いておいてください。

弔問も辞退と伝えられたのであれば伺うことはせず、手紙を一通送る形にとどめておきます。 家族葬を選んだ家では、応対そのものを避けたいという事情があることも多く、 伺うと決めてから連絡するのではなく、 伺ってよいかどうかを尋ねる形にしておくほうが、相手も断りやすくなります。

案内のほうに辞退の記載がなかったのであれば、連絡を入れて都合を尋ねてみることになります。 そこで返事が来ないのであれば、それも一つの答えにあたりますので、 重ねて連絡することはせず、 弔意は手紙のほうで示しておけば、それで十分に伝わります。

複数人で行く場合

同じ職場の何人かで、あるいは学生時代の友人どうしで、 まとまって伺いたいという話になることがあります。 一人ずつ別々に伺うよりまとめたほうが手間をかけないように思えますが、 人数が増えると、その場の応対そのものが重くなります。

ここで見ておくのは応対の負担が人数に比例するという点で、まとめれば楽になるとは限りません。 お茶を出す支度も、座る場所を作ることも人数のぶんだけ増えていきますので、 伺う人数のほうを絞っておくことと、 香典をどうまとめるかの二つを、先に決めておくことになります。

決めること目安
伺う人数絞ります。応対の負担が人数に比例します
香典連名でまとめるほうが返礼の手間が減ります
4名以上のとき「〇〇一同」とまとめて表に書きます
添えるもの全員の氏名と住所、金額を別紙に書いて同封します

連名でまとめておけば、遺族が香典返しを用意するときの手間が、そのぶんまとめて減ることになります。一人ずつ別々に包むと返礼も人数分になりますので、少額ずつ出し合うのであれば、一つにまとめてしまうほうが親切です。

伺う人数のほうは、代表として二人か三人あたりに絞っておきます。全員で伺いたいという気持ちはあったとしても、 玄関先に何人も立つことになれば遺族は座敷へ通す支度から始めますので、 そのぶんだけ時間を取らせてしまいます。

香典を連名でまとめるのであれば、四名以上になったときは「〇〇一同」と表に書くことになります。 そのうえで全員の氏名と住所、それぞれの金額を書いた別紙を同封しておけば、 遺族は返礼の宛先をそのまま作れますので、 後から一人ずつ問い合わせるような手間が生じません。

連名の書き方を見る

伺い方に一つだけの正解があるわけではなく、葬儀からどれだけ日が経っているかと、 その家が弔問を受け付けているかどうかを見て決めればそれで足ります。 三日ほど空けてから四十九日までのあいだであれば時期として無理がありませんし、 伺うことが負担になりそうであれば、手紙を一通送る形でも弔意は十分に伝わります。

どの場面でも変わらないのは、日時をこちらの側から決めてしまわないという一点だけになります。 伺いたいという意向だけを先に伝えて日は相手に選んでもらえば、 細かい作法を思い出せなくても失礼にはなりませんし、 遺族の側も、応対のできる日を無理なく選べます。

よくある質問

葬儀のあとに弔問してもよいですか?

問題ありません。葬儀に参列できなかった場合や後から訃報を知った場合の弔意の示し方として、広く行われている形になります。時期は葬儀のあと3日ほど空けてから四十九日までのあいだが目安で、伺う前に必ず連絡を入れて、都合のよい日は相手に決めてもらってください。

いつ伺うのが適していますか?

葬儀の翌日から2日後は片づけや役所の手続き、挨拶回りが集中してもっとも忙しい時期ですので避けます。3日後から四十九日までのあいだが適しています。時間帯は午前10時から11時、午後2時から4時のあたりが無難で、食事の時間帯は支度の負担をかけますので外してください。

香典は持っていきますか?

葬儀に参列して渡してあるのであれば、重ねて持参する必要はありません。まだ渡していない場合に用意しますが、表書きは四十九日までなら「御霊前」、四十九日以降なら「御仏前」で、宗派が分からなければ「御香典」としておけば外しません。辞退されているのであれば持参しません。

お供えは何を選べばよいですか?

使えばなくなる消えものが基本で、金額は3千円から5千円が目安になります。個包装の焼き菓子や常温で日持ちする果物、線香やろうそくが向きます。掛け紙は黒白または双銀の結び切りにし、表書きを「御供」としておけば、宗派を問わず使えます。

四十九日を過ぎてしまいました

伺えないわけではありませんが、「存じ上げず、ご連絡が遅くなりました」と前置きを添えてください。時間が経つほど訪問は改まった出来事になりますので、手紙を送る形や、一周忌以降であれば法要の機会に合わせる形も選べます。香典を郵送するなら現金書留にし、表書きは「御仏前」です。

家族葬だった場合はどうしますか?

弔問まで辞退されていることがありますので、伺うかどうかを自分で決めず、まず意向を確かめてください。辞退と伝えられたのであれば伺わず、手紙だけにとどめます。連絡して返事が来ないのであれば、それも一つの意思表示にあたりますので、重ねて連絡することはしません。

まとめ

  • 葬儀後の弔問は問題なく行えます
  • 3日ほど空けてから連絡します
  • 四十九日までに伺います
  • 日時は相手に決めてもらいます
  • 表書きは時期によって変わります
  • お供えは日持ちする消えものにします
  • 喪服は着ずに改まった平服で伺います
  • 滞在は20分から30分で切り上げます

参考情報

  1. 小さなお葬式「お悔やみを後日伝える時のマナーは?服装や持ち物についても解説」
    https://www.osohshiki.jp/column/article/1504/
  2. くらしの友「弔問の服装を男女別で徹底解説! 持ち物のマナーも併せて紹介」
    https://www.kurashinotomo.jp/media/n54-choumon-manners/
  3. 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「お悔やみの言葉:状況に応じた正しい言葉遣いの基本とマナー」
    https://www.zensoren.or.jp/dictionary/dictionary10/

弔問に伺う時期(葬儀後3日ほど空け、四十九日までに)、事前連絡が必要なこと、葬儀後は喪服を避けることは、参照した情報源で共通しています。

本記事で紹介している目安は一般的なものです。地域やご家庭の考え方によって異なる場合があります。遺族の都合を最優先し、無理に伺わないでください。