結論

お七夜は、生まれた日を1日目として数えて7日目の夜に行う、 赤ちゃんの名前をお披露目する行事です。「命名式」とも呼ばれます。

ただし、この時期は母子がまだ入院中か、退院直後にあたります。 そのため省略する家庭も、命名書を書いて写真を撮るだけで済ませる家庭も多く、 やらなくても差し支えありません。 なお出生届は生まれた日を含めて14日以内という法律上の期限があり、こちらは別の話です。

お七夜はいつか

「7日目」がいつなのかは、数え始めをどこに置くかで1日変わります。 出産直後は日付の感覚があいまいになるため、なおさら間違えやすいところです。

赤ちゃんの行事では、生まれた日を1日目として数えます。 つまりお七夜は、誕生日の6日後の夜にあたります。 昔は生後まもない赤ちゃんが亡くなることも多く、 7日目を無事に迎えられたことを祝う意味があったといわれています。

生まれた日お七夜(7日目)出生届の期限(14日目)
9月1日9月7日9月14日
9月28日10月4日10月11日
12月30日1月5日1月12日

お七夜と出生届は数え方が同じ(生まれた日を1日目)ですが、性質はまったく違います。お七夜は慣習で、やらなくても不都合はありません。出生届は法律上の期限があり、こちらは動かせません。混同しないよう分けて考えます。

何をするのか

「式」と名前がついていますが、決まった進め方はありません。 家によって、やることの量は大きく違います。

本来は、命名書を書いて神棚や床の間に飾り、 親族を招いて祝い膳を囲む形でした。現在は命名書を書いて写真を撮るだけで済ませる家庭も多く、 これで省略したことにはなりません。よく行われているのは次の3つです。

すること内容よくある形
命名書を書く赤ちゃんの名前と生年月日を書くこれだけ行う家庭が多い
記念写真命名書と赤ちゃんを並べて撮る手形・足形を一緒に残すことも
祝い膳赤飯・尾頭付きの鯛など省略・宅配・外食で代えることも多い

祝い膳は省略して差し支えありません。母親が退院当日か、退院して数日という時期にあたるためです。どうしても形を整えたい場合は、宅配の祝い膳を頼むか、日を数日ずらします。お七夜は日付をずらしてはいけない行事ではありません。

命名書の書き方と飾り方

命名書には正式な形と略式があります。 毛筆で書くものと思われがちですが、現在は市販の用紙や代筆サービスもよく使われています。

正式なものは奉書紙を折って用いますが、 略式(半紙1枚に書く形)で構いません。書く内容は次のとおりです。

位置書く内容
中央(大きく)赤ちゃんの名前
名前の右父親の氏名と続柄(長男・長女など)
名前の左生年月日
上部「命名」と書きます

飾る場所は神棚や床の間とされますが、無い家庭がほとんどです。リビングの壁や、ベビーベッドの近くで構いません。飾る期間の決まりもなく、お宮参りのころまで飾ってから、へその緒などと一緒にしまう家庭が多くなっています。市販の命名紙やフォトフレーム型のものを使っても、意味は変わりません。

やらない・簡略にする場合

生後7日目は、母子ともにいちばん余裕のない時期です。 帝王切開だった場合や、赤ちゃんが入院を続けている場合は、行うこと自体が難しくなります。

お七夜をやらないことに問題はありません。 省略する家庭は珍しくなく、後の行事に影響することもありません。 それでも何か残したい場合は、次のように置き換えられます。

  • 入院中に病室で……命名書を持ち込み、赤ちゃんと並べて写真を撮るだけにします
  • 日をずらす……退院後の落ち着いた日に。7日目でなくて構いません
  • 名前がまだ決まらない……無理に決めません。決まってから改めて行えば十分です
  • お宮参りとまとめる……命名書はお宮参りの写真に写し込む形にします

祖父母から「お七夜はやらないのか」と言われたら

体調を理由にすれば通ります。「産後すぐで動けないので、命名書だけ書いて写真を送ります」と伝えれば、多くの場合それで収まります。ここで無理をしても、その後の育児が続きます。次のお宮参りかお食い初めに誘うと伝えておくと、話が前に進みます。

出生届の期限との関係

お七夜と混同されやすいのが出生届です。 「7日目までに名前を決める」と思われていることがありますが、これは正しくありません。

出生届の提出期限は、戸籍法により、生まれた日を含めて14日以内と定められています (国外で生まれた場合は3か月以内)。名前を決める実質的な期限はこちらです。 お七夜の時点で名前が決まっていなくても差し支えありません。

項目お七夜出生届
性質慣習法律上の手続き
時期7日目の夜(目安)生まれた日を含めて14日以内
やらないととくに問題はありません戸籍の記載が遅れます。期限は守ります
提出先—出生地・本籍地・届出人の所在地の市区町村

14日目が土日祝で役所が閉まっている場合は、翌開庁日が期限になります。時間外窓口で受け付けている自治体も多くあります。名前がどうしても決まらないときは、期限までに市区町村の窓口へ相談してください。お七夜に間に合わせるために名前を急いで決める必要はありません。

祖父母を呼ぶか・お祝いは必要か

本来は父方の祖父が主催し、親族を招く行事でした。 その形をそのまま行う家庭は、現在では多くありません。

呼ばなくて構いません。母子の状態が最優先される時期だからです。 呼ぶ場合も、短時間・少人数にとどめるのが現実的です。 招かれた側がお祝いを包むかどうかは、次のように考えられています。

  • 祖父母……出産祝いとは別に包む場合もありますが、出産祝いにまとめることが多くあります
  • その他の親族……お七夜に呼ばれること自体が少なく、包まないのが通例です
  • いただいた場合……身内の内輪の行事なので、改めて内祝いを返さない家庭が多くあります
  • 招かなかった相手からいただいた……いただいた額の3分の1〜半額を目安に返します

出産祝いをいつ渡すか・いつ返すかについては、 出産祝いはいつ渡す?贈る時期と遅れた場合の対応で詳しく扱っています。

よくある質問

お七夜はやらなくても大丈夫ですか?

差し支えありません。生後7日目は母子ともに余裕のない時期にあたるため、省略する家庭は珍しくありません。後の行事に影響することもありません。命名書を書いて写真を撮るだけにする形も広く行われています。

7日目が退院日と重なります。どうすればいいですか?

日をずらして構いません。退院後の落ち着いた日に行えば十分です。入院中に病室で命名書と一緒に写真を撮るだけ、という形にする家庭もあります。

お七夜までに名前を決めないといけませんか?

決めなくて構いません。名前を決める実質的な期限は出生届の提出期限で、戸籍法により生まれた日を含めて14日以内と定められています。お七夜の時点で決まっていなくても問題ありません。

命名書は毛筆で書かないといけませんか?

決まりはありません。市販の命名紙やフォトフレーム型のものを使う家庭も多く、代筆サービスもあります。略式(半紙1枚)で構いません。

命名書はいつまで飾りますか?

決まりはありません。お宮参りのころまで飾り、その後はへその緒や母子手帳と一緒にしまう家庭が多くなっています。

まとめ

  • 生まれた日を1日目として数えて7日目の夜。誕生日の6日後にあたります
  • やらなくて差し支えありません。命名書を書いて写真を撮るだけの形も一般的です
  • 命名書は略式(半紙1枚)で構いません。飾る場所も自由です
  • 出生届は生まれた日を含めて14日以内(戸籍法)。こちらは慣習ではなく手続きです
  • 祖父母は呼ばなくて構いません。呼ぶ場合も短時間・少人数にとどめます

参考情報

  1. 法務省「出生届」
    https://www.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-1.html
  2. e-Gov法令検索「戸籍法」(第四十九条)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224
  3. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  4. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx

行事の日どりや作法には公的な基準がありません。本記事の内容は、神社本庁など行事を実際に受け入れている側の説明と、広く共通して挙げられる目安を照合してまとめたものです。地域・ご家庭・神社によって実際の扱いは異なります。出生届の期限は戸籍法第四十九条の定めによります。

本記事で紹介している日どり・金額・作法は一般的な目安です。赤ちゃんの行事は地域とご家庭による差がとくに大きく、決まった正解があるものではありません。ご祈祷の受付時間・初穂料・予約の要否は神社ごとに違うため、お参りする神社の案内を優先してください。