結論
お食い初めは、生まれた日を1日目として数えて100日目ごろに行います。 「百日祝い(ももかいわい)」とも呼びます。 その日ちょうどである必要はなく、前後にずらして構いません。
することは、祝い膳を用意して、食べさせる真似をすることです。 実際に食べさせるわけではありません。 参加者は両親だけでも、両家の祖父母を招いても、どちらでも構いません。
100日目はいつか(数え方)
「生後100日」と言われても、どこから数えるのかで日付が変わります。 生まれた日を0日目として数えると、1日ずれます。
赤ちゃんの行事では、生まれた日を1日目と数えます。 つまり100日目は、誕生日の99日後にあたる日です。 地域によっては110日目・120日目に行うところもあり、 「遅らせるほど長生きする」という言い伝えとして受け取られています。
| 生まれた日 | 100日目 | 110日目 | 120日目 |
|---|---|---|---|
| 9月1日 | 12月9日 | 12月19日 | 12月29日 |
| 10月1日 | 1月8日 | 1月18日 | 1月28日 |
| 1月10日 | 4月19日 | 4月29日 | 5月9日 |
月をまたぐ計算は手ではずれやすいため、カレンダーアプリの日数計算で確かめると確実です(2月29日をまたぐ年は1日ずれます)。100日目が平日なら、その前後の土日に寄せて構いません。日付そのものに効力があるわけではありません。
ちょうど100日でなくてよい
生後3か月ごろは、予防接種や健診が立て込み、赤ちゃんの生活リズムも安定しません。 100日目に固執すると、当日に体調を崩して中止、という結果になりがちです。
日程を動かす基準は、赤ちゃんの機嫌がよい時間帯に、1時間ほど落ち着いて過ごせるかです。 前後1〜2週間の範囲で動かす家庭は多く、次のように判断すると迷いません。
- 100日目が平日……直前・直後の土日に寄せます
- 予防接種と重なる……接種当日は避け、翌々日以降にします
- 祖父母の都合が合わない……日を動かすか、夫婦だけで行って写真を送ります
- お宮参りをまだしていない……同じ日にまとめる家庭も多くあります
誰を呼ぶか
いちばん相談が起きるのがここです。 片方の祖父母だけを呼んだ結果、もう一方に伝わって気まずくなる、という形が典型的です。
参加者に決まりはありません。夫婦と赤ちゃんだけで行っても差し支えありません。 判断の軸は「誰が来たいか」ではなく、産後3か月の母親が対応できる人数かです。 呼ぶ・呼ばないより、先に伝えるかどうかで印象が変わります。
| 形 | 向いている場合 | 伝え方 |
|---|---|---|
| 夫婦と赤ちゃんだけ | 母子の負担を抑えたい | 「今回は家族3人で。写真を送ります」 |
| 片方の祖父母 | 近居・遠方の差が大きい | 「近いので今回は。次はそちらで」と次の機会を示す |
| 両家の祖父母 | 距離が近く、母親に余裕がある | 支払いをどうするか先に決めておく |
両家を招くなら、支払いを先に決めます。お店で行う場合は「こちらで用意します」と親側が言い切るか、祖父母が出すと申し出たら素直に受けるか、どちらかにします。当日その場で譲り合うのがいちばん時間を取られます。招かなかった側へは、その日のうちに写真を1枚送ると話が長引きません。
用意するもの(祝い膳と歯固め石)
献立を一から調べると細かい決まりが次々出てきますが、 全部そろえなければ成立しない、という性質のものではありません。
基本は一汁三菜で、それぞれに願いの意味が結びついています。 意味が分かっていれば、手に入らないものを代わりの品にしても筋が通ります。
| 品 | 内容 | 込められた意味 |
|---|---|---|
| 赤飯 | お赤飯(白飯でも可) | 赤い色が魔除けになるとされる |
| 尾頭付きの鯛 | 焼き魚 | 「めでたい」の語呂と、赤い色 |
| 吸い物 | はまぐりなど | 「吸う力が強くなるように」 |
| 煮物 | 季節の野菜 | 具材ごとに縁起をかつぐ |
| 香の物 | 漬物・梅干しなど | 梅干しは「しわができるまで長生き」 |
| 歯固め石 | 小石。膳に添える | 「石のように丈夫な歯が生えるように」 |
歯固め石は、お宮参りで神社から授かるか、境内の小石を借りて後で返すのが昔からの形です。通販のお食い初めセットに入っていることもあります。石を赤ちゃんの口に直接入れるのは避けます。誤飲の危険があるためで、箸の先を石に触れさせ、その箸を歯ぐきにそっと当てる形にします。食器も、専用のものを買わず手持ちの器で行う家庭は珍しくありません。
当日のやり方と食べさせる順番
いざ膳が並ぶと、誰が何をどの順で口元へ運ぶのかで止まります。 順番を紙に書いておくと、当日そのとおりに進みます。
赤ちゃんに食べさせる真似をする役を「養い親(やしないおや)」と呼びます。 その場にいる同性の年長者——男の子なら男性、女の子なら女性——が務めるのが昔からの形ですが、 両親が務めても構いません。膝に赤ちゃんを乗せ、次の順で口元へ運びます。
- ご飯 → 吸い物 → ご飯 → 魚 → ご飯 → 吸い物の順で口元へ運びます
- これを3回繰り返します
- 最後に歯固めの儀式。箸先を石に触れさせ、その箸を歯ぐきに軽く当てます
- いずれも食べさせる真似です。実際に口に入れません
泣いたら、そこで切り上げて構いません
生後100日の赤ちゃんが、儀式のあいだ機嫌よくしている保証はありません。途中で泣いたら中断して問題ありません。順番を最後までなぞることに意味があるのではなく、祝い膳を用意して真似をした、という事実で足ります。写真だけ先に撮っておくと、後から見返したときに困りません。
自宅・お店・宅配のどれにするか
準備の負担と、参加人数のバランスで決まります。 産後3か月で鯛を焼くところから始めると、当日には疲れ切っていることになります。
次の3つが現実的な選択肢です。どれを選んでも作法上の差はありません。
| 方法 | 向いている場合 | 注意 |
|---|---|---|
| 自宅で手作り | 夫婦だけ・少人数 | 鯛は前日に予約しておく。当日の調理は最小限に |
| 宅配・通販のセット | 自宅で楽に済ませたい | 配達日を100日目の前後で指定できるか確認 |
| お店(料亭・ホテル) | 両家の祖父母を招く | 個室と、お食い初め膳の有無を予約時に確認 |
お店に頼む場合は、「お食い初めをしたい」と予約の段階で伝えます。祝い膳を用意している店なら、歯固め石まで含めて出てくることがあります。赤ちゃん連れなので、個室かどうかも同時に確認しておくと当日あわてません。
お祝いをいただいたら
祖父母から「お食い初めに」とお祝いを包まれることがあります。 内祝いを返すべきか迷うところです。
お食い初めは身内で行う内輪の行事のため、 招いて食事をともにした相手には、改めて内祝いを返さないのが一般的です。 招けなかった相手からいただいた場合は、いただいた額の3分の1〜半額を目安に品物を返します。 表書きは「内祝」とし、下段は赤ちゃんの名前にします。
よくある質問
100日目を過ぎてしまいました。もうできませんか?
できます。もともと110日目・120日目に行う地域もあり、遅れることが問題視される行事ではありません。生後4か月を過ぎてから行う家庭もあります。
夫婦と赤ちゃんだけで行っても大丈夫ですか?
差し支えありません。参加者に決まりはなく、産後の母親の負担を考えて少人数にする家庭は多くあります。祖父母には事前に「今回は家族だけで」と伝え、当日の写真を送ると角が立ちません。
歯固め石はどこで手に入りますか?
お宮参りの際に神社で授かるか、境内の小石を借りて行事の後に元の場所へ返す形が昔からの方法です。通販のお食い初めセットに含まれていることもあります。石は赤ちゃんの口には入れず、箸を介して歯ぐきに当てます。
お食い初め用の食器は買わないといけませんか?
必須ではありません。専用の漆器を使う形もありますが、手持ちの器や離乳食用の食器で行う家庭も多くあります。レンタルという選択肢もあります。
お宮参りと同じ日にしてもいいですか?
構いません。お宮参りを生後100日ごろに合わせて、参拝の後に食事会としてお食い初めを行う形は広く行われています。赤ちゃんの負担は増えるため、午前と昼に分けるなど時間配分を決めておきます。
まとめ
- 生まれた日を1日目として数えて100日目ごろ。110日・120日の地域もあります
- ちょうど100日でなくて構いません。前後の土日に寄せて差し支えありません
- 参加者に決まりはなく、夫婦と赤ちゃんだけでも構いません
- 基本は一汁三菜と歯固め石。石は口に入れず、箸を介して歯ぐきに当てます
- 順番はご飯→吸い物→ご飯→魚→ご飯→吸い物を3回、最後に歯固め。泣いたら切り上げて構いません
参考情報
- All About「お食い初めのメニューは何がいい?献立・食器について解説」
https://allabout.co.jp/gm/gc/408527/ - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
行事の日どりや作法には公的な基準がありません。本記事の内容は、神社本庁など行事を実際に受け入れている側の説明と、広く共通して挙げられる目安を照合してまとめたものです。地域・ご家庭・神社によって実際の扱いは異なります。
本記事で紹介している日どり・金額・作法は一般的な目安です。赤ちゃんの行事は地域とご家庭による差がとくに大きく、決まった正解があるものではありません。ご祈祷の受付時間・初穂料・予約の要否は神社ごとに違うため、お参りする神社の案内を優先してください。