結論
御見舞御礼というのは、まだ回復を報告できない段階で使う表書きになりますので、 病室で受け取ったお見舞いに対して、先にお礼だけを返しておきたいときに使えます。 「まずはお礼まで」という意味の言葉であって、回復の知らせにはなりません。
療養や入院が続いている場合のほか、お見舞いを辞退したときや、 品物ではなく来ていただいたことへのお礼を返したいときにも使えますので、 「快気」と書ける日を待ちながら、返礼だけを何か月も止めておく必要はありません。
御見舞御礼を使う場面
| 場面 | なぜこの表書きか |
|---|---|
| 療養・入院が続く | 「快気」とは書けませんが、お礼だけは先に返せます |
| お見舞いを辞退した | 気持ちだけを受け取ったお礼としてお渡しします |
| 来ていただいただけ | 金品はいただいていませんが、礼を尽くせます |
| 回復の見通しが立たない | 1か月をめどに、一度お礼をしておきます |
| 転院した | 一つの区切りとして、お礼をお伝えします |
| 家族が代わりに礼をする | 本人が動けないときに、家族が手配します |
治ったかどうかに触れない言葉ですので、回復していない段階でもそのまま使えます。ここで一度お礼を返しておけば、全快したあとは改めて連絡を入れるだけで足りますので、返礼のほうを二度用意しなければならないということにはなりません。
御見舞御礼とは
入院中に届いたお見舞いの封筒や果物かごを机の上に並べたところで、いつお返しをすればよいのかというところで手が止まります。 売り場で見かける表書きは「快気祝」ばかりですので、退院の日取りもまだ決まっていない自分がそれを書いてよいものかが分かりません。
ここで効いてくるのは、その表書きが回復を報告する言葉かどうかという一点になります。 御見舞御礼のほうは「お見舞いをいただいたお礼」という、それだけの意味しか持ちませんので、 書く側が自分の体の状態を申告しないままでも成り立ちます。
| 項目 | この表書きの中身 |
|---|---|
| 意味 | お見舞いをいただいたお礼、それだけを表します |
| 回復の報告 | 治ったかどうかには、いっさい触れません |
| 使える状態 | 療養が続いている最中でも、そのまま使えます |
| 快気祝との関係 | 快気祝はお返しと回復の報告を兼ねています |
| 快気祝が使えない理由 | 治っていない段階では、報告の部分が書けません |
報告という要素を持たないことが、そのままこの表書きの使いやすさになっています。快気祝は治っていなければ使えない言葉ですが、御見舞御礼のほうは状態を問いませんので、先の見えない療養が続いているあいだの逃げ道になってくれます。
手術のあとで病室が変わり、机の上にお見舞いの袋がいくつも並んだまま何週間も過ぎてしまった、というのがよくある形になります。 返さなければとは思っていても、退院の日取りが決まらないうちは、快気祝という言葉のほうが先に引っかかってしまいます。
そこで表書きだけを御見舞御礼に替えてしまえば、体の具合を書かないままお礼を先に届けられます。 困ったときの逃げ道として用意されている言葉ですので、快気と書けないことを理由に、返礼を止めたままにしておかなくて済みます。
快気祝いとの違い
「御見舞御礼」と「快気祝」は、どちらもお見舞いへのお返しとして使われますので、売り場の見本帳では同じ棚に並んでいます。 名前が似ているうえに掛け紙の見た目も変わりませんので、どちらを指定すればよいのかが、その場ではすぐに決まりません。
分かれ目になるのは回復を報告するかどうかの一点だけになりますので、療養が続いている段階では、この違いがそのまま選べる・選べないの差になって効いてきます。 言い換えれば、体の状態がまだ定まっていない人にとっては、実質的に選択肢が一つしか残らないということになります。
| 項目 | 快気祝 | 御見舞御礼 |
|---|---|---|
| 回復の報告 | 回復したことを、あわせて伝えます | 回復したかどうかには触れません |
| 使える状態 | 完治してから使う言葉になります | どの段階でも使うことができます |
| 金額 | いただいた額の1/3から半額にします | こちらも快気祝と同じ額にします |
| 時期 | 退院・全快から10日〜1か月のうちに贈ります | 1か月をめどに一度お礼をします |
| 水引 | 紅白の結び切り(5本)を掛けます | こちらも紅白の結び切り(5本)です |
| のし | お祝いにあたりますので、のしを付けます | こちらにも同じように、のしを付けます |
掛け紙も包む額も同じですので、実際に選ぶときに違ってくるのは言葉の部分だけになります。売り場で伝えるべきなのも「御見舞御礼で」という一言だけで、そのほかの指定は快気祝のときとまったく変わりません。
実際に困るのは、いただいた品にお礼を返したい気持ちのほうは固まっているのに、体だけがまだ元に戻っていないという段階です。 快気祝と刷られた掛け紙を選んでしまうと言葉と実情が食い違いますので、そこで手が止まったまま、日数だけが過ぎていきます。
そういうときは、金額も水引もそのままにして、表書きの言葉だけを御見舞御礼に替えてください。 選び直すのは言葉の部分だけですので、注文の画面でも売り場でも手間はほとんど変わりませんし、 受け取った側に、こちらの容体を推し量らせることもありません。
快気祝と快気内祝の違いを見る使う場面
この表書きを使うのは、快気祝と書けない状態が続いているあいだの、限られた場面ということになります。 ただ、その「あいだ」がいつ終わるのかは本人にも分かりませんので、どこに区切りを置くかというところで迷います。
判断の軸になるのはいつまで待つかのほうで、全快してから返そうという構えでいると、その間ずっとお礼を返せないままになります。 相手の手元には、見舞ったきり何の返事も来ていないという状態だけが残り続けることになります。
| 場面 | 進め方 |
|---|---|
| 療養が長引いている | 1か月をめどに一度お礼をし、全快は待ちません |
| お見舞いを辞退した | 気持ちだけ受け取った旨を伝え、軽い品を返します |
| 来ていただいただけ | 必須ではありませんが、返すならこの表書きにします |
| 入院が長く、区切りが要る | 転院や手術後といった節目に、お礼をします |
| 家族が代わりに手配する | 名前は本人にし、手配だけ家族が引き受けます |
全快を待つ必要はありません。返事の来ない時間が長いほど、相手のほうは「まだ悪いのか」と心配を重ねることになりますので、1か月をめどに一度お礼を済ませてしまうほうが、贈った側も受け取った側も落ち着きます。
お見舞いは辞退したはずなのに、玄関先に菓子折りを置いていかれたというような場面も起こります。 断ったのだから返さなくてよいという考え方もできますが、受け取ってしまった以上、そのままにしておくと相手のほうが気にし続けることになります。
その場合は、気持ちだけを受け取った旨を短く伝えたうえで、軽い品を返しておけば収まります。 本人が動ける状態にないのであれば、名前だけ本人にして家族が手配してかまいませんので、体調が戻るのを待って先延ばしにしなくても済みます。
金額と掛け紙
表書きが決まったところで、次はいくらの品を選び、どんな掛け紙を掛けるのかというところが残ります。 快気祝と同じでよいと言われても、その「同じ」の中身を思い出せなければ、注文の画面の前でやはり止まってしまいます。
ここで実際に効いてくるのは療養中に自分で手配しなければならないという事情のほうになります。 店を見て回る体力がないなかで掛け紙の指定まで済ませることになりますので、 ベッドの上から決められる形にしておかないと、いつまでも先へ進みません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額 | いただいた額の1/3から半額までに収めます |
| お見舞いを辞退した場合 | 1〜2千円ほどの菓子など、軽めのもので足ります |
| 水引 | 紅白の結び切り(5本)を選びます |
| のし | お祝いにあたりますので、のしを付けます |
| 表書き | 御見舞御礼とし、「お見舞御礼」でもかまいません |
| 名前 | 本人のフルネームを入れてもらいます |
| 墨 | 濃墨で書いてもらうように伝えます |
| 渡し方 | 配送にし、掛け紙は内のしにします |
療養の最中に外を歩き回って、品を探して回る必要はありません。注文の画面で掛け紙の種類と表書きを指定して配送にしてしまえば、それだけで形は整いますし、その操作ごと家族に頼んでしまってもかまいません。
点滴の合間に起き上がって注文を進めるとなると、掛け紙の欄でどれを選ぶかというところで必ず手が止まります。 紅白の結び切りとのし、この二つさえ押さえておけば、あとは表書きの言葉を入れ替えるだけで済みます。
名前の欄には、手配した家族ではなく本人のフルネームを入れてください。 お見舞いを受け取ったのは本人ですので、そこに別の名が入っていると、受け取った側では誰からのお礼なのかが分からなくなってしまいます。
添える言葉
品物だけが届くのも味気ないので一筆添えたくなりますが、いざ書こうとすると、どこまで体のことを書くべきかで筆が止まります。 心配をかけた相手ですので、詳しく伝えたほうがかえって親切なのではないかとも思えてきます。
ここでの軸になるのは、御見舞御礼が回復の報告ではないという点になりますので、添える言葉のほうもお礼が中心になります。 現状は近況として短く触れる程度にとどめておけば、表書きと中身とが食い違うこともありません。
| 要素 | 例 |
|---|---|
| お礼 | その節はお心遣いをいただき、ありがとうございました |
| 現状(簡潔に) | おかげさまで、少しずつ回復しております |
| 今後 | まだしばらく療養が必要ですが、ご心配には及びません |
| 結び | まずは書中にてお礼申し上げます |
病状を細かく書き並べる必要はありません。熱の下がり方や今後の見通しまで書いてしまうと、受け取った側は何と返せばよいのかで困ることになりますので、「ご心配には及びません」の一言を添えておくほうが、相手は楽になります。
表書きを御見舞御礼にしておきながら、添え状のほうには「おかげさまで全快しました」と書いてしまう取り違えが、いちばん起こりやすい形になります。 包みの表と中の紙とで言っていることが逆になりますので、受け取った側は、どちらを信じてよいのか分からなくなります。
本当に全快しているのであれば、表書きのほうを快気祝に替えてください。 表と中身をそろえておけば相手はそれ以上の詮索をしなくて済みますし、まだ療養が続いているのであれば、現状は一行だけ書いて結びへ移ってしまえば足ります。
全快したあと
御見舞御礼を贈ったあとで体のほうが戻ったとき、改めて快気祝を贈るべきなのかというところが最後に残ります。 お礼はすでに済ませてありますので、そこにもう一度包みを重ねるのは、かえって重すぎるようにも感じられます。
迷いの元になっているのは二度贈ることになるという点で、相手に返礼を二度考えさせてしまうのではないか、というところが気にかかります。 贈る側の気持ちと、受け取る側の負担とが、ちょうどここで逆を向くことになります。
| やり方 | 扱い |
|---|---|
| 連絡だけする | これで十分で、相手にとってはいちばん安心できます |
| 改めて「快気祝」を贈る | 贈っても差し支えなく、二度になっても失礼にはなりません |
| 何もしない | 御見舞御礼を済ませてあれば、それで問題はありません |
お返しそのものは一度で足ります。二度目を贈るかどうかは気持ちの問題であって義務ではありませんので、迷ったのであれば「おかげさまでよくなりました」という一言のほうを届けてください。相手にとっては、それがいちばんうれしい知らせになります。
退院してしばらく経ったころ、廊下ですれ違った相手から「その後どう」と声をかけられる場面が、いずれ必ず訪れます。 そこでよくなったと一言伝えられれば、ずっと気にかけていた分だけ、相手のほうははっきり安心することになります。
品を重ねて贈らなければならないという決まりはありませんので、電話でも葉書でもかまいません。 それでも何か形にしたいのであれば改めて快気祝を贈っても失礼にはなりませんが、そこまでしなくても、御見舞御礼の段階でお返しとしては足りています。
どちらの言葉を選ぶかに一つだけの正解があるわけではなく、 体の状態と、いつお礼を返したいかの二つが決まれば、表書きはそこで決まります。 治ったと書ける段階まで来ているのであれば快気祝でよいですし、 まだ書けないのであれば御見舞御礼にしておけば、それで形は整います。
どの段階でも変わらないのは、表書きと添えた言葉とを食い違わせないという一点だけになります。 ここさえそろえておけば、金額や水引の細かいところを思い出せなくても失礼にはなりませんし、 受け取った側も、包みを開いてからこちらの容体を推し量らずに済みます。
よくある質問
御見舞御礼とは何ですか?
「お見舞いをいただいたお礼」という意味の表書きです。回復したかどうかには触れません。快気祝いがお返しと回復の報告を兼ねるのに対し、御見舞御礼はお礼だけなので、療養中でも使えます。
どんなときに使いますか?
療養や入院が続いていて「快気」と書けないとき、お見舞いを辞退したとき、来ていただいただけで金品はいただいていないときなどです。転院や手術後などの節目に区切りとして贈ることもあります。
全快するまで待つべきですか?
待つ必要はありません。待つほど相手は「まだ悪いのか」と心配します。1か月をめどに一度お礼をしておくほうが、双方が落ち着きます。
金額や掛け紙は快気祝いと違いますか?
同じです。いただいた額の1/3〜半額、紅白の結び切り(5本)にのしを付け、名前は本人のフルネーム。違うのは「回復を報告するかどうか」だけです。お見舞いを辞退した場合は軽めで構いません。
添え状には何を書きますか?
お礼を中心に短く書きます。病状を詳しく書くと相手が返事に困ります。「ご心配には及びません」の一言があると受け取る側が楽になります。表書きが御見舞御礼なのに「全快しました」と書くとちぐはぐになるので避けます。
全快したら改めて贈りますか?
連絡だけで十分です。改めて「快気祝」を贈っても差し支えありませんが、お返しは一度で足ります。「おかげさまでよくなりました」の連絡が、相手にはいちばんうれしい知らせです。
まとめ
- 「まずはお礼まで」という意味で使います
- 回復の報告にはなりません
- 療養が続いている最中でもそのまま使えます
- お見舞いの辞退や、来訪だけのお礼にも使えます
- 金額と掛け紙は快気祝いと同じにします
- 全快を待たず、1か月をめどに一度お礼をします
- 全快したあとは連絡だけで足ります
参考情報
- ジャパンギフト「快気祝いとは?快気内祝いとの違い、贈るタイミング・のし・相場などマナーについて」
https://www.rakuten.co.jp/japangift/contents/kaikiiwai-1/ - Giftaid「お見舞いのお返しは、「快気祝い」or「快気内祝い」どっちが正しい?」
https://www.giftaid.jp/form/den18 - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
「快気祝=完治」「快気内祝=通院が続く」「御見舞御礼=療養が続く」という使い分けは、参照した情報源で共通しています。「全快祝」を「快気祝」と同義とするか、より強い完治の意味に取るかは説明が分かれるため、本文に記載しています。
本記事で紹介している作法は一般的な目安です。地域やご家庭の慣習によって異なる場合があります。回復していない段階で「快気祝」と書かないことだけは、どの説明でも共通しています。