結論
快気祝いの掛け紙は紅白の結び切り(5本)にのしを付けた形になりますので、 のしを付けないお見舞いとは、そこがちょうど逆になります。 表書きは完治したのであれば「快気祝」「全快祝」とし、 通院が続いているのであれば「快気内祝」、療養が長引いているのであれば「御見舞御礼」と使い分けます。
水引の下に書く名前は快復した本人のフルネームになりますので、 お見舞いをくださった方の名前でも、手配をした家族の名前でもありません。 売り場で用途と回復の程度を伝えてしまえば適切なものを用意してもらえますから、 自分で水引や表書きを一から判断する必要はありません。
お見舞いと快気祝いの違い
| 項目 | お見舞い | 快気祝い |
|---|---|---|
| のし | 付けずに用意します | 付けて用意します |
| 水引の色 | 紅白のものを選びます | こちらも紅白のものを選びます |
| 結び方 | 結び切り(5本)を使います | こちらも結び切り(5本)を使います |
| 表書き | 「御見舞」または「御伺」とします | 「快気祝」または「全快祝」とします |
| 名前 | 贈る側の名前を書き入れます | 快復した本人の名前を書き入れます |
| 墨 | 濃墨で書きます | こちらも濃墨で書きます |
違っているのは「のしの有無」と「表書き」、それに書き入れる名前の三つだけになります。お見舞いは祝い事にあたらないためのしを付けず、快気祝いは「よくなった」というお祝いにあたるため、のしを付ける形になります。
のしを付ける理由
退院してお返しの品を用意する段になり、 入院したときにいただいたお見舞いの袋を思い出してみると、のしが付いていませんでした。 同じ流れの贈り物なのだから同じ形でよいはずだと考えて売り場へ向かうと、 そこで出されるのは、のしの付いた掛け紙になります。
この差を作っているのは祝い事にあたるかどうかという一点だけで、贈る相手や品物の値段は関わってきません。 のし(熨斗)はもともとのしあわびを表したもので祝い事のしるしにあたりますので、 快気祝いのように「よくなりました」と伝える贈り物には付き、 病気の最中にお渡しするお見舞いには付かないという形になります。
| 贈り物 | のし | 理由 |
|---|---|---|
| お見舞い | 付けずに用意します | 祝い事にあたらないためです |
| 快気祝い | 付けて用意します | 「よくなった」というお祝いだからです |
| 水引 | どちらも紅白の結び切りです | ここは共通していて変わりません |
水引はどちらも紅白の結び切りで同じですので、違っているのはのしの有無だけだと覚えておくと分かりやすくなります。贈り物としては一続きに見えても、祝い事にあたるかどうかで扱いが切り替わるという仕組みになっています。
のしあわびというのは、あわびを薄く伸ばして干したものを祝い事に添えたことに由来する言葉になります。 いまは掛け紙の右上に印刷された形で残っているだけになりましたが、 その一つの印が付いているかどうかで、 受け取った側には祝い事かそうでないかが伝わることになります。
お見舞いの袋にのしを付けてしまうと、 まだ病気の最中である相手にお祝いを渡す形になってしまいます。 逆に快気祝いでのしを外してしまうと、 よくなったという肝心の知らせが、掛け紙の側から伝わらなくなります。
のしと掛け紙の基本を見る水引は紅白の結び切り
売り場に並んだ掛け紙を見ていくと、同じ紅白のものでも結び目の形が二種類あることに気づきます。 出産や入学のお祝いに使う蝶結びと、 端が上を向いたまま解けない結び切りとが並んでいて、 快気祝いにはどちらを使えばよいのかというところで手が止まります。
快気祝いの水引には、その結び方のほうにきちんと理由が込められています。お祝いであることに変わりはないものの、 二度と繰り返してほしくない出来事についてのお祝いになりますので、 そこが出産や入学のお祝いと分かれるところになります。
| 項目 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 色 | 紅白のものを選びます | お祝い事にあたるためです |
| 結び方 | 結び切りのものを使います | 二度と繰り返さないという意味を込めます |
| 本数 | 5本のものにします | 一般的な慶事で使われる本数です |
蝶結びのほうは使いませんので、そこだけは間違えないでおいてください。蝶結びは出産や入学のように「何度あってもよい」お祝いに使うもので、病気やけがのほうは繰り返したくない出来事にあたりますから、解けない結び切りを選ぶことになります。
結び切りは一度結ぶと解けない形をしていて、 同じことが繰り返されないようにという願いがそのまま形になっています。 結婚のお祝いに結び切りを使うのも同じ考え方によるもので、 一度きりであってほしい出来事には、この結び方が選ばれます。
本数のほうは五本のものを選んでおけば、慶事として一般的な形に収まります。色は紅白で、これはお祝い事にあたるためですので、 お見舞いと同じ紅白だからといって、 同じ袋を使い回せるというわけではありません。
蝶結びと結び切りの違いを図で見る3つの表書きの使い分け
退院はしたものの、まだ通院が続いているという状態でお返しの品を用意することがあります。 「快気祝」と書いてしまってよいものかどうか、 それとも別の言葉があるのかというところで、掛け紙の注文が止まります。
表書きは三つあって、そこで選んだ言葉がそのまま回復の程度を相手に伝えることになります。 完治したのか、通院が続いているのか、まだ療養の途中なのかによって使い分けますので、 いまの状態を一度整理してから選ぶことになります。
| 表書き | 使う場面 | 相手に伝わること |
|---|---|---|
| 快気祝/全快祝 | 完治したときに使います | すっかりよくなったと伝わります |
| 快気内祝 | 退院したが通院が続くときに使います | ある程度回復したと伝わります |
| 御見舞御礼 | 療養や入院が長引いているときに使います | まずはお礼までという意味になります |
「快気祝」という言葉は完治を意味しますので、通院が続いている段階で使うと、相手は全快したものとして受け取ります。あとから通院が続いていると分かったときに、かえって心配をかけることになりますので、状態に合う言葉を選んでください。
「御見舞御礼」は回復の報告ではないという点にも、あわせて注意が要ります。 まだ療養が続いているので今の段階でとりあえずお礼をお伝えする、という意味の言葉ですので、 これを受け取った相手は、よくなったという知らせとしては読みません。
その後すっかり全快したのであれば、あらためて連絡を入れておけば十分ですし、 「快気祝」として贈り直しても差し支えありません。 先に「御見舞御礼」を贈っていたからといって、 後から改めて知らせることが、失礼にあたるわけではありません。
名前の書き方
掛け紙の下段に書く名前を、贈り主である自分の名前のことだと考えて注文してしまいそうになります。 ところが快気祝いの場合、そこに入るのは 快復した本人のフルネームになりますので、 お見舞いのときとは、書き入れる相手が入れ替わることになります。
問題になってくるのは、入院したのが自分自身ではない場合の書き方になります。 子どもが入院したときや、高齢の親が入院したときには、 手配をするのは家族のほうになりますので、 誰の名前を書けばよいのかというところで迷うことになります。
| ケース | 書き方 |
|---|---|
| 本人 | フルネームを水引の下に書き入れます |
| 姓だけでよい場合 | 親族間など、姓で分かる相手であれば構いません |
| 子どもが入院した | 子どもの名前を書き、読みにくければふりがなを添えます |
| 高齢の親が入院した | 本人の名前にし、手配は家族が行って構いません |
墨は濃墨で書きますので、お祝い事にあたる以上、薄墨のほうは使わないことになります。品物の掛け紙については店の側で印刷することがほとんどですので、こちらから墨の濃さまで指定する必要はありません。
子どもの名前を書き入れるときは、読みにくい字であればふりがなを添えておいてください。 受け取った側は誰から届いたものかを掛け紙で判断しますので、 読みが分からないままだと、 お礼の連絡をしようにも名前を呼べないということになります。
高齢の親が入院した場合も名前は本人のものにしておき、 注文や配送の手配だけを家族が引き受ける形で構いません。 掛け紙に家族の名前を入れてしまうと、 誰の快気祝いなのかが、受け取った側から分からなくなってしまいます。
内のしと外のし
売り場で掛け紙を頼むと、今度は内のしと外のしのどちらにするかを尋ねられます。 どちらも同じ掛け紙を使うことになりますので、 違いは包装紙の内側に入れるか外側に掛けるかという点だけになりますが、 どちらを選ぶべきかは、その場では判断が付きません。
選び分けの軸になるのは渡し方と用途をどこまで示すかの二つで、掛け紙そのものは同じものを使います。 配送するのであれば掛け紙が擦れないほうがよいですし、 手渡しするのであれば、何の品かがその場で分かるほうが親切になります。
| 形 | 使う場面 | |
|---|---|---|
| 内のし | 品物に掛け紙を掛け、その上から包装します | 配送するときや、控えめに贈りたいときに選びます |
| 外のし | 包装紙の外側に掛け紙を掛けます | 手渡しで、用途をはっきり示したいときに選びます |
快気祝いでは、内のしのほうが選ばれることが多くなります。内祝い全般と同じく「お返しです」と前面に出さない形にするためで、配送の途中で掛け紙が傷まないという実務的な理由もあわせて働いています。
配送で届ける場合は、内のしにしておけば包装紙のほうが掛け紙を守ってくれます。 外のしのまま送ると、途中で角が擦れたり紙が破れたりすることがありますので、 届いた時点で見た目が整わなくなってしまいます。
手渡しで用途をはっきり示したいときには外のしが向きますが、 快気祝いの場合は控えめに渡すほうが収まりますので、 迷ったのであれば内のしを選んでおけば、まず外すことはありません。
内のし・外のしの違いを詳しく見る売り場での頼み方
ここまでの決まりを一つずつ覚えて売り場へ向かおうとすると、 水引の本数や表書きの言葉を思い出せるかどうかが心配になってきます。 退院したばかりで体調も戻りきっていない時期に、 掛け紙の作法だけを頭に入れて出かけるのは、それ自体が負担になります。
実際のところは、売り場に用途を伝えるだけで、あとは適切なものを用意してもらえます。 百貨店でもギフト売り場でも扱いは同じですので、 自分で水引や表書きを判断する必要はなく、 何をどう伝えるかだけを決めておけば済みます。
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| 用途 | 「快気祝いです」と伝えれば通じます |
| 回復の程度 | 「まだ通院中なので、快気内祝で」と添えます |
| 渡し方 | 「配送します」と伝えれば内のしになります |
| 名前 | 「〇〇〇〇で」と本人の名前を伝えます |
「快気祝いです」と伝えるだけで、のし付き・紅白の結び切りのものがそのまま用意されます。自分で判断する必要はありませんので、通院が続いている場合にだけ、その旨を一言添えておいてください。
伝える順番のほうは、用途から切り出して構いません。快気祝いだと伝えた時点でのしの有無も水引の形も決まりますので、 そこから通院中かどうかを添えれば、表書きの言葉まで売り場のほうで選んでもらえます。
名前は本人のものを伝えておき、配送するのであればその旨を添えれば、内のしにしてもらえます。 快気祝いそのものの金額や贈る時期については、別の記事のほうに目安をまとめてあります。
掛け紙の整え方に一つだけの正解があるわけではなく、 いま完治しているのか、通院が続いているのかを見て表書きを選べばそれで足ります。 すっかりよくなったのであれば「快気祝」でよいですし、 まだ通院が続いているのであれば「快気内祝」に寄せておけば、相手を心配させずに済みます。
どの場面でも変わらないのは、お見舞いとは逆にのしを付けておくという一点だけになります。 あとは売り場に用途と回復の程度を伝えてしまえば、 水引の本数や墨の濃さを思い出せなくても形は整いますし、 受け取った側にも、よくなったという知らせがそのまま伝わります。
よくある質問
快気祝いにのしは付けますか?
付けてください。のし(熨斗)はもともとのしあわびを表した祝い事のしるしで、快気祝いは「よくなりました」というお祝いにあたるためです。お見舞いのほうは祝い事ではありませんのでのしを付けず、ここがちょうど逆になります。水引はどちらも紅白の結び切りで同じです。
水引はどれを選べばよいですか?
紅白の結び切りで、本数は5本のものを選びます。蝶結びは出産や入学のように「何度あってもよい」お祝いに使うもので、病気やけがは繰り返したくない出来事にあたりますので、一度結ぶと解けない結び切りのほうを選ぶことになります。
通院が続いていても「快気祝」でよいですか?
「快気祝」は完治を意味しますので、通院中であれば「快気内祝」としてください。そのまま「快気祝」と書くと相手は全快したものと受け取りますので、あとから通院が続いていると分かったときに、かえって心配をかけることになります。
「御見舞御礼」はどういうときに使いますか?
療養や入院が長引いているときに使います。回復の報告ではなく、まだ療養が続くので今の段階でとりあえずお礼をお伝えする、という意味の言葉になります。その後すっかり全快したのであれば、あらためて連絡を入れるか、「快気祝」として贈り直しても差し支えありません。
名前は誰のものを書きますか?
水引の下に、快復した本人のフルネームを書きます。お見舞いをくださった方の名前でも、手配をした家族の名前でもありません。子どもが入院したのであれば子どもの名前にし、読みにくければふりがなを添えます。高齢の親の場合も本人の名前にし、手配だけ家族が行って構いません。
内のしと外のしはどちらにしますか?
快気祝いでは内のしが選ばれることが多くなります。内祝い全般と同じく「お返しです」と前面に出さない形にするためで、配送の途中で掛け紙が傷まないという実務的な理由もあります。手渡しで用途をはっきり示したいときには外のしが向きます。
まとめ
- 快気祝いにはのしを付けます
- お見舞いとはのしの有無が逆になります
- 水引は紅白の結び切り(5本)にします
- 蝶結びは使いません
- 完治したら「快気祝」「全快祝」とします
- 通院中は「快気内祝」とします
- 名前は快復した本人のフルネームにします
- 配送するなら内のしを選びます
参考情報
- ジャパンギフト「快気祝いとは?快気内祝いとの違い、贈るタイミング・のし・相場などマナーについて」
https://www.rakuten.co.jp/japangift/contents/kaikiiwai-1/ - Giftaid「お見舞いのお返しは、「快気祝い」or「快気内祝い」どっちが正しい?」
https://www.giftaid.jp/form/den18 - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
金額(1/3〜半額)、時期(退院・全快から10日〜1か月)、「快気祝」「快気内祝」「御見舞御礼」の使い分けは、参照した情報源で共通しています。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安であり、地域やご家庭の慣習によって異なる場合があります。体調の回復を何よりも優先し、無理のない時期に用意してください。