結論
快気祝いはお見舞いをいただいた方へのお返しにあたるもので、 金額はいただいた額の3分の1から半額、 時期は退院や全快から10日から1か月のあいだが目安になります。 掛け紙は紅白の結び切りにのしを付けたものにし、表書きは「快気祝」としておきます。
まだ通院が続いているのであれば「快気内祝」、 療養が長引いているのであれば「御見舞御礼」と書き分けますので、 いまの回復の程度がそのまま言葉に出る形になります。 品物には必ず一言を添えておくもので、これは快気祝いが回復の報告を兼ねている贈り物にあたるためです。
快気祝いの基本
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 誰に | お見舞いをいただいた方にお返しします |
| 金額 | いただいた額の3分の1から半額にします |
| 時期 | 退院や全快から10日から1か月のあいだに贈ります |
| 品物 | 菓子や洗剤、タオルなどの消えものを選びます |
| 水引 | 紅白の結び切り(5本)のものを使います |
| のし | 付けます。お見舞いとは逆になります |
| 表書き | 「快気祝」または「全快祝」とします |
| 挨拶状 | 回復の報告を書き添えて同封します |
快気祝いは「よくなりました」という報告を兼ねているという点が、ほかのお返しとは違うところになります。品物を贈るだけでなく、一言添えておくことにこそ意味がありますので、そこは省かないでください。
快気祝いとは
退院して家に戻り、荷物を片づけたあたりで、 入院中にいただいたお見舞いをどう返せばよいのかというところが気にかかってきます。 お返しをするものだという話は聞いていても、何をいつまでに用意すればよいのかというところまでは、誰も教えてくれません。
快気祝いはお見舞いをいただいたことへのお返しであると同時に、 おかげさまで回復しましたという報告を兼ねているという点に特徴があります。 品物を返して帳尻を合わせるためのものではありませんので、 何を贈るかと同じくらい、どう伝えるかが効いてくることになります。
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| お返しとして | いただいたお見舞いに対してお礼を返します |
| 報告として | おかげさまで回復したことを知らせます |
| 分類 | 「内祝い」の一種にあたる贈り物です |
内祝いというのは、もともと身内のよろこびを分かち合うための贈り物でした。いまは「いただいたことへのお返し」という意味で使われることがほとんどですが、快気祝いも同じ流れの上にあり、回復というよろこびを心配してくれた方に伝えるという位置づけになります。
心配して見舞いに来てくれた方は、その後どうなったのかというところを気にかけたままでいます。 快気祝いが届けばそこで一区切りが付くことになりますので、品物そのものより、届いたという事実のほうが知らせとして働くことになります。
内祝いという言葉のほうには、返礼という意味とよろこびを分かち合うという意味の両方が残っています。 快気祝いはその後者のほうに近い形になりますので、 いただいた額と釣り合わせることだけを考えるのではなく、 伝わり方のほうから決めていくと、選ぶ品も自然に決まってきます。
内祝いとお返しの違いを見る誰に贈るか
入院中にいただいたものを並べてみると、現金の方もいれば品物の方もいて、 職場からまとめて届いたものや、会社の制度として支給された見舞金まで混じっています。 これを一つずつ返していくとなると、どこまでが対象になるのかというところが分からなくなります。
基本になるのはお見舞いをくださった方全員で、 現金でも品物でも、いただいていれば対象にあたります。 ただし中にはお返しの要らないものも混じっていますので、 受け取り方のほうから扱いを分けていくことになります。
| 相手 | 扱い |
|---|---|
| お見舞いをくださった方 | 快気祝いを用意して贈ります |
| 見舞いに来てくれただけの方 | 必須ではなく、お礼の連絡で足ります |
| 連名でいただいた(職場など) | 個包装の菓子を人数分か、「〇〇部御中」で1つ贈ります |
| 辞退を伝えられた | 贈らないでおき、お礼の連絡だけ入れます |
| 身内(親・きょうだい) | 省略することが多く、それで構いません |
| 会社からの慶弔見舞金 | 制度に基づくものですので、お返しは要りません |
会社の制度として支給された見舞金については、お返しをする必要がありません。これは規定に沿って支払われたものですので、同じ職場の方が個人や有志として出してくださった分とは、別に考えることになります。
職場から連名でいただいた場合には、一人あたりの額が小さくなっていることがほとんどです。 個包装の菓子を人数分そろえて休憩室に置いてもらうか、 「〇〇部御中」として一つにまとめて贈れば、 受け取った側も分けやすくなりますし、こちらの手間も減ります。
見舞いに来てくれただけで何も受け取っていないのであれば、 品物を用意する必要はなく、お礼の連絡を入れておけば十分です。 身内については省略することが多く、 親やきょうだいのあいだで改まったやり取りをしない家であれば、そこに合わせて構いません。
3つの表書きの使い分け
掛け紙を頼む段になって、退院はしたものの通院が続いているという状態だと、 「快気祝」と書いてよいものかどうかというところで手が止まります。 すっかりよくなったわけではないのに全快を知らせる言葉を使うと、 あとで事実と食い違うことになりそうで、そこが気にかかります。
表書きは三つあって、そのどれを選ぶかで自分の回復の程度がそのまま相手に伝わることになります。 分かれ目になるのは完治しているかどうかという一点だけですので、 いまの状態を先に決めてから、言葉を選んでいくことになります。
| 表書き | 使う場面 | 意味 |
|---|---|---|
| 快気祝/全快祝 | 完治したときに使います | すっかりよくなりましたと伝わります |
| 快気内祝 | 退院したが通院が続くときに使います | ある程度回復しましたと伝わります |
| 御見舞御礼 | 療養や入院が長引いているときに使います | まずはお礼までという意味になります |
まだ治っていない段階で、掛け紙に「快気祝」と書いてしまうことはしません。受け取った側は全快したものとして読みますので、あとから通院が続いていると分かったときに、かえって心配をかけることになります。
「御見舞御礼」のほうは回復の報告ではありませんので、そこだけは分けて覚えておいてください。 まだ療養が続いているので今の段階でとりあえずお礼をお伝えする、という意味の言葉になりますので、 受け取った相手も、よくなったという知らせとしては読みません。
その後にすっかり全快したのであれば、あらためて連絡を一本入れておけば十分です。 「快気祝」として贈り直しても差し支えありませんので、 先に「御見舞御礼」を贈っていたことが、後々の妨げになるわけではありません。
掛け紙と表書きを詳しく見る品物の選び方
いただいた額の見当は付いたものの、 では何を選べばよいのかというところで、売り場に立って手が止まります。 せっかくお返しをするのだから形の残るものをと考えて食器や置物に目が向きますが、 快気祝いの場合、その選び方はちょうど反対になります。
選ぶのは使えばなくなる「消えもの」で、 そこには病気をあとに残さないという意味が込められています。 定番として挙げられる品はどれもこの性質を持っていますので、 迷ったときは、後に残るかどうかで見ていけば決まります。
| 定番 | 込められた意味 |
|---|---|
| 石けん・洗剤・入浴剤 | 「病を洗い流す」という意味が込められています |
| 菓子(個包装) | 食べればなくなり、分けることもできます |
| タオル | 使えば消耗するもので、定番にあたります |
| コーヒー・お茶 | こちらも使い切れるもので、選びやすい品です |
| カタログギフト | 相手が選べますので、高額の場合に向きます |
形が残るもののほうは、快気祝いでは避けることになります。食器や置物のように長く手元に残る品は「病気の記憶が残る」とされますので、快気祝いには向きません。商品券は現金に近い扱いになりますから、目上の方には向かないとされることがあります。
石けんや洗剤、入浴剤が定番として挙げられるのは、 「病を洗い流す」という意味が重ねられているからです。 使えばなくなるという性質と意味の両方がそろっていますので、 何を選ぶか決めきれないときの、いちばん手堅い選択肢になります。
いただいた額が大きくお返しも高額になるという場合は、 カタログギフトにしておけば相手のほうで選べますので、好みを外すことがありません。 商品券のほうは現金に近い扱いになりますから、目上の方に贈るのであれば、別の形へ寄せておくほうが無難です。
添える言葉
品物を選んで配送の手配まで済ませたところで、 何か書き添えたほうがよいのだろうかというところで、いま一度手が止まります。 品物だけが届いても用件は伝わりそうなものですが、 快気祝いの場合、そこが足りないと肝心の部分が抜けてしまいます。
快気祝いは回復の報告を兼ねている贈り物になりますので、 品物には必ず言葉を添えておいてください。 配送するのであれば挨拶状を同封し、手渡しするのであれば口頭で構いませんが、 何をどこまで書くかというところで、たいてい迷うことになります。
| 要素 | 例 |
|---|---|
| お礼 | その節はお心遣いをいただき、ありがとうございました |
| 回復の報告 | おかげさまで、無事に退院いたしました |
| 今後のこと | 体調に気をつけて過ごしてまいります |
| 結び | まずは書中にてお礼申し上げます |
病状のほうを、そこで詳しく書き並べる必要はありません。「おかげさまで」という一言さえ伝われば十分ですので、検査の経過や治療の内容まで書き並べると、かえって読む側に構えさせることになります。
挨拶状は、お礼と回復の報告という二つが入っていれば、それで形として整います。 今後のことを一言添えておけば全体が落ち着きますので、 長く書こうとせず、四つの要素を順に並べるだけで十分です。
手渡しで届けるのであれば、その場で口頭で伝えてしまえば構いません。改まった文面を用意しなくても、 心配をかけたことへのお礼と、いまは回復しているということが伝われば、 快気祝いとしての役目は果たしています。
不要な場合
退院したばかりで体調も戻りきっていない時期に、 いただいた分をすべて返そうとすると、それだけで日が過ぎていきます。 名簿を作って一件ずつ品を選ぶという作業は、 回復の途中にある体には、思いのほか重くのしかかります。
実のところ、いただいたお見舞いのすべてに返すというものではありません。 受け取り方によって扱いが変わりますので、 制度として支給されたものや、辞退を伝えられたものについては、 そもそも用意しなくてよいことになります。
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 辞退を伝えられた | 贈らないでおき、お礼の連絡だけ入れます |
| 身内(親・きょうだい) | 省略することが多く、それで構いません |
| 会社の慶弔見舞金 | 制度によるものですので、お返しは要りません |
| 見舞いに来てくれただけ | お礼の連絡を入れておけば足ります |
| 1人あたりが少額の連名 | 個包装の菓子を職場へ届けておけば十分です |
何よりも体調の回復のほうが先になるという点を、忘れないでおいてください。用意する余裕がないのであれば時期をずらして構いませんので、遅れそうなときは、先にお礼の連絡だけを入れておいてください。
辞退を伝えられたのであれば、その言葉のほうをそのまま受け取っておきます。 形だけでもと考えて贈ってしまうと、 辞退した側は今度は自分が返さなければと感じることになりますので、 お礼の連絡を入れるところで区切っておくほうが親切です。
時期の目安は退院や全快から十日から一か月のあいだになりますが、 体調が戻りきっていないのであれば、そこにこだわる必要はありません。 遅れそうなときは先に電話やメールでお礼だけを伝えておけば、 相手も無事を知ることができますので、品物はあとから届いて構いません。
お返しの形に一つだけの正解があるわけではなく、いまどこまで回復しているのかと、 いただいたものがどういう性質のものだったのかを見て決めればそれで足ります。 完治しているのであれば「快気祝」でよいですし、 会社の制度として支給された見舞金であれば、そもそもお返しは要りません。
どの場面でも変わらないのは、品物に一言を添えておくという一点だけになります。 快気祝いは回復の報告を兼ねている贈り物ですので、 「おかげさまで」という言葉さえ伝わっていれば、 金額や時期を細かく守れなかったとしても、心配してくれた方には十分に届きます。
よくある質問
快気祝いとは何ですか?
お見舞いをいただいた方へのお返しであると同時に、おかげさまで回復しましたという報告を兼ねた贈り物になります。内祝いの一種にあたり、もともと内祝いは身内のよろこびを分かち合うためのものでしたので、快気祝いも回復というよろこびを心配してくれた方に伝えるという位置づけです。
いくら贈ればよいですか?
いただいた額の3分の1から半額が目安になります。時期は退院や全快から10日から1か月のあいだで、掛け紙は紅白の結び切りにのしを付け、表書きは「快気祝」とします。お見舞いのほうはのしを付けませんので、そこがちょうど逆になります。
誰に贈りますか?
現金でも品物でも、お見舞いをいただいた方が対象になります。ただし見舞いに来てくれただけの方はお礼の連絡で足りますし、身内は省略することが多く、会社から制度として支給された慶弔見舞金にお返しは要りません。職場から連名でいただいた場合は、個包装の菓子を人数分か、「〇〇部御中」で1つ贈ります。
通院が続いていても「快気祝」でよいですか?
通院が続いているのであれば「快気内祝」としてください。「快気祝」は完治を意味しますので、受け取った側は全快したものとして読みます。療養や入院が長引いているのであれば「御見舞御礼」となりますが、こちらは回復の報告ではなく、まずはお礼までという意味の言葉になります。
品物は何を選びますか?
使えばなくなる「消えもの」を選びます。石けんや洗剤、入浴剤には「病を洗い流す」という意味が込められていて定番になっており、個包装の菓子やタオル、コーヒーやお茶も選ばれます。食器や置物のように長く手元に残るものは「病気の記憶が残る」とされますので避けてください。
お返しが遅れそうなときは?
体調の回復のほうが先になりますので、用意する余裕がないのであれば時期をずらして構いません。遅れそうなときは、先に電話やメールでお礼だけを伝えておいてください。相手も無事を知ることができますので、品物はあとから届いて差し支えありません。
まとめ
- 快気祝いはお見舞いへのお返しになります
- 回復の報告も兼ねています
- 金額はいただいた額の3分の1から半額にします
- 時期は退院や全快から10日から1か月にします
- 掛け紙は紅白の結び切りにのしを付けます
- 通院中は「快気内祝」とします
- 品物は使えばなくなるものを選びます
- 会社の慶弔見舞金にお返しは要りません
参考情報
- ジャパンギフト「快気祝いとは?快気内祝いとの違い、贈るタイミング・のし・相場などマナーについて」
https://www.rakuten.co.jp/japangift/contents/kaikiiwai-1/ - Giftaid「お見舞いのお返しは、「快気祝い」or「快気内祝い」どっちが正しい?」
https://www.giftaid.jp/form/den18 - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
金額(1/3〜半額)、時期(退院・全快から10日〜1か月)、「快気祝」「快気内祝」「御見舞御礼」の使い分けは、参照した情報源で共通しています。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安であり、地域やご家庭の慣習によって異なる場合があります。体調の回復を何よりも優先していただき、無理のない時期に用意してください。