結論

案内が届いたら、伺えないと分かった時点でできるだけ早く欠席を伝えてください。 法事の会食と引出物は参列する人数で手配しますので、 返事が遅れるほど、施主が動かせない部分が増えていきます。

香典は表書きを「御仏前」として現金書留で送るか、 後日あらためて手渡しすることになりますが、 金額は参列する場合の半額程度を目安にしておけば足ります。

欠席連絡の時期

法要の案内が届いて日付を見た瞬間に、その日は動かせない予定が入っていると気づくことがあります。 仕事の都合であったり、遠方に住んでいて往復の時間が取れなかったり、 体調のこともあって、行けない事情そのものは人それぞれです。 困るのは、その事情をいつ、どこまで伝えるのかというところから先です。

ここで効いてくるのは返事が施主の手配に直結しているという点で、 伝えるのが遅れるほど、相手の側で動かせるものが減っていきます。 内容そのものはひと言で済むにもかかわらず、伝える時機によって 相手にかかる負担がまるで変わってくるところが、この連絡の難しさです。

状況対応
案内状に返信はがきがある受け取ってから1週間以内に返送しておきます
電話やメールでの案内その場か、遅くとも翌日までに返事をします
出席の返事のあとに欠席が決まった分かった時点ですぐ伝え、1週間前までが目安です
理由の伝え方「やむを得ない事情で伺えません」で十分に足ります

法事の会食(お斎)と引出物は、参列すると返事のあった人数をもとにして手配されるものです。料理屋への注文も引出物の数も、当日が近づくほど動かせなくなっていきますので、直前になっての欠席は、取り消しのきかなくなった費用をそのまま施主が持つ形になります。

返信はがきの余白に、行けない事情を細かく書き込む必要はありません。 やむを得ない事情により伺うことができませんという一行があれば、 それ以上を書かなくても失礼にはあたりませんし、 読む側も、事情を尋ね返すべきかどうかで迷わずに済みます。

いったん出席と返事をしたあとになってから、仕事や体調の都合が変わることもありますが、 そのときも、行けないと分かった時点ですぐに電話を一本入れておいてください。 1週間前までであれば人数の変更が間に合うことが多く、 黙ったまま当日を迎えて空席をひとつ作ってしまうより、そのほうがはるかに軽く済みます。

金額の目安

欠席すると伝えたあとになって、こんどは香典をどうするのかという問題が残ります。 参列しないのだから包まなくてよいという言い分にも、行けないぶんを多めに包むべきだという 言い分にもそれぞれ理屈がありそうで、封筒を前にしたまま手が止まります。

判断の軸になるのは会食の席を使うかどうかという一点だけです。 出席する場合に包む額には、その日に出される料理の代金があらかじめ含まれていますので、 席を使わないのであればその部分を外して考えることになりますし、 額が下がるのは気持ちが薄いからではなく、単に内訳がひとつ減るからにすぎません。

関係出席する場合と欠席する場合
親・義父母出席なら3〜5万円、欠席なら1〜3万円が目安です
兄弟姉妹出席なら2〜5万円、欠席なら1〜3万円が目安です
祖父母出席なら1〜3万円、欠席なら5千〜1万円が目安です
おじ・おば出席なら1〜3万円、欠席なら5千〜1万円が目安です
友人・知人出席なら1万円、欠席なら5千円が目安になります

欠席するときに額が下がるのは、そこに会食の費用が含まれてこないからです。出席する場合の額には、1人あたり5千〜1万円程度の会食代がはじめから織り込まれていますので、席を使わないぶんを外すと、ちょうど半額あたりに落ち着くことになります。ただし4と9のつく金額だけは、死と苦の音に重なるため避けてください。

減らすことに気が引けてしまって、出席するときと同じだけ包む人もいます。 それ自体が失礼になるわけではありませんが、施主の側には返礼を組み直す手間が生まれますし、 ほかに欠席した方と並べたときに一人だけ突出することにもなりますので、 迷ったときは表の目安どおりにしておくほうが、受け取る側にとっても扱いやすくなります。

表に幅を持たせてあるのは、同じ関係でもふだんの行き来の深さによって変わってくるためです。 祖父母の一周忌に伺えず5千円と1万円のあいだで迷ったときは、 ふだん顔を合わせていた度合いを思い出して決めれば外れることがありませんし、 4千円や9千円という切り方だけを選ばないようにしておけば、この点で外すこともありません。

送り方

包む額が決まったところで、こんどはそれをどうやって届けるのかという段になります。 手渡しができない以上、郵便に頼ることになりますが、 現金を封筒に入れてポストへ投げ込むわけにもいきませんし、 いつ着くように出せばよいのかも見当がつきません。

決めることは袋の整え方と送る手段、 それに届く日の三つで、なかでも最後の一つには気を配ってください。 法事の当日、施主は朝から会場へ入っていることが多く、 自宅には誰もいない時間帯がそのまま生まれます。

項目内容
表書き四十九日以降ですので、御仏前と書き入れます
水引黒白か双銀の結び切りで、関西から北陸は黄白の地域もあります
墨濃墨で書きます。薄墨は通夜と葬儀のときだけです
送る方法現金書留で送ります。普通郵便では送れません
届く時期法事の前日までに届くよう日を指定して出します
同封するもの欠席のお詫びを書いた手紙を一枚入れておきます

薄墨は、涙で墨が薄まったという意味を持たせた書き方で、通夜や葬儀のころにかぎって使うものです。法事は日取りが何か月も前から決まっている行事ですから、そこへ薄墨を持ち込むと、かえって場に合わないものになりますので、筆ペンでも万年筆でもふだんどおりの濃い黒で書いてください。

現金を普通郵便で送ることは法律で認められていませんので、郵便局の窓口で現金書留を頼んでください。 専用の封筒が用意されていて、香典袋をそのまま入れられる大きさのものもあります。 窓口で日付を指定できますので、法事の前日までに着くよう頼んでおけば、 当日の朝に届いて誰も受け取れないという事態を避けられます。

宛先は会場ではなく、施主の自宅にしておいてください。 法要の日に借りている広間や料理屋は、その日かぎり貸してもらっているだけの場所であることが多く、 荷物を受け取る人も置いておく場所も決まっていません。 自宅あてであれば、法要を終えて戻ったときに、ほかの届き物と一緒に手元で確かめられます。

お供えを送る場合

現金だけを送るのは味気ないと感じて、菓子折りや花も添えたくなることがあります。 香典の代わりに品物だけを送ってもよいのか、両方を送ると重すぎないか、 そもそも何を選べば仏前に置いてもらえるのかというところで、また手が止まります。

選ぶときの軸は仏壇や祭壇に供えたまま置けるかどうかと、 その家の宗教が仏式なのかどうかの二つです。 供えるという行いを前提にした品でなければ置き場所に困らせますし、 仏式のための品を神式の家へ送れば、使いようのないものが残ります。

品物選び方
日持ちする菓子個包装で分けやすいものにしておくと喜ばれます
果物籠盛りにして、法事の前日に届く日を指定します
線香・ろうそく仏式であれば宗派を問わず使っていただけます
花白を基調にし、とげのある花と香りの強い花は避けます
掛け紙表書きは御供、水引は結び切りで、内のしにします

線香とろうそくは仏式のための品ですので、神式やキリスト教式では使いません。その家がどの宗教で営んでいるかまでは分からないことも多いはずですので、迷ったときは日持ちする菓子か花を選んでおけば、置き場所にも扱いにも困らせずに済みます。

掛け紙を内のしにするのは、包装紙の内側に掛けておけば配送のあいだに擦れて破れないためです。 持参するときは外側に掛けて表書きを見せますが、送る場合は逆になりますので、 注文の画面や店の伝票で内のしを選んでおいてください。 果物の籠盛りのように傷みやすいものは、届く日の指定も忘れずに入れておくことになります。

当日に伺えなかったからといって、手を合わせる機会がそれきりになるわけではありません。 全日本冠婚葬祭互助協会と冠婚葬祭文化振興財団が2023年11月1日から2024年3月31日にかけて 行った1万人アンケートでは、11,478サンプルの回答のうち、 この数年で行ったお盆行事として「お墓参り」が76.3パーセント、「仏壇にお参り」が49.8パーセントでした。

これは法事の欠席そのものを尋ねた調査ではなく、年中行事をどれだけ行っているかを インターネットで尋ねたものですが、それでも「行事は行っていない」が16.2パーセントにとどまっており、 供えたものが手を合わせる場に置かれる家は多いということが読み取れます。 法事の日に届けたお供えは、そのあとの一年をとおして役目を果たすことになります。

手紙の書き方

現金書留の封筒に入れる手紙を書こうとして、便箋の一行目で止まることがあります。 改まった文面にしようとすると拝啓から書き始めたくなりますし、 季節の挨拶を置かないと素っ気ないようにも思えてきて、 結局どこから書き出せばよいのかが分からなくなります。

弔事の手紙でいちばん違うのは前置きをまったく置かないという一点です。 ふだんの手紙であれば季節の話や相手を気遣う言葉から入るところですが、 この場面ではその型がそのまま当てはまりませんので、 伝えるべきことだけを短くまとめておいたほうが、読む側の負担も軽くなります。

要素例
1. 欠席のお詫び「やむを得ない事情により伺うことができず、申し訳ございません」
2. 故人への言葉「〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます」
3. 供養の依頼「同封のもの、ご仏前にお供えいただければ幸いです」

頭語と結語(拝啓・敬具)、それに時候の挨拶は、いずれも省いてしまって構いません。弔事の手紙では前置きを置かないのが通例ですので、いきなり本題から書き始めたところで失礼にはあたりませんし、この三つの要素を順に並べれば、便箋一枚に収まる長さでまとまります。

文面のなかで気をつけておきたいのは、重ね言葉と呼ばれる言い回しです。 重ね重ね、たびたび、ますます、返す返すといった言葉は、 同じ言葉を二度続ける形が不幸の繰り返しを連想させるため、弔事では避けられてきました。 書き上げたところで一度読み返し、そういう言葉が紛れていないかだけ確かめてください。

文字は手書きでなくても構いませんが、便箋一枚に収まる長さにまとめてください。 長く書けば気持ちが伝わるというものではありませんし、 受け取る側は法要の前後で人の応対に追われていますので、 短くはっきりした文面のほうが、その場で読み終えられます。

法要の日付を調べる(命日から自動計算)

法事に伺えないということ自体は、どこの家にも当たり前のように起こります。 遠方に住んでいて往復に二日かかる人もいれば、その日にどうしても外せない仕事のある人もいて、 無理を押して駆けつけることだけが誠意というわけではありません。 行けないと決まったあとに何をどう伝えるかで、受け取られ方はいくらでも変わります。

どの法要でも変わらないのは、早く伝えるほど相手の負担が軽くなるという一点だけです。 会食も引出物も人数で動いていますので、返事が一日早いだけで施主の手元にゆとりが生まれますし、 香典やお供えをどう届けるかは、そのあとで落ち着いて考えても十分に間に合いますので、 まずは返信はがきを出すか、電話を一本入れるところから始めてください。

よくある質問

法事を欠席するとき、いつ連絡しますか?

案内が届いたらできるだけ早くです。返信はがきなら1週間以内に返送します。法事は会食(お斎)と引出物を人数で手配するため、直前の欠席はキャンセルできない費用を施主が負担することになります。

欠席する場合、香典はいくら包みますか?

参列する場合の半額程度が目安です。祖父母やおじ・おばなら5千〜1万円、親や兄弟姉妹なら1〜3万円になります。減るのは会食の費用が含まれないためで、出席時の金額には1人あたり5千〜1万円程度の会食代が織り込まれています。

表書きは何にしますか?

「御仏前」です。法事は四十九日以降に行われるためです。水引は黒白または双銀の結び切り(関西から北陸では黄白の地域もあります)、墨は濃墨を使います。薄墨は通夜・葬儀のころに使うものなので、法事では使いません。

香典を郵送してもよいですか?

現金書留であれば問題ありません。普通郵便で現金を送ることは法律で認められていません。法事の前日までに届くよう手配し、欠席のお詫びの手紙を同封します。

お供えは何を送ればよいですか?

日持ちする個包装の菓子、果物の籠盛り、線香・ろうそく、白を基調にした花などです。のしは「御供」、水引は結び切り、内のしにします。ただし線香やろうそくは仏式のものなので、宗派が分からない場合は菓子か花が無難です。

手紙には何を書きますか?

欠席のお詫び、故人への言葉、供養の依頼の3つで十分です。頭語・結語(拝啓・敬具)と時候の挨拶は省きます。弔事の手紙では前置きを置かないのが通例です。重ね言葉も避けます。

まとめ

  • 欠席の連絡はできるだけ早く入れます
  • 会食と引出物の手配が人数で決まります
  • 理由は詳しく述べなくて構いません
  • 金額は出席する場合の半額程度にします
  • 表書きは御仏前とし、濃墨で書きます
  • 薄墨は通夜と葬儀のときだけに使います
  • 郵送は現金書留で、前日までに届くようにします
  • 手紙は頭語と時候の挨拶を省きます

参考情報

  1. リンベル ギフトコンシェルジュ「贈り物のマナー」
    https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/1939
  2. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  3. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  4. 全日本冠婚葬祭互助協会・冠婚葬祭文化振興財団「令和5年度 年中行事・儀式・儀礼についての全国意識調査(冠婚葬祭1万人アンケート)」(2023年11月〜2024年3月実施・回答11,478サンプル)
    https://www.zengokyo.or.jp/assets/img/other-activity/report/10000people_survey_r5.pdf

本文で引用した全互協・冠婚葬祭文化振興財団の1万人アンケートは、2023年11月から2024年3月にインターネットで11,478サンプルの回答を集めたもので、法事の欠席を尋ねた調査ではなく、年中行事をどれだけ行っているかを尋ねた意識調査です。欠席時の香典が出席時の半額程度になる点、法事では濃墨を使う点は、参照した情報源で共通しています。現金の郵送が現金書留に限られる点は郵便局の案内に基づいています。

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。地域・宗派・ご家庭の慣習によって差が大きい分野です。判断に迷う場合は、ご親族や葬儀社にご確認ください。