結論
実家へのお年賀は必須ではなく、 帰省のときに提げていく手土産で足りることがほとんどで、 あらためて贈答の形を整える必要はありません。 同居しているならそもそも要りませんし、親のほうから求められている家だけ、それに合わせれば十分です。
のしも不要なことが多く、付けるなら表書きは御年賀にしますが、 判断で迷ったときは実家と義実家で同じ扱いに揃えておくのが確実です。 片方の家にだけのしを付けると、その差はあとで親族の会話に出て、必ず気づかれます。
必要かどうか
年末に実家へ帰る支度をしていると、菓子折りは持っていくとして、 それをお年賀として改まった形にすべきかどうかで手が止まります。 実家は身内であるだけに、丁寧にしすぎても、何もしなくても、 どちらもしっくりこない感じが残ります。
判断が分かれるのは、その家がこれまで正月にどういう形をとってきたかという一点で、 改まった贈答をする家もあれば、手ぶらでも何も言われない家もあります。 泊まるか日帰りか、同居しているかどうかでも、持っていく品の位置づけが変わってきます。
| 状況 | 目安 |
|---|---|
| 帰省して泊まる | 手土産で足りますし、のしも付けないことがほとんどです |
| 日帰りで挨拶に行く | 菓子折りを一つ提げていけば、それで十分に整います |
| 同居している | 日々の暮らしが続くだけなので、あらためては要りません |
| 改まった家風 | のしを付けた御年賀にすると、その家の形に沿います |
| 親から求められている | その言い分に合わせておくのが、いちばん静かに収まります |
実家に対して改まった贈答をするかどうかに、世間一般の正解はなく、うちは要らないという家がほとんどです。そもそも聞いて確かめられる相手ですから、迷ったまま形だけ整えるより、母親に一言尋ねてしまうほうが早く片づきます。
実際に困るのは、こちらが何も持たずに帰ったところ、 義理の兄夫婦がのし付きの箱を提げて現れる、という場面です。 玄関先で並んだ紙袋の数が合わないと、その場では誰も何も言わなくても、 翌年からこちらも用意することになります。
そういう家かどうかは、前の年の正月を思い出せばだいたい分かりますし、 分からなければ配偶者に去年はどうしたかを聞けば済みます。 初めて迎える正月だけは判断材料がないので、 のしを付けた品にしておくと、翌年から軽いほうへ直しやすくなります。
手土産との違い
実家へ持っていく紙袋の中身は、お年賀と呼ぶこともできますし、 帰省の手土産と呼ぶこともできて、品物そのものはどちらでも変わりません。 同じ三千円の菓子折りが、扱い方ひとつで改まった贈答にも、ただの土産にもなります。
二つを分けているのは中身でも金額でもなく、 のし紙を掛けるかどうかという一点だけで、 そこに表書きが入るかどうかで呼び名が変わります。 時期の縛りも違い、お年賀は元日から松の内までに限られる一方、 手土産はいつ持っていっても構いません。
| お年賀 | 帰省の手土産 | |
|---|---|---|
| 性格 | 新年の挨拶として差し出す、改まった品にあたります | 訪ねる家へ持っていく、日ごろの心づけにあたります |
| のし | 御年賀と表書きした紅白の水引の紙を掛けます | 掛けずに、紙袋から出してそのまま手渡します |
| 時期 | 元日から松の内までのあいだに持参する品です | 帰省した日であれば、いつ渡しても構いません |
| 金額 | 千円から三千円ほどが、一般的な目安になります | 二千円から五千円ほどと、少し幅が広くなります |
| 相手 | 改まった付き合いの相手にこそ向いています | 身内が相手でも、気兼ねなく使える形です |
実家には手土産として渡すほうが自然で、のしを掛けると受け取る側が身構えます。母親が箱を見て、こんなに丁寧にしなくてよかったのにと言いながら、こちらの分も何か用意しなければと考え始めるようだと、贈った意味が薄れてしまいます。
同じ品でも、玄関で靴を脱ぐ前に両手で差し出せば挨拶の品になり、 居間に落ち着いてから台所へ置けば土産になります。 実家であれば後者のほうが場に合いますし、 母親もそのまま冷蔵庫に入れて、その日の食卓に出してくれます。
一方で、結婚して最初の正月や、親族が大勢集まる場に持っていく品については、 のしを掛けておくほうが行き届きます。 箱がいくつも並ぶ席では、表書きの脇に名字が入っているだけで、 どれが誰から届いたものかが一目で分かります。
帰省の手土産の金額を見るのしを付けるか
デパートの包装カウンターで、のしはお付けしますかと聞かれた瞬間に迷う方は多く、 実家へ持っていく品ほどその場で答えに詰まります。 後ろに人が並んでいれば、とりあえず要りませんと答えて、 あとから気になってくることもあります。
のしを付けるかどうかは、その家がこれまでどうしてきたかに沿うのが基本ですが、 初めての正月だけは前例がないので判断ができません。 そのときに使える基準が一つあって、 実家と義実家のあいだで扱いを揃えるという考え方です。
| 状況 | のし |
|---|---|
| 普段どおりの付き合い | 掛けなくてよく、紙袋のまま手渡して構いません |
| 結婚して最初の正月 | 掛けておくと丁寧で、その後の形も決めやすくなります |
| 改まった家風 | これまでどおり、御年賀として掛けておきます |
| 親族が集まる場に持参 | 誰から届いた品かが分かるよう、名字を入れます |
| 義実家に掛けるなら | 実家にも同じように掛けて、扱いを揃えます |
最後の行が、迷ったときにいちばん使いやすい基準で、両家で扱いさえ揃っていれば、掛けても掛けなくても角が立ちません。片方だけを丁寧にした場合と違って、なぜそちらだけなのかと後から理由を説明する必要も出てきません。
実際に残るのは、のしを掛けたかどうかではなく、両家で扱いが違っていたという事実のほうで、 こちらにそのつもりがなくても、聞いた側にはそう受け取られます。 義実家にだけ御年賀と書いた箱を出したという話は、 親戚が集まった席で何気なく口に出て、そのまま何年も語り継がれます。
ですから、のしを掛けるかどうかは品を選ぶ前に決めておき、 二つの家に同じ扱いをすると先に決めてしまうほうが、売り場で聞かれたときにも迷いません。 どちらに決めても間違いではありませんから、 包み直しのために並び直さずに済むほうを選べば十分です。
義実家との差
実家への対応は、それぞれが自分の育った家を基準に考えるため、 夫婦のあいだで気づかないうちに差が生まれます。 夫は自分の実家に手ぶらで帰るつもりでいて、 妻は義実家にのし付きの箱を用意している、ということが実際に起こります。
この差が表に出るのは当日の玄関先ではなく、あとになって親族が交わす会話のなかで、 そこまで来ると打ち消しようがありません。 揃えておきたいのは金額とのしの有無の二つだけで、 品物そのものは、それぞれの家の好みに合わせて違っていて構いません。
| 揃えること | 内容 |
|---|---|
| 金額 | 両家で同じくらいにし、極端な差はつけません |
| のしの有無 | 片方に掛けるなら、もう片方にも同じように掛けます |
| 品物の中身 | 好みが違うので、それぞれの家に合わせて選びます |
| 渡すときの形 | 両家とも同じように、挨拶のあとで差し出します |
| 片方の家に習慣がある | その家の形に合わせて、両方に同じ用意をします |
金額とのしを揃えておけば、品物の中身まで同じにする必要はありません。甘いものが苦手な家に菓子折りを持っていっても喜ばれませんから、片方には日本茶、もう片方には果物というように、それぞれの好みに寄せたほうが届きます。
気づかれる場面はだいたい決まっていて、正月に親族が集まった席で、 どこの家から何をもらったという話が出たときです。 悪気のない一言で片方の家だけのし付きだったことが分かってしまい、 その場では何も起きなくても、次の年から互いに気を遣う関係になります。
防ぐ方法は単純で、年末の支度に入る前に夫婦で方針を一度決めてしまえば、 それだけで両家のあいだに差は生まれません。 両方とも三千円ほどの菓子折りにしてのしは掛けないと決めておけば、 翌年からは同じようにするだけで、考える手間もなくなります。
実家に泊まる場合
日帰りと泊まりでは相手の家にかかる負担がまるで違い、 寝具を出して干し、人数分の食事を三日続けて用意し、洗濯物も日ごとに増えていきます。 正月は来客も重なって台所に立つ時間がふだんの何倍にもなりますから、 そこへ手土産の箱を一つ置いていっても、増えた仕事はそのまま残ります。
ここで品物の金額を上げても、負担そのものは軽くなりませんから、 実際に手が空く形を作るほうが相手に届きます。 食費を渡すのか、食材を持ち込むのか、外食に誘うのか、 それとも台所に立つのかという選び方になります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 食費を渡す | 人数が多いほど助かるので、食費にと一言添えます |
| 食材を持参する | 現金を渡しにくい相手には、こちらの形が向きます |
| 買い出しを引き受ける | 車を出して、正月の重い荷物を運んでしまいます |
| 外食に誘う | 滞在中に一度、こちらが払う形で連れ出します |
| 台所を手伝う | 片づけや洗い物を引き受けると、金銭以上に助かります |
表のどれか一つを選べば足りるので、全部やろうとする必要はありません。滞在が三日を超えるようなら食費を包み、二泊までなら洗い物を引き受けるといった具合に、滞在の長さに合わせて一つ決めておくだけで、受け取る側の負担ははっきり軽くなります。
現金を渡しにくい相手であれば、滞在中の買い出しをこちらが引き受けるという形が使えますし、 正月は店も混みますから、それだけでも助かります。 米や飲み物のように重いものを運び、代金もこちらで済ませておけば、 家にいる側は改めて気を遣わずに受け取れます。
何を選ぶにしても、滞在の初日に伝えておくほうが相手も予定を立てやすく、 帰り際に封筒を出すと受け取ってもらえないことがあります。 初日に食費にと渡しておけば、その分を見込んで買い物ができますし、 断られてもそのまま食卓に回ります。
義実家を訪問するときのマナーを見る実家へのお年賀に決まった形はなく、のしを掛けた品を持っていく家も、 菓子折りを一つ提げるだけの家も、どちらも間違いではありません。 その家がこれまでどうしてきたかに合わせておけば、それでもう十分に足りています。
どの家でも変わらないのは、実家と義実家で扱いを揃えるという一点だけで、 これさえ守っていれば、掛けても掛けなくても後々まで残る差にはなりません。 泊まる家であればなおさら、品物の格より、 滞在中に一つ引き受けることのほうが親には届きます。
よくある質問
実家にお年賀は必要ですか?
必須ではありません。帰省の手土産で足りることがほとんどです。実家は身内なので、改まった贈答をするかどうかはご家庭の付き合い方次第です。「うちは要らない」という家がほとんどです。
お年賀と帰省の手土産はどう違いますか?
お年賀は新年の挨拶の品でのしを付け、時期も元日〜松の内に限られます。帰省の手土産は訪問するときの心づけで、のしは不要、時期もいつでも構いません。実家には手土産のほうが自然です。
のしは付けるべきですか?
普段どおりの付き合いなら不要です。結婚して最初の正月、改まった家風、親族が集まる場に持参する場合は付けると丁寧です。判断しやすい基準は「義実家に付けるなら実家にも付ける」ことです。
実家と義実家で差をつけてもよいですか?
避けてください。義実家にはのし付き、実家には普通の手土産という差は後で気づかれます。親族の会話で話題に出るためです。金額・品物・のしの有無を両家で揃えるのが確実です。
夫婦で方針が違う場合は?
先に相談してください。実家への対応はそれぞれが自分の実家に対して考えがちです。「両方とも3千円の菓子折り、のしは付けない」と決めておくだけで差が生じません。
実家に泊まる場合、何か渡すべきですか?
手土産より滞在中の負担のほうが大きくなります。食費を渡す、食材を持参する、外食に誘う、手伝うといった方法があります。正月は食事の回数も来客も多く、何か一つ引き受けるだけでも違います。
まとめ
- 実家へのお年賀は必須ではありません
- ほとんどの家は帰省の手土産で足ります
- のしは掛けないことが多く、掛けるなら御年賀にします
- 同居しているなら、あらためては要りません
- 実家と義実家で扱いを揃えます
- 夫婦で先に方針を決めておきます
- 泊まるときは滞在中の負担に目を向けます
- 手伝いは金銭以上に助かります
参考情報
- 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 高島屋「進物の基礎知識」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
お年賀の時期(元日〜松の内)、紅白の蝶結びを使う点は、参照した情報源で共通しています。松の内の日付や喪中の扱いには地域差・家庭差があるため、本記事では幅をもたせて記載しています。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。地域・ご家庭・宗派によって異なります。とくに喪中の過ごし方は考え方に幅があります。ご親族やお寺・神社にご確認ください。