結論
帰省のときに持っていく手土産は2千〜5千円が目安になり、 実家と義実家で差をつけないことが基本になります。 夫婦のどちらの実家であっても、金額とのしの有無をそろえておけば、あとから見比べられても形が崩れません。
泊まりで帰るのであれば、手土産そのものよりも滞在中の負担のほうが大きくなりますので、 食費を渡すのか買い出しを引き受けるのかというところまで、出かける前に決めておいてください。
金額の目安
年末が近づいて帰りの切符を取る段になると、実家へ持っていく箱の予算をいくらに置くかで、夫婦のあいだの話が止まってしまうことがあります。 毎年のことでありながら、去年どれくらいの品を提げて帰ったのかを思い出せないまま、駅の売店の前で決めることになりがちです。
金額の物差しになるのは滞在の長さのほうで、日帰りで顔を見せるだけの帰省と、三が日を通して泊まる帰省とでは、迎える側の事情がまるで違います。 判断が分かれるのは、長く泊まるぶんを手土産の金額に上乗せするのか、それとも別の形で埋めるのかという点になります。
| 状況 | 金額 |
|---|---|
| 日帰りで挨拶 | 2千〜3千円の品で十分に収まります |
| 1〜2泊 | 3千〜5千円を目安に選んでおきます |
| 3泊以上 | 5千円に加えて食費の負担まで考えます |
| 結婚1年目 | 3千〜5千円で、やや丁寧な品にします |
| 子ども連れ | 同じ金額に滞在中の手伝いを足しておきます |
滞在が長くなるほど、手土産よりも実費の負担のほうが大きくなります。三日も泊まれば米も汁物の椀も人数分だけ増えていきますので、箱の金額を上げるより、食費を渡したり買い出しに出たりするほうが、迎える側にとってははるかに助かります。
実際に起こりやすいのは、玄関で立派な箱を渡したあとに、三日分の食事をすべて出してもらって帰るという形で、渡した側は礼を尽くしたつもりでも、台所に立っていた側の手間は少しも減っていません。 年末年始は開いている店も限られますので、人数が増えた分の買い足しは、ふだんより時間のかかる仕事になります。
予算を決めるときは、箱に使う分と滞在中に出す分とを分けて考えておくと組み立てやすく、日帰りであれば2千〜3千円の菓子折り一つで足りますし、泊まるのであれば手土産を3千〜5千円に置いて残りを食費へ回せます。 結婚して初めての年や子どもを連れていく年には、金額そのものより品の選び方と当日の動き方のほうが見られますので、そちらに手をかけるほうが伝わります。
両家で揃える
夫の実家には百貨店の紙袋に入れた5千円の詰め合わせを提げていき、自分の実家にはスーパーで買った2千円の菓子で済ませるということが、悪気のないまま起こります。 気を遣う相手のほうへ自然と手が伸びるためで、その場では誰も口にしませんが、あとから箱の写真や話の端で差は知れることになります。
判断が分かれるのはどちらの家を基準にそろえるかという点で、夫婦それぞれが自分の育った家のやり方を当たり前だと思っています。 片方の家では手ぶらで帰るのがふつうで、もう片方ではのしを掛けて渡すのが当たり前ということも珍しくありません。
| そろえるもの | やること |
|---|---|
| 金額 | 両家で同じ額に置いてそろえておきます |
| のしの有無 | 片方だけ掛けずに、両家ともそろえます |
| 滞在中の負担 | 食費や手伝いも同じだけ引き受けます |
| 品物 | 金額が同じなら中身は違って構いません |
| 訪問回数 | どちらかに偏らないように組み立てます |
| 決め方 | 夫婦で先に方針を決めてから買いに出ます |
差が出るのが自然な場合もあります。片方の家に泊まってもう片方が日帰りであれば、滞在の長さが違う以上、持っていく品の金額まで同じにする必要はありません。そろえたいのは気の遣い方のほうであって、レシートの数字を一円まで合わせることではありません。
よくあるのは、買い物に出た一方が自分の親の好みだけを思い浮かべて選び、もう一方の家の分を帰り道の駅ビルで間に合わせるという流れで、包装紙に刷られた店の名前が違うだけでも印象は変わります。 二軒分をまとめて同じ売り場で選んでおけば、袋の見た目も価格帯もそろいますので、あとから並べられても差はつきません。
出発の前に、金額とのしを掛けるかどうか、泊まる家では食費をどうするかという三つだけを夫婦で決めておけば、当日にどちらかが気を回しすぎるということもなくなります。 訪問の回数についても、年末は一方、正月は他方というように先に分けておくと、毎年同じ話し合いを繰り返さずに済みます。
泊まる場合
泊まると決まった時点で、迎える側の家では押し入れから布団を出して干し、人数分の食器を並べ、正月の買い物の量を増やすという支度が始まります。 こちらは荷物を提げて玄関を入るだけですが、食事も寝具も光熱費も、すべて相手の家の負担で回っています。
迷うのはその負担をどんな形で埋めるかという点で、封筒に入れた現金を差し出すのがよいのか、体を動かして返すのがよいのかで分かれます。 同じ二泊でも、夫婦だけで帰るのか子どもを連れて帰るのかで増える食事の量は違いますし、実の親に切り出すのと義理の親に切り出すのとでは、言葉の選び方まで変わってきます。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 食費を渡す | 1人1日2千〜3千円を目安に「食費に」と添えます |
| 食材を持参・宅配 | 現金を渡しにくい家には肉やお酒を送ります |
| 買い出しを担う | 滞在中の買い物を引き受けると負担が目に見えます |
| 外食に誘う | 滞在中に一度、こちらが払う形で誘います |
| 片づけ・炊事を手伝う | 台所に立つほうが金銭以上に助かります |
いちばん負担をかけるのは、何もしないまま滞在を終えることです。現金を受け取らない家庭もありますので、その場合は買い出しや片づけのほうを引き受けてください。どの形を選んだとしても、迎える側の手間がいくらか減っていれば、それで趣旨は果たされます。
実際によくあるのは、封筒を差し出したところで「そんなの要らない」と押し返され、そのまま鞄にしまって終わってしまうという場面で、そこで無理に押し付ければ気まずさだけが残ります。 受け取らないと言っている相手に二度三度と重ねて出すより、その場はいったん引いておいて、別の形に組み替えるほうがお互いに角が立ちません。
組み替え方はいくつもあり、帰り道にスーパーへ寄って肉や飲み物を買って戻る、滞在中に一度こちらの払いで外食に誘う、朝の食器洗いを引き受けるといった形であれば、断られにくくなります。 封筒より台所で手を動かすほうが助かると言われることも多いので、現金が受け取られなかったときほど、動き方のほうで返してください。
お年賀との違い
正月に実家の玄関へ立って、提げてきた箱をそのまま渡すのか、それとも「御年賀」と書かれたのしを掛けてから渡すのかで迷うことがあります。 同じ売り場で同じ品を買っても呼び方が二つありますので、どちらの形に合わせればよいのかが見えなくなります。
分かれ目になるのはその品をどちらの用件で持っていくのかという点で、訪問そのものへの心づけとして提げていくのか、新年の挨拶に添える品として届けるのかによって、呼び方だけでなく扱いまで変わってきます。 毎年顔を合わせている身内なのか、それとも改まって伺う相手なのかで、渡す時期の区切りも金額の目安も動いてきますので、売り場に立つ前に用件のほうを先に決めておくほうが早く片が付きます。
| 帰省の手土産 | お年賀 | |
|---|---|---|
| 性格 | 訪問のときの心づけにあたります | 新年の挨拶の品という位置づけです |
| のし | 掛けずにそのまま渡して構いません | 「御年賀」ののしを掛けて渡します |
| 時期 | いつ持っていっても構いません | 元日から松の内までに渡します |
| 金額 | 2千〜5千円を目安にします | 千〜3千円が目安になります |
| 相手 | 身内にもそのまま持っていけます | 改まった相手へ届ける形になります |
両方を用意する必要はありません。正月に帰省するのであれば、のしを掛けて「お年賀」にするか、のしなしの手土産にするか、どちらか一方で足ります。二つ提げていっても丁寧さが倍になるわけではありませんので、どちらの形にするかを先に決めておいてください。
実家や義実家のように毎年顔を合わせている相手であれば、のしを掛けずに紙袋のまま渡す形で、玄関先の空気に違和感は出ません。 一方で、結婚して初めて挨拶に伺う年や、改まった相手のお宅へ寄る年には、「御年賀」と書かれたのしを掛けておくほうが、そこで交わす挨拶と釣り合います。
のしを掛けるかどうかは両家でそろえておきたい項目の一つでもあり、片方の家にだけ「御年賀」を掛けていくと、そこにも差が見えることになります。 時期のほうも元日から松の内までという区切りがありますので、帰省がそこを過ぎる年には、手土産の形にしておくほうが迷いません。
のしを付けるかの判断を見る気をつけたいこと
品物そのものは決まったのに、値札を剥がし忘れた箱をそのまま紙袋へ入れてしまい、渡した先で気づかれるということが起こります。 箱の底や袋の内側まで見返す方は少なく、たいていは包装を解く側のほうが先に見つけることになります。
帰省の手土産には、ふだんの贈り物とは違う条件がいくつか重なっていて、移動のときの荷物と、迎える家の台所の事情がそこに絡んできます。 判断が分かれるのは、喜んでもらえそうな品を選ぶのか、持ち運びと保管のほうまで考えて選ぶのかという点になります。
| 項目 | やること |
|---|---|
| 値札・レシート | 外したうえで、紙袋の中まで確かめておきます |
| 重さ | 正月の移動は荷物が増えますので持ち運べる重さにします |
| 要冷蔵のもの | 年末年始は冷蔵庫が埋まりますので避けておきます |
| 親族が集まる家 | 個包装で数のあるものを選んでおきます |
| 前年との比べられ方 | 前年より安い品にはしないでおきます |
金額の上げ下げは、見た目だけで分かってしまうことがあります。去年より小さい箱や薄い包みになれば、開ける前の段階で伝わりますので、前の年に提げていったものより下げないという一点だけは覚えておいてください。
荷物の量でつまずくのは移動の当日で、正月の帰省では着替えや子どもの荷物だけでもかさばりますので、重い瓶詰めや大きな箱まで抱えると、乗り換えの階段で手がふさがります。 冷蔵庫のほうも同じで、年末には作り置きの煮物や届いた贈答品で棚が埋まっていますので、要冷蔵の品は置き場所を探させることになります。
これを避ける方法として、帰省先の駅や地元の百貨店で買うという手があり、自宅から運ぶ距離が短くなりますし、道中の荷物も身軽なままで済みます。 ただし年末年始は営業時間が短くなりますし、売れている品は品切れも起きますので、確実に渡したい品があるのであれば、出発の前に用意しておくほうが安全です。
帰省の手土産に一つだけの正解があるわけではなく、日帰りなのか三日泊まるのか、 結婚して何年目なのかによって、置く金額も渡し方も変わってきます。 顔を見せるだけの帰省であれば2千〜3千円の菓子折り一つで十分に収まりますし、 泊まるのであれば、箱の金額を上げるより食費や買い出しのほうへ回すほうが実際に助かります。
どちらの家でも変わらないのは、実家と義実家で形をそろえることと、 迎える側の手間を一つでも引き受けて帰ることの二つだけです。 この二つさえ守っていれば、のしを掛けるかどうかや品物の中身をその場で決めきれなくても失礼にはなりません。 台所に立っている側にとっても、そのほうが年末年始を落ち着いて過ごせます。
よくある質問
帰省の手土産はいくらが目安ですか?
2千〜5千円です。日帰りなら2千〜3千円、1〜2泊なら3千〜5千円、3泊以上なら5千円に加えて食費の負担も考えます。滞在が長いほど、手土産より実費の負担のほうが大きくなります。
実家と義実家で金額を変えてもよいですか?
避けてください。義実家に5千円、実家に2千円という差は後で気づかれます。金額・のしの有無・滞在中の負担を両家で揃えてください。夫婦で先に方針を決めておくと差が生じません。
泊まる場合は何をすればよいですか?
食費を渡す(1人1日2千〜3千円が目安)、食材を持参する、買い出しを担う、外食に誘う、片づけや炊事を手伝うといった方法があります。「何もしない」が一番負担をかけます。
現金を受け取ってもらえません。
無理に押し付けません。代わりに食材を買って帰る、外食に誘うといった形にすれば、受け取ってもらいやすくなります。
お年賀と手土産は両方必要ですか?
両方は不要です。正月に帰省するなら、のしを付けて「お年賀」にするか、のしなしの手土産にするか、どちらか一方で足ります。
帰省先で買ってもよいですか?
構いません。自宅から持参すると荷物が増えるため、地元の駅や百貨店で買えば運ぶ距離が短くて済みます。ただし年末年始は営業時間が短く品切れも起きるため、確実にしたいなら事前に用意してください。
まとめ
- 手土産は2千〜5千円を目安にします
- 実家と義実家で形をそろえます
- 金額とのしは夫婦で先に決めます
- 泊まるなら食費の負担まで引き受けます
- 食費は1人1日2千〜3千円が目安になります
- 現金を断られたら形を変えて返します
- お年賀と手土産の両方はいりません
- 値札とレシートは外しておきます
参考情報
- 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 高島屋「進物の基礎知識」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
お年賀の時期(元日〜松の内)、紅白の蝶結びを使う点は、参照した情報源で共通しています。松の内の日付や喪中の扱いには地域差・家庭差があるため、本記事では幅をもたせて記載しています。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。地域・ご家庭・宗派によって異なります。とくに喪中の過ごし方は考え方に幅があります。ご親族やお寺・神社にご確認ください。