結論

義実家へのお年賀は、まず配偶者に実家の習慣を確認するところから始まりますし、 金額は2千〜3千円、のしは紅白の蝶結びに「御年賀」と書いて夫婦連名にします。 用意しない家も珍しくないので、自分の実家の感覚だけで決めないほうが無難です。

渡すのは玄関ではなく、部屋に通されて新年の挨拶を済ませてからで、 紙袋から出して正面を相手に向け、両手で差し出します。 玄関先で渡すのは略式とされているため、すぐ帰る場合を除いて避けておきます。

まず配偶者に聞く

義実家へのお年賀でいちばん困るのは、自分の実家の感覚がそのまま通用しないことで、 毎年きちんと菓子折りを用意して仏間に並べる家もあれば、 手ぶらで上がって炬燵に入るのがふつうという家もあり、 どちらが多数派なのかを外から見て当てる方法はありません。

判断の軸になるのは、その家で育った人がどう感じるかの一点だけで、 配偶者は子どものころから毎年その正月を見てきていますし、 親戚が何人集まるのか、玄関で何をやり取りしているのかまで体で覚えていますので、 自分の判断で品物を決める前に、そこを一つずつ聞いてしまうほうが早く済みます。

確認することなぜ聞くのか
お年賀の習慣があるか無い家に持参すると、かえって気を遣わせます
親族も集まるか集まる家では人数分が要ることがあります
きょうだいはどうしているか一人だけ違う形にすると目立ってしまいます
好き嫌い・アレルギー食品を選ぶなら必ず先に確かめておきます
滞在は日帰りか泊まりか持参するものが日数によって変わります

この5つは、配偶者に聞けば数分で片づきます。とくに「習慣があるか」を飛ばして持参してしまうと、受け取った側が翌年から用意しなければと身構えることになり、こちらの気づかいが相手の負担に変わります。「持っていかない家」も珍しくないという前提で聞いてください。

年末年始の帰省そのものが、贈り物の準備を含めて負担になりやすいことは調査にも出ていて、 株式会社ベビーカレンダーが運営する「ヨムーノ」が2025年12月3日から10日にかけて 30〜59歳の子どもがいる既婚女性158名に尋ねた意識調査では、 帰省で「正直、ちょっとしんどい」ことに 「お年玉やお歳暮・お年賀の準備」を挙げた人が22.2%いました。

同じ調査で義実家に帰省する71名に絞ると、 「気が重い」と答えた人が合わせて30.9%、 滞在は「日帰りが限界」が51.3%と半数を超えています。 短い滞在のあいだに品物のやり取りまで挟まるわけですから、 玄関で袋を出すか出さないかで迷う時間を先に潰しておくだけでも、当日はずいぶん楽になります。

金額と品物

習慣があると分かったところで次に手が止まるのが金額で、 安すぎると軽く見られたようで気になりますし、 デパートの菓子売り場で箱を見比べているうちに、 気づけば5千円の詰め合わせを手に取っていたということも起こります。

決め手になるのは自分の実家に持っていくものと揃っているかで、 義実家だけ丁寧にする、あるいはその逆にすると、 同じ正月のあいだに両方の家で話題に出て必ず気づかれますので、 迷ったときは両方の家で同じ価格帯に寄せておくのがいちばん収まります。

項目目安
金額2千〜3千円の範囲でそろえておきます
結婚1年目3千円ほどで、やや丁寧に用意します
のし紅白の蝶結びを外のしにし、表書きは「御年賀」とします
名前夫婦連名にし、夫が右、妻の名を左に書きます
品物菓子折りや地元の銘菓を選び、個包装だと扱いやすくなります

正月に親族が集まる家では、持参した箱がその場で開けられて出されることがあります。切り分けが要るホールの菓子や、常温で置いておけない生ものは、受け取った側に台所での手間をかけますので、個包装で数のあるものを選んでおくと、人数がいても行き渡ります。

品物を選ぶ場面でつまずきやすいのは、義実家の台所の様子が分からないことで、 冷蔵庫がすでにおせちの重箱で埋まっている家に要冷蔵の品を持ち込むと、 置き場所を作るところから始まってしまいます。 常温で日持ちのするものにしておけば、そのまま棚に上げておけます。

のしは、配送ではなく手渡しになりますので外のしにしておくと、 袋から出した時点で表書きが相手の目に入り、何のための品かがその場で伝わります。 連名にするかどうかで迷ったときは、二人で伺うのであれば夫婦連名にしておけば、 どちらの名で受け取ったのかを義両親が考えずに済みます。

渡すタイミング

品物を用意して玄関に立つと、今度はいつ袋を差し出すかで手が止まります。 コートを脱ぎながら片手に紙袋を提げている状態は落ち着かず、 つい「これ、少しですが」と玄関先で渡してしまいたくなる場面です。

ここでの分かれ目は玄関で渡すか、部屋に通されてから渡すかの一点で、 玄関先で渡すのは略式とされていますので、 すぐ帰る場合を除けば、座って新年の挨拶を済ませてからにするのが本来の形です。

順やること
1玄関であいさつをし、コートは脱いでから上がります
2部屋に通されるまで、荷物は手元に持っておきます
3座って「明けましておめでとうございます」と述べます
4紙袋から出して、お年賀を差し出します
5すすめられたお茶をいただきます

渡すときは紙袋から出し、正面を相手に向けて両手で差し出します。紙袋は畳んで持ち帰るのが基本ですが、雨や雪で外袋が濡れているようなときは「袋のまま失礼します」と一言添えて渡しても差し支えありません。すぐ帰ると決まっている場合に限り、玄関で渡して構いません。

実際に迷うのは、部屋に通されたあとで台所から義母が出たり入ったりしていて、 腰を落ち着けるきっかけがつかめない場面です。 無理に呼び止めて渡すよりも、全員が座って湯呑みが並んだところで 会話が一度切れる瞬間を待つほうが、受け取る側も手を空けられます。

コートを着たまま上がってしまうと、脱ぐ場所を探すことになって荷物が増えますので、 玄関の外で脱いで腕にかけてから呼び鈴を押すと、 そのあとの流れが詰まりません。畳んだ紙袋は自分のかばんに入れておけば、 帰り際に義実家の玄関へ置き忘れることもなくなります。

渡すときの言葉

箱を差し出す段になって、何と言えばよいのか分からず黙ってしまうことがあります。 無言で差し出すと事務的な印象になりますし、 かといって長々と説明を始めると、受け取る側が箱を持ったまま話を聞くことになります。

分かれ目は謙遜をどこまで入れるかで、 昔からの定型のなかには、へりくだりが過ぎて受け取る側が反応に困るものも混ざっていますので、 短く、渡す理由が伝わる形にしておくのがいちばん自然に響きます。

場面言い方
基本「本年もよろしくお願いいたします。心ばかりですが」と添えます
地元の品を持参した「〇〇の名物です。よろしければ」と一言そえて渡します
食べ物を持参した「皆さんで召し上がってください」と伝えておきます
親族が集まっているその場の全員に聞こえる声で述べておきます

「つまらないものですが」は、無理に使わなくて構いません。謙遜の定型として長く使われてきた言い方ですが、現在は「心ばかりですが」「ほんの気持ちですが」のほうが自然に聞こえますし、受け取った側も「そんなことないですよ」と返す手間がなくなります。

言葉に詰まりやすいのは、義実家の親戚が居間に大勢そろっていて、 誰に向かって話せばよいのか分からない場面です。 そういうときは義両親のほうへ体を向けて述べておけば、 周りの方にも自然と聞こえますので、一人ずつ挨拶して回る必要はありません。

持参した品の中身を細かく説明しなくても差し支えありませんが、 要冷蔵のものや日持ちの短いものだけはその場で伝えておきます。 黙って渡して押し入れに仕舞われてしまうと、せっかくの品が食べられないまま終わります。

結婚1年目

結婚して最初の正月は、義実家との付き合い方そのものが決まる年になります。 張り切って百貨店の紙袋を提げていくか、身の丈に合わせるかで、 翌年以降の「うちはこういう形」がそのまま固まってしまうためです。

判断の軸は来年も再来年も続けられるかどうかの一点で、 初年度だけ高価なものにすると翌年から下げにくくなりますし、 逆に何も持たずに上がった年があると、翌年から始めるきっかけを作りにくくなります。

場面決め方
方針を決める伺う前に、配偶者と二人で形を決めておきます
実家に習慣が無い無理に始めなくて差し支えありません
始めると決めた毎年続けられる金額から始めておきます
迷って決まらないやや丁寧にしておくと、後から軽くしやすくなります
いちばん見られている点品物より、挨拶と当日の態度のほうが記憶に残ります

初年度に決めた形が、そのまま毎年の基準になります。後から軽くするのは気まずく、後から重くするのは簡単ですので、迷ったときは「やや丁寧に、ただし来年も同じにできる範囲で」という線を引いておくと、数年たっても無理が出ません。

そもそも帰省すること自体が当たり前ではなくなっていて、 株式会社インテージが2025年11月19日から25日にかけて 全国15〜79歳の男女5,000人に尋ねたネットリサーチでは、 年末年始に「実家に帰省する」予定と答えた人は14.4%にとどまり、 ここ2年で4.1ポイント減っています。

毎年顔を合わせる前提が崩れているのであれば、 お年賀も伺った年だけ用意する形で構いませんし、 伺わない年は年賀状や電話で新年の挨拶を済ませておけば、 翌年に足を運んだときも間が空いた感じにはなりません。

よくある行き違い

義実家とのやり取りでは、双方が気を回した結果として行き違いが起きます。 「気を遣わないで」と言われたのが本心なのか社交辞令なのか分からない、 辞退したいけれど角の立たない伝え方が思いつかない、といった場面です。

共通しているのは直接だと真意が伝わりにくいという点で、 こちらが遠慮し、向こうも遠慮するため、言葉のうえでは両方が譲り合ったまま 毎年同じやり取りが繰り返されることになります。

起きること対応
「気を遣わないで」と言われた翌年から軽くして構いませんが、真意は配偶者に確かめます
その場でお返しをもらった断らずに受け取っておきます。お年賀にお返しは不要です
きょうだいの品と重なった翌年からは配偶者経由で先に調整しておきます
用意し忘れた後日「寒中御見舞」として贈っても差し支えありません

やり取りは、配偶者を通したほうが早く収まります。こちらから直接尋ねると義両親は「気にしないで」としか答えられませんし、義両親からこちらへも同じことが起きます。同じ家で育った人が間に入るだけで、社交辞令と本心の区別がつくようになります。

いちばん多いのは、義きょうだいと同じ日に伺って、 持参した箱が居間で並んでしまう場面です。 片方が3千円の菓子折り、もう片方が1万円の詰め合わせという状態は、 置かれた側も反応に困りますので、翌年からは事前に金額だけ揃えておきます。

用意を忘れたまま伺ってしまった場合も、その場で取り繕う必要はありません。 正月の松の内を過ぎてから「寒中御見舞」として送るという形が残っていますので、 帰宅してから改めて手配すれば、間に合わなかったことは問題になりません。

義実家へのお年賀に唯一の正解があるわけではなく、 その家に習慣があるかどうかと、自分の実家に持っていくものと釣り合っているかどうかの 二つを見て、来年も続けられる形を選べばそれで足ります。 習慣の無い家であれば持参しなくて差し支えありませんし、 毎年用意する家であれば、2千〜3千円の菓子折りを外のしにして持てば形になります。

どの家でも変わらないのは、迷ったところを配偶者に先に聞いておくことの一点だけで、 これさえしておけば、金額や渡す順番を思い出せなくても失礼にはなりません。 持参した品より、座って新年の挨拶を交わした時間のほうが相手の記憶には残ります。

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よくある質問

義実家にお年賀は必要ですか?

まず配偶者に、実家に習慣があるかを確認してください。毎年用意する家もあれば、まったくしない家もあります。習慣の無い家に持参すると、翌年から用意しなければと相手に気を遣わせることになります。

金額と品物の目安は?

2千〜3千円が目安で、結婚1年目は3千円ほどとやや丁寧にします。品物は菓子折りや地元の銘菓が選びやすく、親族が集まる家では個包装で数のあるものにしておくと、その場で分けられます。

いつ渡しますか?

玄関ではなく、部屋に通されて新年の挨拶を済ませてからです。玄関先で渡すのは略式とされています。すぐ帰ると決まっている場合に限り、玄関で渡して構いません。

紙袋はどうしますか?

紙袋から出し、正面を相手に向けて両手で渡します。紙袋は畳んで持ち帰るのが基本です。外袋が雨や雪で濡れているときは、「袋のまま失礼します」と添えて渡しても差し支えありません。

渡すときは何と言えばよいですか?

「本年もよろしくお願いいたします。心ばかりですが」で足ります。「つまらないものですが」は無理に使わなくて構いません。食べ物なら「皆さんで召し上がってください」と添えておきます。

用意し忘れました。

後日でも差し支えありません。松の内を過ぎているなら「寒中御見舞」として贈る形が残っています。その場で取り繕うより、帰宅してから改めて手配するほうが落ち着きます。

まとめ

  • まず配偶者に実家の習慣を確認します
  • 金額は2千〜3千円にそろえます
  • のしは「御年賀」・外のし・夫婦連名にします
  • 自分の実家に持っていくものと揃えます
  • 玄関では渡さず、挨拶を済ませてから渡します
  • 紙袋から出して、両手で差し出します
  • やり取りは配偶者を通したほうが早く収まります

参考情報

  1. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  2. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  3. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  4. 株式会社ベビーカレンダー「ヨムーノ」年末年始の帰省に関するアンケート(2025年12月3日〜10日実施・インターネット調査・有効回答158名)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000280.000029931.html
  5. 株式会社インテージ「年末年始に関する調査」(2025年11月19日〜25日実施・ネットリサーチ・全国15〜79歳男女5,000人)
    https://www.intage.co.jp/news/7136/

ヨムーノの調査は有効回答158名と小規模で、対象が30〜59歳の子どもがいる既婚女性に限られています。インテージの調査は年末年始の「予定」を尋ねたもので、実績の集計ではありません。お年賀の時期(元日〜松の内)、紅白の蝶結びを使う点は、参照した情報源で共通しています。松の内の日付や喪中の扱いには地域差・家庭差があるため、本記事では幅をもたせて記載しています。

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。地域・ご家庭・宗派によって異なります。とくに喪中の過ごし方は考え方に幅があります。ご親族やお寺・神社にご確認ください。