結論

お年賀は元日から松の内までのあいだに手渡すもので、 実際に選ばれている日取りは1月2日から3日に集中しています。 松の内の終わりは関東と関西で違いますので、迷ったときは短いほうの1月7日を区切りにしておけば、 どちらの数え方をする家でも年始の内側に収まります。

松の内を過ぎてしまったときは、表書きを「寒中御見舞」に改めればそのまま渡せますし、 目上の方へは「寒中御伺」とすることもあります。 品物も相手も選び直す必要はありませんので、掛け紙を掛け替えるだけで間に合います。

時期の目安

年末のうちに菓子折りを買って紙袋に入れたまま置いておくと、 いざ年が明けてからどの日に持って行くのかで手が止まります。 三が日は相手の家にも人の出入りが続きますし、仕事始めを過ぎてしまうと今度は遅すぎる気がしてきますので、 卓上のカレンダーを眺めながら日付だけを何度も数え直すことになります。

ここで判断が分かれるのは松の内という区切りをどこに置くかという一点で、 正月飾りを出しておく期間がそのまま年始にあたるという数え方をします。 ただしこの期間の終わりは住んでいる場所によって動きますので、 同じ1月10日でも年始の内側になったり外側になったりします。

日付扱い
12月中お年賀ではなく、お歳暮として贈る時期にあたります
元日(1月1日)渡すことはできますが、避ける家もあります
1月2日〜3日実際にもっとも多く選ばれている日取りです
1月4日〜松の内この範囲であれば差し支えありません
松の内を過ぎた表書きを「寒中御見舞」に改めて渡します

松の内は関東が1月7日まで、関西が1月15日までとするのが一般的です。どちらの数え方をする家か分からないときは、短いほうの1月7日を区切りにしておけば、どの地域でも年始の内側に収まります。年内に用意した品を1月7日までに手渡す、と決めておけば毎年迷わずに済みます。

年内に一度顔を合わせる予定があると、そのときにまとめて渡してしまいたくなりますが、 12月のうちに手渡すものはお年賀ではなくお歳暮です。 品物そのものは同じで掛け紙の表書きだけが変わりますので、 店で包んでもらうときに、渡すのが年内か年明けかを先に伝えておいてください。

1月2日から3日に集まるのは、この二日が年始回りの日として長く扱われてきたからです。 同じ日に相手の家へ別の来客が入りやすい時期でもありますので、 日にちだけでなく時間まで決めておくほうが玄関先で鉢合わせずに済みます。 松の内の後半に入ると相手の正月の支度も片づき始めますので、遅くなるほど手短に切り上げてください。

元日は避けることも

元日の朝に親族が実家へ集まる家では、その場に菓子折りを提げて行ってよいものかどうかで迷います。 年賀状は元日に届くように出すのですから品物も元日でよさそうに思える一方で、 年始回りは2日からという言い方も耳に残っていますので、 玄関を出る直前になって紙袋を持つか置くかを決めかねることになります。

分かれ目になるのは元日をその家がどう位置づけているかという点で、 身内だけで静かに過ごすと決めている家もあれば、親族が顔を揃える日にしている家もあります。 同じ元日の訪問でも、前者では相手に気を遣わせますが、後者ではごく自然に収まります。

場面対応
親族が元日に集まる集まった場でそのまま渡して差し支えありません
義実家へ元日に伺うその日の挨拶と合わせて渡してしまいます
相手の家の予定が分からない2日以降にしておけば確実に収まります
元日に届けたい先に都合を尋ねてから日を決めてください
相手が来客を控えている日を改めて、松の内のうちに伺います

年始回りを2日以降に行う通例は、元日を家族水入らずで過ごす日と考えてきたところから来ています。いまはそこまで厳密に守られてはいませんので、相手の都合がついているのであれば元日でも問題になりません。気になるようであれば2日以降を選んでおけば、どちらの考え方の家でも角が立ちません。

元日の午前に伺うと、玄関の前で親族の車と鉢合わせるようなことも起こります。 実家に人が集まる家では朝のうちから台所が動いていますので、 そこへ改まって菓子折りを差し出すよりも、皆が座って落ち着いた頃合いを見て渡すほうが、 受け取る側も手が空いていて向き合ってもらえます。

相手の家の様子が分からないときは、2日以降を選んでおくのがいちばん静かに収まります。 1月2日でも1月5日でも年始の内側であることに変わりはありませんので、 元日にこだわらなくても、渡した品の意味が薄くなることはありません。

訪問前の連絡

年が明けてから、そろそろ伺いますという連絡を入れようとして、 相手の家の正月がどう回っているのか見当がつかないことに気づきます。 三が日は親戚が入れ替わりで訪ねてくる家が多く、 こちらの手が空いている時間に相手も空いているとはかぎりません。

ここで効いてくるのは相手が茶菓や座る場所を用意する側にいるという点で、 こちらが着いてから支度が始まるようでは相手の手が止まります。 訪ねる日だけでなく、何時ごろに何人で伺うのかまで先に伝わっているかどうかで、 当日の相手の慌ただしさがまるで変わります。

確認すること理由
訪問してよい日ほかの来客と重ならない日を選べます
時間帯食事の支度にかかる時間を外せます
滞在時間の目安30分から1時間で切り上げると伝えておきます
人数用意する茶菓の数がそこで決まります
連絡する時期年内のうちに伝えておくと相手が組みやすくなります

午前の早い時間と食事時の二つを外すと、10時から11時か、14時から16時ごろが残ります。正月の朝は雑煮の支度や初詣で家が動いていますし、昼と夜はそのまま食卓の時間に重なりますので、この二つの帯に入れておけば相手の予定を崩しません。

年内のうちに一言入れておくと、相手はその日に合わせて座敷を空けたり、菓子を多めに買っておいたりできます。 2日の午後に伺いますという程度の短い連絡で足りますので、 年賀状に書き添えても、電話でも、文字の連絡でも構いません。

連絡なしで訪ねると、ほかの来客と入れ替わる形になって玄関先で待つことになったり、 出かける支度をしている最中に当たったりします。 正月の来客は同じ日に集まりやすく、相手のほうから断りにくい時期でもありますので、 こちらが日と時間を先に示しておくほうがお互いに楽です。

松の内を過ぎたら

仕事始めが済んで気がつくと1月10日を回っていて、紙袋がまだ玄関の隅に置いてあることがあります。 渡す機会を逃したまま品物だけが残っている状態は落ち着かず、 いまさら持って行っていいものかどうか、それとも来年まで置いておくのかで手が止まります。

ここで動かすのは掛け紙の表書きの言葉だけで、 品物も相手も日を改めるだけで済みます。 御年賀という言葉が年始の挨拶そのものを指す以上、年始が終わったあとの日付には合わなくなりますので、 紙を掛け替えることになります。

時期表書き
元日〜松の内「御年賀」と書いた掛け紙のまま手渡します
松の内〜立春(2月4日ごろ)「寒中御見舞」に改めれば同じ品を渡せます
目上の方へ(同時期)「寒中御伺」とすると角が立ちません
立春以降「余寒御見舞」、または「御礼」として渡します

「見舞」という言葉を目上へ使わないという考え方があるため、目上の方には「寒中御伺」とすることがあります。ただし「寒中御見舞」のままでも失礼にはあたりませんので、掛け紙を用意し直せないときにそちらを選んで構いません。中身の品物を選び直す必要は、どちらの場合もありません。

掛け紙は品物を買った店で掛け替えてもらえます。 年末に包んでもらったまま渡せずにいる場合でも、箱を持ち込めば表書きを書き直した紙に取り替えてくれますので、 自分で上から貼り直したり、書き足したりする必要はありません。

渡すときに、正月のうちに伺えなかったという一言を添えておけば、それだけで話は済みます。 寒中御見舞は立春のころまでが目安になりますので、1月の後半に入ってしまっても2月4日あたりまでは同じ形で渡せますし、 それを過ぎたときは余寒御見舞に改めるか、御礼として渡してください。

遅れた場合の対応を詳しく見る

その他の場面

年末に一度会う予定はあるものの、年が明けてからは顔を合わせる見込みが立たない相手がいます。 品物はもう用意してあるので送ってしまいたくなりますが、 伝票に御年賀と書いて出してよいのかどうかで、注文の画面の前で手が止まります。

ここで見るのは年始に相手と顔を合わせるかどうかの一点で、 お年賀は年始の訪問に添えて手渡す品として続いてきたものです。 会わないまま箱だけが届くと、その前提にあたる部分がそっくり抜けた形になります。

場面対応
年末に会って年始は会わない「御歳暮」として、年内のうちに手渡します
松の内に会えるか分からない品物だけ用意し、会えた日に渡します
相手が喪中松の内が明けてから「寒中御見舞」として渡します
配送したい「寒中御見舞」に改めて送るほうが自然です

お年賀は訪問に添えるものですので、会わないまま送ると名目と実態が食い違います。年内に顔を合わせる機会があるなら御歳暮に、年が明けてから届けたいなら松の内明けの寒中御見舞に、それぞれ寄せてください。品物そのものを選び直す必要はありません。

年始の挨拶をどんな形で済ませるかは、この数年で目に見えて動いています。 インテージが2025年11月19日から11月25日にかけて全国の15歳から79歳の男女5,000人へ行った 年末年始に関する調査では、年末年始にかけるお金を減らすものの1位が年賀状で、 10.2パーセントの人がこれを挙げました。

同じ調査では、前の年に年賀状を出していて喪中でもない人のうち、 次の正月は送らないと答えた割合が13.6パーセントから17.4パーセントへ上がっています。 これは実際に投函された枚数の集計ではなく11月の時点での予定を尋ねた調査ですので幅を持って読む必要はありますが、 紙で済ませる挨拶が細っているぶん、松の内のうちに顔を出して手渡す品の位置づけははっきりしてきます。

相手が喪中のときは、松の内のうちに祝いの言葉を添えた品を届けないほうが落ち着きます。 松の内が明けるのを待って寒中御見舞として届ければ、こちらの気持ちは同じように伝わりますし、 受け取った側も返事の言葉に困りません。

お年賀を渡す日に、これでなければならないという一日があるわけではありません。 元日に親族が集まる家ならその場で渡せばよく、相手の家の様子が分からなければ2日以降に伺えば十分ですし、 松の内のうちに手が回らなかったのであれば表書きを改めればそれで済みます。 どの選び方をしても、渡した品の意味が変わることはありません。

どの場合でも変わらないのは、こちらの都合ではなく相手の正月の動きに合わせて日と時間を決めるという一点だけです。 年内に一言伝えておくことと、渡し損ねたら掛け紙を替えること。 この二つさえ覚えておけば、細かい日付を思い出せなくても失礼にはなりません。

よくある質問

お年賀はいつまでに渡しますか?

元日から松の内までです。実際には1月2日から3日が中心になります。松の内は関東が1月7日、関西が1月15日まで。迷ったら1月7日を区切りにしてください。

元日に渡してもよいですか?

渡せますが、避けることもあります。年始回りは2日以降に行うのが通例で、元日は家族で過ごす日と考えられていたためです。ただし現在は厳密に守られておらず、相手の都合がつくなら元日でも問題ありません。

訪問前に連絡は必要ですか?

必要です。正月は来客が重なるため、予定を伝えずに訪ねると他の来客と重なることがあります。年内のうちに日時を伝えておくのが親切です。

訪ねやすい時間帯は?

午前中の早い時間と食事時は避けます。10時〜11時、または14時〜16時ごろが訪ねやすい時間帯です。滞在は30分〜1時間を目安にします。

松の内を過ぎてしまいました。

表書きを「寒中御見舞」に変えれば渡せます。立春(2月4日ごろ)までが目安です。目上の方には「寒中御伺」とすることもありますが、「寒中御見舞」でも失礼にはあたりません。

配送してもよいですか?

お年賀は持参が基本で、「訪問」とセットのものです。会わないのに送ると名目が合いません。会えないなら時期をずらして寒中御見舞にするほうが自然です。

まとめ

  • お年賀は元日から松の内までに渡します
  • 実際の日取りは1月2日から3日に集中します
  • 元日を避けるという考え方もあります
  • 訪問日は年内のうちに伝えておきます
  • 午前の早い時間と食事時は外します
  • 松の内を過ぎたら「寒中御見舞」に改めます
  • 目上の方へは「寒中御伺」とすることもあります
  • お年賀は持参するもので、送りません

参考情報

  1. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  2. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  3. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  4. 株式会社インテージ「年末年始、9連休も「予定なし」6割。帰省も減少傾向」(2025年11月実施・全国15〜79歳の男女5,000人)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000272.000036691.html

本文で引用したインテージの年末年始に関する調査は、2025年11月に全国15〜79歳の男女5,000人へ行われたインターネット調査で、実際に投函された年賀状の枚数を数えたものではなく、11月時点の予定を尋ねた意識調査です。お年賀の時期(元日〜松の内)、紅白の蝶結びを使う点は、参照した情報源で共通しています。松の内の日付や喪中の扱いには地域差・家庭差があるため、本記事では幅をもたせて記載しています。

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。地域・ご家庭・宗派によって異なります。とくに喪中の過ごし方は考え方に幅があります。ご親族やお寺・神社にご確認ください。