結論

0歳や1歳の子にお年玉を渡すかどうかは必ずしなければならないことではなく、 金額の意味がまだ分からない年齢ですから、 渡さないまま新年の挨拶だけで済ませる家庭も珍しくありません。 逆に、上の子がポチ袋を受け取っている場面であれば、 下の子のぶんも用意しておくほうが、その場にいる親の気持ちが軽くなります。

渡すのであれば1千円ほどを目安にしておけば十分で、 袋を差し出す先は赤ちゃん本人ではなく抱いている親の手になりますし、 現金の代わりに絵本やおもちゃを選ぶという形も、 この年齢であれば無理なく通ります。 額を上げれば上げるほど、受け取った側はお返しのことを考え始めてしまいます。

渡すかどうか

帰省先の居間に親戚が集まり、上の子たちがポチ袋を順に受け取っている輪の脇で、 まだ首の据わらない赤ちゃんが抱かれているという場面になると、 この子のぶんも用意しておくべきだったのかどうかが急に気になってきます。 財布を開いて千円札を探すのか、それとも何も出さないほうが自然なのかを、 その場で決めなければならなくなります。

0歳・1歳の子に渡すかどうかは家によってはっきり分かれるところで、 本人には金額の意味が分からず、袋も中身も結局は親が預かることになるためです。 判断の軸として実際に効いてくるのは、本人に分かるかどうかよりも、 上にきょうだいがいるかどうかという点のほうになります。

状況目安
きょうだいがもらっている下の子にも同じように用意して渡します
祖父母から孫へ記念の意味で渡す家庭が多くなります
一人目の子・初めての正月渡さないまま挨拶だけで済ませて構いません
親戚の赤ちゃん出産祝いを贈っていれば渡さなくても足ります

この年齢で決め手になるのは、赤ちゃん本人ではなく上の子の存在のほうです。本人は袋を見ても何も分かりませんが、上の子だけが受け取って下の子の手元には何も無いという形になると、その場で親のほうが気を遣うことになります。逆にきょうだいがいなければ、渡さないという判断がそのまま角の立たない形に収まります。

そもそも何歳から渡し始めるものなのかについては、世間の側にも定まった答えが出ていません。 株式会社マルアイが2025年11月25日から26日にかけてインターネットで行った 「2026年お年玉に関する実態調査」は、お年玉をあげると答えた604名から回答を得たもので、 事前の調査には2,405名が答えており、気持ちではなく実際の渡し方と金額を尋ねた調査です。 そこでは「いつまであげるか」がきちんと尋ねられていて、 「高校卒業まで」34.6%、「高校・専門学校などを卒業するまで」18.2%、 「社会人になるまで」15.9%という順に並んでいます。 ところが「いつからあげるか」を尋ねた設問はどこにも立てられておらず、 0歳・1歳という年齢は、渡す側の世間にも共通の答えが無いまま残されていることになります。

同じ調査で渡し方を尋ねた結果を見ると、 「現金をぽち袋に入れて手渡す」と答えた人が77.8%を占めていて、 電子マネーで送金するという人は4.0%、口座に振り込むという人は3.8%にとどまっています。 相手が0歳や1歳であれば、その手渡しの相手はどうしても抱いている親のほうになりますので、 ポチ袋を差し出す先はお母さんかお父さんの手だと決めておけば、その場で迷わずに済みます。

渡さないと決めた場合であっても、何も言わずにその話題ごと避けてしまうと、 かえって気まずい空気が残ることがあります。 「この子はまだ分からないから、来年からね」とひと言だけ添えておけば、 相手の親もその場で受け止められますし、来年から渡すという見通しも同時に伝わります。

金額の目安

金額のほうは、ポチ袋の売り場に立ったところから迷い始めることになります。 千円札を1枚だけ入れるのでは軽く見えないだろうか、 それとも3千円ほど包んでおくのが祖父母らしいのだろうかと考えているうちに、 レジの列だけが先に進んでいきます。

この年齢の額は、子どもへ渡すものというよりも 親へのお祝いの気持ちという色合いが濃くなります。 使うのは本人ではありませんし、袋ごと預かって管理するのも親の側になりますから、 額を競い合うような場面には、そもそもなりません。

相手金額
祖父母から孫へ1千〜3千円のあいだで用意します
おじ・おばから甥・姪へ5百〜1千円のあいだで十分に足ります
その他の親戚5百〜1千円か、渡さないという形になります

この年齢では、包んだ額がそのまま相手の親の負担になって返ってきます。本人が使うわけではなく、袋を開けて中身を数え、通帳に入れるところまでを親がやりますし、額が大きければ大きいほど「お返しをどうしよう」という相談がその日のうちに始まってしまいます。ポチ袋に1千円という形であっても、気持ちのほうは十分に伝わります。

祖父母から孫へという間柄だけは、1千〜3千円と少し幅が広めに取ってあります。 初めての正月を記念として残しておきたいという気持ちが働きますし、 写真と一緒にポチ袋を取っておく家もあるためですが、 それでも3千円を超える額まで上げてしまうと、今度は相手の親のほうが身構えます。

おじ・おばの立場であれば、5百〜1千円のあいだに収めておくほうが、あとあと軽く済みます。 親戚のあいだでは同じ額が相場として静かに共有されていきますので、 一人だけ高い額を包むと、ほかのおじ・おばもその額に合わせざるを得なくなりますし、 翌年からはその額が当たり前のものとして扱われることになります。

渡し方

袋を用意したあとに残るのが、それを誰の手に渡すのかという問題です。 目の前で抱かれている赤ちゃんに向かって差し出すのが自然な気もしますし、 かといって本人が受け取れるはずもありませんので、 伸ばした手が宙で止まってしまいます。

この年齢では、金額や渡すときの言葉づかいよりも 安全のほうが先に来ます。 手にしたものをそのまま口へ運ぶ時期ですから、ポチ袋も中のお札も、 赤ちゃんにとっては口に入る大きさの紙にすぎません。 正月の居間には、ほかにも折り紙やお菓子の包み紙といった手に取れるものが転がっています。

場面渡し方
袋を差し出す相手抱いている親の手にそのまま渡します
誰宛かを伝える「〇〇ちゃんに」とひと言そえて渡します
ポチ袋の表名前を書いておくと親が記録しやすくなります
きょうだいがいるとき全員ぶんを揃えてから差し出します
写真を撮りたいとき抱いている親に持ってもらったまま撮ります

ポチ袋も中に入れたお札も、赤ちゃんの手には持たせないでください。この時期は手にしたものをまず口へ運びますし、紙は唾液ですぐにふやけてちぎれますので、飲み込んでしまえば喉に貼りついて息の通り道をふさぐおそれがあります。5百円のような硬貨を入れる場合はなおさらで、あの大きさは赤ちゃんの口にすっぽり入ってしまいます。

実際に危ないのは、袋を渡してから写真を撮るまでのわずかな時間です。 せっかくだからと赤ちゃんにポチ袋を持たせて一枚撮り、 写り具合を確かめようとして画面に目を落としているあいだに、 袋の角が口へ入っているということが起こりますので、 撮るのであれば親に持ってもらったまま、赤ちゃんの手のほうは空けておいてください。

ポチ袋の表には、渡す前に赤ちゃんの名前を書いておいてください。 0歳・1歳のうちは親がまとめて預かって通帳に入れることになりますし、 正月のあいだには何人もの親戚から袋が集まります。 誰からいくら受け取ったのかを後から突き合わせるとき、 名前が書いてあるかどうかで手間がまるで違ってきます。

現金以外の選択肢

現金を包むということ自体に、どうも気が進まないという場合もあります。 まだお金を使えない相手に千円札を渡すよりも、 絵本の一冊でも持っていったほうが正月らしいのではないかと考えるのは、 この年齢にかぎってはもっともなことです。

品物に替えると、その場で本人が反応してくれるという良さがあります。 現金であれば結局は親が預かって管理することになりますが、 包みを開けて絵本の表紙が出てくれば赤ちゃんのほうから手を伸ばしますし、 渡した側もその様子をその場で見ることができます。

もの注意
絵本長く使えます。持っていないかだけ確かめます
おもちゃ対象年齢を見て、誤飲の心配がないものにします
図書カード親が選べますし、帰りの荷物にもなりません
衣類好みが分かれるので、サイズは大きめにします
おむつ・消耗品実用的ですが、サイズと銘柄の確認が要ります

この年齢の贈り物でいちばん効いてくるのは、かさばらないという一点です。正月の帰省先には抱っこひもやおむつの入った鞄が積み上がっていて、そこへベビーカーまで加われば、帰りの車や電車に積める量には限りが出てきます。大きな箱よりも、鞄の隙間に差し込める大きさのほうが親切に働きます。

一方で品物のほうには、現金を渡すときには生じない難しさもあります。 好みが分かれるうえに、すでに同じものを持っているかどうかがこちらからは分かりませんので、 絵本や衣類を選ぶのであれば、渡す前に親へ一度だけ聞いておくのが確実です。

おもちゃを選ぶときだけは、箱に書かれた対象年齢を必ず確かめてください。 0歳・1歳は手にしたものを口に入れて確かめる時期ですから、 小さな部品が外れる作りのものや、口に入る大きさの積み木は、 そのまま喉に詰まる事故につながります。 対象年齢の表示は、その事故を防ぐために付けられている目印です。

この年齢ならではの注意

0歳から渡し始めるということは、そこから十数年ぶんの正月が続くということでもあります。 高校を卒業するまで渡すとすれば18年間になりますし、 そのあいだにきょうだいが増えれば、その人数ぶんだけ袋を用意することになります。

厄介なのは、最初に決めた額がそのあとの基準として残ってしまうところです。 一度上げた額は下げにくく、去年より少ない袋を渡すのは気が引けますので、 始める時点でこの先の年数を頭に入れておくと、あとになって困りません。

気をつけること理由
親の方針を尊重する「まだ早い」と考える家庭もあります
高額を渡さない受け取った親がお返しを考え始めます
来年からの額を意識する一度上げた額はあとから下げにくくなります
出産祝いと重ならないか生後まもなくならどちらか一方で足ります

お年玉は、一度始めると毎年続いていくものだと考えておいてください。0歳から高校卒業までなら18年間で、そのあいだに相手の子が入園し、入学し、部活を始めるたびに、周りが渡している額も少しずつ上がっていきます。最初の一枚を決めるときにその年数を思い浮かべておけば、途中で持て余すことがありません。

相手の親が「まだ早い」と考えている家庭もありますので、 こちらの気持ちだけで押し切らないでください。 お金を持たせるのは何歳からという方針を持っている家では、 赤ちゃんのうちからポチ袋が届くこと自体を重く受け取ることがありますし、 断るほうにも気を遣わせてしまいます。

生まれて間もない時期に出産祝いを贈っているのであれば、 その正月のお年玉まで重ねる必要はありません。 どちらか一方で気持ちは十分に伝わりますし、 短いあいだに二度も受け取れば、相手の親は内祝いをどうするかで 年末年始のあいだ頭を使うことになります。

何歳まで渡すかを詳しく見る

赤ちゃんへのお年玉に決まった正解があるわけではなく、 上にきょうだいがいるかどうかと、 相手の家がこういうことをどう考えているかという二つを見て、 その場に収まる形を選べばそれで足ります。 きょうだいが受け取っている場面なら下の子にも用意しておくほうが親の気持ちが軽くなりますし、 一人目の初めての正月であれば、渡さないまま挨拶だけで済ませても失礼にはなりません。

どの相手でも変わらないのは、袋を差し出す先が赤ちゃん本人ではなく 親の手だという一点だけで、 これさえ守っていれば、金額の目安を思い出せなくても困ることはありません。 手に持たせなければ口に入れる心配もなくなりますし、 受け取った親のほうも、その場で袋を置く場所に迷わずに済みます。

よくある質問

赤ちゃんにもお年玉を渡しますか?

必須ではありません。本人には分からない年齢なので、渡さない家庭も多くあります。ただしきょうだいがもらっている場合は渡します。上の子だけもらって下の子が何も無いと、親が気を遣います。

金額はいくらが目安ですか?

祖父母から孫へなら1千〜3千円、おじ・おばから甥・姪へなら5百〜1千円です。高額にする必要はありません。本人が使うわけではなく親が管理しますし、高いと相手の親が負担に感じます。

どう渡せばよいですか?

親に手渡します。赤ちゃん本人には渡しません。ポチ袋に名前を書いておくと、親が記録しやすくなります。きょうだいがいるなら全員ぶんを揃えて渡してください。

赤ちゃんに直接持たせてもよいですか?

持たせないでください。紙は口に入れます。ポチ袋も中のお札も同じです。目を離した隙が危険なので、渡すときは必ず親の手に渡してください。

現金以外でもよいですか?

この年齢なら構いません。絵本、図書カード、おもちゃなどが向きます。ただしおもちゃは対象年齢を確認し、誤飲の危険がないものにしてください。かさばるものは帰省の荷物が増えるため避けます。

出産祝いを贈ったばかりですが。

どちらか一方で足ります。生後まもない時期なら、重ねる必要はありません。

まとめ

  • 0歳・1歳には渡しても渡さなくても構いません
  • 判断の軸はきょうだいがいるかどうかに置きます
  • 金額は1千円ほどをひとつの目安にします
  • 袋は赤ちゃんではなく親の手に渡します
  • 口に入れてしまうので赤ちゃんの手には持たせません
  • 現金でなく絵本や図書カードでも構いません
  • かさばるものは帰りの荷物になるので避けます
  • 18年続くことを見越して最初の額を決めます

参考情報

  1. 株式会社マルアイ「【2026年お年玉に関する実態調査】」(2025年12月16日)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000117.000051757.html
  2. All About「お年玉、1人あたりの相場はいくら?学年別ランキング」(インテージ「2026年お年玉調査」)
    https://allabout.co.jp/gm/gc/516484/
  3. リセマム「お年玉をあげるのは何歳まで?年齢別の相場は…実態調査」(マネーインサイトラボ)
    https://resemom.jp/article/2025/12/01/84145.html
  4. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  5. 株式会社マルアイ「2026年お年玉に関する実態調査」(2025年11月25日〜26日実施・インターネット調査・有効回答604名/事前調査2,405名)
    https://maruai.co.jp/news/p8113/

マルアイの調査は、インターネットで募った回答者のうち「お年玉をあげる」と答えた604名を集計したもので、全国の世帯を無作為に抽出した標本ではないため、年代や地域による偏りが残ります。お年玉の金額に公的な基準はありません。本記事の金額は、複数の実態調査と広く共通して挙げられる目安を照合してまとめたものです。調査ごとに集計の区切り方が違うため、本文では幅のある形で示しています。地域・ご家庭・親族間の取り決めによって実際には大きく異なります。

本記事で紹介している金額は一般的な目安です。お年玉の金額に決まりはなく、地域・ご家庭・親族間の取り決めによって大きく異なります。ご親族に渡す場合は、まず身内での申し合わせをご確認ください。