結論

お年玉をやめる時期に決まりはありませんが、 いちばん多く選ばれている区切りは高校卒業(18歳)で、 学校の節目とそのまま重なりますので、渡す側にも受け取る側にも分かりやすい形になっています。

大切なのは親族のあいだで時期を揃えておくことと、 最後の年にその場で一言伝えておくことの二つで、 この二つさえ押さえていれば、翌年の正月に気まずい思いをすることはありません。

区切りの選択肢

甥が高校三年になった年の暮れに、ぽち袋をもう一枚買うべきかどうかで手が止まることがあります。 来年は大学生になるのだから今年で最後にしたいけれど、それを誰かに確かめたわけでもありません。 決まりが定まっていないぶん、毎年こちらで線を引き直すことになります。

線の引き方は大きく学校の卒業で区切る形と年齢で区切る形の二つに分かれ、 どちらを選ぶかによって終わる時期が半年ほどずれますし、 同じ学年の子のあいだで扱いが揃うかどうかもここで変わってきます。

区切り年齢特徴
高校卒業18歳になる年の春です最も多く、学校の区切りと重なります
中学卒業15歳になる年の春です早めの区切りで、やや早い印象を持たれます
成人(18歳)高校3年の在学中です在学中に当たるため、中途半端になります
20歳たいてい大学2年です学年の途中で終わることになります
大学卒業・就職22歳になる年の春です収入を得たら渡さないという考え方です
学生の間進路によって変わります分かりやすい反面、長引くことがあります

卒業を区切りにするほうが、あとで説明しやすくなります。年齢で区切ると学年の途中で終わることになり、同じ学年のいとこのあいだで終わる年がずれてしまいます。学校の節目に合わせておけば、その年の三月にお祝いを渡す流れにも自然につながります。

高校卒業が多数派だという点には、調査の裏づけもあります。 株式会社マルアイが2025年11月25日から26日にかけて、全国の20代から60代以上の男女604名へ行ったインターネット調査では、 お年玉はいつまであげるものだと思うかという問いに対し、高校卒業までと答えた人が34.6%で最も多くなりました。

同じ調査では、短大・大学・専門学校生までと答えた人が18.2%、社会人になるまでと答えた人が15.9%と続いています。 実際にやめた年齢を集めたものではなく、そう思うかどうかを尋ねた意識調査ではありますが、 高校卒業と大学卒業のあたりに区切りが集まっている様子は読み取れます。

「成人」は区切りにしにくい

成人したら終わりにしようと決めておくと、線がすっきり引けそうに思えます。 ところが2022年4月から成人年齢が18歳になったことで、その誕生日は高校三年の教室にいるあいだにやってきますので、 卒業式より前に成人した子が出てくることになります。

ここで効いてくるのが生まれ月の違いで、同じ学年の子でも四月生まれと三月生まれとでは、 成人を迎える正月が一年ずれます。 年齢で線を引くか、学年で線を引くかによって、いとこ同士の扱いが揃うかどうかが決まります。

決め方起きること
成人(18歳)でやめる誕生日が高校の在学中に来てしまいます
早生まれの子結果として一年多く受け取ることになります
遅生まれの子同じ学年でも、先に終わってしまいます
高校卒業に読み替える学年で揃いますので、ずれが起きません

成人を区切りにするなら、高校卒業と読み替えておくほうが実際的です。同じ学年の子が同じ年に終わる形になりますので、いとこ同士でぽち袋の数が違うということが起きません。三月の卒業に合わせておけば、その場でお祝いの言葉と一緒に区切りをつけられます。

早生まれの子だけが一年多く受け取る形になると、その差は当人よりも周りの子が先に気づきます。 同じ高校三年生なのに一方だけぽち袋を渡されないという場面は、親戚が集まる居間ではかなり目立ちますし、 渡さなかった側の大人も、その場で理由を説明することになります。

学年で揃えておけば、そうした説明はいっさい要らなくなります。 高校を出るまでという一言だけを親族のあいだで共有しておけば、 誰の誕生日がいつなのかを思い出す必要もなく、三月を過ぎた子から順に外れていきます。

親族で揃える

自分のところだけ先に区切りをつけると、その年の居間では同じ高校生のいとこのうち、 片方だけがぽち袋を一枚少なく持って帰ることになります。 本人は何も言わなくても、袋の枚数が違うことにはその場で気づきます。

揃えるべき相手を見きわめる軸になるのは渡す側の立場が同じかどうかで、 きょうだい同士のように立場の並ぶ相手とは合わせておく必要がある一方、 祖父母のように立場そのものが違う相手とは、時期がずれていても差し支えありません。

起きること対応
自分だけ先にやめたその子だけ受け取る額が減って、気づかれます
自分だけ長く続けた他の親族が、やめにくくなってしまいます
きょうだいで方針が違う年末のうちに電話で相談しておきます
祖父母だけ続ける立場が違いますので、気にしなくて済みます

揃えたいのは同じ立場の人どうしだけです。祖父母とおじ・おばで時期が違っていても、子どもの側はもともと別のものとして受け取っていますので、そこを無理に合わせる必要はありません。合わせておきたいのは、いとこの列が横並びになる範囲だと考えてください。

相談は年末の電話一本で足ります。 年賀状の宛名を書いている時期にきょうだいへ連絡して、うちは高校を出るまでにするつもりだと先に言ってしまえば、 相手も同じころに同じことを考えていたという返事になることがほとんどです。

話がまとまらないまま正月が来てしまったときは、長いほうへ合わせておくと収まります。 先にやめた側は毎年その判断を持ち越すことになりますが、一年多く渡した分には誰も困りませんし、 翌年の暮れに改めて相談すれば、そこで揃えられます。

伝え方

何も言わずに最後の一回を渡してしまうと、翌年の正月にその子は玄関で少し身構えることになります。 去年までもらえていたものが今年は出てこないという状況は、本人にとっても親にとっても座りが悪く、 何かあったのだろうかと考えさせてしまいます。

伝え方の分かれ目は最後の年に言うか、それより前に予告しておくかという時期の違いで、 どちらを選んでも構いませんが、当日その場で初めて聞かされるのと、 数年前から決まっていたと知っているのとでは、受け取る側の身構え方が変わります。

場面言い方
高校卒業の年「卒業おめでとう。お年玉はこれで最後だね」と添えます
就職の年「就職おめでとう。もう立派な社会人だね」と伝えます
早めに予告する「高校卒業までね」と数年前から言っておきます
親を通す親に「今年で最後にするね」と先に伝えておきます

早めに予告しておくほうが、当人にも親にも親切です。高校卒業までと最初から決めて伝えてあれば、その年が来ても本人は分かったうえで受け取れますし、渡す側も最後の一回で言葉を探さずに済みます。予告は正月の場でなくても、夏に会ったときで構いません。

最後の一回は、卒業や就職のお祝いと一緒に渡してしまうと収まりがよくなります。 おめでとうという言葉が先に立ちますので、終わりを告げる話が寂しい響きになりませんし、 受け取る側も区切りとして納得しやすくなります。

本人に直接言いにくいのであれば、親のほうへ先に伝えておくという手もあります。 きょうだいに今年で最後にするねと電話で言っておけば、その家の中で先に話が通りますし、 当日は袋を渡すだけで済みます。

やめた後

お年玉を渡さなくなった翌年の正月に、玄関でどう声をかければよいのか迷うことがあります。 去年まで袋を差し出していた手が空いているぶん、こちらのほうが気まずさを感じてしまいます。 相手のほうはもう大学生や社会人になっていて、そこを気にしていないことがほとんどです。

考えておきたいのはお年玉の代わりに何を続けるかという点で、 渡すものがなくなっても行き来そのものが減るわけではありませんし、 節目のお祝いや帰省したときの食事といった形で、付き合いは別の場所へ移っていきます。

場面続き方
入学・就職・結婚節目のお祝いのほうへ切り替えていきます
帰省してきたとき食事に誘って、そこで近況を聞きます
久しぶりに会ったとき進路や仕事の話を、こちらから尋ねます
相手に子どもができたその子に渡す形で、また続いていきます
やめた翌年に会う本人はもう気にしていませんので、ふだんどおりに接します

お年玉が終わっても、付き合いそのものが切れるわけではありません。高校を出た相手にとってお年玉は子どものころの行事になっていますので、こちらが引け目を感じる必要はなく、外食に誘ったり近況を聞いたりするほうが喜ばれます。相手に子どもができれば、今度はその子へ渡す形でまた始まります。

節目のお祝いへ切り替えると、渡す回数はむしろ減ります。 毎年の正月に用意していたものが、入学と就職と結婚の三度だけになりますので、 渡す側の負担は軽くなりますし、一度あたりに込められる意味のほうは濃くなります。

それでも正月に何か持たせたいのであれば、お年玉の袋ではなく手土産の形にしてください。 帰りぎわに地元の菓子折りを一つ渡すぐらいであれば、相手が学生でも社会人でも受け取りやすく、 金額の話にもなりませんので、次の年からも同じ形を続けられます。

やめる時期に一つの正解があるわけではなく、高校を出るまでと決めている家もあれば、 就職して給料が入るまでは渡すと決めている家もあり、そのどちらも間違いではありません。 決めるときに見ておきたいのは年齢そのものではなく、学年で揃う形になっているかどうかです。

どの家でも変わらないのは、同じ立場の親族で時期を合わせておくことと、最後の年に一言添えることの二つです。 年末の電話できょうだいと区切りを合わせておけば、いとこの列でぽち袋の枚数が違うということは起きませんし、 卒業おめでとうの言葉と一緒に渡してしまえば、終わりの一回も気まずくなりません。

よくある質問

お年玉は何歳まであげますか?

決まりはありません。もっとも多い区切りは高校卒業(18歳)です。ほかに中学卒業、大学卒業・就職、学生の間といった区切り方があります。「卒業」を区切りにするほうが分かりやすくなります。

成人したらやめるべきですか?

成人年齢18歳は高校3年生にあたります。誕生日を迎えるのは在学中なので、「成人したから」でやめると同じ学年でも誕生日によって扱いが変わります。早生まれの子だけ1年多くもらうことになり、不公平が生じます。「高校卒業」と読み替えるほうが実際的です。

親族でやめる時期を揃えるべきですか?

同じ立場の人同士は揃えてください。自分だけ先にやめるとその子だけもらえる額が減り、自分だけ長く続けると他の親族がやめにくくなります。ただし祖父母とおじ・おばで時期が違うのは問題ありません。立場が違うためです。

やめるときはどう伝えますか?

最後の年に一言添えます。「卒業おめでとう。お年玉はこれで最後だね」で十分です。何も言わずにやめると翌年に本人も親も戸惑い、「何かあったのか」と考えさせます。

早めに伝えておいてもよいですか?

そのほうが親切です。「高校卒業まで」と最初から決めて伝えておけば、その年が来ても自然に終わります。

やめた後、関係はどうなりますか?

変わりません。入学祝いや就職祝いなど節目の祝いに切り替える、帰省時に食事に誘うといった形があります。相手に子どもができたら、その子に渡す形で続きます。

まとめ

  • やめる時期に決まりはありません
  • 高校卒業(18歳)がいちばん多く選ばれています
  • 年齢ではなく「卒業」で区切ります
  • 成人18歳は高校の在学中に当たります
  • 同じ立場の親族とは時期を揃えます
  • 祖父母とおじ・おばは違っていて構いません
  • 最後の年に一言添えます
  • その後は節目のお祝いに切り替えます

参考情報

  1. 株式会社マルアイ「【2026年お年玉に関する実態調査】」(2025年12月16日)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000117.000051757.html
  2. All About「お年玉、1人あたりの相場はいくら?学年別ランキング」(インテージ「2026年お年玉調査」)
    https://allabout.co.jp/gm/gc/516484/
  3. リセマム「お年玉をあげるのは何歳まで?年齢別の相場は…実態調査」(マネーインサイトラボ)
    https://resemom.jp/article/2025/12/01/84145.html
  4. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  5. 株式会社マルアイ『2026年お年玉に関する実態調査』を実施しました。(2025年12月16日・調査概要つき)
    https://maruai.co.jp/news/p8113/

本文で引用したマルアイの調査は、全国20代〜60代以上の男女604名に2025年11月に行われたインターネットアンケートで、回答数が少ないうえ、実際にやめた年齢の集計ではなく「いつまであげるものだと思うか」を尋ねた意識調査です。お年玉の金額に公的な基準はありません。本記事の金額は、複数の実態調査と広く共通して挙げられる目安を照合してまとめたものです。調査ごとに集計の区切り方が違うため、本文では幅のある形で示しています。地域・ご家庭・親族間の取り決めによって実際には大きく異なります。なお成人年齢が18歳である点は、2022年4月施行の民法改正によるものです。

本記事で紹介している金額は一般的な目安です。お年玉の金額に決まりはなく、地域・ご家庭・親族間の取り決めによって大きく異なります。ご親族に渡す場合は、まず身内での申し合わせをご確認ください。