結論
異動のときのお菓子は必須ではなく、退職と違って社内に残る以上、 用意するとしても退職のときより簡素で構いませんので、 職場に慣行がないのであれば挨拶だけで足ります。
用意するなら1人100〜200円、全体で2千〜3千円が目安になりますし、 異動先へ持参するかどうかは職場の慣行によりますので、 まわりがこれまでどうしてきたかを確かめてから決めれば間違いがありません。
必要かどうか
異動の内示が出てから最終出社日までの数日は、引き継ぎの資料をまとめながら、 菓子折りを用意すべきかどうかが頭の隅に残り続けます。 前に異動していった人が休憩室のテーブルに箱を置いていった記憶があると、なおさら気になってきます。
判断が分かれるのはその職場に慣行があるかどうかという一点で、 前任者が配っていった部署と、誰も何もしないまま人が入れ替わっていく部署とでは、 同じ振る舞いが自然にも大げさにも見えます。
| 場面 | 目安 |
|---|---|
| 職場に慣行がある | 前の異動者に合わせておけば迷いません |
| 慣行がない | 用意せず、挨拶だけで済ませて構いません |
| 同じフロア内の異動 | 席が移るだけなので、不要なことがほとんどです |
| 別の拠点へ移る | 顔を合わせる機会が減るので、用意する人もいます |
| 長く在籍した部署 | 区切りとして用意すると、気持ちが伝わります |
| 数年ごとの定期異動 | 毎回のことなので、簡素なもので十分です |
定期的に人が動く職場ほど、その都度配ると全員が同じことを繰り返すことになります。一人が始めれば次に動く人も同じようにせざるを得なくなり、年に何度も菓子折り代が出ていく形になりますから、慣行として根づいていないのであれば、無理に始めないほうが職場のためにもなります。
実際に困るのは、自分の部署では誰も配らないのに隣の課では異動のたびに菓子折りが回ってくる、 といった食い違いがある場合で、 共用の休憩室に置かれた箱を何度も目にしていると、自分だけ何もしないのは気が引けてきます。
そういうときは、同じ部署で以前に異動した人がどうしたかを一人に聞いてみれば見当がつきますし、 それでも分からなければ用意しないほうを選んで差し支えありません。 菓子折りがなかったことを咎める人はまずいませんし、 異動の挨拶をきちんと済ませていれば、それで足りないということもありません。
金額と範囲
金額でつまずくのは、退職していった先輩から配られた菓子折りの記憶が残っているからで、 あのくらいは用意しなければと考え始めると、二千円では足りない気がしてきます。 売り場で箱を手に取ってみると、二十人分を三千円に収められるものは思ったより限られています。
ただ、退職と異動とでは関係が続くかどうかが違いますので、 同じ物差しで額を決める必要はなく、 社内に残る以上は今後も廊下ですれ違いますし、仕事で連絡を取り合うこともあります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 1人あたり | 100〜200円を目安にすれば無理がありません |
| 全体(20人程度) | 2千〜3千円あれば十分にまかなえます |
| 配る範囲 | 同じ部署までで区切って構いません |
| 他部署 | 社内で会えるので、用意しなくて構いません |
| とくに世話になった方 | 個別に小さなものを添えると気持ちが伝わります |
退職のときの3千〜5千円と同じ額にする必要はなく、それより抑えて構いません。異動は職場を去るわけではなく、来週には別のフロアで顔を合わせる相手が大半ですから、区切りの重さがそもそも違いますし、額を上げたところで受け取る側が身構えるだけで終わります。
配る範囲で迷ったときは、日ごろ自分の席から見える範囲を思い浮かべてみると線が引きやすく、 同じ島に座っている人と、朝の挨拶を交わす程度の隣の課の人とでは、扱いを変えても不自然ではありません。 他部署まで広げると数が読めなくなり、そのぶん一人あたりの額を削ることになります。
| 条件 | 説明 |
|---|---|
| 個包装 | 席を外している人も、戻ってから取れます |
| 日持ちする | 休みの人の分も、数日は残しておけます |
| 常温保存 | 共用の冷蔵庫が使えない職場でも困りません |
| 人数より多め | 1.2倍ほど見ておくと足りない心配がありません |
選び方の勘どころは退職のときと変わらず、個包装・日持ち・常温の三つを満たしていれば外しません。切り分けの要る大きなホールや、その日のうちに食べきらなければならない生菓子は、休憩室に置いたまま誰も手をつけられずに終わることがありますから、一つずつ袋に入った焼き菓子のような形がいちばん扱いやすくなります。
箱を選ぶときにもう一つ見ておきたいのが、休憩室のテーブルにそのまま置ける大きさかどうかです。 平たい箱なら蓋を開けたまま置いておけますが、 背の高い缶や紙袋ごと置くような形だと、誰かが片づける手間がそこで生まれます。
そこまで気を配らなくてもよさそうに見えて、 置き場所に困る菓子折りは意外と持て余されますし、 配った本人がもう別の部署にいるだけに、片づけを頼める相手もいなくなります。
お菓子の選び方を詳しく見る異動元で配る
配る相手そのものに迷いはなく、これまで机を並べてきた人たちに渡せば済むのですが、 実際に手が止まるのは最終出社日の午後、どの時間帯に声をかけるかを決めかねているときです。 打ち合わせや外出が重なる部署だと、全員が席にそろう瞬間はなかなか訪れません。
もう一つ迷いやすいのが添える言葉の調子で、 退職の挨拶と同じ言い回しをそのまま使うと、まだ社内にいるのに別れの場のような空気になってしまい、 見送る側もどう返したものか分からなくなります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| タイミング | 最終出社日の終業1〜2時間前が渡しやすい時間です |
| 渡し方 | 一人ずつ挨拶を添えて、手渡しします |
| 人数が多い | 休憩室に置いて、一言添えて回ります |
| 添える言葉 | 「お世話になりました。〇〇部におりますので、引き続きよろしくお願いします」と伝えます |
| 不在の人 | 机の上に置いておけば、戻ってから気づきます |
「引き続きよろしくお願いします」の一言は必ず添えてください。退職の挨拶と決定的に違うのはここで、関係が切れないことを言葉にしておくと、受け取った側も送別の空気に引きずられずに済みます。異動先の部署名まで口にしておけば、後日あらためて連絡を取りたくなったときの手がかりにもなります。
終業間際まで待っていると、直行直帰の人や早退した人には渡せないまま日が暮れてしまいますので、 終業の一、二時間前に動き出すくらいがちょうどよく、 その時間なら大半の人がまだ席に戻っています。 受け取ったほうも、帰り支度のついでに鞄へ入れておけるので気楽です。
席を外している人の分は、付箋に名前を書いて机の上に置いておけば十分で、 あとから廊下で探して回る必要はありません。 人数が多くて一人ずつ渡しきれない部署であれば、休憩室のテーブルにまとめて置き、 通りかかった人に一言ずつ声をかけるほうが、かえって全員に行き渡ります。
異動先へ持参する
着任の初日に手ぶらで行ってよいものかは、異動元で配るかどうかよりも判断に迷うところで、 新しい部署の勝手がまるで分からないぶん、 持っていって浮くのも、持たずに気まずくなるのも避けたくなります。
ここで効いてくるのが着任先の慣行で、 迎える側にとっては毎年のように誰かが入ってくる話ですから、 その部署でこれまで新しく来た人がどうしてきたかが、そのまま基準になります。
| 状況 | 目安 |
|---|---|
| 慣行がある | これまでの着任者に合わせておけば安心です |
| 慣行がない | 持参せず、挨拶だけで十分に足ります |
| 遠方から異動 | 土地の名物なら、会話のきっかけになります |
| 同時に複数人が着任 | 事前に相談して、足並みを揃えておきます |
| 持参するなら | 着任日の挨拶と一緒に手渡します |
| 金額 | 1人100〜200円で十分に間に合います |
同じ日に何人も着任するなら、事前に連絡を取り合って足並みを揃えておいてください。一人だけが菓子折りを抱えて現れると、手ぶらで来た人がその場で気まずい思いをしますし、迎える側も受け取りかたに困ります。連絡先が分からないうちは、揃って持参しないほうを選んでおけば角が立ちません。
実際には持参しない職場のほうが多く、着任の挨拶で名前と前の部署を伝えれば、 それだけで迎える側の用は足りますから、無理に用意しなければならないものではありません。 むしろ一人が始めてしまうと、次に着任する人が同じことを求められる形になります。
遠方からの異動で持参する場合は、前の任地の名物を選ぶと「〇〇から参りました」の一言に自然につながり、 名前と顔を覚えてもらうきっかけにもなります。 ただしこれも必須ではなく、包み紙に印刷された地名が話の糸口になるというだけのことですから、 挨拶がきちんとできていれば菓子折りの有無は問われません。
転勤の場合
同じ異動でも住まいごと移る転勤になると事情が変わり、 段ボールに荷物を詰めながら最終出社日を迎えることになりますので、 菓子折りをどうするかは早めに決めておいたほうが後で楽になります。 引越しの手配と重なる時期だけに、当日になって買いに走るのは骨が折れます。
扱いを分ける軸はこれから顔を合わせられるかどうかで、 同じ建物の別フロアへ移るのと、新幹線で数時間かかる拠点へ移るのとでは、 送り出す側の受け止め方がまるで違います。
| 状況 | 目安 |
|---|---|
| 転居を伴う転勤 | 区切りとして用意することが多くなります |
| 会う機会が減る | 退職に近い扱いで考えると収まります |
| 金額 | 3千〜5千円ほどを目安にします |
| 赴任先へ | 前任地の菓子を持参する人もいます |
| 近隣への挨拶 | 引越し先での挨拶は、これとは別に考えます |
転居を伴う転勤は、異動というより退職に近い区切りとして扱われます。社内には残るとはいえ、送別会で受け取った花束を抱えたまま新幹線に乗るような別れ方になりますし、次に顔を合わせるのが数年後という相手も出てきますから、金額も配る範囲も退職のときに準じて考えておくほうが落ち着きます。
送別会の席で花束を渡されるのはたいてい転勤のときで、 同じ建物の中で席が移るだけの異動では、そこまでの見送りにはなりません。 送り出す側の気持ちがそれだけ動いているぶん、 こちらの用意も退職のときに近い形にしておくと、場の調子が合います。
赴任先へ前任地の菓子を持参するかどうかは、着任先の慣行に沿えば十分ですが、 遠方から来たことが分かる品は、初対面の顔が並んだ席で名前を覚えてもらう助けになります。 引越し先の近所へ配る挨拶の品は職場とはまったく別の話で、 そちらは新しい住まいでの付き合いのために用意するものですから、同じ予算で考える必要はありません。
転勤するときのマナーを見る配るか配らないかに決まった正解があるわけではなく、 その職場でこれまでどうしてきたかを見て、まわりから浮かない形を選べばそれで足ります。 誰も配らない部署なら挨拶だけで十分ですし、 前の異動者が用意していった部署であれば、同じくらいの簡素なもので合わせておけば済みます。
どの場合でも変わらないのは、これで縁が切れるわけではないと言葉にしておくことだけで、 「引き続きよろしくお願いします」と伝えておけば、 菓子折りがあってもなくても別れの空気にはなりません。 社内に残る以上、来月には同じ相手と仕事で連絡を取ることになります。
よくある質問
異動時に職場へお菓子は必要ですか?
必須ではありません。退職と違い社内に残るため、より簡素で構いません。とくに定期的に異動がある職場では、その都度配ると負担が積み重なります。慣行がなければ挨拶だけで足ります。
いくらくらいが目安ですか?
1人100〜200円、全体で2千〜3千円程度です。退職時(3千〜5千円)より抑えて構いません。異動は今後も社内で顔を合わせるため、区切りの度合いが違います。
どこまで配りますか?
同じ部署までで足ります。他部署は社内で会えるため不要です。とくに世話になった方には、個別に小さなものを用意する程度で構いません。
異動先へお菓子を持参すべきですか?
職場の慣行によります。一般的な決まりではなく、持参しない職場のほうが多くあります。持参すると次の異動者に同じことを求める形になりかねません。まず慣行を確認してください。
同時に複数人が着任する場合は?
足並みを揃えてください。一人だけ持参すると、他の人が気にします。事前に確認できるなら、しておくと安心です。
転勤の場合はどうですか?
転居を伴う転勤は異動より退職に近い扱いになります。簡単に会えなくなるためです。金額も範囲も、退職時に準じて3千〜5千円程度で考えてください。
まとめ
- 異動時のお菓子は必須ではありません
- 退職のときより簡素で構いません
- 用意するなら1人100〜200円を目安にします
- 配る範囲は同じ部署までで足ります
- 「引き続きよろしくお願いします」を添えます
- 異動先への持参は職場の慣行に合わせます
- 複数人が同時に着任するなら足並みを揃えます
- 転勤は退職に近い扱いで考えます
参考情報
- 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 高島屋「進物の基礎知識」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html - 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
餞別やお返しの金額に公的な基準はありません。本記事は広く共通して挙げられる目安をまとめたものです。職場ごとの慣行が優先します。前例を確認するのがもっとも確実です。出典は2026年8月15日に確認しました。
本記事で紹介している金額や品物は一般的な目安です。職場ごとの慣行が大きく異なります。前任者がどうしたか、部署の慣例があるかを確認するのがもっとも確実です。また贈ること自体が必須ではありません。