結論

円卓の上座は入口からもっとも遠い席です。 そこから左隣が2番目、右隣が3番目と、 左・右・左・右と交互に下がっていきます。

もてなす側(主催者・接待する側)は入口に近い席に座ります。 料理の指示や会計のために、店の方と話しやすい位置だからです。

席が決まっている店では、案内に従えば足ります。 席札が置かれていたら、自分で判断する必要はありません。

上座はどこか

円卓には角がないため、どこが「奥」なのか一目で分かりません。 四角いテーブルなら並びで見当が付きますが、円卓では手がかりが要ります。

基準は入口です。入口からもっとも遠い席が上座で、 入口にもっとも近い席が下座になります。 理由は実際的で、入口の近くは人の出入りがあり、 料理を運ぶ動線にもかかるため落ち着かないからです。

順位席の位置
1(上座)入口からもっとも遠い席
2上座の左隣
3上座の右隣
42のさらに左隣
53のさらに右隣
最下位(下座)入口にもっとも近い席
個室で入口が2か所主に使うほうの入口を基準にします

「入口から遠い」は、扉そのものからの距離ではなく、人が出入りする動線からの遠さです。扉のすぐ横でも壁を背にして動線から外れているなら、そこが落ち着く席になります。迷うときは、店の方に「どちらが奥になりますか」と聞けば教えてもらえます。

なぜ左・右と交互に振るのか

順に一周させると考えている方が多いのですが、円卓ではそうしません。 上座から時計回りに2位・3位・4位と並べると、 主賓のすぐ右隣にいちばん下の立場の人が来てしまいます。

上座の両隣が2位と3位になるように、 左・右・左・右と交互に振ります。こうすると、 立場の近い人どうしが隣り合い、主賓の両隣が上位で固まります。 席次はこの一点さえ押さえれば、あとは自然に決まります。

場面左右の考え方
円卓の席次上座に座る本人から見て左が上位
記念写真中央が上位。次は向かって左
のしの連名向かって右が上位(書く側から見ると左)
和室の床の間床の間の前が上座。入口からの距離より優先します
ソファ席がある洋室ソファ側が上座
「向かって左」と言われた見る側から見た左。座る人から見ると右です

混乱の原因は「誰から見た左右か」です。円卓の席次でいう左は、上座に座る本人から見た左を指します。向かい側から眺めた左右ではありません。図で確認するときは、上座に自分が座ったつもりで見てください。

人数別の並び方(6人・8人・10人)

規則は同じでも、人数が変わると見え方が変わります。 とくに主催者側と招く側の人数が違うとき、どこで区切るかで迷います。

考え方は「奥半分が招かれた側、入口側半分が招く側」です。 円卓を入口から見て奥と手前で二分し、 奥にゲスト、手前にホストを置けば、たいていの人数で収まります。

人数並べ方の目安
6人(客3・主催3)奥の3席に客、入口側の3席に主催者側
8人(客4・主催4)奥の4席に客。主賓は奥の中央
10人(客5・主催5)同じ考え方。主賓の左右に準主賓・年長者
人数が偏る主賓を奥中央に固定してから、左右へ振ります
夫婦で出席並べても、離しても構いません。店に伝えておきます
通訳が入る主賓の斜め後ろか隣に置きます
大人数で2卓以上入口から遠い卓が上位。主賓はその卓の奥中央へ

主賓を先に決め、そこから振っていくのが早いです。全員の順位を同時に考えると必ず行き詰まります。「奥中央に主賓」「その左に次席」「その右に三席」と順に置いていけば、人数が変わっても手順は変わりません。

もてなす側はどこに座るか

接待や会食を設定した側は、上座を空けたあと 自分たちがどこに座るかで迷います。 「いちばん下座に一番若い人」でよいのか、という点です。

主催者は入口に近い席に座ります。 これは格下だからではなく、店の方と話す・追加を頼む・会計に立つという 役目があるからです。実務のための位置だと考えてください。

立場座る位置
主賓(もっとも上位の客)入口からもっとも遠い席
主催者側の責任者主賓の正面あたり、入口寄り
会計・手配の担当入口にもっとも近い席
主催者側の上司主賓の近くへ。話す相手が向かい合います
料理を取り分ける人入口寄り。立ちやすい位置です
自分が招かれた側で若手入口寄りに座ります
席を勧められた辞退しすぎず、勧められた席に座ります

勧められた席を固辞し続けないでください。「そちらへどうぞ」と案内されたら、一度遠慮を述べて座るのが収まりのよい形です。押し問答が続くと全員が着席できず、料理の時機もずれます。

入口が見えない・席が決まっている場合

決まりどおりに判断できない卓もあります。 個室で入口が背面にある、窓や庭が見どころになっている、 席札が置かれているといった場合です。

優先順位は「店や主催者の指定 → 眺めや設え → 入口からの距離」です。 指定があるならそれが答えで、自分で組み直す必要はありません。

状況判断
席札があるそのとおりに座ります。動かしません
店の方に案内された案内に従います
眺めのよい窓側がある眺めの見える席を上座にすることがあります
入口が背面で見えない人の出入りが少ない側を上座とみなします
冷暖房の風が強く当たる席そこは上座にしません
段差・柱で見通しが悪い席上座にしません
自由席と言われた年長・立場が上の方から先に座ってもらいます

「入口から遠い」は目的ではなく手段です。もともとは落ち着いて食事ができる席を上位の方に譲る、という考え方から来ています。風が当たる、柱で見えにくいといった席は、入口から遠くても上座にはなりません。

席次より優先されるものがあります

身体の事情は席次に優先します。足の具合で立ち座りが難しい方、耳の聞こえに配慮が要る方、車椅子の方は、動きやすさ・聞き取りやすさを先に考えてください。

「本来はこちらが上座ですが、お立ちになりやすいこちらへ」と一言添えれば、格を下げた扱いにはなりません。

迷ったときの決め方

その場で判断が付かないことはあります。 全員が入口で止まってしまうのがいちばん困る形です。

決め方の順番を持っておくと止まりません。 ①店に聞く ②主賓を奥中央に置く ③そこから左・右へ振る。 この順で進めれば、細かい正解が分からなくても形になります。

困りごと対応
どこが奥か分からない店の方に聞きます。いちばん確実です
誰が主賓か分からない主催者に確認します
全員が遠慮して座らない主催者が「こちらへどうぞ」と促します
間違った席に座ってしまった途中で立って入れ替わりません。そのまま続けます
途中から人が加わる入口寄りに1席足してもらいます
社内だけの会食厳密に組まなくて構いません
カジュアルな中華の店席次より回転卓の使い方のほうが目につきます

着席後に座り直さないでください。間違いに気づいても、全員が立って入れ替わるほうが場を止めます。次の会があるときに直せば十分です。席次は目的ではなく、相手を立てるための手段です。

回転テーブルの回し方・取る順番を見る

よくある質問

円卓の上座はどこですか?

入口からもっとも遠い席です。入口にもっとも近い席が下座になります。入口の近くは人の出入りがあり、料理を運ぶ動線にもかかるため落ち着かない、というのが理由です。

なぜ上座の左隣が2番目なのですか?

順に一周させると、主賓のすぐ右隣にいちばん下の立場の人が来てしまうためです。左・右・左・右と交互に振ると、主賓の両隣が上位で固まり、立場の近い人どうしが隣り合います。

「左」とは誰から見た左ですか?

上座に座る本人から見た左です。向かい側から眺めた左右ではありません。図で確認するときは、上座に自分が座ったつもりで見てください。

主催者(接待する側)はどこに座りますか?

入口に近い席です。格下だからではなく、店の方と話す・追加を頼む・会計に立つという役目があるためです。責任者は主賓の正面あたり、会計や手配の担当がもっとも入口寄りになります。

8人や10人ではどう並べますか?

考え方は変わりません。主賓を奥の中央に置き、その左を2番目、右を3番目として左右へ振っていきます。円卓を入口から見て奥半分にゲスト、手前半分にホストを置くと収まりやすくなります。

席札が置かれている場合はどうしますか?

そのとおりに座ってください。動かす必要はありません。店の方に案内された場合も同じで、案内に従えば足ります。

窓からの眺めがよい席がある場合は?

眺めの見える席を上座にすることがあります。優先順位は「店や主催者の指定 → 眺めや設え → 入口からの距離」です。冷暖房の風が強く当たる席や、柱で見通しの悪い席は、入口から遠くても上座にしません。

間違った席に座ってしまいました。

途中で立って入れ替わらないでください。全員が座り直すほうが場を止めます。そのまま続けて構いません。

お年寄りや足の不自由な方がいる場合は?

身体の事情が席次に優先します。「本来はこちらが上座ですが、お立ちになりやすいこちらへ」と一言添えれば、格を下げた扱いにはなりません。

まとめ

  • 上座は入口からもっとも遠い席
  • 上座の左が2番目、右が3番目。左右交互に下がる
  • 左右は上座に座る本人から見た左右
  • もてなす側は入口寄り。店と話し、会計に立つため
  • 席札や案内があればそれに従う
  • 身体の事情は席次に優先する

参考情報

  1. 農林水産省「食文化のポータルサイト」
    https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/index.html
  2. 農林水産省「『和食』がユネスコ無形文化遺産に登録されています」
    https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/

食事の作法に公的な基準はありません。本記事は広く共通して挙げられる目安をまとめたものです。地域・店の格式・間柄によって実際には異なります。(最終確認:2026年8月)

本記事で紹介している作法は一般的な目安です。細かな作法を完璧に守ることより、同席する人が気持ちよく食べられることのほうが大切です。格式の高い店や改まった席では、店の案内に従ってください。