結論

忘年会と新年会は同じような宴席に見えますが、 忘年会は一年をねぎらう会、新年会はこれからを述べる会という違いがあり、 挨拶で触れる時間の向きが、過去と未来で逆になります。

開く時期は一月のうちとされることが多く、 仕事始めの週から中旬にかけて集まる会が大半ですので、 案内は年内、遅くとも十二月のうちに一度流しておくと出欠がそろいます。

忘年会と新年会の違い

年末に忘年会をしたばかりなのに、一月にもう一度集まると聞くと、 同じ顔ぶれで同じ店に行くだけのように思えて、 二つを分けて開く意味がどこにあるのかが分かりにくく感じられます。

二つの会を分けているのはどちらの時間を向いているかで、 忘年会がその年の労をねぎらって区切りをつける会であるのに対し、 新年会はこれから一年をどう進めるかを述べる会として開かれてきました。

比べる点忘年会と新年会
会の向き忘年会は一年を振り返って区切ります
新年会の向きこれから一年の目標を掲げて始めます
挨拶の内容ねぎらいから、抱負へと入れ替わります
時期十二月に対して、一月に開かれます
顔ぶれ新年会は社外の方を招くことがあります

もっとも分かりやすい違いは、挨拶のなかで述べる言葉が、どちらの時間を向いているかという点にあります。忘年会では「今年もお疲れさまでした」と過ぎた一年に触れますが、新年会では「本年もよろしくお願いいたします」と、これから始まる一年のほうに触れます。同じ方が両方で挨拶をする会では、この一言を入れ替えるだけで、それぞれの場に合ったものになります。

年末が繁忙期にあたる業種では、 忘年会そのものを置かずに新年会だけを開くところもあり、 小売や運送、医療のように年末に人手が要る仕事では、 落ち着いた一月に集まるほうが全員そろいやすくなります。

逆に、年度末にかけてが忙しい業種では忘年会だけを開いて、 新年会のほうを置かない会社もあります。 二つとも開かなければならないという決まりはどこにもありませんので、 その職場の一年の忙しさに合わせて、どちらか一方へ寄せてしまって差し支えありません。

いつ開くのがよいか

新年会の日取りを決めようとすると、 正月休みが明けてすぐでは早すぎるように思え、 かといって遅らせると「新年」と呼ぶには間が空きすぎて、決めどころがつかめません。

新年会は一月のうちに開かれるのが一般的とされていますが、 そのなかでも仕事始めの週から中旬にかけて集まる会が多くなっていて、 月末に近づくほど「新年」という名目そのものが少しずつ薄れていきます。

時期その時期に開くとどうなるか
仕事始めの週年始の挨拶と重なり、区切りが際立ちます
一月の中旬予定が立てやすく、もっとも選ばれます
一月の下旬新年らしさは薄れますが、支障はありません
二月以降新年会とは呼びにくくなってきます
案内を出す時期年内、遅くとも十二月中に一度流します

案内は、年が明ける前のうちに一度流しておいてください。年始は参加する側も店の側も忙しく、松の内が明けてから連絡を始めると、日程調整をしているだけで一月の中旬になってしまいます。年内に候補日だけでも伝えておけば、休みのあいだにその日を空けておいてもらえます。

松の内がいつまでかは、地域によって違います

正月の区切りとされる松の内は関東では一月七日まで、関西では十五日までとされることが多く、同じ日であっても「まだ松の内か」という受け取り方が土地によって変わりますので、全国に支店のある会社では、この差がそのまま案内の書き方に出てきます。

新年会そのものは松の内に縛られませんので、十五日を過ぎてから開いても差し支えありません。気になる場合は「新年会」ではなく「新春の集い」「賀詞交歓会」といった名で案内する手もあります。

社外の方を招く会では、案内を一か月前に届くように出すのが目安になりますが、 年始の案内は年末の慌ただしさに紛れやすいため、 年内に一度出したうえで、年明けにもう一度知らせを送っておくと確実です。

日取りを決めるときには、 同じ時期にほかの部署や取引先の新年会が重なることも見込んでおきます。 一月の第二週から第三週にかけては新年会が集中しますので、 会場の予約は年内に押さえておくほうが選べる店が残っています。

新年会の挨拶と文例

新年会で挨拶を頼まれると、忘年会のときと同じ組み立てで話し始めてしまい、 一年の労をねぎらう言葉が並んだところで、 これは年末に言うべき話だったと気づく、ということが起こります。

新年会の挨拶で軸になるのはこれから一年をどう進めるかのほうで、 昨年への感謝には短く触れるにとどめ、 今年に向けた一言を中心に置くと、その場に合ったものになります。

組み立て入れる一文
新年の挨拶「明けましておめでとうございます」と述べます
名乗る部署と名前を、一文で短く伝えます
昨年への感謝一文だけに収め、深入りしません
今年の一言目標や方針に、一つだけ触れます
結び本年もよろしくと述べて渡します

昨年についての話は、一文までに収めておいてください。振り返りを重ねていくと結局は忘年会の挨拶になってしまい、新年会として日を改めて開いた意味が薄れます。今年の目標についても、部署ごとの数字を順に並べるより、全員に共通する一つの言葉に絞るほうが聞いた側に残ります。

上司が述べる新年会の乾杯の挨拶(200字前後)

皆様、明けましておめでとうございます。営業部の□□でございます。昨年は一年を通じて皆様に支えていただき、部として無事に締めくくることができました。まことにありがとうございました。

本年は、一人で抱え込まずに早めに声をかけ合うことを、部の合言葉にしたいと考えております。それでは僭越ながら、私が音頭を取らせていただきますので、皆様どうぞグラスをお持ちください。本年のご健勝を祈念いたしまして——乾杯。

幹事が述べる新年会の開会の言葉(150字前後)

皆様、明けましておめでとうございます。本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。ただいまより、企画部の新年会を始めさせていただきます。

本日は、昨年十二月に配属されました△△さんもご参加くださっておりますので、後ほどご紹介の時間を取らせていただきます。それでは初めに、部長の□□より一言頂戴したいと存じます。

年始の挨拶としては「明けましておめでとうございます」がもっとも広く使われるものの、 喪中の方が同席している会では、 「本年もよろしくお願いいたします」だけにとどめるという配慮の仕方もあり、 その場合であっても、会そのものを取りやめたり日を延ばしたりする必要はありません。

挨拶の長さは忘年会と同じで一分以内が目安になり、 乾杯にいたっては三十秒で足りますので、 今年の目標を語り始めて長くなってしまうほうを警戒してください。 新年会はこれからを述べる会である以上、話が先へ先へと伸びやすい性質を持っています。

参加する側が気をつけること

参加する側の振る舞いは忘年会とほとんど変わりませんが、 年が明けて最初に顔を合わせる場になることが多いため、 その一年の印象がここで決まってしまう面があります。

忘年会と違う点として効いてくるのは年始の挨拶をどこまで交わすかで、 席が離れている方や、ふだん接点のない部署の方とは、 この日が年明け最初の顔合わせになることも珍しくありません。

場面どう振る舞うか
会場に着いたとき周りの方へ年始の挨拶を交わします
上役に会ったとき立ち上がって、改めて挨拶を述べます
初対面の方がいる名乗ってから、部署と担当を伝えます
社外の方が同席名刺を切らさずに持っておきます
帰るとき幹事に一言かけてから会場を出ます

年始の挨拶は、席に着いてしまう前に、立ったまま済ませておくほうが動きやすくなります。着席してから卓を回ろうとすると、ちょうど料理が運ばれてくる時間と重なってしまいます。会が始まる前の短い待ち時間は、この挨拶のために使える数少ない時間にあたります。

社外の方を招く新年会では、名刺を持って行ってください

取引先を招く新年会や賀詞交歓会では、その場で名刺を交換する機会があります。年始で在庫を切らしたまま出ると、渡せずに口頭で名乗るだけになりますので、前日に枚数を確かめておきます。

受け取った名刺は、その日のうちに誰とどんな話をしたかを書き添えておくと、後日の連絡につながります。宴席では名前と顔が結びつきにくく、翌日には思い出せなくなります。

服装についても、社外の方が同席する会では 忘年会より一段あらたまった装いが選ばれることが多く、 案内に会場がホテルの宴会場と書かれている年は、その指定に従ってください。 社内だけの会であれば、仕事の帰りの服装のままで差し支えありません。

新年会は年始の慌ただしさが残る時期に開かれるため、 仕事が長引いて遅れて着く方も出てきますが、 遅れる連絡は忘年会のときと同じく、幹事の携帯電話のほうへ入れておきます。 年始は店も混み合っていて、店に電話をしても伝言が通りにくくなるためです。

幹事が忘年会と変える点

忘年会に続けて新年会の幹事も任されると、 同じ手順でもう一度進めればよいように思えますが、 年をまたぐぶん、忘年会のときには起きなかった行き違いが出てきます。

忘年会と大きく違うのは準備の期間に長い休みがはさまることで、 年末年始のあいだは連絡も店の対応も止まりますから、 その空白を見込んで日程を組んでおかないと、年明けに慌てることになります。

変える点どうするか
案内を出す時期年内のうちに、一度は流しておきます
会場の予約年内に押さえ、年明けに再確認します
返事の期限年末年始を避けて、年内に切ります
前日の連絡年明けにもう一度、時刻と場所を送ります
会費忘年会の余りがあれば、ここで充てます

返事の期限は、年内のうちに切ってしまってください。年末年始をまたぐ期限にすると、長い休みのあいだに忘れられてしまい、年明けにもう一度集め直すことになります。忘年会の席で口頭でも伝えておくと、全員が同じ場にいる状態のまま日程を共有できます。

忘年会で会費が余っている場合は、 それを新年会に充てると伝えておくと使い道が明らかになりますし、 新年会の会費をそのぶん下げられますから、 参加しやすさにもつながります。

新年会で新しく入った方や異動してきた方を紹介する会も多く、 その場合は紹介の時間を進行に組み込んでおいてください。 歓談が始まってから突然指名すると、話す側の準備ができていませんし、 会場も落ち着かないなかで名前だけが流れていきます。

新年会の開き方に決まった型があるわけではなく、 忘年会だけを開く会社もあれば、新年会に寄せる会社もあり、 両方とも置かずに年度末の打ち上げへまとめてしまう職場もあります。 年末と年始のどちらが忙しい時期にあたるかによって、選ばれる形はずいぶん変わります。

どの形であっても変わらないのは、その年の初めに顔を合わせる場であるという一点です。 挨拶の言葉が上手でなくても、話が弾まなくても、 年が明けて最初にきちんと目を見て挨拶を交わした相手とは、 その後の一年、仕事の話を切り出しやすくなります。

挨拶の文例をまとめて見る

よくある質問

忘年会と新年会は何が違いますか?

向いている時間が違います。忘年会はその年の労をねぎらって区切る会、新年会はこれから一年をどう進めるかを述べる会です。挨拶で触れる内容が、過去と未来で入れ替わります。

新年会はいつ開きますか?

一月のうちに開かれるのが一般的で、仕事始めの週から中旬にかけてが多くなります。下旬でも支障はありませんが、二月に入ると新年会とは呼びにくくなってきます。

案内はいつ出しますか?

年内、遅くとも十二月中に一度流しておきます。年始は本人も店も忙しく、松の内が明けてから連絡を始めると、日程調整だけで中旬になります。社外の方を招く場合は一か月前に届くようにします。

忘年会と新年会は両方やらないといけませんか?

そうした決まりはありません。年末が繁忙期の業種は新年会だけを開き、年度末が忙しい業種は忘年会だけを開くこともあります。職場の一年の忙しさに合わせて、どちらかに寄せて差し支えありません。

新年会の挨拶には何を入れますか?

新年の挨拶、名乗り、昨年への感謝を一文、今年の目標に一つだけ触れる一言、結びの五つです。振り返りを重ねると忘年会の挨拶になってしまいます。

喪中の人がいる場合の挨拶はどうしますか?

「明けましておめでとうございます」を避けて、「本年もよろしくお願いいたします」だけにとどめる配慮の仕方があります。会そのものを取りやめる必要はありません。

松の内を過ぎてから開いてもいいですか?

差し支えありません。新年会は松の内に縛られません。松の内は関東で一月七日まで、関西で十五日までとされることが多く、地域によって受け取り方が変わります。

幹事として忘年会と変える点はありますか?

案内と返事の期限を年内に済ませ、会場も年内に押さえて年明けに再確認します。年末年始のあいだは連絡も店の対応も止まるため、その空白を見込んで組んでおきます。

まとめ

  • 忘年会はねぎらう会、新年会はこれからを述べる会にあたります
  • 一月のうち、なかでも仕事始めから中旬に開く会が多くなります
  • 案内と返事の期限は年内に済ませておきます
  • 挨拶では昨年の振り返りを一文までに収めます
  • 社外の方を招く会では名刺を切らさずに持って行きます

参考情報

  1. サンシャイン クルーズ・クルーズ「【シーン別】新年会の挨拶例文とポイント」
    https://ginza-cruise.co.jp/ikebukuro/knowhow/3613/
  2. サンシャイン クルーズ・クルーズ「新年会の案内状・案内メール|くだけた例文から社内外のビジネス例文まで紹介」
    https://ginza-cruise.co.jp/ikebukuro/knowhow/3665/
  3. ネオダイニング「新年会の挨拶例文12選|幹事やスピーチ担当者にポイントも解説」
    https://event.neodining-catering.com/usefulinfo/new-year-celebration-party-speech/
  4. 進物の大進「冠婚葬祭しきたりとマナー|忘年会・新年会」
    https://www.daishin.gr.jp/other/sikitari/view_233.html

新年会の時期と進め方に決まりはありません。上記各社の解説をまとめたものです。開催時期は業種と会社の慣習によって大きく変わります。(最終確認:2026年8月)

本記事で紹介している作法は一般的な目安です。会社・地域・業種によって考え方が異なる場合があります。迷ったときは、幹事や前年の担当者に確認してください。