結論

職場の忘年会でまず押さえておきたいのは、 開始時刻の五分から十五分ほど前に着いて、下座に座るという二つだけで、 この二つが済んでいれば、あとは出された料理をいただきながら 同じ卓の方と話しているだけで形になります。

ふだんの飲み会と違うのは人数が多く、ふだん話さない部署の方や上役が同席する点で、 そのぶん一人ひとりの振る舞いが目に入りやすくなりますので、 飲む量と声の大きさだけは、いつもより一段控えめに保っておくと安心です。

忘年会の当日の流れ

案内のメールには集合時刻と店の名前しか書かれていないことが多く、 当日その場に着くまで、何時ごろ何が起きるのかが分からないまま過ごすことになります。 初めて参加する年や、部署が変わった直後の年は、とくに見当がつきません。

職場の忘年会は店や規模が変わっても進行の骨組みはほとんど同じで、 開会の言葉から始まって乾杯へ移り、歓談をはさんで中締めで区切るという形が繰り返されますから、 先に順番だけ頭に入れておくと、自分がいつ立ち上がればよいのかが分かります。

進行そのとき自分は何をするか
開会の言葉席に着いたまま、話す方のほうを向きます
初めの挨拶上役の話を、箸を置いて聞きます
乾杯の挨拶グラスを手に持ち、立つよう促されたら立ちます
歓談・料理同じ卓の方と話しながらいただきます
余興・表彰手を止めて、演者のほうへ体を向けます
中締めの挨拶周りに合わせて立ち、手締めの音頭を待ちます
閉会・二次会の案内行くか行かないかをその場で答えます

中締めが入るのは、そこで帰る方のための区切りだからです。店の時間はまだ残っていても、中締めを境に電車の都合がある方や家庭の事情がある方が抜けられるようにしてあります。中締めのあとに残るかどうかは自由で、そこで帰っても途中退席にはあたりません。

会そのものの長さは飲み放題に合わせて二時間で組まれていることが多く、 中締めはそのなかの後半に置かれますが、何分前になるかは会によって違いますので、 開会の言葉で終わりの時刻が案内されたときに、 そこから逆算して自分の帰る時刻の見当をつけておくと、家族への連絡も入れやすくなります。

余興や表彰が入る会では、途中で照明が落ちたり音が大きくなったりしますので、 そのあいだは箸を置いて演者のほうを向いておくほうが収まりがよく、 手元の料理を食べ続けているのは、会場のなかでかなり目立ちます。 食べきれなかったものは、歓談が戻ってからいただいて差し支えありません。

何分前に着けばよいか

案内に「十九時開始」とだけ書かれていると、その時刻に店の前に立てばよいのか、 席に着いていなければならないのかが判断できず、 早く着きすぎても手持ち無沙汰になるため、家や職場を出る時刻が決めづらくなります。

考え方の軸になるのは幹事が受付と会計をする時間で、 幹事は開始前に会費を集めて店に人数を伝える必要がありますから、 その作業が重ならない時間に着くと、自分も幹事も動きやすくなります。

着く時刻そのとき起きること
三十分前店がまだ準備中で、外で待つことがあります
十分から十五分前受付が始まっていて、ちょうどよい時機です
五分前受付が混みますが、遅刻にはあたりません
開始時刻ちょうど着席が最後になり、席が残り物になります
遅れる場合分かった時点で幹事へ連絡を入れます

五分前から十五分前のあいだであれば、どこで着いても差し支えありません。大人数の会ほど受付に時間がかかりますので、十分前を目安にしておくと、会費を出して席を確かめる余裕が残ります。三十分以上前に着いてしまった場合は、店に入らずに近くで時間を調整するほうが、幹事にも店にも手間をかけずに済みます。

遅れるときは、店ではなく幹事に連絡してください

電車の遅れや会議の延びで間に合わないと分かった時点で、店ではなく幹事の携帯電話へ連絡を入れてください。店に電話をしても、大人数の宴会の場合はどの卓の誰なのかが伝わりません。

料理は人数ぶん先に用意されていますので、遅れても会費は満額を出すものと考えておくほうが行き違いになりません。到着したら、まず幹事に一声かけてから席へ向かうと、人数の確認が済みます。

忘年会が集まる時期は十二月の中旬から下旬に偏っていて、 同じ日に同じ駅の周りで何十件もの宴会が重なりますから、 店の入り口で名前を告げるまでに列ができていることも珍しくありません。 その待ち時間も見込んで、家を出る時刻を決めておくと落ち着きます。

服装は会場によって変わりますが、 仕事の帰りにそのまま向かう場合は勤め先の服装のままで差し支えありません。 ホテルの宴会場や少しあらたまった店が会場に選ばれている年は、 案内に服装の指定が添えられていることがありますので、そこだけ確かめておきます。

席はどこに座るか

店に入って卓がいくつも並んでいるのを見ると、 席が決められているのか自由なのかが分からず、 とりあえず知っている人の隣に座ってよいものかどうかで、入り口で立ち止まってしまいます。

席が決められていない会では入り口からの距離が判断の軸になり、 入り口から遠い奥の席ほど上座、入り口に近い席ほど下座という並びが基本になりますので、 自分の立場が下のほうであれば、入り口寄りに座っておけば間違いになりません。

立場座る位置
役職の高い方入り口からいちばん遠い奥の席に座ります
上司・先輩その次に奥寄りの席へ着きます
若手・新入社員入り口に近い下座に回ります
幹事店の方と話しやすい入り口寄りに座ります
席札がある場合札のとおりに座り、動かしません

席札が置かれている会では、上座・下座を自分で判断する必要はありません。幹事が部署の並びや当日の進行を考えて組んだものですから、そのとおりに座れば足ります。空いている席があっても移らないでください。料理の出し分けや、挨拶を頼む方の位置がその並びを前提にしています。

椅子席の会場であれば「入り口から遠いほど上」で判断がつきますが、 床の間のある座敷では、入り口からの距離より床の間の前かどうかが優先しますので、 床の間が入り口の近くにある部屋では、その前がそのまま上座になります。 窓から景色が見える部屋では、そちらが上座に選ばれることもあります。

迷ったまま立ち尽くすくらいであれば、 近くにいる幹事や先輩に「どのあたりに座ればよいですか」と尋ねてしまうほうが早く、 尋ねること自体は失礼にあたりません。上役より先に奥へ座ってしまうことのほうが、 あとから席を動かす手間を生みます。

会のあいだの振る舞い

乾杯が済んで料理が運ばれ始めると、 お酌に回るべきなのか、席を立って挨拶をして回るべきなのか、 それとも座ったままでよいのかが分からず、周りの動きを見ながら判断することになります。

判断の軸はその職場でふだん行われているかどうかの一点で、 お酌や席の移動を重んじる会社もあれば、そうした慣習を置いていない会社もありますから、 初めての年は自分から動くより、周りの動きに合わせておくほうが収まります。

場面どう振る舞うか
グラスが空いた方がいる声をかけて、注ぐかどうかを尋ねます
お酒を勧められた飲めない事情があれば、その場で伝えます
大皿の料理が来た取り箸を使い、近くの方から回します
席を移りたい中締めのあとであれば自由に動けます
携帯電話が鳴った会場の外へ出てから応じます

お酌をして回らなければ失礼にあたる、ということはありません。近年は各自が手元の飲み物を頼む形の会も増えていて、席を立って回る方がほとんどいない職場もあります。周りが誰も動いていないのに一人だけ回ると、かえって場を落ち着かなくさせますので、その年の様子を見てから決めれば足ります。

お酒が飲めないときは、最初の一杯を決める前に伝えてください

体質的にお酒を受け付けない方や、薬を飲んでいる方、車で来ている方は、乾杯の前に幹事へ伝えておくと、烏龍茶やジュースが最初から手元に置かれます。乾杯のグラスがビールで固定されている会でも、事前に言えば替えてもらえます。

厚生労働省は飲酒のガイドラインで、体質によってお酒を受け付けない方がいることを前提に、周囲が飲酒を強いないよう示しています。断るのに理由を並べる必要はありません。「飲めないので、烏龍茶でお願いします」の一言で足ります。

話す相手についても、同じ卓の顔ぶれが固まっていることが多いため、 ふだん接点のない部署の方が隣に来た年ほど話題に困りやすくなりますが、 仕事の込み入った話を持ち出すより、その年の出来事や年末年始の予定のように、 誰でも答えられる話のほうが場に合います。

逆に持ち出さないほうがよいのは、人事の評価や給与、 特定の誰かがいない場での噂話といった、その場で答えの出ない話題です。 年に一度、全員が集まる場だからこそ、翌日以降に尾を引く話は 席を替えても追いかけてきてしまいます。

帰るときと、その翌日

終電の都合や翌日の予定で、会が終わるより先に帰りたいことがありますが、 大人数のなかで一人だけ立ち上がるのは目立ちますし、 誰にどこまで断ってから出ればよいのかも判断しづらいところです。

抜けやすい時機は決まっていて、中締めの直後がもっとも自然になりますが、 それより早く出る必要がある場合でも、 伝える相手を幹事と上役の二人に絞っておけば、卓ごとに挨拶して回る必要はありません。

抜ける時機伝え方
中締めのあと幹事に一言かけて、そのまま出られます
歓談の途中幹事と上役に、先に事情を伝えておきます
体調が悪くなった我慢せず、近くの人にすぐ伝えます
二次会に行かない誘われた時点で、その場で断って構いません
忘れ物に気づいた翌日、店へ直接問い合わせます

早く抜けると決めているなら、会が始まる前に幹事へ伝えておくほうが確実です。幹事は人数を見ながら料理の出し方や挨拶を頼む相手を決めていますので、途中で抜ける方がいると先に分かっていれば、その方に挨拶を頼まずに済みます。当日その場で告げると、進行の組み直しが必要になることがあります。

二次会は、その場で断って差し支えありません

中締めのあとに二次会の案内が回ってきたとき、その場で「今日はここで失礼します」と答えて構いません。幹事は人数を数えて次の店に伝える必要がありますので、迷ったまま黙っているほうが手間をかけます。

一度断ったあとで気が変わって参加しても、それで角が立つことはありません。逆に、行くと答えておいて姿を見せないと人数ぶんの席が空いたまま料金だけが発生しますので、そこだけは避けておきます。

翌日の朝は、会費を集めて店とやりとりをした幹事に 「昨日はありがとうございました」と一言かけるだけで十分で、 改まったお礼のメールや品物を用意する必要はありません。 廊下ですれ違ったときに声をかける程度で足ります。

上役にごちそうになった場合も同じで、翌日に顔を合わせたときに礼を述べておきます。 その場でしか言えないことのように思えても、 翌日に改めて伝えられたお礼のほうが記憶に残りますし、 前夜の会でどれだけ話せたかにかかわらず、そこで一つ区切りがつきます。

忘年会の作法に一つの正解があるわけではなく、 会社の規模や業種、その年の会場によって、求められる振る舞いは変わります。 席を立って回るのが当たり前の職場もあれば、各自が手元の飲み物を頼んで 最後まで席を動かない職場もあり、どちらが正しいというものではありません。

どの会でも変わらないのは、翌日の仕事に差し支えない状態で帰るという一点だけです。 飲む量も、話す内容も、帰る時刻も、そこから逆算すれば自分で決められますし、 一年の区切りとして開かれる会である以上、 次の日から始まる年末の仕事のほうが、前夜の一杯より優先します。

挨拶を頼まれたときの文例を見る

よくある質問

忘年会には何分前に着けばいいですか?

五分前から十五分前のあいだであれば差し支えありません。大人数の会ほど受付に時間がかかりますので、十分前を目安にしておくと、会費を出して席を確かめる余裕が残ります。三十分以上前に着いた場合は、店に入らず近くで時間を調整するほうが無難です。

席が決まっていないときはどこに座りますか?

椅子席では入り口から遠い奥ほど上座、入り口に近いほど下座です。床の間のある座敷では、入り口からの距離より床の間の前かどうかが優先します。自分の立場が下のほうであれば入り口寄りに座っておけば間違いになりません。

お酌をして回らないと失礼ですか?

失礼にはあたりません。各自が手元の飲み物を頼む形の会も増えており、席を立って回る方がほとんどいない職場もあります。周りが誰も動いていないなら、その年の様子に合わせれば足ります。

お酒が飲めないときはどうしますか?

乾杯の前に幹事へ伝えておくと、烏龍茶などが最初から手元に置かれます。断るのに理由を並べる必要はなく、「飲めないので烏龍茶でお願いします」の一言で足ります。

途中で帰ってもいいですか?

中締めの直後がもっとも自然な時機です。それより早く出る場合も、伝える相手を幹事と上役の二人に絞れば、卓ごとに挨拶して回る必要はありません。

遅刻しそうなときは店に電話しますか?

店ではなく幹事の携帯電話へ連絡してください。大人数の宴会では、店に電話をしてもどの卓の誰なのかが伝わりません。料理は人数ぶん用意されているため、会費は満額を出すものと考えておきます。

二次会は断ってもいいですか?

断って構いません。幹事は人数を次の店に伝える必要があるため、迷ったまま黙っているほうが手間をかけます。行くと答えて姿を見せないと、席が空いたまま料金が発生します。

翌日にお礼は必要ですか?

幹事に「昨日はありがとうございました」と一言かければ十分です。改まったメールや品物は要りません。上役にごちそうになった場合も、翌日に顔を合わせたときに礼を述べておきます。

まとめ

  • 開始の五分から十五分前に着けば、遅刻にはあたりません
  • 席が自由なら入り口に近いほうへ、席札があればそのとおりに座ります
  • お酌をして回らなくても失礼にはあたりません
  • 飲めない事情は乾杯の前に幹事へ伝えておきます
  • 抜けるなら中締めの直後を選ぶと、いちばん目立ちません

参考情報

  1. チムニー「忘年会の挨拶の基本と例文まとめ|開会・乾杯・締め・閉会の流れを徹底解説」
    https://www.chimney.co.jp/campaign/bounenkai-aisatsu/
  2. 会場ベストサーチ「上座・下座の基本!宴会の席順の失敗しないポイント」
    https://www.e-kaijou.space/blog/archives/9950/
  3. 会場ベストサーチ「忘年会の服装マナーを徹底解説!恥をかかないポイント」
    https://www.e-kaijou.space/blog/archives/8691
  4. ネオダイニング「忘年会の服装の選び方|場所や性別、年齢別のおすすめファッション」
    https://event.neodining-catering.com/usefulinfo/bounenkai_fukuso/
  5. 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38541.html

忘年会での振る舞いに公的な基準はありません。上記各社の解説で共通して挙げられている目安をまとめたものです。体質によってお酒を受け付けない方がいることと、飲酒を強いないという考え方は、厚生労働省のガイドラインによります。会社の慣習と当日の案内が優先します。(最終確認:2026年8月)

本記事で紹介している作法は一般的な目安です。会社・地域・業種によって考え方が異なります。飲酒の強要は、相手の体質や立場を問わず避けてください。体質的にお酒を受け付けない方がいます。