結論
初盆は、故人が四十九日を過ぎてから迎える最初のお盆にあたりますので、亡くなった年のお盆が必ず初盆になるとは限りません。 四十九日より前にお盆が来る場合には、その年のお盆は通常のお盆として過ごすことになり、翌年のお盆のほうが初盆になります。
通常のお盆と違って、初盆では親族を招いて法要を営むのが一般的な形になりますので、迎える側は白提灯を用意することになり、招かれた側は香典やお供えを持参して参列することになります。
初盆はいつか
| 状況 | 初盆になるのは |
|---|---|
| お盆までに四十九日を過ぎる | その年のお盆が、そのまま初盆になります |
| お盆までに四十九日が来ない | 一年送って、翌年のお盆が初盆になります |
| 例:6月に亡くなった(8月盆) | 四十九日は7月下旬ですので、その年の8月です |
| 例:7月に亡くなった(8月盆) | 四十九日は8月下旬ですので、翌年の8月です |
忌明けを迎える前に巡ってくるお盆のほうは、初盆としては数えないことになっています。四十九日を過ぎて初めて故人が仏として迎えられるという考え方によるもので、亡くなった日からの日数のほうがそのまま基準になります。
いつが初盆か
身内を送ったあと、初めての夏が近づいてくると、今年が初盆にあたるのか、それとも来年になるのかというところで迷うことになります。 親族に案内を出す側であれば日取りを決めなければなりませんし、案内を受け取る側でも、いつ声がかかるのかが分からないままになります。
ここで基準になるのは、亡くなった日そのものではなく、四十九日の忌明けがお盆までに済んでいるかどうかという点になります。 同じ年に亡くなっていても、春に送った場合と夏の入り口で送った場合とでは、初盆を迎える年が一年ずれることになります。
| 呼び方 | 扱い |
|---|---|
| 初盆(はつぼん) | 四十九日後の最初のお盆を指します |
| 新盆(にいぼん・あらぼん・しんぼん) | 初盆と同じものを指しています |
| 7月盆を「新盆」と呼ぶ地域 | 初盆とは別の意味で使われています |
| 案内を受け取ったとき | 時期と内容のほうから判断します |
呼び方が地域によって分かれていても、そこで指しているものは同じ行事になります。ただし7月のお盆そのものを「新盆」と呼ぶ地域もありますので、案内状を受け取ったときは、そこに書かれている時期と内容のほうから判断してください。
お盆の入りまでに四十九日が来ないという場合には、その年のお盆は通常のお盆として過ごすことになり、初盆は翌年へ持ち越されます。 八月にお盆を迎える地域であれば、おおむね六月末より後に亡くなった場合が、ちょうどこの形にあたります。
亡くなった日と四十九日の日取りによっては、その年に含めるかどうかが微妙になる場合があります。 菩提寺の考え方や地域の慣わしによって扱いが分かれることもありますので、判断に迷うようであれば、日程を決めてしまう前に菩提寺へ確かめておいてください。
通常のお盆との違い
毎年迎えているお盆と同じつもりでいると、初盆の年だけは支度も人数も違ってきます。 仏壇に供え物を置いて家族で手を合わせるだけの年と、座敷に親族が集まって僧侶を迎える年とでは、当日の家の中の様子がまるで変わってきます。
分かれ目になるのは、家の外から人を招くかどうかという一点になります。 家族だけで静かに迎えるお盆に対して、初盆のほうは案内を出して人に集まってもらう場になりますので、そこから先の支度が一つずつ増えていきます。
| 項目 | 通常のお盆 | 初盆 |
|---|---|---|
| 法要 | 営まないままのことが多くなります | 親族を招いて法要として営みます |
| 提灯 | 絵柄のある盆提灯だけを飾ります | 白提灯をそこへ加えて吊るします |
| 参列者 | 家族だけで静かに過ごすことになります | 親族や親しかった方までを招きます |
| 香典 | 通常のお盆参りに香典は要りません | 招かれた場合には必要になります |
| 会食 | 席を設けることは、まずありません | 会食の席が用意されることがあります |
初盆は、通常のお盆参りよりも年忌法要に近い形で営まれることになります。案内状が届いたのであれば、線香をあげに寄るという心づもりではなく、法要として参列すると考えておいてください。
香典を持っていくかどうかという点も、通常のお盆参りとは扱いが変わってきます。 親戚の家へ線香をあげに寄るだけであれば香典は要りませんが、案内状を受け取って初盆の法要に参列するのであれば、香典を用意して伺うことになります。
法要のあとに会食の席が用意されていることもあり、その場合は当日の時間の取り方も変わってきます。 案内状に食事の有無が書かれていないようであれば、返事をするときに出欠と合わせて尋ねておくと、包む額を決めるところで迷わずに済みます。
白提灯
初盆の支度の中で、その年だけしか出てこないものが白提灯で、白紋天とも呼ばれる、絵柄の入っていない白一色の提灯を指しています。 仏具店の店先にも夏になると並びますが、絵柄の入った盆提灯と並べて置かれていると、どちらを買えばよいのかというところで手が止まります。
二つの提灯は見た目が違うだけでなく使う年数のほうも違っていて、絵柄の入った盆提灯が毎年繰り返し使われるのに対して、白提灯のほうはその年限りのもので、果たす役割そのものが分かれています。 どちらを飾るかということではなく、初盆の年だけは両方が並ぶことになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 意味 | 初めて帰る故人が迷わないための目印とされます |
| 使う期間 | 初盆のときの一回だけになります |
| 吊るす場所 | 玄関先か、仏壇の前に吊るします |
| 誰が用意するか | 通常は喪家、つまり遺族が用意します |
| お盆のあと | 送り火で焚くか、菩提寺に納めます |
絵柄の入った盆提灯のほうは、親族の側から贈るという形を取ることがあります。こちらは白提灯と違って毎年使えるものになりますが、飾るには場所が要りますので、贈る場合は置き場所があるかどうかを事前に確認してください。
白提灯を吊るすのは、初めて家へ帰ってくる故人が迷わないための目印とされてきたからになります。 玄関の軒先や仏壇の前といった外から見て分かる場所に吊るすのはそのためで、用意するのは通常は喪家の側になり、遺族が一つだけ求めるという形になります。
お盆が終わったあとの白提灯は、送り火で焚くか、菩提寺に納めるという扱いになります。 翌年も使うために仕舞っておくものではありませんので、片づけのときに、そのまま納戸へ入れてしまわないよう気をつけてください。
迎える側の準備
迎える側になると当日までにそろえておくものが思いのほか多く、提灯と盆棚、返礼品、お布施、それに墓の掃除まで含めると、前の週になって慌てて片づくようなものではありません。 何をどの時期までに済ませておくのかを、先に決めておくことになります。
中でも先に押さえておきたいのが、菩提寺への読経の依頼になります。 ほかの支度は日取りが決まってからでも間に合いますが、僧侶の都合だけはこちらで動かせませんので、そこから逆算して残りを並べることになります。
| 時期 | すること |
|---|---|
| 1〜2か月前 | 菩提寺に読経を依頼し、日程を決めます |
| 1か月前 | 親族へ案内を出し、会食の有無を決めます |
| 2〜3週間前 | 白提灯と盆提灯、盆棚を用意します |
| 1週間前 | 返礼品をそろえ、お布施を用意します |
| 前日まで | お墓を掃除し、お供えを整えておきます |
お盆というのは、一年のうちで寺がもっとも忙しい時期にあたります。同じ日に何軒もの家を回る僧侶も多く、直前に頼んでも日程が取れませんので、読経を頼むのであれば早めに菩提寺へ連絡してください。
親族への案内は菩提寺との日取りが決まったところで出すことになり、このときに会食の席を設けるかどうかまで決めておくと、集まる人数が固まった時点で、仕出しや会場の手配にそのまま移ることができます。 出欠の返事がそろってから動き始めると、残された余地のほうが狭くなります。
返礼品とお布施は当日になってから用意できるものではなく、墓の掃除とお供えの支度も前日までに済ませることになりますので、その前の週までに、包むものと渡すものを手元にそろえておいてください。 当日は人の出入りが続きますので、手が空く時間はほとんどありません。
招かれた場合
案内状が届いたところで、今度は何を用意して伺うのかというところで迷うことになりますが、四十九日の法要には出たものの初盆でも同じように包むのかどうかというところまでは、案内状には書かれていません。 香典とお供え、それに当日の服装の三つが、招かれた側で用意するものになります。
包む額の目安になるのは、故人とどれだけ近い間柄であったかという点になります。 親や兄弟の場合と、祖父母や叔父叔母、友人の場合とでは包む額が変わりますし、会食の席が用意されているかどうかでも、そこに上乗せする分が動きます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 香典(親・兄弟) | 1万円から3万円ほどを包みます |
| 香典(祖父母・叔父叔母・友人) | 5千円から1万円ほどを包みます |
| 会食がある場合 | 3千円から1万円ほどを上乗せします |
| お供え | 3千円から5千円ほどのものを選びます |
| 表書き | 御仏前、御供物料、新盆御見舞のいずれかにします |
| 服装 | 略喪服を選ぶのが中心になります |
会食の席が用意されているのであれば、その分を上乗せして包むことになります。膳の費用は喪家の側が先に出しているためで、招かれた側が包む額でそこを補っておくという形になり、手ぶらで席に着くことにはなりません。
表書きには御仏前のほかに御供物料や新盆御見舞という書き方も使われていますが、この三つのうちどれを選んでも差し支えありませんので、袋を前にして迷うようであれば、御仏前としておけば形のほうは整います。 服装のほうは略喪服が中心になりますので、葬儀のときの喪服をそのまま出す必要はありません。
お供えを持参する場合には三千円から五千円ほどのものが目安になり、香典とは別に用意することになりますが、額のほうを無理に増やす必要はなく、この範囲で選んでおけば十分に形は整います。 品物の選び方については、初盆のお供えを扱った記事のほうにまとめてあります。
参列できない場合
案内をもらったものの、遠方に住んでいたり、その日に外せない用があったりで伺えないことがあり、夏のさなかで移動そのものが難しいという事情も重なって、初盆は都合を付けにくい時期にあたります。 欠席の返事だけで済ませてよいものかどうかで、そこから迷うことになります。
伺えない場合であっても弔意を伝える方法のほうはいくつか残されていますが、何を届けるかということよりも、いつ届くように手配するかというところで気をつける点がありますので、そこを先に決めておくことになります。 お盆の期間というのは、迎える側の家がもっとも立て込む数日にあたります。
| 方法 | 目安 |
|---|---|
| お供えを送る | 3千円から5千円ほどを、内のしで前日までに届けます |
| 香典を郵送 | 現金書留にし、法要の日までに届くようにします |
| 手紙を添える | 参列できないお詫びを書き添えます |
| 後日お参りする | 事前に連絡を入れてから伺います |
荷物がお盆の当日に着くよう指定することだけは、避けておいてください。その日は法要と来客の応対が重なって、受け取る人が対応に追われている可能性がありますので、お盆入りの前日までに着くようにしておくほうが確実です。
お供えを送る場合には、三千円から五千円ほどのものを内のしで手配することになります。 配送のあいだに掛け紙が擦れないよう内のしにしておき、荷物が着く日のほうはお盆入りの前日までで指定し、香典を送るのであれば現金書留にして、法要の日までに届くようにします。
同封する手紙には参列できないお詫びを書き添えておくことになり、日をあらためてお参りに伺いたいということであれば、思い立った日にそのまま訪ねるのではなく、先に連絡を入れてから伺ってください。 お盆の前後は迎える家のほうも落ち着かない時期になりますので、そのほうが双方にとって助かります。
初盆の迎え方に一つの決まった形があるわけではなく、地域や宗派、家ごとの慣わしによって、支度の中身も呼び方も変わります。 八月にお盆を迎える地域と七月に迎える地域とでは日取りそのものが違いますし、会食の席を設けるかどうかも家ごとに分かれます。
どの土地でも変わらないのは、四十九日が明けているかどうかで年を決めるという一点だけになります。 迎える側であればそこから逆算して菩提寺へ連絡し、招かれた側であれば案内に書かれた日に合わせて支度を整えておけば、細かい作法を思い出せなくても外すことはありません。
よくある質問
初盆はいつ行いますか?
四十九日を過ぎてから迎える最初のお盆です。お盆までに四十九日が来ない場合は、その年は通常のお盆として過ごし、翌年が初盆になります。8月盆なら、おおむね6月末より後に亡くなった場合は翌年です。
初盆と新盆は違うものですか?
同じものです。地域によって「初盆(はつぼん)」「新盆(にいぼん・あらぼん・しんぼん)」と呼び方が分かれます。ただし7月盆そのものを「新盆」と呼ぶ地域もあるため、案内を受け取ったときは時期と内容から判断してください。
通常のお盆と何が違いますか?
初盆では親族を招いて法要を営むのが一般的です。白提灯を加え、会食が用意されることもあります。通常のお盆参りに香典は不要ですが、初盆の法要に招かれた場合は必要になります。
白提灯とは何ですか?
初盆だけに用いる絵柄のない白一色の提灯です。初めて帰る故人が迷わないための目印とされます。通常は喪家が用意し、初盆の1回だけ使って、送り火で焚くか寺に納めます。
盆提灯を贈ってもよいですか?
絵柄のある盆提灯は親族から贈ることがあります。こちらは毎年使えます。ただし置き場所が必要になるため、贈る前に事前に確認してください。
招かれたが参列できません。
お供えを送る方法があります。3千〜5千円程度を内のしで、お盆入りの前日までに届くよう手配します。香典を郵送する場合は現金書留です。参列できないお詫びの手紙を添えます。
まとめ
- 初盆は四十九日後の最初のお盆になります
- 四十九日より前であれば翌年へ持ち越します
- 初盆と新盆は同じものを指しています
- 親族を招いて法要を営みます
- 白提灯は初盆の一回だけ使います
- 招かれたら香典とお供えを用意します
- 送る場合はお盆入りの前日までに届けます
参考情報
- はせがわ「新盆(初盆)見舞いとは?香典などのマナーやお供え物についてご紹介」
https://www.hasegawa.jp/blogs/kuyou/obon-gift - 小さなお葬式「お盆の由来まとめ|語源・歴史・精霊馬・ほおずきの意味まで」
https://www.osohshiki.jp/column/article/2354/ - はじめてのお葬式ガイド「迎え盆・送り盆はいつ?日程と準備・やり方、初盆との違いを解説」
https://www.e-sogi.com/guide/25309/
お盆の期間(7月盆・8月盆)、迎え盆と送り盆、初盆が四十九日後の最初のお盆であることは、参照した情報源で共通しています。新札の扱いは情報源によって記述が分かれるため、本文に記載しています。
本記事で紹介している時期や作法は一般的な目安です。お盆の風習は地域差がとくに大きく、宗派によっても扱いが異なります。ご親族や菩提寺にご確認ください。