結論

親戚へのお歳暮は親族内の慣習に合わせるのが基本になり、 本や記事に載っている相場よりも他の親戚と揃っているかどうかのほうが先に立ちます。 同じ世代のいとこや兄弟姉妹がいくらで動いているかを確かめてから決めるほうが、翌年以降も無理なく続きます。

贈ると決めたのであれば3千〜5千円のあたりが目安になりますし、 続けにくくなったときには世代交代を区切りにやめるという方法がありますので、 始めるときも終えるときも一人で決めずに進めてください。

どの親戚に贈るか

結婚してから初めて迎える年末に、相手の側の親族の名前を紙に書き出してみると、おじやおばだけでもかなりの数になり、いとこまで数えるとさらに増えていきます。 そのすべてに箱を送るわけにもいきませんので、どこで線を引けばよいのかというところで手が止まります。

分かれ目になるのは、付き合いの深さで決めるのか、家ごとの決まりに従うのかという点で、こちらが世話になったと感じている相手と、親族のなかで重く扱われている家とは必ずしも重なりません。 子どもを預かってもらっている家もあれば、法事のときにだけ顔を合わせる家もありますので、同じ親戚という言葉でひとくくりにすると線が引けなくなります。

相手目安
日常的に世話になっている子どもを預かってもらう家などには贈ります
法事などで顔を合わせる程度親族内の慣習しだいで決めることになります
冠婚葬祭でお世話になったその年は贈り、翌年以降は任意になります
本家・親族の中心の家贈る家が多いので、まず確認しておきます
年賀状のみの付き合いお歳暮までは用意しなくて構いません

迷ったときは、身近な親族に「うちはどうしてる?」と聞いてしまうのがいちばん確かです。親戚づきあいは地域差も家柄差も大きく、同じ市内に住んでいても家によって考え方が違いますので、一般論のほうが当てはまらないということが起こります。

実際に多いのは、こちらが良かれと思って送った箱が相手の家では前例になってしまい、翌年から返礼が届くようになるという流れで、親族のあいだでは一度始まったやり取りがそのまま定着します。 送る前に一言確かめておけば、その家がすでに誰かとやり取りをしているのかどうかも分かりますので、行き違いを避けられます。

聞く相手としては、同じ世代のいとこや、親族の事情をひととおり知っている自分の親が向いていて、電話の終わりに一言添えるだけで足ります。 冠婚葬祭で世話になった家については、その年のうちに一度贈っておけば形が整いますので、翌年から続けるかどうかは、そのときにあらためて考えれば間に合います。

揃えることが優先

法事のあとの座敷では、誰がどこへ何を贈ったかという話が自然に出てきますので、親族の集まりに一度出るだけで、その年の贈答のかたちがおおよそ見えてきます。 あの家からはハムが届いたという話が並んでいくうちに、自分の名前がどこで出てくるのかまで気になってきます。

ここで効いてくるのは、相場に合っているかどうかよりも、他の親戚と揃っているかどうかという物差しのほうになります。 相場のほうは本や記事で調べればすぐに分かりますが、親族のなかで実際に動いている金額は、そこへ入ってみないと見えてきません。

立場起きること
兄弟姉妹の間同額にしておけば、あとから比べられずに済みます
いとこ同士世代で揃えると、返す側も同じ額に置けます
自分だけ高くする他の親戚が合わせざるを得なくなります
自分だけ低くする集まりの場で気づかれることになります
決まった額がある親族内の取り決めのほうが先に立ちます

額を上げることが、そのまま丁寧さになるとは限りません。一人が抜きん出た品を贈ると、受け取った家は返す額まで引き上げることになり、ほかの親族も足並みをそろえざるを得なくなります。親族のなかで動いている額に合わせておくほうが、翌年以降も続けやすくなります。

実際に起きるのは、所帯を持ったばかりの世帯が張り切って5千円の詰め合わせを送り、同じ世代のいとこたちが3千円前後でそろえていたと後から知るという場面です。 悪気はどこにもありませんが、受け取った側は返す額をどうするかで悩みますし、同じ世代のほかの家にもその話は回ります。

逆に自分の家だけ軽い品にしたときも、包みの大きさや店の名前で見当がついてしまいますので、下げるのであれば世代でそろえて下げるほうが角が立ちません。 兄弟姉妹のあいだであれば、年末が近づいたところで電話を一本入れて、今年はいくらにするかを先に決めておけば、あとから比べられることもなくなります。

金額の目安

贈る相手が決まったところで次に手が止まるのが金額で、百貨店の売り場には3千円の箱も5千円の箱も同じ棚に並んでいます。 おじの家といとこの家とを同じ額にしてよいのか、本家だけ上げるべきなのかというところで、売り場の前に立ったまま考え込むことになります。

目安になるのは相手との関係の近さで、日ごろの行き来が多い家ほど上のほうへ置くという組み立てになります。 ただし目安として示される数字はどれも幅を持って書かれていますので、下のほうへ寄せるのか上のほうへ寄せるのかは、結局こちらで決めるしかありません。 その一段の差をどこで付けるのかが決まらないうちは、棚に並んだ箱をいくつ見比べたところで手は伸びないままになります。

相手金額
おじ・おば3千〜5千円のあたりから選びます
兄弟姉妹おじ・おばと同じ3千〜5千円にそろえます
いとこ3千円前後に置いておくと収まります
本家・特にお世話になった家5千円を目安にして用意します

親族内で決まった額があるのなら、そちらが表の数字より優先します。金額を組み立てるときは、4と9のつく額をここから外しておいてください。表に合わせることよりも、同じ世代のほかの家と並べたときにそろっていることのほうが効きます。

実際に困るのは、同じおじでも、子どもを預かってもらっている家と、法事のときに挨拶を交わすだけの家とが混ざっている場合で、まったく同じ額にすると片方が軽く見えます。 世話になっている家を5千円、行き来の少ない家を3千円というように分けておけば、金額そのものが日ごろの付き合いを映す形になります。

いとこの家は世代でそろえておくほうが安全で、こちらが3千円前後に置いておけば、受け取った側も同じくらいの品を返しやすくなります。 本家のように親族が集まってくる家だけを5千円に上げておくと、そこへ人が集まる分と釣り合いますし、ほかの親族の額とも並びます。

品物の選び方

親戚は家族構成が分かっている相手ですので、取引先へ送るときのように、無難な洗剤や油の詰め合わせで済ませる必要はありません。 とはいえ、二人暮らしの家へ大きな詰め合わせを送ってしまい、食べきれないまま台所の隅に置かせることも実際に起こります。

選ぶときの軸になるのはその家の人数と年齢で、同じ金額でも中身の量や箱の重さの置き方が変わってきます。 もう一つほかの親族と品が重なるかどうかという軸もあり、親族が集中して贈る家ほど、こちらのほうが効いてきます。

相手の家選び方
人数の少ない家量を抑えて、人数に合う大きさにします
子どもがいる家菓子や果物、ジュースの詰め合わせが向きます
高齢の家少量で日持ちするものを選び、重い品は外します
正月に親族が集まる家正月に使えるものがあれば喜ばれます
ほかの親族も贈る家品目をずらして重ならないようにします

本家のように親族が集中して贈る家では、同じ品が何箱も重なります。ハムや洗剤が積み上がって困るということが実際に起きますので、行き先が重なりそうなときには、カタログギフトにしておけば中身までは重複しません。

よくあるのは、二人暮らしの家に大きな詰め合わせが重なって届くという場面で、冷蔵庫に入りきらない分は箱のまま置かれ、食べきれないうちに日にちが過ぎていきます。 贈った側にその様子は見えませんので、量のほうは相手の家族の人数から逆算して決めておくほうが確かです。

高齢の親族へ送るときは、瓶詰めや缶の並んだ重い箱だと、玄関で受け取ってから台所へ運ぶだけでも負担になります。 少量で日持ちのするものを選んでおけば置き場所にも困りませんし、正月に人が集まる家であれば、そのまま卓に出せるものが重宝されます。

やめるタイミング

親から引き継いだままお歳暮を送り続けていて、そろそろやめたいと思いながら、年の暮れが近づくとまた注文の画面を開いているということがあります。 毎年続いてきたものだけに、途中でやめれば理由を勘ぐられそうで、切り出す機会のほうが見つかりません。

手がかりになるのは区切りになる出来事のほうで、世代交代や退職、相手が高齢になったときであれば、やめる理由を説明しやすくなります。 判断が分かれるのは、自分の家の都合だけで決めてよいのか、親族全体の足並みを見てから決めるのかという点になります。

区切り説明
世代交代親から自分の代に替わるときがもっとも自然な区切りです
相手が高齢になった受け取りや返礼が負担になり始めた頃合いです
親族全体でやめる話が出た一人で決めずに足並みをそろえます
お互いに辞退の申し出があった双方の合意があればそこで終えられます

一人だけ先にやめてしまわないでください。親族のなかで足並みが乱れると、その一件が後々の集まりまで話に残ることになります。やめたいと思ったときは、まず身近な親族へ相談して、同じ世代がどう考えているかを確かめておくほうが安全です。

実際に区切りとして使われることが多いのは世代交代で、親が続けてきたやり取りを自分の代でどうするかという話であれば、相手の家でも同じことを考えています。 親の名前で届いていた品が自分の名前に変わる年は、受け取る側にとっても代が替わったことの分かる時期になります。

相手が高齢になり、届いた箱を受け取って返礼を用意すること自体が負担になっているようであれば、そこもこちらから終える理由になります。 いずれの場合も、自分の家だけで決めずに同じ世代の兄弟姉妹やいとこへ先に声をかけておけば、翌年になって一軒だけ届かなかったという形にはなりません。

失礼にならないやめ方を詳しく見る

親戚へのお歳暮に一つだけの正解があるわけではなく、その家とどれだけ行き来があるのか、 親族のなかでどんなやり取りが続いてきたのかによって、贈るかどうかも金額も変わってきます。 子どもを預かってもらっている家であれば贈っておくほうが収まりますし、 年賀状だけの付き合いであれば、お歳暮まで用意する必要はありません。

どの相手でも変わらないのは、一般の相場より親族のなかの足並みを先に見ることと、 始めるときも終えるときも一人で決めないことの二つだけです。 この二つさえ守っていれば、品物の中身や金額を毎年決め直せなくても失礼にはなりません。 受け取る側にとっても、そのほうが返礼の支度をしやすくなります。

よくある質問

親戚にお歳暮は必要ですか?

親族内の慣習に合わせるのが基本です。日常的にお世話になっている親戚には贈り、年賀状のみの付き合いなら不要です。親戚づきあいは地域差・家柄差が大きいため、迷ったら身近な親族に「うちはどうしてる?」と確認するのが確実です。

金額の目安は?

おじ・おばや兄弟姉妹なら3千〜5千円、いとこなら3千円前後、本家や特にお世話になった家には5千円が目安です。ただし親族内で決まった額があるなら、そちらが優先されます。

相場より大切なことはありますか?

他の親戚と揃っているかです。親戚同士は互いの贈り物を話題にし、法事や集まりの場で誰が何を贈ったかが分かります。自分だけ高くすると他の親戚が合わせざるを得なくなり、低いと気づかれます。

品物選びで気をつけることは?

家族の人数に合う量にしてください。二人暮らしの家に大量の詰め合わせは負担です。また本家など親族が集中して贈る家では同じ品が重なります。カタログギフトにすると重なりません。

やめたいときはどうしますか?

世代交代がもっとも自然な区切りです。親から自分の代になったとき、相手が高齢になったときなどが区切りになります。ただし一人だけ先にやめないでください。親族内で足並みが乱れると後々まで残ります。

冠婚葬祭でお世話になった親戚には?

その年は贈るのが自然です。翌年以降は任意で、続けるかどうかは親族内の慣習に合わせて構いません。

まとめ

  • 親族内の慣習に合わせて決めます
  • 相場より揃っているかどうかが優先します
  • 兄弟姉妹の間では同額にそろえます
  • 金額は3千〜5千円を目安にします
  • 家族の人数に合う量を選びます
  • 品が重なる家にはカタログギフトを選びます
  • やめどきは世代交代がもっとも自然になります
  • 一人だけ先にやめません

参考情報

  1. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  2. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  3. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx

金額の目安(3千〜5千円)は参照した情報源で共通しています。親族内で揃える考え方ややめどきは地域・家によって差が大きいため、断定を避けて記載しています。

本記事で紹介している金額や時期は一般的な目安です。地域やご家庭、業界の慣習によって異なる場合があります。お勤め先や取引先の規定で贈答が制限されていることがあります。事前にご確認ください。