結論

訪問先ではテーブルに置かず、かばんにしまっておきますし、 音は玄関に入る前にマナーモードへ切り替えておきます。 卓上に伏せて置いてあるだけでも、通知が光るたびにこちらの視線がそちらへ動きます。

着信があれば一言断ってから席を外し、 家のなかを撮るときは、構える前に必ず許可を得てください。 撮ってよいかどうかと、SNSに載せてよいかどうかは、別々に尋ねておく必要があります。

基本の扱い

通されたリビングのローテーブルに、お茶と菓子皿が並べられていきます。 そこへ自分のスマートフォンを置くかどうかで、 ポケットから出しかけた手がそこで止まるということがあります。 仕事の連絡が入る見込みがあると、かばんの奥にしまってしまうのもためらわれる場面です。

分かれ目になるのは相手の目に入るところに置くかどうかで、 卓上に置いてあるだけで意識がそちらへ向いていることが伝わりますし、 通知が光るたびにこちらの視線が動きますので、かばんに入れておくのがいちばん確実です。

項目目安
置き場所かばんのなかにしまい、テーブルには置きません
音玄関に入る前に、マナーモードへ切り替えておきます
会話中に見る相手が話しているあいだは、手元を見ません
確認が必要なとき「失礼します」と断ってから、短く画面を見ます
親しい相手間柄によっては、そこまで気にしなくて構いません

マナーモードにしていても、置き場所によっては振動音のほうが響きます。木のテーブルの上では震える音がかなり大きく伝わりますので、着信のたびに会話がそこで止まってしまいます。かばんに入れておくか、消音のところまで落としておくほうが確実です。

卓上に置いたスマートフォンが、どれだけ相手の目に留まるかは調査にも出ています。 一般社団法人日本能率協会が2021年12月に全国の正規就業者1,000人へ尋ねた調査では、 「会議や打ち合わせ中に携帯・スマートフォンをいじる」ことが気になると答えた人が 相手が社外の場合で73.1%、社内でも68.6%と、 並んだ項目のなかで最も高くなりました。

これは仕事の場を尋ねた数字ですが、 個人宅に上がっている場面では、もっと近い距離から見られていることになります。 ローテーブルを挟んで向かい合っていれば、 画面が光ったことも、こちらが目を落としたこともそのまま相手に届きます。

着信があったら

かばんにしまっておいても、その中で震えて気づくことはあります。 急ぎの用件なのかどうかは画面を見るまで分かりませんが、 相手の目の前で確認すること自体が、 会話から意識が外れたように見えてしまうという難しさがあります。

判断の軸はいまこの場で出る必要があるかどうかの一点で、 急ぎでなければ辞去したあとにかけ直せば足りますし、 出る必要があるのなら黙って画面を伏せるより、一言断って席を外すほうがずっと収まります。

状況対応
急ぎでない出ずにおき、辞去したあとでかけ直します
出る必要がある「失礼します」と断ってから、席を外します
仕事の連絡が来る着いたときに、あらかじめ断っておきます
通話後「失礼しました」と述べてから、席に戻ります
何度も鳴る電源を切るか、機内モードに切り替えます

着いた時点であらかじめ断っておくと、そのあとの二時間が楽になります。「仕事の連絡が入る見込みがあり、失礼があったら申し訳ありません」と先に言っておけば、途中で席を外しても気まずくなりませんし、相手も気を回さずに済みます。

通話そのものは、通された部屋のなかではしないほうがよく、 玄関か、案内された別室まで移動して短く済ませてしまいます。 同じ部屋で話し始めると、相手は聞くともなく内容を聞くことになりますし、 その間ずっと手持ち無沙汰になります。

長くなりそうだと分かった時点で、 「後でかけ直します」とだけ伝えて切ってしまってください。 ビデオ通話については画面に家のなかがそのまま映り込みますので、 訪問先では避けておくほうが無難です。

撮影の許可

新居に招かれて、明るいリビングや手入れされた庭を見ると、 一枚撮っておきたくなることがあります。 相手も自慢げに案内してくれているのだから構わないだろう、という気持ちのまま、 断りを入れないで画面を構えてしまう場面です。

押さえておきたいのは、家のなかは私的な空間だという一点で、 招かれているからといって撮ってよいことにはなりませんので、 「写真を撮ってもよろしいですか」と、そのつど尋ねてから構えます。

場面目安
家のなか構える前に、必ず許可を得てから撮ります
SNSに投稿撮影の許可とは別に、改めて確認します
相手の子ども必ず親の許可を得てから撮ります
出された料理一言断ってから、手早く撮ります
表札・住所が写る投稿しません。場所が特定されます
自分たちの記念写真背景に何が写り込むかを見てから撮ります

「撮ってよい許可」と「載せてよい許可」は、まったく別のものです。撮ってよいと言われたからといって、SNSへの投稿まで了解を得たことにはなりませんので、改めて確認してください。写り込んだ表札や、窓の外の景色から住所が分かることもあります。

尋ねると断られそうで言い出しにくい、という場面もあると思われます。 その場合は撮ったあとに画面を見せて確認してもらうと、 相手はどこがどう写っているかを目で確かめられますので、 口頭で説明されるより安心されます。

出された料理を撮るときは、できるだけ手早いところで済ませてください。 出されたばかりの汁物や揚げ物は湯気のあるうちがいちばんですし、 角度を探して何枚も撮っていると、作った側は箸を持ったまま待つことになりますので、 一枚だけ撮ったら、あとは食べることのほうに戻ります。

充電を頼むとき

話が弾んで滞在が長引いてくると、電池の残りが心細くなってきます。 帰りの経路を調べる、迎えを頼む、切符を出すといったことに使いますので、 切れてしまうと帰り道そのものが困ることになります。

とはいえ充電を頼むと、相手の家の電気と、置き場所を使うことになります。 頼みにくさの理由はそこにありますので、 本来は自分で用意しておき、必要になった場合だけ事情を添えて頼む形にします。

状況目安
基本頼まずに済むよう、自分で用意して持参します
帰りに必要になった事情を言えば、断られにくい頼みごとです
頼み方「恐れ入ります、少しだけ充電させていただけますか」と尋ねます
充電器自分のものを使い、相手の充電器は借りません
長時間つなぐ避けます。必要な分だけで切り上げます

モバイルバッテリーを一つ持っておくのが、結局いちばん確実な備えになります。長時間の訪問になりそうなときや、子連れで動画を見せる予定があるときは、出かける前に充電しておいてください。頼まずに済めば、相手にコンセントの位置を探させることもありません。

借りることになった場合は、どのコンセントを使うかを相手に選んでもらいます。 自分で壁際を探して回ると、 テレビ台の裏や家具の隙間まで見ることになりますので、 「どちらにつなげばよろしいですか」と尋ねて、指された場所を使います。

ケーブルをつないだまま忘れないようにすることも大切で、 辞去する段になってケーブルを差したままにしていると、 あとから連絡して取りに戻ることになりますので、 必要な分だけ入れたら早めに外して、かばんにしまってください。

子どもに持たせる場合

子どもを連れて訪問すると、思ったより早い段階で退屈が始まります。 大人の話が続くあいだ、じっと座っていられる時間には限りがありますので、 動画を見せて静かにさせようかどうかで迷うことになります。

静かにさせる手段として有効であることは確かで、 頭から否定する必要はありません。 問題になるのは見せるかどうかではなく音のほうで、 音量を絞るかイヤホンを使うかで、周りへの影響がまるで変わります。

場面やること
音必ず絞ります。イヤホンがあれば、なお助かります
見せる時間ずっとは見せず、あいさつは子どもにもさせます
相手が話しかけたいったん止めて、子どもの顔を上げさせます
相手の家のゲーム機勝手に触らせません。テレビも同じです
相手の子どもと一緒に見るその子の親の了解を、先に得ておきます

子どもの手元から出る音は、大人が思っているよりも周りに届きます。ローテーブルを挟んだ距離では、小さな音量でも大人の会話にかぶりますので、イヤホンを持たせるか、音を消して字幕や映像だけにしてください。

到着してすぐに画面を渡してしまうと、 その子は最後まで顔を上げないまま帰ることになってしまいます。 あいさつを済ませ、出されたお菓子に手をつけたあとで渡す形にすると、 相手の方とも一度は言葉を交わせます。

なお、食事の席で画面を見ることがどう受け取られるかは調査にも出ていて、 味の素株式会社が2024年2月に15〜29歳の男女1,132名へ尋ねた意識調査では、 食事中に相手にスマートフォンを使われた経験が76.8%、 そのうち不快に感じたことがある人が65.1%にのぼりました。

子連れ訪問のマナーを見る

訪問先でのスマートフォンの扱いに唯一の正解があるわけではなく、 相手の目に入るところに置いているかどうかと、 音が周りに届いていないかどうかの二つを見て、収まりのよい形を選べば足ります。 親しい相手の家であればそこまで神経質にならなくてよく、 改まった訪問であれば、玄関に入る前にかばんへしまってしまえば形になります。

どの家でも変わらないのは、相手の家のなかを勝手に撮らないことの一点だけで、 これさえ守っていれば、着信や充電への対応を思い出せなくても失礼にはなりません。 撮ってよいかと、載せてよいかは別の話だということも、あわせて覚えておいてください。

よくある質問

訪問先でスマホはどこに置きますか?

かばんのなかにしまってください。テーブルに置いてあるだけで、意識がそちらへ向いていることが伝わりますし、通知が光るたびにこちらの視線が動きます。音は玄関に入る前にマナーモードへ切り替えておきます。

マナーモードなら置いてもよいですか?

置かないほうが確実です。木のテーブルの上では振動音がかなり響き、着信のたびに会話が止まります。かばんに入れておくか、消音まで落としてください。

着信があったらどうしますか?

急ぎでなければ出ずにおき、辞去したあとでかけ直します。出る必要があるなら「失礼します」と断って席を外し、玄関か別室で短く済ませてください。戻ったら「失礼しました」と一言添えます。

仕事の連絡が入る予定があります。

着いた時点で断っておいてください。「仕事の連絡が入るかもしれません。失礼があったら申し訳ありません」と伝えておけば、途中で席を外しても気まずくなりませんし、相手も気を回さずに済みます。

家のなかの写真を撮ってもよいですか?

必ず許可を得てから撮ってください。家のなかは私的な空間です。撮った後に画面を見せて確認してもらうと、より安心されます。SNSへの投稿は、撮影の許可とは別に改めて確認します。

子どもにスマホを見せてもよいですか?

頭から否定する必要はありません。ただし音は必ず絞るか、イヤホンを使ってください。あいさつは子どもにもさせ、相手が話しかけたらいったん止めます。相手の家のゲーム機やテレビは触らせません。

まとめ

  • テーブルに置かず、かばんにしまいます
  • 玄関に入る前にマナーモードにします
  • 着信は一言断ってから席を外します
  • 通話は玄関か別室で短く済ませます
  • 家のなかは必ず許可を得てから撮ります
  • 「撮る許可」と「載せる許可」は別に確認します
  • 充電は頼まずに済むよう持参します

参考情報

  1. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  2. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  3. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  4. 一般社団法人日本能率協会「ビジネスパーソン1000人調査【ビジネスマナー編】」(2021年12月14日〜16日実施・インターネット調査・全国の正規就業者1,000人)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000016501.html
  5. 味の素株式会社「食事中のスマートフォン利用に関する意識調査」(2024年2月16日〜18日実施・インターネット調査・15〜29歳男女1,132名)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000092524.html

日本能率協会の調査は在宅勤務が広がっていた2021年12月の実施で、仕事の場面を尋ねたものです。味の素の調査は対象が15〜29歳に限られ、友人や家族との私的な食事が主な想定で、共食を訴求する食品メーカーの自社調査です。手土産の金額や渡し方に公的な基準はありません。本記事は広く共通して挙げられる目安をまとめたものです。地域・ご家庭・間柄によって実際には大きく異なります。

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。手土産に決まりはなく、地域・ご家庭・間柄によって異なります。とくに親しい相手との間では、形式より相手の負担にならないことを優先してください。