結論
顔合わせの手土産に必ず用意しなければならないという決まりはありません。 ただし調査では、両家とも用意したという回答が50.5%で最も多く、 片方だけが用意した形(男性側のみ5.8%/女性側のみ3.4%)は少数でした。
いちばん避けたいのは片方だけが用意している状態です。 用意するかどうかを、事前に両家ですり合わせておきます。
相場は3,000円〜5,000円。日持ちのする菓子や地元の銘菓が定番です。 渡すのは個室に入って挨拶が済んだあと、着席する前。 のしは掛けなくても構いませんが、掛けるなら紅白の結び切りに「寿」または「御挨拶」とします。
必要かどうか。まず両家ですり合わせる
「手土産は要るのか」を単独で調べると、必要という記事と不要という記事の両方が出てきます。 どちらも間違いではなく、相手側がどうするかで答えが変わるためです。
判断すべきなのは「必要か」ではなく「両家で揃っているか」です。 ゼクシィの調査では、両家とも用意した50.5%、男性側のみ5.8%、女性側のみ3.4%。 片方だけという形は1割にも届きません。 用意する・しないのどちらでも構いませんが、両家で同じにすることが要点になります。
| 状況 | どうするか | 伝え方 |
|---|---|---|
| 両家とも用意する | 最も多い形。金額帯も揃える | 「3千円くらいのお菓子を用意します」と数字で伝える |
| 両家とも用意しない | 問題ありません | 「手土産はなしにしましょう」と両家で合意する |
| 相手側の意向が分からない | ふたりから両家に確認する | 当日の1〜2週間前までに聞いておく |
| 直前に片方だけと判明 | 用意する側が持参をやめない | 当日は普通に渡し、相手に気を遣わせない |
直前に食い違いが分かっても、用意した側が取りやめる必要はありません。「気を遣わせてしまってすみません」と一言添えて渡せば済みます。むしろ当日になって片方が空手で来たときのほうが困るため、「うちは持って行きます」と先に言っておくのが親切な形です。伝えるのは自分の親へ。相手の家へはパートナーから同じ内容を伝えます。
相場はいくらか
金額は、高ければ喜ばれるというものではありません。 受け取った側が「同じくらいの物を返さなければ」と考えてしまうと、この先のやりとりが重くなります。
目安は3,000円〜5,000円です。 これは相手に気兼ねさせず、こちらも負担にならない範囲として、複数の解説で共通して挙げられている帯です。 両家で金額帯を揃えておくと、当日の見た目にも差が出ません。
| 金額帯 | 向いている場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 3,000円前後 | 最も選ばれる。菓子折り1つ | 軽すぎるということはありません |
| 5,000円前後 | 遠方から来てもらった/初対面で改まる | 上限の目安。ここを超えると相手が構えます |
| 1万円以上 | 結納を兼ねる/家の慣習がある | 相手側の金額と揃わないと差が目立つ |
| 0円(なし) | 両家で「なし」と決めた | 両家の合意があれば問題ありません |
金額は品物の外箱や紙袋から推測されます。百貨店の紙袋に入った1万円の品と、駅で買った3千円の菓子が並ぶと、差ははっきり出ます。「3千円くらいで」と数字で共有しておくほうが、品物の指定より確実です。金額を言うのが気になるなら「駅で買える菓子折りくらいで」と言い換えても伝わります。
何を選ぶか。定番と避けたいもの
顔合わせの手土産は、その場で開けて食べるものではありません。 相手が持ち帰り、後日に家で食べるものになるため、選び方の基準は普通の手土産と少し変わります。
軸は三つです。日持ちすること・持ち帰りやすいこと・話題になること。 とくに三つ目が効きます。地元の銘菓なら、渡した時点で会話が一つ生まれます。
| 選ぶもの | なぜ向いているか | 選ぶときの確認 |
|---|---|---|
| 地元の銘菓 | その場の話題になる | 相手が知らない土地のものだと、なお話が広がる |
| 日持ちする焼き菓子 | 持ち帰り後に慌てない | 賞味期限は1週間以上あると安心 |
| お酒(日本酒・ワイン) | 相手が酒好きと分かっている場合 | 重い。持ち帰りの交通手段を考える |
| 調味料・佃煮など | 甘いものが苦手な相手に | 好みの幅が狭い。事前に聞けるときだけ |
| 避けたいもの | 要冷蔵・生菓子・かさばるもの | 会食後に持ち歩けない。当日中に食べる必要が出る |
要冷蔵と当日消費の生菓子は外します。会食のあと2〜3時間持ち歩くことになり、遠方から来ている場合は持ち帰れません。個数のあるものを選ぶなら、相手の家族の人数で割り切れる数にしておくと分けやすくなります。4個・9個を強く避ける必要はありませんが、気にする家庭もあるため、迷うなら5個・6個・8個あたりが無難です。
のしは掛けるか。表書きと名前
のしは、掛けるべきという解説と、なくてよいという解説の両方があります。 これは顔合わせをどのくらい改まった会とするかで変わるためで、どちらかが誤りというわけではありません。
判断の目安はこうです。会全体を改まった形にするなら掛ける。軽い会にするなら掛けなくてよい。 洋菓子でリボンが掛かっているものなら、そのままでも失礼にはあたりません。 ここも両家で揃えておくと見た目の差が出ません。
| 項目 | 書き方・選び方 |
|---|---|
| 水引 | 紅白の結び切り(結婚が決まっている場合)/両家の合意が固まっていない段階では紅白の蝶結び |
| 表書き(上段) | 寿/御挨拶。改まりすぎを避けたいなら「御挨拶」 |
| 名前(下段) | 贈る側の名字(フルネームでなくて構いません) |
| のしの掛け方 | 外のし(渡すときに表書きが見える) |
| 掛けない場合 | リボン掛け/そのまま。両家で揃っていれば問題ありません |
結び切りは「一度きり」を意味する結び方で、結婚に関する贈答で使われます。ただし顔合わせの段階では婚約が正式に整っていないという考え方から、蝶結びを選ぶ解説もあります。どちらでも差し支えありません。迷うなら、店で「顔合わせの手土産です」と伝えれば選んでもらえます。結び方の違いは蝶結びと結び切りの違いで扱っています。
いつ・どう渡すか。紙袋はどうする
渡すタイミングを外すと、会が始まってから鞄の中の紙袋がずっと気になることになります。 当日の動きとして、先に頭に入れておきたいところです。
渡すのは個室に通されて、あらためて挨拶をしたあと、着席する前です。 ここが最も自然で、渡したあとに「これは何ですか」という会話も生まれます。 渡すのは親から親へが基本ですが、本人が渡しても構いません。
- 紙袋から出して渡す……品物だけを両手で渡します。のしの名前が相手側から読める向きにします
- 紙袋はそのあとで……「よろしければお使いください」と添えて渡します。持ち帰りに使ってもらうためです
- 一言添える……「地元の銘菓です」「〇〇がお好きと伺いましたので」。品物の説明が話題になります
- タイミングを逃した場合……結びの挨拶が終わったあと、帰り際に渡します。このときは紙袋のままで構いません
- 座敷の場合……立ったままではなく、座って向き合ってから渡すと落ち着きます
紙袋の扱いは、訪問の手土産と同じ考え方
室内で渡すときは紙袋から出す、屋外や帰り際は紙袋のまま、という使い分けです。渡す動作そのものは手土産の渡し方と紙袋はどうする?で詳しく扱っています。紙袋を持ち帰らずに置いていくと、相手が持ち帰りに困ります。「お使いください」と渡してしまうほうが実際的です。
用意していない・忘れた・受け取れないとき
準備していても、当日に想定と違う形になることはあります。 その場でどう振る舞うかを決めておけば、慌てずに済みます。
前提として、手土産の有無を当日に問題にしないことです。 指摘された側は取り返しがつかず、会のあいだ気にすることになります。
- 相手だけが用意していた……その場で受け取り、礼を述べます。後日あらためて送ると形が整います。「後日お送りします」とその場で言う必要はありません
- 自分だけが用意していた……そのまま渡します。「気を遣わせてしまってすみません」と添えると、相手が構えずに済みます
- 持ってくるのを忘れた……当日に無理に買い足すより、後日に配送するほうが落ち着きます。「先日はご挨拶が行き届かず」と一筆添えます
- 相手が受け取りを固辞した……一度勧めて引かないなら、それ以上は押しません。持ち帰って構いません
- 両家で金額に差が出た……当日は触れません。差を埋めようとして後から高価な物を送ると、かえって話が大きくなります
- 結納品と混同された……手土産は結納品ではありません。改まった袋で渡すと誤解されることがあるため、菓子折りと分かる形にしておきます
お返しは基本的に不要
顔合わせの手土産は、両家が同じ場で交換するものなので、あらためてお返しを贈る必要は通常ありません。片方だけがいただいた形になった場合も、後日ふたりから送るか、次に会う機会に持参すれば足ります。金額を合わせて即座に返すと、贈答のやりとりが続いてしまいます。内祝いの考え方は内祝いとは?で扱っています。
よくある質問
手土産は誰が渡すのですか?
親から親へ渡す形が基本ですが、本人が渡しても構いません。事前に「うちは父が渡します」と家の中で決めておくと、当日その場で譲り合わずに済みます。
のしに書く名前は、フルネームですか?
名字だけで足ります。フルネームでも間違いではありませんが、家と家のやりとりなので名字が自然です。連名にする必要もありません。名前の書き方は「のしの名前の書き方」で扱っています。
相手の好みが分からない場合、何を選べばいいですか?
日持ちする焼き菓子の詰め合わせが最も外れません。甘いものが苦手かどうかだけは、パートナーを通じて聞いておけると選びやすくなります。分からない場合は、地元の銘菓にすると「珍しい」という話題にもなります。
両家とも同じ店の菓子を用意してしまいました。気まずいでしょうか?
問題ありません。むしろ「同じところで買っていました」という話題になります。当日その場で気づいても、指摘し合わずに普通に渡して構いません。
手土産の代わりに、婚約記念品を渡してもいいですか?
別のものとして考えます。婚約記念品は当事者どうしが交換するもので、手土産は家から家へ渡すものです。記念品のお披露目は着席後、手土産は着席前と、渡す場面も分かれます。
まとめ
- 必ず必要という決まりはありません。ただし両家とも用意した形が50.5%で最多
- 判断すべきは「必要か」ではなく「両家で揃っているか」。事前にすり合わせます
- 相場は3,000円〜5,000円。金額帯を数字で共有しておくと差が出ません
- のしは掛けなくても構いません。掛けるなら紅白の結び切りに「寿」または「御挨拶」、下段は名字
- 渡すのは個室で挨拶をしたあと、着席前。品物だけを両手で渡し、紙袋はあとから
参考情報
- みんなのウェディング「【両家顔合わせの手土産】熨斗(のし)や相場は?失敗しない選び方・渡し方と文例」
https://www.mwed.jp/articles/13421/ - 結婚スタイルマガジン(NIWAKA)「両家顔合わせの【手土産】はこれでカンペキ!おすすめの品物やのし、渡し方など」
https://www.niwaka.com/ksm/radio/betrothal-meeting/gift/base/01/ - ゼクシィ「両家顔合わせ食事会の費用。誰が支払う?相場や支払いタイミングは?」(費用平均と会場は2025年11月・マクロミル調査/547人。負担者・交通費などは2024年4月・マクロミル調査/208人ほか)
https://zexy.net/article/app001911021/ - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
顔合わせ食事会には公的な基準も業界共通の規則もありません。本記事の数値は、上記のうち調査対象と時期を公表しているものだけを引用し、調査年と回答者数を本文に併記しています。地域・ご家庭によって実際の扱いは大きく異なります。(最終確認:2026年8月)
本記事の内容は一般的な目安です。顔合わせ食事会には決まった形式がなく、地域とご家庭による考え方の差がとくに大きい行事です。片方の家に強い希望がある場合は、一般論よりそちらを優先したほうが後を引きません。