結論
顔合わせの服装に決まりはありません。判断の軸は一つで、 両家で服装の「格」を揃えることです。 片方がスーツと和装、もう片方が普段着に近い服という並びが、最も居心地の悪い形になります。
迷ったときの標準は、男性はダークスーツ、女性はワンピースかセットアップ。 父親はスーツ、母親はワンピース・スーツ・和装のいずれかで、両家の母親どうしで格を揃えます。
結婚式の服装とは別に考えます。 顔合わせは食事の席なので、白いドレスや光る素材、露出の多い服は場に合いません。
いちばん大事なのは「両家で格を合わせる」こと
服装を調べると「ワンピースが無難」「スーツが安心」といった答えばかり出てきますが、 それだけでは判断しきれません。同じワンピースでも、相手側が礼装で来るか普段着で来るかで意味が変わるためです。
顔合わせの服装で失敗と感じられるのは、片方だけが浮いている状態です。 改まりすぎても、くだけすぎても、そう感じるのはずれている側になります。 だからこそ、自分の服を先に決めるのではなく、両家でどのくらいの格にするかを先に決めます。
| 決める順番 | すること | 目的 |
|---|---|---|
| 1. 会場を決める | 料亭・レストラン・ホテルなど | 格の上限がここで決まる |
| 2. ふたりで方針を決める | 「改まった感じ」か「軽めに」か | 両家へ同じ言葉で伝えるため |
| 3. 両家へ同時に伝える | 具体例つきで伝える | 「平服で」だけでは伝わらない |
| 4. 直前にもう一度確認 | 当日1週間前ごろ | 親が別のものを用意していることがある |
「平服で」という言い回しは避けます。受け取る側によって普段着からジャケット着用まで幅が出ます。「父はスーツ、母はワンピースくらいで考えています」と具体名で伝えるほうが確実です。伝えるのは自分の親へ、相手の家へはパートナーから。同じ内容を同じタイミングで伝えると、ずれが起きにくくなります。
本人(ふたり)の服装
当事者の服装は、両家の親が「どのくらいの会なのか」を判断する基準にもなります。 本人がくだけすぎていると、改まって来た親のほうが浮いてしまいます。
標準は男性がダークスーツ、女性がワンピースかセットアップです。 女性が振袖を着る場合もありますが、その場合は男性側の服装も上げないと釣り合いません。
| 立場 | 改まった会にする場合 | 軽めの会にする場合 |
|---|---|---|
| 男性本人 | ダークスーツ+ネクタイ | ジャケット+襟付きシャツ(ノーネクタイ可) |
| 女性本人 | ワンピース/セットアップ/振袖 | きれいめのブラウス+スカート |
白一色の服は避けます。結婚式で花嫁の色にあたるためというより、写真に残したときに浮きやすいからです。同じ理由で、肩や膝が大きく出る服、光沢の強い素材、大ぶりのアクセサリーも食事の席には合いません。パンツスタイルでも構いませんが、その場合はジャケットを合わせると格が保てます。
父親・母親の服装
親の服装は本人以上に、両家の間で差が出やすいところです。 とくに母親は、洋装と和装で見た目の格が大きく変わります。
父親はダークスーツでほぼ決まりです。迷いが生まれるのは母親のほうで、 両家の母親どうしで洋装/和装を揃えておくのが要点になります。 片方が訪問着で、もう片方がブラウスとスカートという並びは避けたいところです。
| 立場 | 選択肢 | 合わせるときの注意 |
|---|---|---|
| 父親 | ダークスーツ(濃紺・チャコールグレー) | ネクタイは明るめの色でよい。黒一色は弔事の印象が出る |
| 母親(洋装) | ワンピース/アンサンブル/スーツ | いちばん選ばれる形。丈は膝が隠れる長さ |
| 母親(和装) | 訪問着・色無地 | もう一方の母親も和装にできるかを先に確認する |
| 兄弟姉妹が出席 | スーツ/ワンピース | 本人(ふたり)より格を上げない |
母親の和装は、片方だけになりやすい項目です。「着物を着ようと思っている」という話が出たら、その時点で相手の家へ伝えます。相手側が洋装しか用意できない場合は、和装を取り下げるか、相手にも準備の時間を渡します。当日に判明すると調整のしようがありません。父親のスーツは、結婚式で着る礼服(ブラックスーツ)まで上げる必要は通常ありません。
会場で変わるところ。料亭とレストラン
同じ「スーツとワンピース」でも、会場によって快適さがまるで違います。 とくに料亭の座敷は、服装の選び方を間違えると当日ずっと落ち着きません。
会場が決まった時点で、座敷か椅子席かを確認しておきます。 これは服装だけでなく、高齢の親が出席する場合の判断材料にもなります。
会場別に気をつけること
料亭・座敷……靴を脱ぐため、脱ぎ履きしやすい靴と足元が見えても困らない靴下・ストッキングを。座ったときに丈が上がるので、女性はタイトで短いスカートを避けます。正座が続く場合もあるため、高齢の親には椅子席のある個室を選ぶほうが安全です。
レストラン……椅子席なので服装の自由度は上がります。ドレスコードの有無を予約時に確認します。ジャケット着用が条件の店もあります。
ホテル……最も格が上がりやすい会場です。ロビーを通るため、館内で浮かない服装にします。
和室での振る舞いに不安がある場合は、和室での上座・下座と 懐石料理のいただき方を先に見ておくと、服装以外の心配も減ります。
カジュアルにしてよい範囲
「堅苦しくしたくない」という希望は珍しくありません。 ただ、どこまで崩してよいかの線が分からないまま崩すと、写真に残ったときに後悔することになります。
崩す場合も、「食事に招かれた場としてふさわしいか」という線は残ります。 次の表は、崩してよいところと、崩すと目立つところの分け方です。
| 項目 | 崩してよい | 崩すと目立つ |
|---|---|---|
| 男性 | ネクタイを外す/ジャケット+スラックス | Tシャツ・ジーンズ・スニーカー |
| 女性 | ブラウス+スカート/パンツスタイル | デニム・サンダル・大きなロゴ |
| 親 | —— | 親だけを崩さない。本人より軽い服装にしない |
| 共通 | 色を明るくする | 露出(肩・背中・膝上)/強い香り |
カジュアルにするなら、両家そろって崩します。片方だけが崩すと「気を遣っていない」と受け取られる余地が生まれます。判断に迷うときは改まったほうに寄せておくのが安全です。改まった服で来て場が軽ければジャケットを脱げば済みますが、逆は当日どうにもなりません。
格がずれてしまった・当日困ったとき
どれだけ事前に伝えても、当日になって差が出ることはあります。 重要なのは、その場でどう振る舞うかです。
前提として、服装の差を当日に指摘しないこと。 言われた側は着替えられず、会のあいだじゅう気にすることになります。
- 自分たちだけ改まっていた……ジャケットを脱ぐ、ネクタイを外すなどで一段下げられます。相手には触れません
- 自分たちだけ軽かった……そのまま過ごします。「もう少しきちんとしてくればよかったです」と一言添えるだけで、場の空気は収まります
- 親の服装が想定と違った……その場では何も言いません。式のときの服装を決める段階で、あらためて具体的に伝えます
- 着物で行くつもりが体調不良……洋装に切り替えて構いません。事前に相手側へ一報を入れられればなお良いところです
- 会場の雰囲気が想定と違った……会場の格に合わせるのが本筋ですが、両家が揃っていれば問題は生じません
結婚式の服装は、あらためて決め直す
顔合わせの服装がそのまま結婚式に使えるわけではありません。式では親は正礼装・準礼装が基本になり、格が一段上がります。親族としての服装は親族として結婚式に出席するときの服装で、ゲスト側は女性ゲストの服装・男性ゲストの服装で扱っています。
よくある質問
「平服で」と言われました。何を着ればいいですか?
普段着ではありません。男性はジャケット着用、女性はワンピースかきれいめのセットアップが目安です。ただし言葉の受け取り方には幅があるため、可能なら「父はスーツで行きます」など具体的に確認したほうが確実です。
振袖を着てもいいですか?
構いません。成人式の振袖を着る人もいます。ただし振袖は格が高いため、男性側の服装や相手のお母様の服装も上げないと釣り合いません。着る予定なら、日程が決まった段階で相手の家へ伝えておきます。
パンツスタイルでも失礼になりませんか?
なりません。セットアップやジャケットを合わせれば格は保てます。座敷の会場では、むしろ動きやすく落ち着いて過ごせます。デニム素材やカジュアルな形のものは避けます。
アクセサリーはどこまでつけていいですか?
一粒のネックレスやパールなど、控えめなものが場に合います。食事の席なので、袖口に当たるブレスレットや、音の出る大ぶりのイヤリングは扱いにくくなります。婚約指輪はつけて構いません。お披露目の場になることもあります。
夏で暑いのですが、上着は必要ですか?
会場に入るまでは半袖でも構いませんが、ジャケットを持参して席で羽織ると格が整います。冷房で冷える会場も多いため、一枚あると実用面でも役立ちます。
まとめ
- 判断の軸は両家で格を揃えること。片方だけ浮いている状態が最も居心地を悪くします
- 標準は男性がダークスーツ、女性がワンピースかセットアップ。白一色と露出の多い服は避けます
- 父親はダークスーツ。母親どうしで洋装/和装を揃えるのが要点
- 「平服で」とだけ伝えない。「父はスーツ、母はワンピース」と具体名で、両家へ同時に伝えます
- 迷ったら改まったほうへ寄せる。当日は下げられますが、上げることはできません
参考情報
- ゼクシィ「《顔合わせ・結納の服装》完全ガイド〜ふたり、親、兄弟姉妹お手本付き〜」
https://zexy.net/article/app000100516/ - ハナユメ「両家顔合わせ前にチェック!二人・両親の基本の服装・カジュアルな服装」(2026年6月10日更新)
https://hana-yume.net/howto/meeting-clothes/ - ゼクシィ「両家顔合わせ食事会の費用。誰が支払う?相場や支払いタイミングは?」(費用平均と会場は2025年11月・マクロミル調査/547人。負担者・交通費などは2024年4月・マクロミル調査/208人ほか)
https://zexy.net/article/app001911021/
顔合わせ食事会には公的な基準も業界共通の規則もありません。本記事の数値は、上記のうち調査対象と時期を公表しているものだけを引用し、調査年と回答者数を本文に併記しています。地域・ご家庭によって実際の扱いは大きく異なります。(最終確認:2026年8月)
本記事の内容は一般的な目安です。顔合わせ食事会には決まった形式がなく、地域とご家庭による考え方の差がとくに大きい行事です。片方の家に強い希望がある場合は、一般論よりそちらを優先したほうが後を引きません。