結論
結婚記念日の贈り物には紅白の蝶結び(もろわな結び)ののし紙を掛け、 表書きは「金婚式御祝」「銀婚式御祝」のように婚式の名を入れるか、 年数に自信がないときは「御祝」とだけ書けば、 どの年でも取り違えようがありません。
現金を包む場合は紅白または金銀の蝶結びの祝儀袋を使い、 名前は贈る側の姓名を水引の下に書きますが、 お返しでは名入れが「夫婦の姓名」に変わりますので、 同じ紅白蝶結びの掛け紙でも、書く名前の向きが逆になる点にご注意ください。
水引は紅白の蝶結び|結び切りを使わない理由
売り場でのし紙を選ぶときに手が止まるのは、結婚に関わる贈り物だからです。 結婚祝いには結び切りを使うと覚えているぶん、 同じ「結婚」という字の付く記念日にも結び切りを使うのではないか、という迷いが生まれます。
判断の軸はその出来事が一度きりかどうかの一点にあり、 結婚そのものは繰り返さないほうがよい出来事ですので結び切りを使いますが、 結婚記念日は毎年めぐってくるもので、 何度あっても喜ばしい出来事にあたりますので、ほどいて結び直せる蝶結びを使います。
| 場面 | 水引の結び方 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 結婚記念日のお祝い | 紅白の蝶結び(もろわな結び)を選びます | 毎年めぐってくる、何度あってもよい祝いです |
| 現金を包む場合 | 紅白または金銀の蝶結びを選びます | 金婚式のような大きな節目では金銀も使われます |
| お返しの掛け紙 | 同じく紅白の蝶結びを掛けます | お返しの側も、結び方は変わりません |
| 結婚祝い(挙式・入籍) | 紅白の結び切りを選びます | 一度きりであってほしい祝いにあたります |
| 出産祝い・長寿祝い | 紅白の蝶結びを選びます | 結婚記念日と同じ考え方で分けられています |
| 弔事 | 結び切りで、色は黒白などを用います | 慶事の紅白とは、色から分かれます |
水引と表書きは、三越伊勢丹が図つきで案内している形に沿っています。同社は贈る側を紅白のもろわな結び、現金の場合は紅白または金銀のもろわな結びとし、表書きを「〇〇婚式御祝」「御祝」としています。地域によって呼び方や結び方の慣習が残っている場合がありますので、迷ったときは売り場で用途を伝えて選んでもらうのが確実です。(最終確認:2026年8月)
のし(右上に付く飾り)は付いたものを選んでください。 のしはもともと縁起物を添えた名残ですので、慶事の贈り物には付けるのが本来の形にあたり、 市販の紅白蝶結びののし紙はほとんどがのし付きになっています。
生ものを贈る場合はのしを付けないという考え方が残っていますが、 結婚記念日で魚や肉そのものを贈ることは多くありません。 かつお節のように乾いた品はのし付きで扱う店がほとんどですので、 迷ったときは売り場で用途を伝えて選んでもらってください。
表書きの書き方|「金婚式御祝」と「御祝」
のし紙の上段に何と書くかは、年数が分かっているかどうかで変わります。 今年が何婚式にあたるかを家族のあいだで確かめきれていないまま 売り場に立つことも多く、その場で書き方を決められずに困ることがあります。
書き方には婚式の名を入れる形と、入れない形の二通りがあり、 名を入れれば何の祝いかが一目で伝わる一方、 年数を取り違えると受け取った側が気づいてしまいますので、 確信が持てないときは名を入れないほうが安全です。
| 表書き | 使う場面 | 書くときの注意 |
|---|---|---|
| 金婚式御祝 | 結婚50年目と分かっている場合に使います | 五文字で収まるため、字数の面で引っかかりません |
| 銀婚式御祝 | 結婚25年目と分かっている場合に使います | 同じ形で、婚式の名だけを差し替えます |
| 祝結婚記念日 | 年数が分からないときに広く使えます | 結婚記念日全般に使える書き方です |
| 御祝 | 何婚式か確かめきれない場合に使います | 短くても、慶事の表書きとして成り立ちます |
| 祝 金婚式 | 「祝」を頭に置く形も案内されています | 四文字を嫌う考え方から、間を空けて書きます |
| 結婚五十周年御祝 | 名称の食い違いを避けたい場合に向きます | 年数を数字で書けば、取り違えようがありません |
表書きの字数を四文字にしない、という考え方が贈答の慣習として残っています。「祝金婚式」は詰めて書くと四文字になりますので、「金婚式御祝」のように五文字で収めるか、「祝 金婚式」と間を空ける形が案内されています。気にしない家も多い部分ですが、五文字で書いておけば、どちらの立場の相手にも引っかかりません。
名称そのものが資料によって食い違う年もあり、 二十年目を磁器婚式とする一覧と陶磁器婚式とする一覧が並んでいますし、 六十年目と七十五年目でダイヤモンド婚式の位置が変わる資料もありますので、 節目の名前に自信が持てないときは「結婚〇〇周年御祝」と数字で書いてください。
墨の色は濃いものを使い、薄墨は弔事に用いるものですので慶事には使いません。 毛筆か濃い筆ペンで書くのが正式で、 サインペンは略式の扱い、ボールペンや万年筆は避けるよう案内されています。 目的別の一覧はのしの表書き|目的別の書き方一覧にまとめました。
名前の書き方|連名・きょうだい・孫一同
表書きが決まっても、下段に書く名前のところでもう一度手が止まります。 金婚式のようにきょうだいがそろって贈る場面では、 何人ぶんの名前を並べるのか、姓を繰り返すのかどうかが分かりにくくなります。
考え方は三人までは並べ、四人以上は「一同」にまとめるという区切りで足ります。 名前を詰め込むと文字が小さくなって読みにくくなりますし、 受け取った側が誰から贈られたものかを判断しにくくなりますので、 人数が増えたら「一同」でまとめて、別紙に全員の名前を書き添えます。
| 贈る人 | 書き方 | 添えるもの |
|---|---|---|
| 一人で贈る | 水引の下の中央に、姓名を書きます | 表書きより、やや小さめの字で書きます |
| 夫婦で贈る | 夫の姓名を書き、左に妻の名だけを添えます | 姓を二度書かず、名だけを並べます |
| きょうだい三人まで | 年長者から順に、右から並べて書きます | 姓が同じであれば、姓は一度で足ります |
| きょうだい四人以上 | 「子供一同」とまとめて書きます | 別紙に全員の名前を書いて中へ入れます |
| 孫からまとめて | 「孫一同」と書きます | 別紙に名前を並べると、誰からか伝わります |
| 家族全員で | 姓に「家一同」を付けて書きます | 同じく、別紙に名前を書き添えます |
別紙に名前を書いて添えるところまでが一組になります。「子供一同」とだけ書かれた品を受け取っても、誰が加わっているのかが分かりませんし、後日お礼を伝えるときに漏れが出ます。半紙や便箋に年長順で名前を並べ、品といっしょに包んでおけば、受け取った側が困りません。連名の細かい形は、のしの名前の書き方の記事にまとめてあります。
きょうだいで名前を並べる場合、右から左へ年長順に書いていきます。 これは向かって右側が上位という考え方によるもので、 夫婦で贈るときに夫の姓名を右に置くのも同じ理由です。
名字の異なるきょうだいが並ぶ場合は、それぞれの姓名を書いてください。 結婚して姓の変わった人が含まれる家では姓を省けず、 三人までであっても字数が増えることになりますので、 連名の細かい形はのしの名前の書き方・連名にまとめてあります。
現金を包む場合|袋の選び方と新札
品物ではなく現金を包むと決めた場合、 袋の見た目をどこまで華やかにするかで手が止まります。 売り場には水引の細いものから、飾りの大きなものまで並んでいて、 どれが金婚式に合うのかが分かりにくくなっています。
選び方の軸は包む額と袋の格をそろえるという一点にあり、 少ない額を豪華な袋に入れると開けたときに落差が出ますし、 逆に大きな額を簡素な袋に入れると軽く見えますので、 額が決まってから袋を選ぶ順にすると迷いません。
| 包む額 | 選ぶ袋 | 書き方 |
|---|---|---|
| 1万円前後 | 紅白の蝶結びで、水引が印刷された袋を選びます | 表書きと姓名を、濃い墨で書きます |
| 2万〜3万円 | 紅白の蝶結びで、水引が掛かった袋を選びます | 中袋に金額と住所を書き添えます |
| 5万円以上 | 金銀の蝶結びで、あらたまった袋を選びます | 金額は旧字体で書くと、書き足されません |
| 中袋が無い袋 | 半紙で包んでから、袋へ入れます | 包んだ紙の表に、金額を書いておきます |
| 子ども一同でまとめる | 額に見合う袋を、代表者が用意します | 別紙に全員の名前を書いて中へ入れます |
| 当日に持参する | 袱紗に包んで持ち、席で取り出します | 袋のまま鞄に入れると、角がつぶれます |
慶事では、折り目の付いていない新しいお札を用意しておきます。あらかじめ用意して待っていたという意味になるためで、これは弔事とちょうど逆の考え方にあたります。弔事で新札を避けるのは、不幸を予期して用意していたと受け取られないためですので、同じ紅白の袋を扱っていても、お札の扱いは慶事と弔事で反転します。銀行の窓口かATMで両替できますので、前日までに用意しておいてください。
金額を中袋に書くときは、壱・弐・参・伍・拾といった旧字体を使います。 あとから書き足せない字体で書くという習わしによるもので、 金三萬円、金伍萬円のように「金」を頭に付けて書きます。
四と九のつく額を避ける考え方は、結婚記念日でも使われています。 結婚祝いのように偶数を避ける必要はないとされていますので、 二万円という額はそのまま使えますし、 お札の向きと中袋の書き方は現金の包み方・お札の向きにまとめてあります。
内のしと外のし、どちらにするか
品物を買うときに「のしは内と外のどちらにしますか」と聞かれて、 その場で答えられずに店員さんを待たせてしまうことがあります。 違いを説明されないまま選ばされる場面も多く、判断が付きにくいところです。
分かれ目は手渡すか、配送するかという一点にあります。 包装紙の外にのし紙を掛けるのが外のしで、渡した瞬間に何の贈り物かが伝わる一方、 配送の途中で擦れて傷みますし、内のしはその逆で、 輸送で傷むことがないかわりに、包みを開けるまで何の贈り物かが見えません。
| 掛け方 | 向いている場面 | 理由 |
|---|---|---|
| 外のし | 食事の席などで、手渡しする場合に向きます | 渡した瞬間に、何の祝いかが伝わります |
| 内のし | 配送で届ける場合に向いています | 包装紙に守られ、輸送中に傷みません |
| 内のし | 控えめに渡したい場合にも選ばれます | 表に出ないぶん、しつらえが静かになります |
| 外のし | 席に複数の贈り物が並ぶ場合に向きます | 誰から何が届いたかを、その場で分けられます |
| 迷った場合 | 手渡しなら外、送るなら内で足ります | この二つで、ほとんどの場面が収まります |
| お返しの品 | 内のしを選ぶ家が多く見られます | 祝われた側が、控えめに返す形になります |
金婚式の食事会でその場で渡すのであれば、外のしのほうが席で分かりやすくなります。贈り物が何組か並ぶことも多く、包装紙だけでは誰から届いたものか区別がつかなくなりますし、あとから両親がお礼を伝えるときにも役立ちます。逆に当日に行けず配送で届ける場合は、内のしにしておけば掛け紙が擦れませんので、この二つの場面で使い分けておけばほとんどの場合が収まります。
配送で届ける場合、贈り物だけが先に着いてしまうことがあります。 短い手紙を同梱するか、届く日に電話で一言伝えておけば、 何のために届いたのかが分かりますので、 受け取った側が戸惑わずに済みます。
店で包んでもらうときは、用途を「両親の金婚式」と伝えてください。 それだけで表書きと掛け方の相談まで受けてもらえますし、 売り場によっては記念日向けの包装紙を出してもらえます。
お返しののしは、名前の向きが変わる
子どもたちから祝ってもらった側が記念の品を返す場合、 掛け紙は同じ紅白の蝶結びですので、そのまま同じ書き方でよいと考えてしまいがちですが、 実際には表書きも名前も、贈る側に用意したものとは別のものになります。
向きが変わるのは名入れのところで、 贈る側は贈った人の姓名を書きますが、 お返しでは祝われた夫婦の姓名を書きますので、 同じ見た目の掛け紙で、書かれる名前が入れ替わることになります。
| 立場 | 表書き | 名入れ |
|---|---|---|
| 祝う側(贈る) | 金婚式御祝、御祝と書きます | 贈る人の姓名を書きます |
| 祝われた側(返す) | 金婚式記念、内祝と書きます | 祝われた夫婦の姓名を書きます |
| 食事会で配る場合 | 金婚式記念と書きます | 同じく、夫婦の姓名を書きます |
| 引出物として渡す | 金婚式記念と書き、席で持ち帰ってもらいます | 夫婦の姓名を書いて掛けます |
| 水引 | どちらも紅白の蝶結びです | 結び方は、立場によって変わりません |
| 掛け方 | 手渡しなら外のし、配送なら内のしです | お返しは内のしを選ぶ家が多く見られます |
同じ紅白の蝶結びなので、掛け紙だけを見ると贈る側と返す側の区別が付きません。三越伊勢丹は結婚記念のお返しについて、表書きを「〇〇婚式記念」「内祝」、名入れを「夫婦の姓名」と明記しています。祝う側の袋と返す側の掛け紙を同じ日に用意すると取り違えやすくなりますので、書いたあとに一度、どちらの立場から書いたものかを声に出して確かめてください。
お返しそのものが必ず要るわけではなく、 結婚記念日は身内で祝う私的な行事にあたりますので、 内祝いのように半返しをする慣習は求められていませんが、 記念となる品を渡す家は多くあります。
食事会を開いてもらった場合は、その席で引出物として持ち帰ってもらう形が案内されています。 後日あらためて送る手間がありませんので、 集まってもらった当日に渡せる品を用意しておくと収まりがよくなりますし、 何を選べばよいかは結婚記念日に何を贈る?お返しはにまとめてあります。
のしの書き方に一つだけの正解があるわけではなく、 婚式の名を入れる形も「御祝」とだけ書く形もどちらも通用しますので、 年数に確信が持てるかどうかで選べば足りますし、 名称が資料によって食い違う年であれば、数字で書いてしまえば取り違えようがありません。
どの場面でも変わらないのは、水引が紅白の蝶結びであることと、 贈る側とお返しの側で名入れが入れ替わることの二つだけで、 この二つさえ押さえておけば、表書きの言葉づかいが多少違っていても、 受け取った側が困ることはありません。
よくある質問
結婚記念日ののしは蝶結びと結び切りのどちらですか。
紅白の蝶結び(もろわな結び)です。結婚記念日は毎年めぐってくる、何度あっても喜ばしい出来事にあたるためで、一度きりであってほしい結婚祝いに使う結び切りとは分かれます。
金婚式の表書きは何と書きますか。
「金婚式御祝」と書いておけば間違いがありません。年数に自信がないときは「御祝」または「祝結婚記念日」と書けば、どの年でも通用します。名称の食い違いを避けたい場合は「結婚五十周年御祝」と数字で書いてください。
「祝金婚式」と書いても構いませんか。
案内されている書き方の一つですが、詰めて書くと四文字になります。表書きを四文字にしない考え方が慣習として残っていますので、「金婚式御祝」と五文字にするか、「祝 金婚式」と間を空けて書くほうが無難です。
きょうだい四人で贈る場合、名前はどう書きますか。
「子供一同」とまとめて書き、別紙に全員の名前を年長順で書き添えます。三人までであれば、右から年長順に姓名を並べて書きます。姓が同じであれば、姓は一度で足ります。
現金を包むときは新札を使いますか。
慶事ですので、折り目の付いていない新しいお札を用意します。弔事で新札を避けるのとは逆の考え方にあたりますので、混同しないようご注意ください。前日までに銀行の窓口かATMで用意しておくと確実です。
お返しののしには誰の名前を書きますか。
祝われた夫婦の姓名を書きます。表書きは「金婚式記念」または「内祝」です。祝う側と同じ紅白の蝶結びを使うため掛け紙の見た目は同じですが、書く名前が入れ替わりますのでご注意ください。
まとめ
- 水引は紅白の蝶結びを選びます
- 表書きは「金婚式御祝」または「御祝」と書きます
- 年数に自信がないときは、数字で「結婚五十周年御祝」と書きます
- 名前は三人までを並べ、四人以上は「一同」でまとめます
- 「一同」と書いた場合は、別紙に全員の名前を添えます
- 現金は新札を用意し、袋の格を額に合わせます
- 手渡しなら外のし、配送なら内のしにします
- お返しの名入れは夫婦の姓名に変わります
参考情報
- 三越伊勢丹「お祝い・お見舞いを贈る/結婚記念(金婚式・銀婚式など)」
https://www.mistore.jp/miguide/manner/oiwai/index09.html - 三越伊勢丹「お返しを贈る/結婚記念(金婚式・銀婚式など)」
https://www.mistore.jp/miguide/manner/uchiiwai/index09.html - 熨斗つくーる「結婚記念日用の表書きと水引・のしの選び方」
https://tcool.jp/b14/ - 阪急百貨店「金婚式とはどんなイベント?お祝いの仕方やマナー、喜ばれるメッセージを解説」
https://web.hh-online.jp/hankyu-food/blog/lifestyle/detail/001451.html
水引・表書き・名入れは三越伊勢丹の案内に沿っています。同社は贈る側を紅白のもろわな結び(現金なら紅白または金銀)、表書きを「〇〇婚式御祝」「御祝」とし、お返しを「〇〇婚式記念」「内祝」で名入れは夫婦の姓名としています。地域によって呼び方や結び方の慣習が残っている場合があります。(最終確認:2026年8月)
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。結婚記念日は夫婦の私的な記念日であり、地域・ご家庭によって考え方が大きく異なります。ごきょうだいや親族で前に祝った例があるときは、そちらに合わせるほうが角が立ちません。