結論
香典は1世帯で1つにまとめて包み、夫婦それぞれが別々に袋を用意することはしません。 二つに分けてしまうと、施主は同じ住所へ返礼を二つ手配することになりますので、 こちらの気遣いとは別のところで手間だけが増えることになります。
ただし法事では会食が2人分用意されることになりますので、 関係に応じた基本額へ1万〜2万円を足しておくのが目安になります。 名前のほうは夫のフルネームを中央に書き、その左へ妻の名前だけを添える形になります。
夫婦で出席する場合の目安(四十九日・一周忌)
| 関係 | 基本額 | 会食あり・夫婦2人 |
|---|---|---|
| 祖父母・兄弟姉妹 | 1〜3万円ほどを基本にします | 2〜5万円ほどを包むことになります |
| 叔父・叔母 | 5千〜2万円ほどが目安になります | 2〜3万円ほどにそろえて包みます |
| いとこ・その他の親族 | 5千〜1万円ほどが目安になります | こちらも2〜3万円ほどになります |
| 友人・知人 | 5千〜1万円ほどが目安になります | 2〜3万円ほどを包むことになります |
| 子ども同伴 | 基本額そのものは変わりません | 5千円程度を目安に足しておきます |
会食のない法要であれば、上乗せをせずに基本額のまま一世帯で一つ包めば足ります。右の欄は、会食の膳が夫婦二人分並ぶことを見込んだ額になっていますので、読経だけで解散する法要にはそのまま当てはまりません。
香典は世帯で1つ
夫婦そろって法事に呼ばれたとき、香典を二つに分けて包むべきなのか、それとも一つにまとめてしまってよいのかというところで、 売り場で袋を手に取る段階から迷うことになります。二人で出るのだから二人分という考え方も、そこでは自然に思えます。
判断の分かれ目は、香典を人の数で数えるのか、それとも家の単位で数えるのかという一点にあります。 受付の机に置かれた芳名帳も、後日届く返礼の品も、法事の場では世帯を単位として並べられていきますので、 そこに合わせておけば、包む側も受け取る側も数え方でずれることがありません。
| 形 | 扱い |
|---|---|
| 夫婦で1つ | これが基本の形になり、袋も一つで足ります |
| それぞれが1つずつ | 同じ世帯へ返礼が二つ用意されることになります |
| 受付での出し方 | 世帯の代表がまとめて一つを差し出します |
| 葬儀のとき | こちらも同じ考え方で一つにまとめます |
「一家からひとつ」という形が基本になるのは、返礼が世帯ごとに用意されるためです。二つに分けて包むと、施主は同じ住所へ同じ品を二つ手配することになりますので、渡した側の気遣いとはまったく別のところで手間だけが生まれます。
受付に置かれている芳名帳は、たいてい一行に一世帯分の住所と氏名を書き入れる形になっていますので、 夫婦それぞれが袋を差し出してしまうと、その欄をどう埋めるかで受付の方を迷わせることになります。
袋を一つにまとめておけば記帳も一行で済みますし、後日その控えを見ながら返礼を手配する施主の側にも、 誰へいくつ返すのかで悩ませずに済みます。同じ数え方は葬儀のときにも通じますので、そこで迷うことはありません。
会食分の上乗せ
法事が葬儀と大きく違うのは、読経のあとに会食(お斎)の席が組まれるという点にあります。 料理屋の座敷や会館の別室には、集まった人数分の膳があらかじめ並べられていますし、 その数は当日に増やせるものではなく、出欠の返事をもとに前もって決められています。
夫婦で出席すればその膳も当然二人分になりますので、関係に応じた基本額をそのまま包んでよいのか、 それとも食事の分を足しておくのかというところで、包む額が分かれることになります。
| 状況 | 上乗せ |
|---|---|
| 会食あり・夫婦2人 | 1万〜2万円ほどを基本額に足します |
| 会食あり・1人 | 5千〜1万円ほどを足しておきます |
| 会食なし | 上乗せは要りません。基本額のまま包みます |
| 会食を辞退する | 上乗せは不要で、事前にその旨を伝えます |
| 折詰を持ち帰る | 会食ありと同じ扱いにして上乗せします |
一人あたり5千〜1万円というのは、会食の実費に相当する額として置かれているものです。ご祝儀ほど厳密なものではありませんが、二人分の席を用意してもらう以上、一人分のままにしておくと、その差はそのまま施主の負担へ回ることになります。
会食があるかどうかは案内状で確かめられ、法要のあとに粗餐を用意しているという一文が添えられていれば、 そのぶんを見込んで包むことになります。何も書かれていない場合には、読経だけで解散することもあります。
判断がつかないまま当日を迎えるより、出欠の返事を出すときに出席する人数を伝えておくほうが確実です。 欠席するのであれば、誰も座らない席と手の付かない膳を残さないよう、日取りの決まった時点で知らせておいてください。
会食がある場合の金額を詳しく見る名前の書き方
包む額が決まると、今度は表書きの下へ誰の名前を書くのかというところで筆が止まり、 夫婦二人の名を並べるのか、世帯主の名だけにしておくのかで迷うことになります。
ここでの判断の軸は、故人とどちらの縁が深いかという一点になります。 夫の親族の法事なのか妻の親族の法事なのかによって、中央に据えるべき名前のほうが入れ替わることになりますので、 袋を買ってきてすぐに書き始めるのではなく、そこを決めてから筆を取るほうが書き直さずに済みます。
| 状況 | 書き方 |
|---|---|
| 夫婦そろって出席 | 夫のフルネームの左へ妻の名前だけを添えます |
| 世帯主のみ書く | 夫のフルネームだけでも差し支えありません |
| 妻側の親族の法事 | 妻のフルネームを中央にしても構いません |
| 妻が夫の代理 | 夫の名の左下へ小さく「内」と書き添えます |
妻の名前に姓を繰り返さないのは、同じ世帯であることが中央の氏名で分かるためです。中袋の裏には世帯の住所と氏名を書いておいてください。施主が返礼の宛先を書き写すときに、そのまま使える形になります。
筆ペンを手にしてから、妻の名前をどの高さに置くのかで手が止まることがありますが、 中央に夫のフルネームを書き、その左へ下の名前だけを並べておけば、それ以上に整える必要はありません。
妻の実家の法事に夫婦で出るような場合であれば、妻のフルネームを中央に据えておいても構いません。 故人との縁が深いほうを中央にしておくと、受付でも施主の手元でも、どの家から届いた香典かがすぐに分かります。
香典袋の書き方を詳しく見る片方だけ出席する場合
仕事の都合や体調の事情で、夫婦のうち片方だけが法事へ向かうことがあり、 平日の午前に営まれる法要では、そう珍しい形でもありません。 二人分の喪服を出しておきながら、片方だけを衣装かけに戻すという朝は、どの家にも起こります。
このとき迷うのは金額よりも名前の書き方のほうで、世帯としてまとめて包むのか、 それとも来られない本人の代理として出るのかによって、袋の表に書くものが変わってきます。
| 状況 | 香典 | 名前 |
|---|---|---|
| 夫だけ出席 | 基本額に1人分の会食代を足します | 夫のフルネームだけを書きます |
| 妻が夫の代理 | こちらも1人分を足して包みます | 夫の名に「内」を添えます |
| 妻だけ出席(妻側の親族) | 同じ考え方で1人分を足します | 妻のフルネームを中央に書きます |
代理で出席するのであれば、施主に向かって「〇〇の代理でまいりました」と伝えておけば足ります。本人が来られない事情まで長く説明する必要はありません。その場は法要のために集まっている場ですので、短く済ませておくほうが収まります。
席に着いてから周りの親族に連れ合いのことを尋ねられることもありますが、 仕事の都合で伺えませんでしたと一言添えるだけで済み、それ以上の説明を求められることはまずありません。
包む額のほうは、出席する一人分の会食代を基本額に足すという形になりますので、 二人分を見込んでおく必要はありません。膳が一つしか並ばない以上、その数に合わせておけば過不足が出ません。
子どもを連れて行く場合
小さな子どもを預ける先がないまま法事の日を迎えると、そもそも連れて行ってよいものか、 連れて行くのであれば香典を増やすのかというところで、返事を書く手が止まることになります。
ここで見ることになるのは頭数ではなく膳の数のほうで、 子どもの分の食事が用意されるかどうかによって、上乗せをするかしないかが決まってきます。 同じ子ども連れであっても、抱いたままの乳児と、椅子に座って箸を持つ年齢とでは扱いが分かれます。
| 状況 | 上乗せ |
|---|---|
| 子ども用の食事が出る | 5千円程度を目安に足しておきます |
| 乳幼児で食事が要らない | 上乗せは要らず、基本額のままで足ります |
| 成人して別世帯 | その子が別に包むことになります |
香典そのものは世帯で一つのままで、子どもの分を別に包むということはしません。増えるのは膳の数だけになりますので、席が用意されるときにその実費を足しておく、という考え方で足ります。
施主は仕出しの数を出欠の返事から数えて注文していますので、当日になって子ども連れで現れると、 座布団も膳も足りないまま読経が始まることになり、法要の途中で追加を頼むわけにもいきません。
連れて行くと決めたのであれば、出欠の返事のときに子どもの年齢まで添えて伝えておいてください。 食事が要る年齢かどうかで手配そのものが変わりますので、施主の側もまさにそこを知りたがっています。
葬儀との違い
同じ故人を悼むために集まる場でありながら、葬儀のときに包んだ額と法事で包む額とでは考え方が違い、 あのときと同じでよいのだろうかというところで、また迷うことになります。
分かれ目になるのは席と膳の有無です。急な知らせで人が集まる通夜や葬儀の場と、 日取りを決めて出欠を数えたうえで営まれる法事とでは、施主が用意するものの性質そのものが変わってきます。
| 項目 | 法事 | 葬儀 |
|---|---|---|
| 香典の数 | 世帯で1つにまとめて包みます | 同じく世帯で1つにまとめます |
| 2人分の上乗せ | 会食があるため上乗せします | 慣習としては上乗せしません |
| 名前 | 夫の名に妻の名前を添えて書きます | こちらも同じ書き方になります |
葬儀では、通夜振る舞いの食事代を計算して上乗せするという慣習がありません。法事のほうで上乗せするのは、あらかじめ人数を数えたうえで席が用意される会食だからで、二つの場を分けているのはその一点だけになります。
通夜振る舞いの席は、大皿に盛られた料理を集まった人で取り分けていく形になることが多く、 誰が何人分を口にしたのかを数えられるような作りには、そもそもなっていません。
一方で法事の会食は、一人ずつの膳が席に並ぶ形になりますので、出席する人数がそのまま費用に直結します。 上乗せをするかしないかという違いは、作法の差ではなく、この場の作りの違いから来ています。
葬儀で夫婦参列する場合を見る包み方に一つだけの正解があるわけではなく、香典は世帯で一つにまとめるという形と、 会食の膳が何人分並ぶのかという二つを押さえておけば、額はそこで決まります。 読経だけで解散する法要であれば基本額のまま包めばよいですし、 夫婦二人分の膳が並ぶのであれば、そのぶんを足しておけば形は整います。
どの場面でも変わらないのは、出欠を早めに伝えるという一点だけになります。 席と膳の数は返事の数から決められていきますので、そこさえ先に知らせておけば、 名前の書き方を細かく思い出せなくても施主に迷惑はかかりませんし、 こちらも当日は法要そのものに気持ちを向けていられます。
よくある質問
夫婦で出席する場合、香典は2つ包みますか?
1つにまとめます。それぞれが別に包むと、施主が同じ世帯に返礼を2つ用意することになります。「一家からひとつ」が基本の形です。
2人分の会食代を上乗せしますか?
上乗せします。1人あたり5千〜1万円が目安なので、夫婦2人なら1万〜2万円です。2人分の席を用意してもらう以上、1人分のままでは施主の負担になります。会食がなければ上乗せは不要です。
香典袋の名前はどう書きますか?
夫のフルネームを中央に書き、その左側に妻の名前(下の名前のみ)を添えます。姓は繰り返しません。世帯主のフルネームだけでも差し支えありません。妻側の親族の法事なら、妻のフルネームを中央にしても構いません。
妻が夫の代理で出席する場合はどうしますか?
夫のフルネームを書き、その左下に小さく「内」と書きます。施主には「〇〇の代理でまいりました」と伝えます。本人が来られない事情を長く説明する必要はありません。
子どもを連れて行く場合、香典は増やしますか?
香典自体は増やしません。世帯として1つのままです。ただし子ども用の食事が用意される場合は、5千円程度を上乗せします。連れて行くかどうかは、席と食事の数に関わるため事前に施主へ伝えます。
葬儀のときも2人分を上乗せしますか?
葬儀では、通夜振る舞いの食事代を計算して上乗せする慣習はありません。法事で上乗せするのは、席が用意される会食があるためです。
まとめ
- 香典は世帯で1つにまとめます
- 会食があれば1万〜2万円を上乗せします
- 会食がなければ上乗せは要りません
- 名前は夫のフルネームの左へ妻の名前だけを添えます
- 代理で出るなら左下に小さく「内」と書きます
- 子ども同伴は食事が出れば5千円ほどを足します
- 席と食事の数に関わるので出欠は早めに伝えます
参考情報
- 共生大龍「香典の金額相場|法事別・関係性別の一覧表【葬儀・四十九日・一周忌】」
https://www.kyosei-tairyu.jp/houji/kouden/kouden-kingaku-souba.html - 横浜そうぎ社「四十九日・一周忌・三回忌の香典金額早見表(続柄別・地域別)」
https://y-osohshiki.com/column/1291 - 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「香典袋とは:御仏前?御霊前?迷った時の香典袋の書き方とマナー」
https://www.zensoren.or.jp/dictionary/dictionary22/
本サイトの金額は、参照した情報源を照合したうえで四十九日・一周忌の早見表に統一しています。四十九日から回を重ねるにつれて相場が下がる傾向は、複数の情報源で一致しています。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。法要の香典は、地域・宗派・ご家庭の慣習によって異なります。とくに水引の色は地域差が大きいため、ご親族や地元の葬儀社にご確認ください。