結論

連名の宛名では名前を並べた数だけ「様」を置くのが決まりで、 「〇〇 〇〇・〇〇様」のように中黒でつないでしまいますと、 あとの一人にしか敬称が付いていない形になります。

会社宛では「御中」と「様」を併用しませんので、 届けたい相手が個人であれば会社名には何も付けずに氏名へ「様」を置き、 部署や会社そのものへ宛てるのであれば末尾に「御中」を置いてください。

基本の配置

宛名面を前にして最初に迷うのは、どこから書き始めるかではなく、 住所と名前と差出人をそれぞれどれくらいの大きさで書くのかという点です。 定規を当てて測るものでもありませんので、一枚目を書き終えてから字の大きさがそろっていないことに気づきます。

配置で効いてくるのは位置そのものよりも文字の大きさの順序で、 すべて同じ大きさで書いてしまいますと、受け取った側がどこを見ればよいのか分からない面になります。 宛名がいちばん大きく、住所がそれに次ぎ、差出人がもっとも小さいという順序さえ保たれていれば、 多少の傾きは気になりません。

はがき表面の配置

年賀状の宛名面の配置 右上に郵便番号、右側に住所を上から書き、中央に宛名を大きく書きます。左下に差出人の住所と氏名を小さく書きます。 郵便番号 住 所 宛 名 様 差出人の住所 氏名(小さく)
要素位置と大きさ
郵便番号右上に並んだ枠の中へ一桁ずつ収めます
住所右側に、郵便番号の枠の右端へ揃えて書き始めます
宛名面の中央に、もっとも大きな字で書きます
差出人左下に、宛名より小さな字で添えます

四つのうちどれか一つを崩すとしても、宛名がいちばん大きいという関係だけは動かさないでください。住所や差出人の字が宛名より目立つ面は、書いた本人が思う以上に落ち着かなく見えますし、名前より先に番地へ目が行くことになります。

郵便番号の枠は右上に七つ並んでいますので、住所はその枠の右端へ合わせて書き始めますと、 はがき全体の右肩がそろって見えます。 左へ寄せて書き出してしまいますと、宛名を置く中央の余白が狭くなり、名前のほうを小さく詰めることになります。

差出人を裏面ではなく表面の左下へ入れる場合は、宛名より二回りほど小さな字にしておけば、 面の重心が中央から動きません。 書き終えたところで一度腕を伸ばして眺めてみますと、大小の順序が崩れていないかがその場で分かります。

連名の書き方

夫婦や家族へまとめて送る一枚では、名前を何人分まで並べてよいのかと、 敬称をどこへ付けるのかで手が止まります。 こちらは家族そろって宛てたつもりでも、書き方によっては一人にしか宛てていない形になってしまいます。

連名でつまずくのは名前を並べる形を先に決めてしまい、敬称をあとから足そうとするためで、 「山田 太郎・花子様」のように中黒でつなぎますと花子さんにしか敬称が付きません。 分かれ目は名前の並べ方ではなく、一人ひとりの下に「様」が置かれているかどうかです。

状況書き方
夫婦山田 太郎様 花子様と書き、姓は一度だけ添えます
姓が違う山田 太郎様 佐藤 花子様と、姓も名も並べて書きます
家族全員山田 太郎様 ご家族様とまとめて書きます
子どもの名前も書く太郎様 花子様 一郎様と、全員に敬称を添えます

夫婦へ宛てるときは夫を右、妻を左に並べるのが通例です。書き並べるのは三名から四名までが目安で、それを超えるようでしたら代表者の名前に「ご家族様」を添えてまとめるほうが、面が詰まらずに済みます。

「山田 太郎・花子様」という形は年賀状でもっともよく見かける誤りで、 中黒でつないだ結果としてあとの一人にしか敬称が付いていません。 正しくは「山田 太郎様 花子様」と一人ずつ区切って書き、それぞれの名前の下に「様」を置いてください。

姓が違うご夫婦へ送る場合は「山田 太郎様 佐藤 花子様」と姓から二人分書き並べれば足りますし、 子どもの名前まで入れるのであれば、小学校に上がる前の子であれば「くん」「ちゃん」でもかまいません。 三名を超えて名前が並びますと一つひとつの字が小さくなっていきますので、そのときは「ご家族様」へ切り替えてください。

家族・子どもへ

子どものいる家庭へ送るときには、下の名前まで書き並べるかどうかと、 その敬称をどうするかで迷います。 まだ小学校に上がる前の子に「様」と書くのは仰々しく見えますし、 中学生になった子を去年のまま「ちゃん」にしておくのも落ち着きません。

敬称の選び方は相手の年齢と、その一枚がどれくらい改まった便りなのかで分かれますので、 同じ家庭へ送る場合でも前年と同じ書き方でよいとは限りません。 恩師のように、敬称そのものを重ねてしまいやすい相手もいます。

相手敬称
大人年齢にかかわらず「様」を付けます
子ども(小学生以下)「くん」「ちゃん」でもかまいません
子ども(中学生以上)「様」にしておくと丁寧に見えます
家族をまとめて代表者の名前に「ご家族様」を添えます
恩師「先生」だけを付け、「様」は重ねません

「先生様」は敬称が二つ重なった形になります。「先生」という語そのものが相手を高める働きを持っていますので、「様」を足す必要はなく「〇〇先生」で足りますし、同じ理由で「〇〇部長様」という書き方も避けられています。

「ご家族様」は代表者の名前に添えて使うもので「山田 太郎様 ご家族様」という形になりますから、 これだけを単独で宛名に置くことはありません。 似た言葉の「御一同様」は組織や集団へ向けたものですので、家庭へ送る一枚では「ご家族様」のほうが自然に収まります。

子どもの敬称は小学校を出るあたりを目安に「様」へ切り替えていきますと、 受け取った側にも成長を認めてもらえたように伝わります。 判断に迷うようでしたら家族全員に「様」を付けておけば、丁寧に過ぎることはあっても失礼にはなりません。

会社宛

取引先や上司へ会社宛で年賀状を出すときは、会社名と部署名と氏名が縦に並びますので、 その最後にどの敬称を置くのかで迷います。 個人に宛てているつもりでも、会社名まで書いてあるぶん「御中」を付けたくなります。

会社宛の敬称は届けたい相手が個人なのか組織なのかで決まりますので、 宛名の最後に置かれているのが人の名前か部署名かを見れば判断がつきます。 よくある誤りは、会社名にも氏名にも敬称を付けてしまう重複です。

宛先書き方
個人宛〇〇株式会社
営業部 部長 〇〇 〇〇様と、氏名の下に「様」を置きます
部署宛〇〇株式会社
営業部御中と、部署名の下に「御中」を置きます
会社宛〇〇株式会社御中と、社名の下に「御中」を置きます

「御中」と「様」は同じ一枚のなかで併用しません。「〇〇株式会社御中 〇〇様」という書き方は敬称が二重になりますので、個人へ宛てるのであれば会社名には何も付けず、氏名にだけ「様」を置いてください。

会社名は「(株)」と略さずに「株式会社」と書いておきますと、改まった便りとしての体裁が整います。 役職は氏名の前に置くのが決まりで、「営業部 部長 〇〇 〇〇様」という並びになりますし、 役職名が長くて一行に収まらないようでしたら、行を分けて書いてかまいません。

「〇〇部長様」と書いてしまうのは二重敬称とされますので、役職を氏名の前へ移して「部長 〇〇様」としてください。 役職そのものが相手を高めた言い方になっているため、 そこへ「様」を重ねますと同じ働きの語が二つ並ぶことになります。

住所の書き方

住所を書き写すときに引っかかるのは番地の数字で、 縦書きの面に「1-2-3」とそのまま並べてよいのか、それとも「一丁目二番三号」と改めるのかが分かれます。 前年に届いた年賀状を見比べてみても、送り主によって書き方はまちまちです。

数字の書き方は、はがきを縦に使うか横に使うかで自然に見える形が変わりますので、 面の向きを先に決めてから住所へ取りかかりますと迷いません。 どちらを選んでも読み手に伝わる中身は同じですから、判断の軸は読みやすさに置いてかまいません。

項目縦書き横書き
番地の表し方一丁目二番三号と漢数字で書きます1-2-3または1丁目2番3号と書きます
二桁の番地十二番地のように漢数字を並べます12番地とそのまま算用数字で書きます
読みやすさ漢数字のほうが縦の並びに収まります算用数字のほうが横に読み取りやすくなります
配達への影響どちらの表記でも支障は生じません同じく配達に支障はありません

数字の形より配達に効いてくるのは、省略せずに最後まで書いてあるかどうかです。都道府県から書き起こして建物名と部屋番号まで入れておけば、同じ町名に似た番地が並んでいても取り違えが起きませんし、長くて一行に収まらないときは二行に分けて、二行目を一文字下げて書きます。

縦書きの面へ算用数字を並べますと、数字のところだけ横を向いた形になって読み取りに間が空きますので、 漢数字にしておくほうが目が滑りません。 とはいえ「1-2-3」と書いたからといって配達に支障が出るわけではありませんから、書き慣れたほうを選んでかまいません。

差出人の住所も宛名と同じ形式でそろえておきますと、 一枚の面に漢数字と算用数字が混ざらずに済みます。 マンション名を省いて部屋番号だけにしたり、逆に部屋番号を落としたりしますと、 同じ建物に同じ姓の方が住んでいる場合には届きにくくなります。

よくある誤り

宛名でよくある誤りの多くは、手で書いているうちは気づくのに、 印刷ソフトへ住所録を読み込ませた瞬間から見落とされるようになります。 百枚を刷り上げてから一枚目を確かめて、同じ誤りが百枚分そろっていることに気づく形です。

とくに起きやすいのが連名で、名前を一つの欄にまとめて登録してありますと、敬称は末尾に一つしか付きません。 分かれ目は書き方を知っているかどうかではなく、 住所録へ入れた文字がそのまま面に出るという仕組みを踏まえているかどうかです。

誤り正しくは
山田 太郎・花子様山田 太郎様 花子様と一人ずつ書きます
〇〇株式会社御中 〇〇様〇〇株式会社 〇〇様と敬称を一つに絞ります
〇〇先生様〇〇先生とだけ書き、「様」は重ねません
〇〇部長様部長 〇〇様と役職を氏名の前へ移します
宛名より住所が大きい宛名をいちばん大きな字に書き直します
旧住所のまま前年に届いた年賀状で住所を確かめます

この六つのなかで印刷のたびに量産されてしまうのが、連名の敬称漏れです。氏名の欄に二人分をまとめて入れてありますと機械はその末尾へ「様」を一つ足すだけですので、宛名を刷る前に一枚だけ試し刷りをして、名前の数だけ「様」が並んでいるかを確かめてください。

連名の敬称漏れは、住所録の氏名欄に「太郎・花子」とまとめて入れてある家庭で起きます。 ソフトはその文字列の末尾へ「様」を一つ足すだけですから、 面に出るのは「山田 太郎・花子様」となり、あとの一人にしか敬称が付いていない形になります。

防ぐには氏名の欄を一人ずつに分けて登録し直すか、 面に出る形をそのまま「山田 太郎様 花子様」と打ち込んでしまうのが早い方法です。 刷り上がったあとで気づいた場合も、宛名の脇へ手書きで「様」を足すより、その分だけ刷り直すほうが体裁は整います。

年賀状の基本に戻る

宛名の書き方に一つだけの正解があるわけではなく、字の大きさも数字の表し方も、 受け取った方が読みやすいと感じる形であればそれで足ります。 縦書きに漢数字を使うか算用数字を使うかで届き方が変わることもありませんので、書き慣れたほうを選んでかまいません。

どの相手へ出すときも変わらないのは、名前の数だけ敬称を置くことと、 敬称を二つ重ねないことの二つだけで、この二点さえ守れていれば細かい体裁を思い出せなくても失礼にはなりません。 印刷を頼むのであれば、まとめて刷り上げてしまう前に一枚だけ目で確かめておいてください。

よくある質問

連名の宛名はどう書きますか?

名前を並べた数だけ「様」を置きます。「山田 太郎・花子様」は中黒でつないだためにあとの一人にしか敬称が付いておらず、「山田 太郎様 花子様」と一人ずつ区切って書くのが正しい形です。夫婦なら夫を右、妻を左に並べるのが通例になります。

家族全員に出す場合は?

代表者の名前に添えて「山田 太郎様 ご家族様」とします。書き並べるのは三名から四名までが目安で、それを超えるようでしたら「ご家族様」にまとめてください。子どもの名前も入れるなら、小学校に上がる前の子は「くん」「ちゃん」でもかまいません。

会社宛の「御中」と「様」はどう使い分けますか?

届けたい相手が個人なら「様」、部署や会社そのものへ宛てるなら「御中」で、同じ一枚のなかで併用しません。「〇〇株式会社御中 〇〇様」は敬称が二重になりますので、個人宛であれば会社名には何も付けず氏名にだけ「様」を置いてください。

「〇〇部長様」でよいですか?

役職そのものが相手を高めた言い方になっていますので、そこへ「様」を重ねると二重敬称とされます。役職は氏名の前へ移して「部長 〇〇様」と書き、役職名が長くて一行に収まらないようでしたら行を分けてかまいません。

恩師には「先生様」ですか?

「先生」という語そのものが相手を高める働きを持っていますので、「様」を重ねずに「〇〇先生」で足ります。同じ理由で「〇〇部長様」という書き方も避けられており、敬称は一つに絞るのが基本になります。

住所の番地は漢数字ですか?

縦書きなら「一丁目二番三号」と漢数字にしておくほうが目が滑らず読みやすくなりますが、「1-2-3」と書いても配達に支障はありません。都道府県から書き起こし、建物名と部屋番号まで省略せずに入れておくほうが確実です。

宛名と住所はどれくらいの大きさで書きますか?

宛名がいちばん大きく、住所がそれに次ぎ、差出人がもっとも小さいという順序を保ってください。すべて同じ大きさで書きますと、受け取った側がどこを見ればよいのか分からない面になり、名前より先に番地へ目が行くことになります。

印刷ソフトで宛名を刷るときの注意は?

住所録へ入れた文字がそのまま面に出ますので、氏名の欄に二人分をまとめて入れてあると敬称が末尾に一つしか付きません。まとめて刷り上げてしまう前に一枚だけ試し刷りをして、名前の数だけ「様」が並んでいるかを確かめてください。

まとめ

  • 連名は名前の数だけ「様」を置きます
  • 「太郎・花子様」はあとの一人にしか敬称が付いていません
  • 夫婦なら夫を右、妻を左に並べます
  • 三名から四名を超えたら「ご家族様」にまとめます
  • 「御中」と「様」は併用しません
  • 「先生様」「部長様」は敬称が二つ重なっています
  • 宛名をいちばん大きな字で書きます
  • 住所は都道府県から省略せずに書きます

参考情報

  1. 日本郵便「年賀状(年賀はがき)」
    https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/nenga/
  2. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx

年賀状の受付開始日・元日配達の投函期限は年によって変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。本記事の日付は例年の目安です。喪中の範囲や賀詞の使い分けには考え方に幅があるため、断定を避けて記載しています。

本記事で紹介している時期や作法は一般的な目安です。年賀状の受付開始日や元日配達の締切は年ごとに変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。喪中の範囲や過ごし方は、地域・ご家庭・宗派によって考え方が異なります。