結論
元日に届けたいのであれば12月25日までに投函しておけば間に合いますし、 松の内を過ぎてしまった場合は年賀状ではなく 寒中見舞いに切り替えることになります。
賀詞は目上の方には「謹賀新年」を使い、 「賀正」「迎春」は略式とされて敬意を表す語が入っていませんので、 上司や恩師に宛てる一枚では選ばないほうが無難です。
時期の早見表
12月に入って郵便局の窓口に年賀はがきが平積みになると、 そろそろ書かなければと思いながらも、 いつ出せば元日に届くのかという一点が毎年あいまいなまま過ぎていきます。 年末の予定が立て込むほど、投函が押し出されていくのも例年どおりです。
押さえておきたいのは締め切りが二段構えになっていることで、 元日に届けるための期限と、年賀状として出してよい期限は別物ですから、 前者を過ぎたからといって書くのをやめる必要はありませんし、 後者を過ぎたときは出すものそのものが変わります。
| 時期 | 出すもの |
|---|---|
| 12月15日ごろ〜25日 | 年賀状を出します。25日までなら元日に届きます |
| 12月26日〜31日 | 年賀状として出せますが、元日には届きません |
| 元日〜松の内 | 年賀状のまま、届いた順に返して差し支えありません |
| 松の内明け〜立春(2月4日ごろ) | 寒中見舞いに切り替えます |
| 立春〜2月末ごろ | 余寒見舞いとして出します |
松の内は関東が1月7日、関西が1月15日までとされており、地域によって1週間以上ずれます。相手の地域が分からないときは1月7日を区切りにしておけば、どちらの慣習でも問題になりません。受付開始日と元日配達の締切は年によって変わりますので、その年の案内をご確認ください。
おおむね12月15日ごろに受付が始まり、25日までの投函で元日に届く、という運用が続いていますが、 これは毎年決まっている日付ではありません。 年末年始の曜日の並びや配達の体制によって前後しますので、 その年の日本郵便の案内で確かめてから予定を組んでください。
25日を過ぎてしまった場合でも、年賀状として出すこと自体に問題はありません。 三が日を過ぎて届くと相手が返事を書く時間が短くなりますが、 松の内のうちに届いていれば年賀状として成り立ちますので、 間に合わないからと寒中見舞いに切り替える必要はまだありません。
投函時期を詳しく見る書き方の基本
印刷済みのはがきを買ってきて、余白に一言だけ書き足そうとすると、 その一言がお礼なのか、近況なのか、これからのお願いなのかで手が止まります。 印刷面にすでに「あけましておめでとうございます」と入っていれば、 その先に何を続けるかが決まりません。
年賀状の文面は五つの要素が決まった順に並ぶ形になっていますので、 印刷面がどこまでを埋めているかを見て、残りを手書きで足すと考えると迷いません。 多くの既製品は賀詞と日付だけが入っていますから、間の三つが手書きの範囲になります。
| 順番 | 書く内容 |
|---|---|
| 1. 賀詞 | 「謹賀新年」など、新年を祝う言葉から始めます |
| 2. お礼の挨拶 | 「旧年中は大変お世話になりました」と続けます |
| 3. 抱負やお願い | 「本年もよろしくお願いいたします」と結びます |
| 4. 相手を気遣う言葉 | 「皆さまのご健康をお祈りいたします」と添えます |
| 5. 日付 | 「令和〇年 元旦」と入れて締めくくります |
「元旦」は1月1日の朝を指しますので、「一月元旦」も「元旦の朝」も同じ意味が重なった形になります。元日以降に届く見込みであれば「正月」とするほうが正確ですが、実際には元旦と書かれた年賀状がほとんどで、日付のずれを指摘されることはまずありません。
文面で迷いやすいのが句読点で、 年賀状では「、」や「。」を打たないのが慣習とされてきました。 祝い事に区切りをつけない、終止符を打たない、という考え方によるもので、 毛筆で縦に書いていた時代の名残でもあります。
ただしこれは絶対の規則ではありませんので、 読みやすさを優先して句読点を使う人も増えていますし、 それで失礼になるということもありません。 改行と一字分の空白で区切れば、句読点がなくても文の切れ目は十分に伝わります。
賀詞の使い分け
売り場に並んでいる年賀はがきの見本には、 「賀正」と大きく入ったものも「謹賀新年」と入ったものも同じ棚に置かれていますので、 どちらを選んでも同じだろうと考えて手に取ってしまいがちです。 枚数をまとめて刷るときほど、あとから選び直すのが難しくなります。
賀詞を分けているのは見た目の丁寧さではなく字数で、 短いものほど元の言葉を省略した形になっていますから、 省略の度合いがそのまま相手への敬意の度合いとして読まれます。 目上の方に宛てる一枚では、この字数だけを見て選べば外れません。
| 賀詞 | 字数 | 目上の方へ |
|---|---|---|
| 寿・福・賀 | 一文字 | 略した形なので、目上の方には使いません |
| 賀正・迎春・初春 | 二文字 | これも略式とされ、目上の方には使いません |
| 謹賀新年・恭賀新年 | 四文字 | 敬意を表す語が入るので、目上の方にも使えます |
| 謹んで新年のお慶びを申し上げます | 文章 | もっとも丁寧な形で、改まった相手に向きます |
| あけましておめでとうございます | 文章 | 目上の方にも使えて、やわらかい印象になります |
一文字と二文字の賀詞は略語とされます。「賀正」は「正月を祝う」を縮めた形で、敬意を表す語が入っていないことが理由です。四文字の「謹賀新年」「恭賀新年」には「謹」「恭」という相手を敬う字が含まれていますので、同じ祝いの言葉でも扱いが変わります。
もう一つ気をつけたいのが賀詞を重ねてしまうことで、 印刷面に「謹賀新年」と入っているはがきに手書きで 「あけましておめでとうございます」と足すと、同じ意味の言葉が二度並びます。 どちらか一方にとどめておけば済みます。
「新年あけましておめでとう」という言い方も、 「明ける」にすでに新年になったという意味が含まれているため重複とされますが、 この形は広く使われており、気にする方は多くありませんので、 すでに刷ってしまったものを刷り直すほどのことではありません。
つまずきやすい点
年賀状で実際に手が止まるのは書式ではなく判断のほうで、 出していない相手から届いた、相手が喪中だと知らずに送ってしまった、 そろそろやめたいが言い出せない、といった場面です。 いずれも文例集には載っていない類の迷いになります。
文面については忌み言葉を避けるという決まりがあり、 年賀状では別れや終わりを連想させる語を使わないとされてきましたが、 普段の文章では意識せずに使っている語が含まれているため、 書き終えてから読み返す段になって気づくことになります。
| 迷うこと | どうするか |
|---|---|
| 出していない相手から届いた | 松の内までなら、年賀状のまま返して差し支えありません |
| 松の内を過ぎた | 寒中見舞いに切り替えて出します |
| 「去年」と書いてよいか | 「昨年」「旧年」に置き換えます |
| 相手が喪中 | 年賀状は出さず、寒中見舞いで挨拶します |
| 年賀状をやめたい | 最後の一枚に一言添えてから、翌年で区切ります |
| 宛名の敬称 | 連名のときは全員に「様」を付けます |
「去年」の「去」が忌み言葉にあたります。「去る」が別れを連想させるためで、同じ内容は「昨年」「旧年」で書けますから、置き換えても文の意味は変わりません。年賀状に限った決まりではなく、結婚や出産の祝いの場面でも同じように避けられてきた語です。
年賀状をやめたいという迷いは、いまや珍しいものではなくなりました。 株式会社帝国データバンクが2024年12月6日から10日にかけて企業にたずねた 「年賀状じまいに関する企業の意向アンケート」では、 有効回答1,339社のうち49.4パーセントがすでに年賀状じまいを済ませていたと報告されています。
同じ調査で、2025年1月分から送ることをやめる企業は17.0パーセント、 年賀状じまいはしないと答えた企業は26.4パーセントでしたので、 やめる側とやめない側のどちらにも相当の数がいることになります。 個人ではなく企業に自社の方針をたずねた調査ですが、やめることが例外ではないと分かる数字です。
使ってはいけない言葉を詳しく見る喪中のとき
その年に身内を亡くしていると、年賀状をどうするかを11月のうちに決めることになりますが、 誰までが喪中にあたるのか、 いつまでに何を出せばよいのかという二つがはっきりせず、 喪中はがきの印刷を頼む段になって手が止まります。
混同されやすいのは喪中はがきが何の知らせなのかという点で、 これは「年賀欠礼」、つまりこちらから年始の挨拶を控えますという断りの通知です。 相手の年賀状を断るためのものではありませんので、 受け取った側がどう応じるかは、また別の話になります。
| 状況 | どうするか |
|---|---|
| 自分が喪中 | 喪中はがきを11月から12月上旬までに届けます |
| 相手が喪中 | 年賀状は出さず、松の内明けに寒中見舞いを出します |
| 喪中なのに年賀状が届いた | 寒中見舞いとして返せば、それで形が整います |
| 喪中と知らず送ってしまった | 改めてお詫びとお悔やみを書いて出します |
喪中はがきは「年賀欠礼」の知らせです。相手からの年賀状を辞退するという意味は含まれていませんが、受け取った側は年賀状を控えるのが通例になっていますので、届いた相手には松の内が明けてから寒中見舞いを出すという流れが一般的です。
喪中はがきを12月上旬までに届けるようにするのは、 相手が年賀状を用意し始める前に間に合わせるためで、 刷り上がったあとに届いても、相手は出すのを取りやめて書き直すことになります。 印刷を頼むのであれば、11月のうちに手配しておくと余裕をもって届きます。
喪中と知らずに送ってしまったときは、そのままにせず、 あとからお詫びとお悔やみを書いた手紙かはがきを改めて出します。 知らせを受け取っていなかったこと自体は落ち度ではありませんので、 長く詫びる必要はなく、悔やみの言葉を添えるだけで足ります。
喪中はがきを詳しく見る年賀状の書き方にただ一つの正解があるわけではなく、 句読点を打つかどうかも、賀詞にどれを選ぶかも、 相手との間柄によって収まりのよい形が変わりますので、 受け取った人が読みやすい形を選べばそれで十分です。
どの相手にも変わらないのは、 松の内という区切りを外さないことと、相手が喪中かどうかを先に確かめることの二つだけで、 この二つさえ押さえていれば、賀詞の字数や日付の書き方を思い出せなくても、 年始の挨拶として失礼にはなりません。
よくある質問
年賀状はいつまでに出せば元日に届きますか?
12月25日までの投函が目安です。受付開始はおおむね12月15日ごろですが、これは毎年決まっている日付ではなく、年末年始の曜日の並びや配達の体制によって前後しますので、その年の日本郵便の案内をご確認ください。25日を過ぎても、松の内のうちに届けば年賀状として成り立ちます。
「賀正」は目上の人に使えますか?
使いません。一文字と二文字の賀詞は略語とされ、「賀正」は「正月を祝う」を縮めた形で敬意を表す語が入っていないためです。目上の方には四文字の「謹賀新年」「恭賀新年」か、「謹んで新年のお慶びを申し上げます」という文章の形を使います。
「謹賀新年 あけましておめでとうございます」と書いてもよいですか?
同じ意味の賀詞が二度並ぶ形になりますので、どちらか一方にとどめてください。「新年あけましておめでとう」も「明ける」に新年になったという意味が含まれるため重複とされますが、この形は広く使われており、気にする方は多くありません。
句読点は使わないのですか?
祝い事に区切りをつけない、終止符を打たないという考え方から、使わないのが慣習とされてきました。ただし絶対の規則ではなく、読みやすさを優先して使う方も増えています。改行と一字分の空白で区切れば、句読点がなくても文の切れ目は十分に伝わります。
「去年」と書いてはいけませんか?
「去」が忌み言葉にあたります。「去る」が別れを連想させるためで、同じ内容は「昨年」「旧年」で書けますから、置き換えても文の意味は変わりません。年賀状に限った決まりではなく、結婚や出産の祝いの場面でも同じように避けられてきた語です。
相手が喪中の場合はどうしますか?
年賀状は出さず、松の内が明けてから寒中見舞いを出します。喪中はがきは「年賀欠礼」の知らせで、相手からの年賀状を辞退する意味は含まれていませんが、受け取った側は年賀状を控えるのが通例になっています。
年賀状をやめる人はどのくらいいますか?
株式会社帝国データバンクが2024年12月6日から10日に企業へたずねた調査では、有効回答1,339社のうち49.4パーセントがすでに年賀状じまいを済ませ、17.0パーセントが2025年1月分からやめると答えています。一方で26.4パーセントは年賀状じまいをしないと答えていますので、どちらにも相当の数がいることになります。個人ではなく企業に自社の方針をたずねた調査です。
まとめ
- 元日に届けたいときは12月25日までに投函します
- 受付開始日と元日配達の締切は年ごとに変わります
- 目上の方には「謹賀新年」を使います
- 「賀正」「迎春」は目上の方には使いません
- 賀詞は重ねず、どちらか一方にとどめます
- 句読点は打たないのが通例とされています
- 「去年」は忌み言葉なので「昨年」に置き換えます
- 松の内を過ぎたら寒中見舞いに切り替えます
参考情報
- 日本郵便「年賀状(年賀はがき)」
https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/nenga/ - 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx - 株式会社帝国データバンク「年賀状じまいに関する企業の意向アンケート」(2024年12月6日〜10日実施・インターネット調査・有効回答1,339社)
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241213-newyearcard/
引用した帝国データバンクの調査は、個人ではなく企業に自社の年賀状じまいの意向をたずねたもので、個人の年賀状の増減を示したものではありません。年賀状の受付開始日・元日配達の投函期限は年によって変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。本記事の日付は例年の目安です。喪中の範囲や賀詞の使い分けには考え方に幅があるため、断定を避けて記載しています。
本記事で紹介している時期や作法は一般的な目安です。年賀状の受付開始日や元日配達の締切は年ごとに変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。喪中の範囲や過ごし方は、地域・ご家庭・宗派によって考え方が異なります。