結論

出す範囲は普段の付き合いの深さで決めていくことになりますし、 毎年正月に顔を合わせる親戚に対しては、 年賀状のほうは要らないという考え方も広く受け入れられています。

やめると決めたときは親族内で足並みを揃えてから動いてください。 一人だけ先にやめると、次に集まったときにその一軒だけが目立つことになります。

出す範囲の決め方

年末に住所録を開いたところで、親戚の欄に来て手が止まってしまうという方は多いはずです。 いとこまで出すのか、その配偶者はどうするのか、去年もらった一軒には出すとして、 その隣に並んでいる名前はどうだったかと辿り始めると、 きりのつかないところで一時間が過ぎてしまいます。

判断の軸になるのはその年賀状が果たしている役割のほうで、 日ごろ顔を合わせている相手と、 年に一度これだけがつながりという相手とでは、同じ一枚でも意味がまるで違ってきます。

相手目安
年に一度も会わない親戚出します。年賀状が唯一の連絡になっています
法事などで年に数回会う出している家のほうが多くなります
毎年正月に会う要らないという考え方も広くあります
同居・近居その場で挨拶できるので要りません
親の代で付き合いがあった世代交代がひとつの区切りになります
冠婚葬祭でしか会わない出しておくと、いざというときに連絡が取れます

年賀状が唯一の連絡手段になっている関係ほど、続ける意味が残ります。逆に、日ごろから顔を合わせている相手に対しては、その必要性が薄くなっていきますので、枚数を減らしたいときも、この順で見ていけば、どこから外すかで悩まずに済みます。

年賀状のやり取りそのものは、全国を見渡すとかなりの勢いで減ってきています。 日本郵便株式会社が2025年8月29日に発表した2026(令和8)年用年賀はがきの 当初発行枚数は7.5億枚で、前年比は約69.9%でした。 2025年用の当初発行枚数が約10.7億枚でしたので、1年で3割ほど減った計算になります。

これは意識を尋ねた調査ではなく、印刷して売り出した枚数そのものの数字です。 減らす側にまわっている家がそれだけ多いということでもありますから、 親戚あての枚数を絞ったとしても、 それが一軒だけの珍しい判断として目立つ時代ではなくなっています。

会う親戚には不要か

元日に顔を合わせる親戚にまで出すべきかどうかは、このなかでいちばん決めにくいところです。 三が日に本家へ集まる習慣が残っている家では、年賀状が届いてから数日後に本人と会い、 そこで改めて挨拶するという順序になりますので、 どうしても二度手間のように感じられてしまいます。

考え方の分かれ目は挨拶を重ねることを丁寧と見るかどうかで、 「その場で述べるから」とやり取りをやめている親族も多い一方、 届いた一枚を毎年楽しみにしている年配の方もいますので、家ごとに事情が違います。

状況目安
相手が毎年出しているこちらも出すほうが、やり取りとして揃います
相手も出していないその場の挨拶だけで十分に成り立ちます
やめると決めた年内のうちに、一言だけ先に伝えておきます
会う予定が流動的出しておくほうが確実に挨拶が届きます
子ども連れで会う子どもの様子を伝える機会として使えます

迷ったときは、相手が出しているかどうかに合わせておけば形が揃います。直接挨拶できる間柄であれば年賀状を重ねる必要はありませんが、こちらだけ先にやめると、届いた一枚に返せない年が生まれます。相手がどうするかを一年だけ見てから決めても、遅すぎるということはありません。

そもそも集まる予定そのものが、当日になって崩れてしまうこともあります。 子どもの体調や雪の具合で帰省を取りやめる年は珍しくありませんので、 年賀状を出しておけば、会えなかった年も挨拶だけは届きますから、 確実さを取るのであれば、出しておくほうが年明けを安心して迎えられます。

子ども連れで顔を合わせる関係であれば、年賀状の役割はまた少し変わります。 正月に会えるとしても、写真の一枚が入っているだけで、 年配の親戚は前の年からの変わりようを見比べることができますので、 挨拶というより近況の報告として扱うと、出す意味がはっきりしてきます。

世代交代のとき

親が高齢になって字を書くのが難しくなってきた年から、この問題は始まります。 住所録を引き継いだものの、並んでいる名前の半分は自分では会ったことがなく、 年賀状を出したところで何を書けばよいのかも分からない、という状態になります。

判断が分かれるのは自分に面識があるかどうかで、 名前しか知らない相手のやり取りを引き継いでも、 近況を書きようがありませんし、受け取った側も返事に困ることになります。

状況考え方
自分も面識があるそのまま引き継いで構いません
会ったことがない引き継がなくても差し支えありません
親が高齢で書けない代筆するか、やめる旨を一言添えて伝えます
親が亡くなった喪中はがきで知らせ、翌年から自分の判断で決めます

面識のない相手まで引き継ぐ必要はなく、親の代の付き合いは親の代で終わってよいものです。ただし親が生きているうちに子の判断で止めてしまうと、親の側が知らないところで関係が切れることになりますので、順番としては、親に一度確かめてから決めるほうが穏やかに収まります。

親に代わって書くという形を選ぶ場合は、差出人の欄にひと工夫が要ります。 親の名前だけで出すと相手は本人が書いたものと受け取りますので、 「〇〇に代わって」と一行添えておくと、 受け取った側も、次の年に返事を出す相手を間違えずに済みます。

親が亡くなった年は、まず喪中はがきで知らせるところから始まります。 その一枚で、相手の側にもやり取りの相手が変わったことが伝わりますので、 年賀状を続けるかどうかは翌年に落ち着いて決めれば足ります。 その年のうちに全部を決めようとしないほうが、判断を誤りません。

やめるとき

枚数を減らそうと決めた年に、今度はどの家から外すかというところで手が止まります。 仕事関係であれば異動や退職で区切りをつけやすいところが、 親戚となると相手同士が横でつながっていますので、 一軒だけ外したつもりでも、その話は年始の集まりで共有されてしまいます。

押さえておきたいのは親族内で足並みを揃えてから動くことで、 一人だけ先にやめると「あの家からは来なくなった」という形で話題にのぼり、 本人にそのつもりがなくても、疎遠になった合図として受け取られることがあります。

やること内容
最後の年に一言添える黙ってやめません。次で最後になる旨を書きます
関係は続くと書く「今後も変わらぬお付き合いを」と明記します
年に一度会う相手その場で口頭で伝えてしまっても構いません
やめた後に届いたその年は返します。放置しません
喪中はがき年賀状じまいとは別に、あらためて出します

やめ方のなかでは、何も書かずに黙って途切れさせるのがいちばん誤解を生みます。「今年で最後にします」の一行があるかどうかで、相手の受け取り方はまるで変わります。年賀状のやり取りをやめることと、付き合いそのものをやめることは別だという点を、文面のなかではっきりさせておいてください。

きょうだいやいとこに先に相談しておくと、あとで話がこじれることもありません。 同じ年に何軒かがまとめてやめるのであれば個別の判断には見えませんし、 集まりの席で誰かが説明してくれることもありますので、 年末になる前に、一度話を通しておくほうが動きやすくなります。

やめると伝えたあとに届いてしまった年は、その一枚にだけは必ず返してください。 松の内を過ぎていれば寒中見舞いという形になりますが、 返さないまま次の年を迎えると、そこで関係が途切れます。 翌年からは届かなくなりますので、返すのはその年かぎりのことです。

年賀状じまいの伝え方と例文を見る

書き方

出すと決めたあとで、今度は余白に何を書くかというところで筆が止まります。 印刷された賀詞の下に空いた余白を前にして、 仕事関係のように定型の一文を入れるのも味気なく、 かといって近況をどこまで書けばよいのかも分からない、という場面です。

親戚あてで効いてくるのは形式よりも近況のほうで、 相手が知りたいのはこちらの家がどうなっているかであって、 整った言い回しではありませんから、一行の報告のほうがよほど喜ばれます。

要素内容
賀詞「あけましておめでとうございます」で十分です
近況子どもの成長、引越し、仕事の変化などを書きます
相手を気遣う一言「お変わりありませんか」と添えておきます
写真喜ばれます。子どもの様子が伝わります

高齢の親戚に対しては、写真の入ったもののほうがはっきりと喜ばれます。会う機会が少ない相手ほど、子どもの背が伸びたことや、家族が増えたことを一枚で知ることに値打ちが出てきますし、写真を避けるほうが無難とされる上司あてとは、ちょうど逆の判断になります。

余白に書き添える近況のほうは、一行か二行もあれば十分に足りるものです。 「上の子が小学校に上がりました」という程度でも、 次に会ったときの話の糸口になりますし、 長く書き込むほど、返事を出す相手の負担が増えていきます。

続ける理由としてもうひとつ挙げられるのが、住所の確認を兼ねられることです。 毎年やり取りしていれば相手の住所が生きているかどうかが自然に分かりますし、 戻ってきた一枚から、転居や不幸を知ることもありますので、 親族の連絡網として残しておく、という考え方も成り立ちます。

親戚への年賀状に唯一の正解があるわけではなく、 その相手と年に何度会っているのか、 年賀状以外に連絡を取る手立てが残っているのかという二つを見て、 自分の家にとって無理のない範囲を決めればそれで足ります。 毎年正月に集まる相手であれば省いても差し支えありませんし、 何年も顔を見ていない相手であれば、一枚だけが糸をつないでいることになります。

どの相手でも変わらないのは、やめるときに黙って途切れさせないことの一点だけで、 これさえ守っていれば、範囲の線引きや書く内容を思い出せなくても角は立ちません。 枚数を減らすこと自体は、いまではどの家でも当たり前のように起きていることです。

よくある質問

親戚にはどこまで年賀状を出しますか?

普段の付き合いの深さで判断します。年に一度も会わない親戚は年賀状が唯一の連絡手段なので出します。逆に毎年正月に会う親戚や同居・近居なら、不要という考え方もあります。

毎年会う親戚にも出すべきですか?

「その場で挨拶するから」とやり取りをやめている親族も多くあります。ただし相手が出しているなら、こちらも出すほうが揃います。相手が出しているかどうかで判断すれば形が揃います。

親の代の付き合いを引き継ぐべきですか?

自分も面識があるなら引き継いで構いませんが、会ったことがない相手まで引き継ぐ必要はありません。親の代の付き合いは、親の代で終わってよいものです。ただし親が生きているうちは、勝手にやめないほうが穏やかです。

やめるときの注意は?

親族内で足並みを揃えてください。一人だけ先にやめると親族の集まりで話題になり、「あの家からは来なくなった」と受け取られることがあります。きょうだいやいとこに相談してから決めてください。

親戚宛の書き方は?

形式より近況が喜ばれます。子どもの成長、引越し、仕事の変化などを一行添えてください。高齢の親戚には写真つきが喜ばれます。会う機会が少ないほど、子どもの成長を見られることに価値があります。

年賀状を続ける意味はありますか?

親族の連絡網としての役割があります。やり取りがあると相手の住所が生きているか毎年分かり、戻ってきたら転居や不幸があった可能性が分かります。

まとめ

  • 付き合いの深さで範囲を決めます
  • 会わない親戚ほど続ける意味が残ります
  • 毎年会うなら要らないという考え方もあります
  • 相手が出しているかどうかで揃えます
  • 面識のない相手は引き継がなくて構いません
  • やめるときは親族内で足並みを揃えます
  • 親戚あてには近況と写真を添えます
  • 親族の連絡網としての役割も残ります

参考情報

  1. 日本郵便「年賀状(年賀はがき)」
    https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/nenga/
  2. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  3. 日本郵便株式会社「2026(令和8)年用年賀はがきなどの発行および販売」(2025年8月29日発表・当初発行枚数の実数)
    https://www.post.japanpost.jp/newsrelease/pressrelease/476059610084.html

日本郵便が公表しているのは年賀はがきの当初発行枚数という実数で、誰が誰に何枚出したかという内訳や、親戚あての枚数を示したものではありません。年賀状の受付開始日・元日配達の投函期限は年によって変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。本記事の日付は例年の目安です。喪中の範囲や賀詞の使い分けには考え方に幅があるため、断定を避けて記載しています。

本記事で紹介している時期や作法は一般的な目安です。年賀状の受付開始日や元日配達の締切は年ごとに変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。喪中の範囲や過ごし方は、地域・ご家庭・宗派によって考え方が異なります。