結論

年賀状をいただいたら返すのが基本で、こちらから出していなかった相手であっても、 松の内までに届くのであれば普通の年賀状で返して差し支えありませんので、 出しそびれていたことをわざわざ書き添える必要もありません。

松の内を過ぎてしまったら寒中見舞いへ切り替えますので、 遅れたから今年はやめておこうという判断だけは避けておきたいところで、 届かないほうが相手には気にかかります。

返すかどうか

元日の郵便受けから束を取り出して仕分けていくと、こちらの一覧には入っていない名前が一枚か二枚まじっていることがあります。 去年の年末に住所録を絞ったばかりの相手だったり、何年も会っていない学生時代の友人だったりして、返すかどうかを決められないまま、机の端に置いた一枚のうえで三が日が過ぎていきます。

考えどころになるのは、こちらの都合で決めてよい相手なのか、それとも返さないこと自体が知らせになってしまう相手なのかという点です。 喪中が絡む年は、そこへさらに年賀状という形が使えるかどうかという別の線が重なってきます。

状況目安
出していない相手から届いた松の内までなら、年賀状で返しておきます
毎年やり取りしている例年どおり、こちらからも年賀状を出します
今年からやめるつもりだった一度は返して、やめる旨をそこへ添えます
相手が喪中年賀状では返さず、寒中見舞いの形にします
自分が喪中寒中見舞いとして、松の内が明けてから返します
まったく心当たりがない誤配のこともありますので、差出人を確かめます

返さないでおくと、相手は届かなかったのだろうかと考え始めますので、表のどの行であっても、付き合いを続けるつもりがあるなら形を変えてでも返しておいてください。年賀状という形が使えない年であっても寒中見舞いという受け皿が残っていますので、返す手立てが無くなる場面はまずありません。

出していない相手から届くこと自体は、そう珍しい出来事ではなく、そのことは公表されているアンケートからも読み取れます。 年賀状の印刷を手がけるフタバ株式会社が2024年11月20日から22日にかけてクラウドワークスを通じて行い、20代から80代以上の男女200名から回答を得たアンケートでは、出していない相手から年賀状が届いたことがあると答えた人が94パーセントに上りました。

同じ調査で、そのときどう対応することが多いかを尋ねた設問では、年賀状を出すと答えた人が159名で、200名のおよそ8割を占めています。 これは実際に投函された枚数を数えたものではなく、年賀状を扱う事業者が200名という小さな標本に尋ねた意識調査ですが、返すという選び方がいまも大勢を占めていることは読み取れます。

いつまでに返すか

返すと決めたあとで気になってくるのが、いつまでなら年賀状のままでよいのかという線引きです。 三が日は来客や帰省で手が回らないことが多く、腰を落ち着けて宛名を書けるのが1月4日や5日になるという方も少なくありませんし、そのころには松の内の終わりが目の前に迫っています。 年賀はがきを買い足しに行くかどうかも、この線引きによって決まってきます。

見落としやすいのが、手元を離れる日で数えるのか、相手の手元に届く日で数えるのかという違いで、年始は郵便が集中しますので、ふだんの感覚のままでいると一日か二日ずれてきます。 同じ日に投函しても、届く先によって間に合うかどうかが変わってきます。

届いた時期返す形
元日年賀状として、1月3日ごろまでに投函します
1月2日〜5日年賀状として、松の内に届くように出します
松の内ぎりぎり寒中見舞いにしておくほうが確実に収まります
松の内を過ぎた年賀状は使わず、寒中見舞いとして書きます

数えるのは届くまでの日数のほうで、1月5日に投函したからといって、7日までに相手の手元へ入るとは限りませんし、遠方であればなおさら読めません。間に合わないと踏んだ時点で寒中見舞いに切り替えておくほうが、中途半端に遅れて届く年賀状より自然に読まれます。

判断に迷ったときは、相手の住んでいる場所を思い浮かべてみてください。 同じ市内であれば翌日には入りますが、県をまたぐ相手や離島であれば、年始の混み合う時期にどれだけかかるかは読めませんので、投函する日が同じでも間に合うかどうかは変わってきます。

松の内の日付そのものも地域によって同じではなく、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとする土地があります。 こちらの感覚だけで線を引くのではなく、相手の側の松の内で考えておくほうが行き違いになりませんし、遅れているかどうかの見当も付けやすくなります。

返信の書き方

年賀はがきを買い足して机に向かったところで、こんどは書き出しの一行で手が止まります。 出していなかった負い目があると、まずお礼から書き始めたくなりますし、遅くなったことへの断りも入れておくべきではないかという気持ちが働いて、印刷済みの絵柄の脇にどう収めるかで迷い始めます。

ここで考えたいのは、その一行が相手にとって嬉しいものなのか、それとも気を遣わせるものなのかという点です。 こちらの後ろめたさを埋めるための言葉と、相手に読んでほしい言葉とは、たいてい別のものになります。

避けたい自然な言い方
「年賀状ありがとうございました」賀詞から書き始めて、普通の年賀状にします
「お返事が遅くなりました」松の内までに届くなら、そこには触れずにおきます
「出しそびれてしまい」書かずにおくほうが、相手も気楽に読めます

返事だと分かる書き方をすると、相手はこちらが出していなかったことに気づいてしまいます。松の内までに届いているのであれば、相手はまず行き違いだと受け取りますので、普通の年賀状として書いておけば足りますし、お詫びを入れるのは寒中見舞いへ回った年だけで十分です。

印刷しただけの一枚には、手書きの一行を足しておいてください。 今年こそお会いしたいですとか、お元気そうで何よりですといった短い言葉で構いませんし、宛名の脇の余白でも、絵柄の下の空いたところでも無理なく収まります。

選ぶのはその相手にだけ当てはまる言葉にしておくほうがよく、去年いただいた年賀状に書いてあった引っ越しや子どものことへ一言触れるだけで足ります。 印刷の文面が全員へ同じものであっても、その一行があるだけで受け取り方はまるで変わりますし、こちらが読んで覚えていたことも伝わります。

返さない場合

毎年届く一枚のなかには、正直なところ負担になっているものもあります。 前の職場で一度きり顔を合わせただけの相手や、もう十年以上会っていない知人から毎年続いていると、宛名を書きながらこれをいつまで続けるのだろうと思うことがありますし、そこで手を止めるという選び方も残されています。

押さえておきたいのは、返さないことがそのまま相手へ伝わる知らせになるという点で、伝わり方まで見込んだうえで選ぶのか、なんとなく出さずに済ませるのかによって、翌年からの後味が変わってきます。 同じ結果に見えても、あとに残るものが違ってきます。

状況考え方
関係を整理したい返さずにおくと、翌年から届かなくなることが多くなります
やめる旨を伝えたい一度返して、そのなかで伝えるほうが丁寧に収まります
面識が薄い返さないでおいても、問題になりにくい間柄です
仕事上の関係返しておきます。返さないと角が立ちます

黙って途切れさせるより、一度返してから伝えるほうが穏やかに収まります。理由の分からない空白は相手のほうで埋めるしかなくなりますし、体調を崩したのだろうかと案じられることもあります。本年をもちましてという一行があれば、そこで納得してもらえます。

面識の薄い相手であれば、返さないという選び方でとくに角は立ちません。 名刺交換のあとに一度きり届いたような間柄では、こちらが返さなければ翌年から自然に止まりますので、わざわざ知らせを出すほうがかえって仰々しくなります。

仕事で行き来のある相手だけは、扱いを分けておいてください。 年始の挨拶が届いていることを社内の誰かが見ている場合もありますし、次に顔を合わせたときにその話が出ることもありますので、続けるかどうかを決めるのは年始を過ぎてからでも遅くありません。

年賀状じまいの伝え方を見る

場面別の対応

年賀状のやり取りでは、こちらがどれだけ気を配っていても行き違いが起こります。 喪中はがきが届いていたのを見落としていたり、去年のうちに引っ越していた相手へ古い住所のまま出していたり、書いている途中で年賀はがきが足りなくなったりと、毎年どこかで一つは起きるものです。 年始のあわただしさのなかでは、なおさら重なります。

迷うのは、その場でやり直せるものなのか、それとも時期を改めて出し直すものなのかという切り分けです。 前者であれば返信の一枚で片づきますが、後者はいったん置いて、別の形を用意することになります。

場面対応
相手が喪中と後で気づいた寒中見舞いで、お詫びとお悔やみを伝えます
住所が変わっていた返信のなかで、こちらの新しい住所を知らせます
年賀はがきを使い切った通常のはがきに「年賀」と朱書きすれば使えます
松の内に間に合わない寒中見舞いへ切り替えて、落ち着いて書きます
誰か分からない差出人の住所から見当をつけ、不明なら返さずにおきます

相手が喪中と知らずに送ってしまった年でも、慌てて手を打つ必要はありません。松の内が明けてから寒中見舞いを出し、そのなかで知らずにいたことを詫びてお悔やみを述べれば、それで十分に伝わります。年始のうちに電話をかけ直すほうが、かえって先方の手を止めます。

年賀はがきが足りなくなったときの朱書きは、覚えておくと年始に慌てずに済みます。 手元の通常のはがきに赤で年賀と書き添えれば年賀扱いになりますので、松の内のうちであれば、買い足しに出る前にその場で書き始めることができます。

いずれの場面でも、松の内で終わりではないと考えておいてください。 寒中見舞いという受け皿が2月の立春ごろまで残っていますので、年始に取りこぼした一枚も、時期を改めて出し直せばそれで収まりますし、そのほうが落ち着いた文面になります。

喪中と知らず送ってしまった場合を見る

返すか返さないかに、どの相手にも当てはまる答えがあるわけではありません。 毎年やり取りしている相手には例年どおりに返し、名刺を交換しただけの相手であればそこで止めても構いませんし、 喪中が重なった年は形を寒中見舞いへ移せばよいだけで、そのつど決めていけば足ります。

どの場面でも変わらないのは、こちらの都合で黙って途切れさせないという一点です。 年賀状で返すにしても寒中見舞いに回すにしても、あるいはこれで最後にすると伝えるにしても、 何かしら一枚が届いていれば相手は理由を探さずに済みますし、翌年の元日に郵便受けをのぞく気持ちも軽くなります。

よくある質問

年賀状をもらったら返事は必要ですか?

返すのが基本です。返さないと相手は「届かなかったのか」「何かあったのか」と考えます。関係を続けるつもりなら返してください。

出していない相手から届きました。

松の内までなら年賀状で返します。松の内を過ぎたら寒中見舞いに切り替えてください。届くまでの日数を考え、間に合わないと判断したら最初から寒中見舞いにするほうが自然です。

「返事です」と書くべきですか?

書かないほうが自然です。「年賀状ありがとうございました」「出しそびれてしまい」と書くと、相手が「出していなかったのか」と気づいて気を遣います。松の内までに届くなら、普通の年賀状として書けば十分です。

返さないという選択もありますか?

あります。返さなければ翌年から届かなくなることが多く、関係を整理したい場合の方法にはなります。ただし仕事上の関係なら返してください。またやめる旨を伝えたいなら、一度返して伝えるほうが丁寧です。

年賀はがきを使い切ってしまいました。

通常のはがきに赤で「年賀」と朱書きすれば年賀扱いになります。松の内を過ぎているなら、そのまま寒中見舞いにしてください。

相手が喪中と後で気づきました。

慌てる必要はありません。寒中見舞いで改めてお詫びとお悔やみを伝えれば十分です。

まとめ

  • 年賀状をいただいたら返すのを基本にします
  • 松の内までに届くなら年賀状で返します
  • 松の内を過ぎたら寒中見舞いに切り替えます
  • 返事だと分かる書き方はしません
  • 印刷の文面に手書きの一行を足します
  • 返さずにおくと翌年から届かなくなります
  • やめるなら一度返してから伝えます
  • 喪中と気づいたら寒中見舞いで伝え直します

参考情報

  1. 日本郵便「年賀状(年賀はがき)」
    https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/nenga/
  2. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
  3. フタバ株式会社「年賀状に関するアンケート調査」(2024年11月実施・有効回答200名)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000149.000067791.html

本文で引用したフタバ株式会社「年賀状に関するアンケート調査」は、2024年11月にクラウドワークスを通じて200名から回答を得たもので、年賀状印刷を手がける事業者が小さな標本に心がけを尋ねた意識調査であり、実際に返された枚数の集計ではありません。年賀状の受付開始日・元日配達の投函期限は年によって変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。本記事の日付は例年の目安です。喪中の範囲や賀詞の使い分けには考え方に幅があるため、断定を避けて記載しています。(最終確認:2026年8月)

本記事で紹介している時期や作法は一般的な目安です。年賀状の受付開始日や元日配達の締切は年ごとに変わります。その年の日本郵便の案内をご確認ください。喪中の範囲や過ごし方は、地域・ご家庭・宗派によって考え方が異なります。