結論

年内に間に合わなかったときは見送るのではなく、表書きを変えて年明けに贈るのが決まった直し方で、 松の内までに届くなら「御年賀」、松の内が明けてから立春までに届くなら「寒中御見舞」とすれば、 遅れたこと自体は形の上で収まります。

ただし相手が喪中のときだけは「御年賀」を使わず、 「賀」が祝いを意味する字である以上、松の内が明けるのを待って「寒中御見舞」に改めます。 品物は例年どおりで構いませんので、遅れを埋め合わせようとして金額を上げる必要もありません。

時期別の判断表

年末の慌ただしさに紛れて手配が後回しになり、気づいたときには十二月の二十日を過ぎていたということは珍しくなく、 デパートの包装カウンターに並んでいるあいだに年内の配送受付が締め切られてしまう年もあります。 喪中の知らせが届いて手が止まったまま、そのまま年を越してしまう例も同じくらいよくあります。

そこで迷うのは贈るか見送るかではなく、いつ届くかによって 掛け紙の表書きが変わるという点で、 同じ品物でも十二月のうちに着くのと松の内に着くのとでは、書く言葉が別のものになります。 分かれ目になるのは相手との間柄でも金額でもなく、先方の玄関に荷物が着く日付だけです。

届く時期表書き
12月20日ごろまで 「御歳暮」とし、これが本来の時期にあたります
12月下旬 「御歳暮」のまま贈れますが、生ものは避けます
1月1日から松の内まで 「御年賀」に書き替えて年始の挨拶にします
松の内から2月4日ごろまで 「寒中御見舞」とし、目上の方へは「寒中御伺」とします
2月5日以降 「御礼」か「余寒御見舞」として贈るか、翌年に切り替えます

区切りが日付だけで決まっているのは、表書きが相手との関係ではなく暦に合わせて選ぶ言葉だからで、年が改まったあとに「御歳暮」と書かれた品が届くと、それだけで時期外れの印象になります。同じ品物でも掛け紙の言葉を書き替えれば収まりますので、遅れた年こそ品選びより先に、いつ着くかを確かめてください。

実際に困るのは十二月の下旬に届くよう手配してしまったときで、二十八日を過ぎると相手が帰省や旅行で家を空けていることが多く、 受け取り手のないまま宅配便の営業所に留め置かれることになります。 冷蔵や冷凍の品はその数日で受取期限を迎えますし、生鮮品であれば年明けに受け取れても中身が心配です。

そこまで押してしまったのなら年内に無理をせず、届け日を一月四日以降に指定して「御年賀」として贈るほうが確実で、 配送の混雑も相手の不在も同時に避けられます。 毎年届いていたものが何も告げずに止まると、受け取る側は関係が変わったのかと理由を探し始めますので、 遅れてでも贈るほうが結局は穏やかに収まります。

松の内はいつまで

年が明けてからの表書きは「御年賀」になりますが、これがいつまで使えるのかは案外知られておらず、 一月の半ばに届いた品に「御年賀」と書かれていて戸惑ったという声もあります。 区切りになるのが松の内で、門松やしめ飾りを立てておく期間がこれにあたります。

厄介なのは松の内の終わる日が地域で違うところで、 贈る側と受け取る側で暮らしている土地が離れていると、どちらの暦に合わせればよいのか決めかねます。 年始の挨拶として通る期間そのものが東と西でずれているため、同じ日に着いた品でも受け取られ方が変わります。

地域松の内
関東・東日本 1月7日までとするのが一般的です
関西・西日本 1月15日までとする地域が多くあります
相手の地域が分からない 1月7日を区切りにしておけば行き違いになりません
早めに切り替えたい 「寒中御見舞」に改めても、失礼にはあたりません

迷ったときに一月七日を区切りにするのは、早いほうへ寄せておけばどちらの地域でも角が立たないからです。関西の相手に七日で「寒中御見舞」が着いても不作法にはなりませんが、関東の相手に十五日で「御年賀」が着くと、松を取り払った玄関に年始の挨拶が遅れて届いた形になります。

地域差が実際に効いてくるのは、生まれ育った土地と今住んでいる土地が違う相手に贈るときで、 関西で育って東京に長く暮らしている方などは、どちらの感覚で受け取るかが分かれます。 それを言い当てるのは難しく、考えているうちに手配そのものがまた遅れます。

そういうときは相手の暦を推し量るより、松の内のうちに着くよう手配を早めてしまうほうが早く、 一月四日か五日に届くよう指定しておけば、東西どちらの相手でも「御年賀」で通ります。 四日以降であれば配送も通常どおりに戻っていますので、届け日を指定しても遅れる心配がありません。

喪中の場合

喪中の相手へ遅れたお歳暮を贈るときは、時期の判断にもう一つ条件が重なります。 年賀状を控えるという知らせを受け取っていると、品物まで送らないほうがよいのだろうかと迷いますし、 松の内に「御年賀」として届けてよいものかどうかも決めかねます。

ここで一緒くたにされがちなのが、贈ってよいかどうかという話と、掛け紙に何と書くかという話で、 迷った末に両方とも見送ってしまう方が少なくありません。 判断が分かれるのは、どちらが喪中なのかという点と、四十九日を過ぎているかどうかの二点だけです。

状況対応
相手が喪中 松の内が明けるのを待ち、「寒中御見舞」として贈ります
自分が喪中 同じく「寒中御見舞」とし、贈ること自体は控えません
四十九日を過ぎていない 時期をずらし、落ち着かれたころに届くようにします
年内に間に合う 「御歳暮」のまま贈って構いません

お歳暮そのものは祝い事ではなく一年の礼を伝える品ですから、喪中であっても贈って差し支えなく、控えるのは「御年賀」という表書きだけです。「賀」の一字が祝いを意味するため、喪に服している家の玄関にその字が届くと、こちらの意図とは別のものとして受け取られます。

ありがちなのが、喪中はがきが届いた時点で贈るのをやめてしまう形で、 先方にしてみれば年賀状も品物も一緒に途絶えたことになり、 遠慮されているのだと察しはついても、その一年だけはやはり寂しく映ります。 毎年の付き合いが長い相手ほど、空いた一年は記憶に残ります。

掛け紙の言葉さえ改めれば贈って構いませんので、松の内が明けた一月八日以降に 「寒中御見舞」として着くよう手配すれば、相手を困らせずに済みます。 紅白の水引を刷った掛け紙は使わず、白無地の短冊に表書きだけを書いたものにしておけば、 玄関先で目に触れたときの印象も穏やかです。

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添える言葉

品物の手配が済むと、こんどは送り状に何と書くかで手が止まります。 遅れた事情をどこまで説明すべきなのか、そもそも詫びから書き出してよいものかどうかが決めかねるところで、 書いては消しを繰り返しているうちに、投函がもう一日延びてしまいます。

迷いの元になっているのは遅れたことにどれだけ触れるかという一点で、 詳しく書くほど丁寧になるはずだと考えると、かえって長い言い訳になります。 受け取る側が何を気にしているかを思い浮かべれば、書くべき分量はおのずと決まります。

場面添える言葉
年内に届くとき 「ご挨拶が遅くなりました」と一行だけ添えます
あらためて詫びたい 「時節のご挨拶が遅れ、失礼いたしました」と書きます
年が明けてから届くとき 「本年もよろしくお願いいたします」を続けます
相手が喪中のとき 年始を祝う言葉は使わず、体調を気遣う一文にします
遅れた理由 書かずにおくほうが、読む側の負担になりません

詫びを短くとどめるのは礼を欠くからではなく、長く書くほど相手に気を遣わせてしまうからです。受け取った側にとっては遅れたかどうかより届いたことのほうが本題ですので、断りの一行に続けて品物のことや近況を書いたほうが、読んでいて気持ちのよい便りになります。

もう一つ迷いやすいのが金額で、遅れた埋め合わせにいつもより高いものを選びたくなりますが、 例年三千円ほどの菓子を贈っていた相手に急に五千円の詰め合わせが届くと、受け取る側は理由を考えます。 何かお返しをしなければと思わせてしまえば、詫びのつもりが逆に働きます。

金額は例年どおりに据え置くのが結局はいちばん収まりがよく、 翌年以降も同じ額を続けることになる点でも無理がありません。 一度上げた額は下げにくいものですから、遅れた年こそ品物ではなく、 送り状の一行で気持ちを伝えておくほうが後々まで楽です。

来年に向けて

毎年のように十二月の半ばで慌てているなら、来年こそ早めにと心に留めておくだけでは同じことが起きます。 年末は仕事の納めや大掃除、年賀状の手配までが重なる時期ですから、 気持ちの問題としてではなく段取りとして片づけておかないかぎり、いちばん後回しになるのがお歳暮です。

効いてくるのはいつ手配するかを先に決めておくことと、 誰に贈るかを紙に残しておくことの二つで、毎年ゼロから考え直しているうちは時期が読めません。 去年は何を贈ったかを思い出すところから始めていると、それだけで数日が過ぎます。

対策内容
11月のうちに注文する 早期割引があり、届け日は12月上旬に指定します
贈り先の一覧を作る 住所と前年の品、金額まで書き残しておきます
予約注文を使う 百貨店や通販では、10月から受け付けています
贈る相手を見直す 手が回らないなら、数を絞るのも一つの判断です

一覧に前の年の品と金額まで書き添えておくと、翌年に迷う時間がほとんどなくなります。去年と同じものが続かないように選ぶにも、額をそろえるにも、手元に記録がなければ思い出すところから始めることになりますので、送り状の控えを一枚とっておくだけでも翌年の手間が変わります。

贈り先が十軒を超えてくると、早めに注文したところで手が回らなくなり、 届け日の指定と品物の選び分けだけで週末が一日つぶれます。 毎年遅れる原因が手配の時期ではなく件数のほうにある家庭も多く、 そこを見直さないかぎり、来年も同じ十二月を迎えることになります。

数を絞るのは冷たい判断ではなく、無理なく続けられる範囲に整えるほうが長い目で見て関係が保てますし、 贈り先が減れば一軒ずつ品物を選ぶ余裕も戻ってきます。 年賀状だけの付き合いに切り替える相手をあらかじめ決めておけば、 ある年から急に途切れたという印象にもなりません。

遅れたときの直し方に決まった正解が一つあるわけではなく、 荷物が相手に着く日と、そのときの先方の事情を見て、いちばん無理のない表書きを選べば足ります。 松の内に間に合うのなら「御年賀」でよく、そこを過ぎたのなら「寒中御見舞」に改めればよいだけのことです。

どの時期に贈るとしても変わらないのは、着く日に合わせて掛け紙の言葉をそろえるという一点だけで、 これさえ合っていれば、遅れたこと自体が失礼になることはありません。 金額を上げたり、長い詫びを書き連ねたりしなくても、届いた品と一行の挨拶で気持ちは十分に伝わります。

よくある質問

お歳暮が年内に間に合いません。どうしますか?

表書きを変えて年明けに贈ります。1月1日から松の内までは「御年賀」、松の内から立春(2月4日ごろ)までは「寒中御見舞」です。「御歳暮」のまま年明けに贈ると、年が改まっているため時期外れの印象になります。

松の内はいつまでですか?

関東・東日本は1月7日まで、関西・西日本は1月15日までとされます。迷ったら1月7日を区切りにしてください。早めに「寒中御見舞」へ切り替えるぶんには、どの地域でも問題になりません。

相手が喪中の場合も「御年賀」でよいですか?

使いません。「賀」は祝いを意味する字なので、喪中の方に贈る表書きとしては適しません。松の内が明けるのを待って「寒中御見舞」として贈ります。お歳暮そのものはお祝いではないため、贈ること自体は問題ありません。

2月を過ぎてしまった場合は?

「御礼」または「余寒御見舞」にします。ただしこの時期まで来たら、翌年に切り替える判断もあります。

遅れたぶん金額を上げるべきですか?

上げません。相手が気を遣いますし、翌年以降も同じ額を続けることになります。例年どおりの金額にしてください。

毎年遅れてしまいます。

手配の時期を早めてください。11月中に注文し、お届け日を12月上旬に指定するのが確実です。百貨店やオンラインでは10月から予約を受け付けていることもあります。毎年慌てるようなら、贈る相手の数が多すぎることも考えられます。

まとめ

  • 年内に間に合わないときは、表書きを変えて年明けに贈ります
  • 松の内までは「御年賀」とします
  • その後立春までは「寒中御見舞」にします
  • 「御歳暮」のまま年明けに贈るのは避けます
  • 松の内は関東が1月7日、関西が1月15日までとされています
  • 喪中の相手に「御年賀」は使いません
  • 詫びは一行添えるだけで足ります
  • 金額は例年どおりに据え置きます

参考情報

  1. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  2. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  3. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx

松の内を過ぎたら「寒中御見舞」にする点、喪中の相手に「御年賀」を使わない点は、参照した情報源で共通しています。松の内の日付には地域差があるため、両方を記載しています。

本記事で紹介している金額や時期は一般的な目安です。地域やご家庭、業界の慣習によって異なる場合があります。お勤め先や取引先の規定で贈答が制限されていることがあります。事前にご確認ください。