結論

お歳暮は一年の感謝を伝える品、お年賀は新年の挨拶として渡す品で、 同じ相手へ続けて贈るものでありながら意味の置きどころが違い、 お年賀はもともと、年始に相手の家を訪ねて手渡すものでした。

年内に間に合わなかったときは松の内までなら「御年賀」、 その後立春までなら「寒中御見舞」に書き替えて贈れば形が整いますし、 お歳暮を届けた相手へ、重ねてお年賀まで用意する必要はありません。

違いの比較表

十二月に品物を贈り、年が明けてからまた挨拶に伺うという流れは今も残っていますが、 暮れと年始が地続きになっているぶん、どちらの名目で渡すものなのかが分かりにくくなります。 デパートの売り場でも十二月の下旬になると掛け紙が「御年賀」に切り替わり、 同じ棚に並んでいた菓子折りが名前だけを変えて置かれます。

二つを分けているのは年内に渡すか年が明けてから渡すかという時期の線と、 送るものか持参するものかという渡し方の違いで、この二つが重なって性格が決まります。 金額の目安が違うことも、水引がどちらも同じであることも、そこから出てきた結果です。

項目お歳暮お年賀
意味 一年の感謝を伝える品として贈ります 新年の挨拶として年始に渡します
時期 12月上旬から20日ごろまでに届けます 元日から松の内のうちに手渡します
渡し方 配送で届けるのが今では主流です 本来は訪問して手渡すものでした
表書き 掛け紙には「御歳暮」と書きます 「御年賀」または「賀正」とします
金額 3千円から5千円ほどが目安になります 千円から3千円ほどで軽めにします
水引 紅白の蝶結びの掛け紙を使います こちらも紅白の蝶結びで構いません
喪中 祝い事ではないので喪中でも贈れます 「賀」が祝いの字なので使いません

お年賀の金額がお歳暮より軽いのは、格を落としているからではなく、訪問先で手渡す手土産としての性格が強いからです。玄関先で相手に受け取ってもらう品ですから、重い箱や日持ちのしないものは選びにくく、その制約がそのまま額に表れています。

実際に迷うのは、暮れにお歳暮を送った相手の家へ正月にも顔を出すことになった場合で、 もう贈ったのだからと手ぶらで伺ってよいのか、あらためてお年賀を用意すべきなのかが決めきれません。 義理の実家への帰省が毎年これにあたるという方も少なくないはずです。

そこで見るのは相手との関係の深さではなく、すでに改まった贈り物が届いているかどうかで、 届いているのなら掛け紙のない菓子折りを提げていけばそれで足ります。 玄関で渡すものが要るのであって、二度目の贈り物が要るわけではありません。

お年賀は持参するもの

お年賀という言葉だけを見ると年賀状の親戚のように思えますが、 もとは年始のあいさつ回りに提げていく手土産のことで、 松飾りの残る玄関先で相手に手渡すところまでが一続きの作法でした。 今は宅配で届けることも珍しくなくなりましたが、名残は掛け紙の掛け方や金額に残っています。

そのため持参するのか送るのかで整えるものが変わり、 同じ品でも掛け紙を包装紙の外側に掛けるか、内側に入れるかが分かれます。 いつ訪ねるか、先方の都合をどこまで確かめておくかという段取りも、送るだけの場合とは事情が違います。

場面整えかた
持参して手渡す 表書きが見える外のしを掛けて渡します
配送で届ける 包装紙の内側に掛ける内のしにします
訪ねる時期 松の内のうちに伺い、それを過ぎたら年始の挨拶になりません
訪問の前 先方の都合を必ず確かめてから伺います
品物の目安 千円から3千円ほどの菓子折りで足ります

伺う前に一報を入れておくのは形式のためではなく、三が日の家には親族や近所からの来客が重なるからです。座敷が埋まっている時間に飛び込むと、先方は席を作るところから始めることになりますし、こちらも玄関先で品物を渡して引き返す形になります。

訪問そのものが松の内を過ぎてしまう年もあり、そのときに掛け紙を「御年賀」のままにしておくと 辻褄が合わなくなって、松飾りがもう外れている家に年始の挨拶を持ち込む形になります。 仕事始めの都合で、十日を回ってからようやく伺えたということも実際には珍しくありません。

その場合は表書きを「寒中御見舞」に改めて持参すれば収まりますし、 そこまで改まらなくてよい相手であれば、掛け紙を掛けずに手土産として渡してしまうほうが自然です。 名目を玄関先で説明する必要もなくなりますので、受け取る側も気楽です。

間に合わなかったとき

暮れの手配が間に合わず、そのまま年を越してしまったときに困るのは、 品物そのものよりも掛け紙に何と書くかのほうです。 すでに買ってあるのに送れないまま三が日が過ぎ、松が取れたころになって、 今さら贈ってよいものかどうかを迷い始めます。

ここは着く日で表書きが決まる仕組みになっていますので、 相手との関係や品物の中身は判断に関わりません。 もう一つ、目上の方へ寒中に贈るときだけは、言葉を一段改める場面があります。

届く時期表書き
12月20日ごろまで 「御歳暮」とし、これが本来の時期です
12月下旬 「御歳暮」のままですが、不在に気をつけます
1月1日から松の内まで 「御年賀」に書き替えて贈ります
松の内から2月4日ごろまで 「寒中御見舞」に改めて贈ります
目上の方へ寒中に贈る 「寒中御伺」とすると、より改まった形になります

松の内は関東で1月7日、関西で1月15日までとされており、迷ったときは早いほうの7日を区切りにしておくと行き違いになりません。表書きは暦に合わせて選ぶ言葉ですから、地域の分かれ目にあたる相手ほど、早めに「寒中御見舞」へ寄せておくほうが安全です。

実務でつまずくのは表書きよりも配送のほうで、 十二月二十八日ごろから一月三日ごろまでは荷受けが止まるか大きく遅れますし、 相手も帰省や旅行で家を空けていることが多くあります。 この期間に着く手配をすると、送り状の控えだけが手元に残り、品物は営業所で数日眠ります。

年内に贈るなら十二月の中旬までに着くよう指定し、年が明けてからにするなら一月四日以降を選べば、 配送も相手の暮らしも通常に戻っています。 四日であれば「御年賀」がまだ使える時期ですから、数日待ったせいで表書きを書き替えることにもなりません。

喪中の場合

相手から喪中はがきが届いていると、年始の挨拶をどこまで控えるべきかで手が止まります。 年賀状を出さないところまでは決まっていても、暮れの品物や年始の訪問まで一緒にやめるべきなのかは、 はがきの文面からは読み取れません。

引っかかっているのは「賀」という一字で、 これが入るかどうかで扱いが変わり、同じ時期の贈り物でも通るものと通らないものに分かれます。 贈ること自体をやめるかどうかは、それとはまた別に考える必要があります。

状況対応
相手が喪中 松の内が明けてから「寒中御見舞」として贈ります
自分が喪中 同じ扱いでよく、贈ること自体は控えません
年内に間に合う 「御歳暮」なら喪中でも使えますので、そのまま贈ります
年賀状 新年を祝う挨拶にあたるため、その年は控えます

いちばん手間がかからないのは、年内のうちに「御歳暮」として贈ってしまう形で、この表書きなら喪中でも使えますから、松の内が明けるのを待つ必要がありません。年明けに回すと、七日か十五日かを見極めたうえで「寒中御見舞」に書き替えることになり、判断がひとつ増えます。

喪中と聞くと贈り物ごと控えるものだと考えてしまいがちですが、 控えるのは新年を祝う挨拶のほうであって、一年の礼を伝えるお歳暮はそこに含まれません。 毎年届いていた品が喪中の年だけ来ないと、遠慮だと分かっていても、先方には空白として残ります。

四十九日を過ぎていない時期だけは事情が違い、遺族が弔問や手続きに追われている最中に荷物が着いても、 受け取って礼を返すだけの余裕がありません。 この場合は落ち着かれるのを待ち、松の内が明けてから「寒中御見舞」として届くようにすれば、 こちらの気持ちも無理なく伝わります。

喪中のお歳暮を詳しく見る

両方贈るか

暮れにお歳暮を送り、年が明けてからその家へ年始の挨拶に伺うという年は、 贈り物が二重になってしまうのではないかと気になります。 デパートの紙袋を提げて玄関に立ちながら、これはお年賀と名乗るべきなのか、 ただの手土産として渡してよいのかを決めかねます。

分かれ目は改まった贈り物としてもう一度渡すのか、その場の手土産として渡すのかという一点で、 品物の値段や中身の問題ではありません。 手ぶらで座敷に上がるわけにもいきませんので、何かは提げていくことになります。

状況目安
お歳暮を贈った お年賀は用意せず、年賀状だけで足ります
お歳暮が間に合わなかった そのぶんを「御年賀」として年始に贈ります
年始に訪問する お歳暮を贈っていても、手土産は提げていきます
実家や義実家へ帰省する 掛け紙を掛けない手土産で十分です

訪問のときに提げていく手土産は、お年賀とは別のものと考えてください。お年賀が掛け紙を掛けて改まって渡す贈り物であるのに対し、手土産は座敷に上がらせてもらうことへの挨拶ですから、すでにお歳暮が届いている家であっても手ぶらにはしません。菓子折り程度で十分です。

実際に多いのは、お歳暮を送った義理の実家へ正月に帰省するという形で、 暮れに五千円の詰め合わせを届けたうえに、さらに掛け紙付きの品を用意すべきかどうかで悩みます。 同じひと月のうちに改まった贈り物が二度も届くと、受け取る側もかえって落ち着きません。

そこは掛け紙を省いて、道中の駅で買った菓子折りを渡すくらいでちょうどよく、 改まった気持ちのほうはすでに暮れの品で伝わっています。 年賀状を出しているのであれば、玄関先の挨拶と合わせて、それで一年分の礼が済んだ形になります。

お歳暮とお年賀のどちらの名目にするかに決まった正解があるわけではなく、 品物が相手に着く日と、その家へ足を運ぶかどうかを見て決めればそれで足ります。 年内に届くなら「御歳暮」でよく、年が明けてから渡すのなら「御年賀」に、 松の内を過ぎたのなら「寒中御見舞」に書き替えればよいだけのことです。

どちらで贈るとしても変わらないのは、渡す日に合わせて掛け紙の言葉をそろえることと、 同じ相手へ改まった贈り物を重ねないことの二つだけで、 この二つが守れていれば、年賀状と菓子折りだけの年始であっても不足にはなりません。

よくある質問

お歳暮とお年賀の違いは何ですか?

お歳暮は1年の感謝、お年賀は新年の挨拶です。時期はお歳暮が12月上旬〜20日ごろ、お年賀が1月1日〜松の内。お年賀は本来、新年に相手の家を訪問する際の手土産だったため、手渡しが基本で金額も軽めです。

お年賀の金額はいくらですか?

千〜3千円が目安です。お歳暮(3千〜5千円)より軽めなのは、訪問時の手土産という性格が強いためです。

年内に間に合わなかったらどうしますか?

松の内までは「御年賀」、松の内から立春(2月4日ごろ)までは「寒中御見舞」にします。松の内は関東が1月7日、関西が1月15日までです。迷ったら1月7日を区切りにすると安全です。

年末年始の配送で気をつけることは?

12月28日ごろから1月3日ごろは配送が止まるか大幅に遅れます。また相手も帰省や旅行で不在のことが多くあります。この期間に届く手配は避け、年内なら12月中旬まで、年明けなら1月4日以降にしてください。

喪中の場合はどうしますか?

「御年賀」は使いません。「賀」は祝いを意味する字だからです。松の内明けに「寒中御見舞」として贈ります。ただし年内に「御歳暮」として贈るなら喪中でも使えるため、そのほうが簡単です。

お歳暮とお年賀を両方贈るべきですか?

両方は不要です。お歳暮を贈ったなら、お年賀は年賀状だけで足ります。ただし年始に訪問するなら、お歳暮を贈っていても手土産は持参します。改まったものである必要はなく、菓子折り程度で十分です。

まとめ

  • お歳暮は一年の感謝、お年賀は新年の挨拶を表します
  • お年賀は本来、訪ねて手渡すものにあたります
  • 金額はお年賀のほうが軽く、千〜3千円が目安になります
  • 松の内までは「御年賀」とします
  • その後立春までは「寒中御見舞」にします
  • 喪中に「御年賀」は使いません
  • 年末年始は配送が止まりますので、12月中旬までか1月4日以降にします
  • 両方は贈らず、訪問の手土産は別に用意します

参考情報

  1. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  2. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  3. 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx

お年賀が本来持参するものである点、松の内を過ぎたら「寒中御見舞」にする点、喪中に「御年賀」を使わない点は、参照した情報源で共通しています。

本記事で紹介している金額や時期は一般的な目安です。地域やご家庭、業界の慣習によって異なる場合があります。お勤め先や取引先の規定で贈答が制限されていることがあります。事前にご確認ください。