結論
インターホンは約束の時間ちょうどに押すのがよく、 早めに着いたからといってそのまま押してしまうと支度の途中の相手を追い立てることになりますので、着いた時刻と指を伸ばす時刻は別のものとして考えておいてください。
押す前にコートを脱ぎ、襟や髪まで整えておけば、扉が開いてから玄関先で慌てることもなくなります。 近ごろのインターホンはカメラ付きがほとんどで、押した瞬間から画面に映っていますので、 髪や襟を直すのは指を伸ばす前に終わらせておくことになります。
押すタイミング
電車が思ったより早く着いてしまい、約束の十数分前に相手の家の前へ立っているという場面は、訪問のたびに起こります。 門の前で立ち止まったまま、このまま押してよいものか、それとも一度離れるべきなのかで迷うことになります。
ここで判断が分かれるのは、着いた時刻と、指を伸ばす時刻を同じものとして扱うかどうかという一点です。 その間には上着を脱いだり手土産を出したりという身支度の時間が要りますので、二つを切り離して考えておくと迷いません。
| タイミング | 目安 |
|---|---|
| 10分以上前 | 押さずに、近くの場所で時間を調整します |
| 5分前 | やや早いので、できればそこで少し待ちます |
| 時間ちょうど | ちょうどよい時機で、そのまま押して構いません |
| 2〜3分後 | 待たせるほどではなく、差し支えありません |
| 5分以上の遅れ | 押す前に電話を入れて、遅れを伝えておきます |
到着してすぐに押してしまうのではなく、身支度を整えるだけの時間をそこで取っておいてください。2〜3分前に着いて、コートを腕にかけ終わってから時間ちょうどに押すという形が、いちばんきれいに収まります。早すぎる訪問は、相手の支度がまだ終わっていない時刻に玄関の扉を開けさせることになり、迎える側の段取りを崩してしまいます。
招く側は、約束の時刻に合わせて掃除機をかけ、湯を沸かし、菓子皿を出すという段取りを組んでいます。 その途中で音が鳴れば、エプロンのまま出るか、それとも来客を待たせて着替えるかという選択を強いることになります。
早く着いてしまったときは、駅前の喫茶店や角のコンビニまで戻って、そこで時間を調整しておいてください。 家の前を行ったり来たりして待つのは、近隣の目にも落ち着かないものとして映りますし、玄関の窓から見えていることもあります。
押す前にすること
呼び鈴を押すまでの二、三分は、玄関先で自分の身なりを整えるための時間として使うことになります。 冬場であればコートとマフラーがそのままですし、手土産は紙袋ごとかばんの中に入ったままのことがほとんどです。
ここで迷いやすいのはどこまでを外で済ませ、どこからを玄関の中でしてよいのかという線引きになります。 外していくものと、持ち替えておくものとを分けて覚えておけば、ドアが開いてから手が止まることがなくなります。
| やること | 理由 |
|---|---|
| コートを脱ぐ | 外の埃を持ち込まないという考え方によります |
| マフラーと手袋を外す | 同じ理由で外し、畳んで腕にかけておきます |
| 身だしなみを整える | 押した瞬間から画面に映ることになります |
| 手土産を手に持つ | かばんから出して、手に提げておきます |
| マスクの扱いを決める | 外すのであれば、押す前に決めておきます |
| スマートフォンをしまう | 手に持ったままでは、応対ができません |
| 傘の水を切る | 玄関の床を濡らさないよう振っておきます |
コートを脱ぐのは玄関に入る前で、押す前にすることのなかでは、ここがもっとも忘れられやすい一点になります。ドアが開いてから慌てて袖を抜いていると、相手はその間ずっと三和土に立って待つことになりますし、脱いだコートの置き場にも困ります。外したところで裏地が外側になるように畳み、腕にかけた形のまま、応答があるのを待っていてください。
近ごろのインターホンはカメラ付きがほとんどですので、押した瞬間から相手の手元の画面にこちらの顔が映っています。 髪を直したり、シャツの襟を入れ直したりといった動きは、その画面にそのまま流れていくことになります。
そのため身だしなみの確認は、玄関へ向かう前の道の途中か、集合住宅であればエントランスの外で済ませておいてください。 雨の日は傘の水を軽く切ってから畳み、玄関の三和土を濡らさないようにしておくと、上がったあとで拭いてもらう手間も生まれません。
押し方と名乗り方
指を離してから応答があるまでの数秒は思いのほか長く、聞こえていないのではないかと不安になって、もう一度押したくなります。 その一度が二度三度と重なると、相手の家の中ではチャイムの音が立て続けに鳴っていることになり、こちらが急かしているように響きます。
応答があったあとにも迷いが残り、名乗るだけでよいのか、あいさつまで済ませるのかというところで言葉が長くなりがちです。 相手との間柄によって切り出し方は少しずつ変わってきますので、指を伸ばす前に、そこだけは決めておいてください。
| 場面 | 言い方 |
|---|---|
| 親しい相手 | 「〇〇です」と名字だけで十分に通じます |
| 改まった相手 | 「〇〇でございます。本日はお招きいただきありがとうございます」と続けます |
| 初対面 | 「〇〇の〇〇と申します」と所属から名乗ります |
| 遅れて着いた | 「〇〇です。遅くなり申し訳ありません」と添えます |
インターホン越しに用件まで話し込まず、名乗ったところで切り上げておいてください。相手は受話器を置いて玄関へ向かっている途中ですので、そこで話し始めると、聞き取るために廊下で足を止めさせることになります。あいさつのほうは扉が開いて顔を合わせてから、手土産を差し出す前に改めて頭を下げれば、それで十分に足ります。
押すのは一回だけにとどめておき、返事がないからといって、そのまま続けて二度三度と押さないでください。 家の中では同じ音が鳴り続けることになり、二階から下りてきている途中の相手を急かす形になります。
音が鳴ったあとはカメラの正面に立ち、顔がまっすぐ映るようにしておくと、相手も誰が来たのかをその場で確かめられます。 家族や同僚と連れ立って伺ったときは、全員が名乗る必要はなく、代表者が一人で名乗っておけばそれで通ります。
応答がないとき
約束の時刻に押したのに何の反応もないという状況は、訪問のなかでもっとも落ち着かない時間になります。 日付を間違えたのではないか、家を間違えたのではないかと、門の前で予定表を開き直すことになります。
ここで判断が分かれるのは、どこまで待ってから次の手に移り、どの順で連絡を試していくかという進め方のほうになります。 手を打つ順番を決めておけば、玄関先で立ち尽くしたまま時間だけが過ぎるということもなくなります。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 1回目に出ない | 1〜2分待ちます。手が離せないことがあります |
| 2回目も出ない | 携帯電話のほうへかけ直してみます |
| 電話も出ない | メッセージを送って、10分ほど待ちます |
| それでも応答がない | 連絡を残したうえで、いったん引き上げます |
返事がないからといって、間をおかずに何度も押し続けてしまわないでください。手を洗っている最中であったり、電話の途中であったりして、そのときだけ出られないということのほうが多くなります。1〜2分ほど間をおいてから、もう一度だけ押してみるという形にしておけば、相手も落ち着いて玄関へ出てこられます。
心配になってくると、窓から中をのぞいたり、玄関の扉を続けて叩いたりしたくなりますが、これは避けておいてください。 通りがかった近隣の方から見れば、家人の留守中に建物のまわりを歩き回っている人にしか見えず、あとで相手のほうが説明に困ることになります。
連絡が取れないまま時間が過ぎたときは、いったん引き上げて、あとから改めて連絡を入れるほうが確実に片が付きます。 高齢の方の一人暮らしなど安否そのものが心配な場合は事情が別になりますが、そのときも自分で確かめようとせず、家族や管理会社へ相談してください。
集合住宅の場合
マンションを訪ねるときは、玄関の前にたどり着くまでにもう一段階あり、エントランスの操作盤で部屋番号を押すところから始まります。 戸建てのつもりで向かうと、自動扉の手前で立ち止まったまま、案内の文面から部屋番号を探し直すことになります。
もう一つ迷いやすいのが車で伺うときで、来客用の駐車場があるかどうかは建物によって違います。 着いてから空きを探し回ることのないよう、出かける前に確かめておく項目として押さえておいてください。
| 場面 | 注意 |
|---|---|
| オートロック | エントランスの操作盤で部屋番号を押します |
| 部屋の前でもう一度 | 解錠されたあと、玄関前でもう一度押します |
| 共用部で騒がない | 声が響きますので、ほかの住人に配慮します |
| 駐車場 | 来客用があるかを、事前に確かめておきます |
| エレベーター | 先に乗っている住人のほうへ道を譲ります |
車で伺うのであれば、来客用の駐車場があるかどうかを、家を出る前に相手へ確かめておいてください。来客用の区画がない集合住宅も多く、着いてからその場で路上に停めてしまうと、近隣の方や通行する車に迷惑がかかります。近くのコインパーキングの場所まで聞いておけば、当日に建物のまわりを探し回らずに済みます。
エントランスで解錠してもらえると、そのまま部屋まで上がって扉を叩けばよいように思えますが、玄関の前でもう一度押すのが基本の形になります。 相手のほうは、こちらが何階まで来ているかを廊下から見ているわけではありませんので、扉の前に着いたことを知らせる必要があります。
共用の廊下やエレベーターの中は声がよく響きますので、家族連れで伺うときは、子どもに先に一言伝えておいてください。 エレベーターで先に乗っている住人がいれば、扉を押さえて先に降りてもらうほうが、訪問先の顔を立てることにもつながります。
玄関でのマナーを詳しく見る押す時刻に一つだけの正解があるわけではなく、着いた時刻と相手との間柄を見て、 いちばん相手を急かさない形を選べばそれで十分です。十分以上早く着いたのであれば 近くで時間を調整すればよいですし、二、三分の遅れであれば、そのまま押しても 待たせるほどにはなりません。
どの訪問先でも変わらないのは、身支度を整えてから押すことと、押したあとは相手を 急かさないことの二つだけです。この二つさえ守っていれば、名乗り方の細かい言い回しを 思い出せなくても失礼にはなりませんし、扉を開けた相手も、玄関先で慌てずに 迎え入れられます。
よくある質問
インターホンは何分前に押しますか?
約束の時間ちょうどに押します。10分以上前は押さず、近くで待ちます。理想は2〜3分前に着いて身支度を整え、時間ちょうどに押すことです。
押す前に何をしておきますか?
コートを脱ぎ、マフラーや手袋を外し、身だしなみを整えます。手土産をかばんから出し、スマートフォンをしまいます。とくにコートは玄関に入る前に脱ぐのが基本で、もっとも忘れられやすい点です。
カメラ付きインターホンで気をつけることは?
押した瞬間から画面に映ります。髪を直す、服を整えるといったことは押す前に済ませてください。押した後はカメラの正面に立ち、顔が映るようにします。
何と名乗ればよいですか?
「〇〇です。こんにちは」で十分です。初対面なら「〇〇の〇〇と申します」とします。相手は玄関へ向かっている途中なので長く話さず、あいさつは対面してから改めてします。
応答がないときは?
1〜2分待ってから、もう一度だけ押します。手洗いや電話中で出られないだけのことがあります。2回目も出なければ電話をかけ、それでも応答がなければメッセージを残していったん帰ります。何度も押したり窓を覗いたりしないでください。
集合住宅で気をつけることは?
オートロックならエントランスで部屋番号を押し、解錠後に玄関前でもう一度押します。共用部では声が響くため騒がないでください。また駐車場は事前に確認してください。来客用がない集合住宅も多くあります。
まとめ
- 約束の時間ちょうどに押します
- 2〜3分前に着いて、整えてから押します
- 押す前にコートを脱ぎます
- 押した瞬間から画面に映っています
- 1回だけ押し、連打はしません
- 名乗るだけで十分で、長くは話しません
- 応答がなければ1〜2分待ちます
- 集合住宅は駐車場を事前に確かめます
参考情報
- 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 高島屋「進物の基礎知識」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html - 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
手土産の金額や渡し方に公的な基準はありません。本記事は広く共通して挙げられる目安をまとめたものです。地域・ご家庭・間柄によって実際には大きく異なります。
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。手土産に決まりはなく、地域・ご家庭・間柄によって異なります。とくに親しい相手との間では、形式より相手の負担にならないことを優先してください。