結論

受付の前で袱紗から香典を取り出し、袱紗を畳んで香典の下に敷きます。 そのうえで相手が表書きを読める向きに回し、両手で差し出します。

添える言葉は「このたびはご愁傷さまでございます」。 余裕があれば「ご霊前にお供えください」を加えます。 袋をバッグから直接出すのは避けます。

渡すまでの手順

順所作
1受付の手前で袱紗を開く
2香典を取り出す
3袱紗を畳み、香典の下に敷く(台にする)
4相手が読める向きに回す
5両手で差し出す
6お悔やみを述べ、一礼

向きは相手から見て正面です。自分から見て正しい向きのまま出すと、 受け取る側は逆さの表書きを見ることになります。

袱紗からの出し方

袱紗は受付に着く前に開きます。 列に並んでいる間に取り出せる状態にしておくと、後ろを待たせません。

受付では袱紗から出して渡します。 袋のまま差し出す場面ではありません。 手順が決まっているのは、片手がふさがりやすいためです。

やることなぜ
袱紗を開いて取り出す 袋を汚さず、折らずに運ぶための道具だから
袱紗を畳んで下に敷く 簡易的な台(切手盆)の代わりになる
香典をその上に載せる 直接手渡しするより丁寧な形になる

袱紗を畳んで下に敷くのは、知っていると差が出る所作です。 省略しても失礼にはなりませんが、覚えておくと落ち着いて見えます。

袱紗の色・包み方・ない場合の代用を見る

向きと両手の理由

表書きが相手から読める向きになるよう、手元で回してから差し出します。 自分に正しい向きのまま出すと、受け取る側には逆さに見えます。

両手で差し出すのは、金封を丁重に扱っていることを示すためです。 片手で渡す、放るように置くといった動作は避けます。

バッグから直接出さない

香典袋をそのままバッグに入れて持参し、受付でそこから出すのはふさわしくないとされます。角が折れたり汚れたりするためです。

袱紗がない場合は、黒や紺の無地のハンカチで包んでいけば同じ役割を果たせます。

添える言葉

受付では一言添えます。 黙って差し出す場面ではありません。

言いにくいのは言葉が重いためです。 はっきり言い切ると強く響き、 口ごもると伝わりません。

場面言葉
基本 このたびはご愁傷さまでございます
差し出しながら ご霊前にお供えください
遺族に直接渡すとき 心よりお悔やみ申し上げます
言葉が出ないとき 黙って一礼するだけでも差し支えありません

声を落として述べ、語尾は最後まで言い切らなくて構いません。 「このたびはご愁傷さまで……」と語尾をぼかす形も、弔事では自然です。

受付に間に合わなかったとき

遅れて到着し、受付が終わっている場合があります。 その場合は係の方に声をかけて預けるのが確実です。

到着が遅れる、受付を見落とす、という場面があります。 受付が閉まった後にどう渡すかは、 勝手に判断すると遺族の手間になります。

状況対応
受付が撤収している 葬儀社の係に「香典をお預けしたい」と伝える
式の途中で着いた 焼香を終えてから渡す
誰にも渡せなかった 後日郵送する

焼香の際に祭壇へ直接置くことはしません。 遺族が誰からのものか分からなくなり、香典返しの準備ができなくなります。

代理で渡すとき

本人が参列できず、代理で持参する場合も渡し方は同じです。 違うのは名乗り方だけです。

受付では「〇〇の代理でまいりました」と伝え、 芳名帳には本人の名前を書き、その下に小さく 「代」(妻が夫の代理なら「内」)と添えます。

香典袋の名前の書き方を見る(代理・連名・会社)

後日渡す・郵送する

葬儀に参列できなかった場合、香典は後日渡すか郵送します。 郵送は現金書留で送ります。普通郵便で現金を送ることはできません。

葬儀に行けなかった場合は、後日渡すか郵送になります。 郵送には決まった方法があり、 普通の封筒では送れません。

項目内容
送り方現金書留専用封筒に、香典袋ごと入れる
添えるものお悔やみの手紙を同封する
時期葬儀の1週間後〜四十九日までに届くように
宛先喪主の自宅。斎場へは送らない

葬儀の直後は遺族が慌ただしくしています。 少し落ち着いてから届くようにすると、負担になりません。

よくある質問

香典はどのように差し出しますか?

受付の手前で袱紗から取り出し、袱紗を畳んで香典の下に敷きます。そのうえで相手が表書きを読める向きに回し、両手で差し出します。袱紗を台の代わりにするのは、直接手渡しするより丁寧な形になるためです。

香典袋をバッグから直接出してもよいですか?

ふさわしくないとされます。角が折れたり汚れたりするためです。袱紗がない場合は、黒や紺の無地のハンカチで包んでいけば同じ役割を果たせます。

渡すときに何と言いますか?

「このたびはご愁傷さまでございます」が基本です。差し出しながら「ご霊前にお供えください」と添える形もあります。言葉が出ないときは、黙って一礼するだけでも差し支えありません。

受付が終わっていた場合はどうしますか?

葬儀社の係に声をかけて預けます。式の途中で着いた場合は、焼香を終えてから渡します。焼香の際に祭壇へ直接置くことはしません。遺族が誰からのものか分からなくなるためです。

代理で渡す場合はどうしますか?

渡し方は同じで、名乗り方だけが違います。「〇〇の代理でまいりました」と伝え、芳名帳には本人の名前を書き、その下に小さく「代」(妻が夫の代理なら「内」)と添えます。

香典を郵送してもよいですか?

現金書留で送ります。普通郵便で現金を送ることはできません。香典袋ごと現金書留専用封筒に入れ、お悔やみの手紙を同封します。葬儀の1週間後から四十九日までに、喪主の自宅へ届くようにします。

まとめ

  • 袱紗から出し、畳んで下に敷く
  • 相手が読める向きに回して両手で
  • 言葉は「このたびはご愁傷さまでございます」
  • バッグから直接出さない
  • 受付が終わっていたら係に預ける
  • 祭壇に直接置かない
  • 郵送は現金書留。手紙を添える

参考情報

  1. 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「袱紗とは:冠婚葬祭で使う袱紗(ふくさ)の選び方と包み方について徹底解説」
    https://www.zensoren.or.jp/dictionary/dictionary14/
  2. 小さなお葬式「葬式で使用する袱紗(ふくさ)とは?袱紗の包み方と渡し方」
    https://www.osohshiki.jp/column/article/197/
  3. 小さなお葬式「香典のお札の入れ方は?香典袋の書き方や渡すタイミングを解説」
    https://www.osohshiki.jp/column/article/321/

袱紗からの取り出し方、袱紗を下に敷くこと、相手が読める向きで両手で差し出すことは、参照した情報源で共通しています。

本記事で紹介している作法は一般的な目安です。地域・宗派・葬儀社によって進行が異なる場合があります。係の方から案内があった場合は、そちらに従ってください。