結論

弔電は葬儀に参列できないときにお悔やみを伝える電報で、 告別式のなかで読み上げられることが多いものですから、 告別式の開式前に届くように手配してください。

宛名は喪主、送り先は斎場にしておけば形になりますし、 香典や供花と違って返礼が要らず遺族の手を煩わせないため、 もっとも負担の軽い弔意の示し方だとされています。

弔電とは

訃報の連絡が届いたものの、遠方に住んでいたり仕事の都合がついたりせず、 どうしても足を運べないという場面があります。 何もしないままでは気がかりが残りますし、 かといって突然自宅へ押しかけるのも、支度で慌ただしい遺族には負担になります。

そうしたときに使われるのが弔電で、これはお悔やみを伝える電報ですから、 多くの場合は告別式のなかで読み上げられます。 弔辞に続いて司会者が差出人と本文を読み上げる時間があり、 その場に居合わせなくても弔意だけは式場に届くという形になります。

項目基本
宛名喪主のフルネームを書きます
送り先通夜・葬儀を行う斎場あてにします
届ける期限告別式の開式前まで(通夜までが理想です)
申し込みインターネットか電話で受け付けています
料金の目安台紙込みで2千〜5千円程度をみておきます
差出人氏名・所属・連絡先まで入れておきます
故人の呼び方喪主から見た続柄にします(ご尊父様など)

弔電がもっとも選ばれるのは、遺族の負担がいちばん軽いからです。香典には香典返しという返礼が伴いますし、供花には飾る場所と並び順という会場の都合が伴いますが、弔電には返礼が要りません。香典や供花を辞退している家でも弔電だけは受け取ることが多いのは、この違いによります。

料金は事業者と台紙の組み合わせによって変わりますので、 高額な台紙を選べば丁寧になるというものではありません。 式で読み上げられるのは文面のほうですから、 どの台紙にするかより、何をどう書くかと、いつ届くかのほうが結果を左右します。

参列している人の目に触れるのも、実際には台紙ではなく読み上げられた言葉です。 弔辞のあとに差出人の名前と本文が読まれ、 そこで初めて「来られなかったけれど気にかけていた人」として遺族に伝わりますので、 形より、間に合わせることのほうを優先してください。

いつ送るか

訃報を受け取った直後は、通夜と告別式の日程を確かめるだけで手一杯になりがちです。 弔電のことを思い出すのが翌朝になってしまい、 いまから頼んで間に合うのだろうかと不安になる、という順序で迷う方が少なくありません。

分かれ目になるのは読み上げに間に合うかどうかの一点で、 弔電は式のなかで読まれるものですから、 開式後に届いてしまうと、その場で使われないまま遺族の手元に残ることになります。

タイミング扱い
通夜までに届く理想的です。落ち着いて扱ってもらえます
告別式の開式前間に合います。ここが締切だと考えてください
告別式の当日朝受け取ってはもらえますが、読み上げに間に合わないことがあります
告別式の後送りません。手紙に切り替えるほうが収まります

訃報を受けたその日のうちに手配してしまうのが、いちばん確実です。当日配達に対応している事業者もありますが、いずれも申し込みの締切時刻が決められています。式場の準備が進むほど受け取り側も手が離せなくなりますので、日程さえ分かった時点で先に頼んでしまってください。

葬儀の支度が急ぎ足で進むことは、遺族の側を対象にした調査からも見て取れます。 株式会社鎌倉新書が2026年2月27日から3月3日にかけて行った 「第7回お葬式に関する全国調査」は、直近2年以内に喪主またはそれに準ずる立場を 経験した40歳以上の男女2,000人へのインターネット調査ですが、 葬儀の事前準備を「していなかった」と答えた方が63.8%で最多でした。

喪主の側がそれだけ慌ただしいのですから、 こちらから「まだ届きませんか」と確認の電話を入れるのは避けたいところです。 早めに出しておけば、遅れの確認そのものが要らなくなりますので、 迷っている時間があれば先に手配を済ませてしまうほうが、双方にとって楽になります。

間に合わない場合の対応を詳しく見る

どこへ送るか

申し込みの画面で最初につまずくのが送り先の欄で、 故人の自宅を書けばよいのか、それとも式場なのかで手が止まります。 年賀状のやり取りがあった相手なら自宅の住所は分かるものの、 それを書いてよいものか判断がつかない、という状態です。

送り先は自宅ではなく通夜・葬儀を行う斎場のほうで、 読み上げるのが式場である以上、 弔電も式場に届いていなければ司会者の手元にそろわないためです。

確認するもの書き方
送り先斎場の名称と住所を、訃報の案内どおりに書きます
宛名喪主のフルネームを正確に書きます
葬儀の日時通夜と告別式の開始時刻を確かめておきます
自宅で葬儀を行う場合このときだけ喪主の自宅あてにします
斎場が分からない共通の知人か葬儀社に確認してから頼みます

大きな斎場では、同じ時間帯にいくつもの葬儀が並行して進んでいます。どの家あての弔電なのかが分からないと式場の側で仕分けができませんので、喪主名は略さずフルネームで書いてください。斎場名・住所・日時も、記憶ではなく訃報の案内を見ながら入力するほうが確実です。

喪主の名前が思い出せないという場面は、実際にはよく起こります。 故人とは長い付き合いでも、ご家族とは面識がないという関係であれば、 訃報の文面を読み返して喪主の欄を探すところから始めてください。 それでも見当たらないようであれば、故人と共通の知人に一度尋ねてしまうほうが、 推測で書いて間違えるよりも早く片づきます。

斎場の連絡先が分かるようであれば、そこへ電話をして 「〇〇家の葬儀の件で弔電を送りたい」と伝える方法もあります。 式場の側は当日の予定を把握していますから、 喪主名や住所の表記をその場で教えてもらえることが多く、書き間違いも防げます。

宛名の書き方を詳しく見る(喪主が分からない場合)

申し込みの手順

弔電を出したことがないと、何か特別な手続きが要るのではないかと身構えてしまいます。 実際には入力する項目が決まっていますので、 手元に訃報の案内さえあれば、通勤の途中でも数分で終わる作業です。

時間がかかるとすれば宛先の確認のほうで、 喪主名や斎場名が分からないまま画面を開くと、 途中で手が止まって結局あとまわしになってしまいます。

順すること
1訃報で斎場名・住所・日時・喪主名を確かめます
2事業者のサイトを開くか、電話をかけます
3台紙を選びます
4用意されている定型文から文面を選びます
5故人の敬称を、喪主から見た続柄に差し替えます
6差出人の氏名・所属・連絡先を入力します
7配達日を指定して送信します

文面は定型文が用意されていますので、一から考える必要はありません。手を入れるのは故人の呼び方だけで、父なら「ご尊父様」、母なら「ご母堂様」のように、喪主から見た続柄に差し替えます。ここを直し忘れると、誰のことを述べているのか分からない文面のまま読み上げられてしまいます。

差出人の欄については、氏名だけで済ませてしまわないほうが親切な形になります。 遺族が故人の交友関係を全員把握しているとは限りませんので、 会社名や部署名、故人との関係が分かる肩書きまで入れておくと、 読み上げを聞いた参列者にも、どういう間柄の人からなのかが伝わります。

連絡先を添えておく意味も同じところにあり、 葬儀のあとで遺族が礼状を出す段になったときに、 宛先を調べ直す手間が省けます。 故人の交友関係を遺族が知らない場合ほど、この一行が効いてきます。

台紙と料金

申し込みの画面で必ず迷うのが台紙で、 紙のものから押し花や線香付きのものまで並んでおり、値段には数千円の幅があります。 安いものを選んで軽く見られないだろうかと考え始めると、 なかなか決められないところです。

料金は台紙代と文字料の合計で決まり、 弔事用の台紙は白・紺・グレーといった落ち着いた色でまとめられていますので、 どれを選んでも場にそぐわないということはありません。

台紙目安向いている相手
紙の台紙1千〜2千円台です友人・知人に向きます
布張り・押し花3千〜5千円台です仕事関係・親族に向きます
線香付き・刺しゅう5千円からになります取引先や改まった相手に向きます

高い台紙を選んだからといって、それが丁寧さとして伝わるわけではありません。式で読み上げられるのは文面であり、台紙は遺族の手元に残るだけです。相手との関係に釣り合うものを選んでおけば十分で、そこに迷って手配が遅れるほうが、はるかに惜しいことになります。

線香付きの台紙は、遺族がそのまま仏前に供えられるという点で選ばれます。 ただし宗派によっては線香を使わないこともありますので、 キリスト教式や神式の葬儀では線香そのものを使いませんので、 相手の宗教が分からない場合は、無地に近い台紙を選ぶほうが無難です。

台紙の色についても、迷ったら白か薄いグレーを選んでおけば外れません。 押し花や刺しゅうの入ったものは見た目こそ整いますが、 華やかさが前に出ると、弔事の場では浮いて見えることがありますので、 改まった相手にこそ、落ち着いた色を選ぶほうが収まります。

香典・供花との関係

弔電を出すと決めたあとで、これで足りるのだろうかという迷いが残ります。 香典も郵送すべきなのか、供花まで出すのは大げさなのか、 そもそも辞退の記載がある場合に弔電を送ってよいのか、という三つが重なります。

考え方としては、弔電は香典や供花の代わりにはならないものの、 弔電だけでも失礼にはならないという二つを押さえておけば足ります。 重ねるかどうかは、故人との関係の深さと、こちらの立場で決まります。

状況目安
参列できず、香典は郵送する弔電も送っておくと丁寧に受け取られます
香典を辞退されている弔電だけで十分です。無理に重ねません
会社として対応する弔電と供花を組み合わせるのが一般的です
面識が薄い弔電のみで構いません
「弔電も辞退」と記載がある送りません。記載どおりに従います

「御厚志辞退」という記載に弔電は含まれないことが多いものの、これは家によって受け取り方が分かれます。辞退の趣旨が「返礼の手間をかけたくない」ということであれば弔電は差し支えありませんが、判断に迷う場合は、共通の知人か遺族に一度確かめてから決めてください。

辞退の記載が増えている背景には、葬儀そのものの形が変わってきたこともあります。 先の鎌倉新書の調査では、実施した葬儀の形式として 家族葬が47.0%で最も多く、参列者を身内に限る形が定着しつつありますので、 参列を辞退される場面が増えれば、そのぶん弔電の出番も増えていきます。

会社として対応する場合は、個人の判断で決めずに社内の前例を確かめてください。 取引先や社員のご家族に対しては弔電と供花をまとめて手配する決まりが あることも多く、 個人名で先に送ってしまうと、あとから会社名義のものと重なることになります。

弔電に唯一の正解があるわけではなく、 故人とどのくらい近かったか、参列できるかどうか、 会社として動くのか個人として出すのかという三つを見て、 その場で無理のない形を選べばそれで足ります。 面識が薄ければ弔電だけで構いませんし、 香典を辞退されている家であれば、むしろ弔電のほうが受け取りやすい弔意になります。

どの場合でも変わらないのは、告別式の開式前に届くよう手配することの一点だけで、 これさえ守っていれば、台紙の種類や文面の言い回しを思い出せなくても失礼にはなりません。 読み上げに間に合った弔電は、参列できなかったこと自体を補ってくれます。

よくある質問

弔電とは何ですか?

お悔やみを伝える電報です。葬儀に参列できないときに弔意を形にする方法で、多くの場合は告別式のなかで読み上げられます。返礼が不要なため、遺族の負担がもっとも軽い方法とされています。

いつまでに届けばよいですか?

告別式の開式前です。通夜までに届くのが理想的です。読み上げに間に合わないと意味が半減するため、訃報を受けたその日のうちに手配するのが確実です。当日配達に対応している事業者にも締切時刻があります。

送り先は自宅ですか、斎場ですか?

通夜・葬儀を行う斎場です。読み上げるのが式場だからです。自宅で葬儀を行う場合のみ喪主の自宅へ送ります。大きな斎場では複数の式が同時進行するため、喪主名はフルネームで正確に書いてください。

文面は自分で考えるのですか?

定型文が用意されているため、一から考える必要はありません。故人の呼び方だけ、喪主から見た続柄に合わせて差し替えます。父なら「ご尊父様」、母なら「ご母堂様」です。

台紙は高いものを選んだほうがよいですか?

必要ありません。読み上げられるのは文面で、台紙は遺族の手元に残るだけです。相手との関係に見合ったものを選べば十分で、届くタイミングのほうがはるかに重要です。

香典を辞退されている場合も弔電は送ってよいですか?

送って構いません。弔電は返礼が不要なため、香典や供花を辞退している家でも受け取ることが多くあります。ただし「弔電も辞退」と明記されている場合は送りません。

まとめ

  • 弔電で参列できないときのお悔やみを伝えます
  • 告別式の開式前に届くよう手配します
  • 宛名は喪主のフルネームにします
  • 送り先は自宅ではなく斎場にします
  • 文面は用意された定型文から選べます
  • 料金は台紙込みで2千〜5千円程度をみておきます
  • 高い台紙が丁寧というわけではありません
  • 返礼が要らないため遺族の負担が軽く済みます

参考情報

  1. NTT西日本 D-MAIL「弔電は誰宛に送る?宛名を喪主以外にしたい、喪主が分からない場合の対処法やマナーもご紹介」
    https://dmail.denpo-west.ne.jp/column/detail/00006/
  2. でんぽっぽ(KDDIグループ)「弔電の送り方|申し込み方法から宛名の書き方・文例・マナーまで」
    https://www.denpoppo.com/ext/guide/column/manner.html
  3. 全国儀式サービス「弔電の送り方-送るタイミングや宛名・差出人、文例や金額についてご紹介」
    https://www.gishiki.co.jp/columns/538
  4. 株式会社鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」(2026年2月27日〜3月3日実施・インターネット調査・直近2年以内に喪主を経験した40歳以上の男女2,000人)
    https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12326/

鎌倉新書の全国調査は喪主を経験した方へのインターネット調査で、弔電を受け取った側の実感や、弔電そのものの通数を測ったものではありません。宛名を喪主とすること、送り先を斎場とすること、告別式の開式前に届くよう手配することは、参照した情報源で共通しています。故人の敬称は一般に用いられているものを挙げています。

本記事で紹介している目安は一般的なものです。料金や申し込みの締切は事業者によって異なります。実際の手配にあたっては、利用する事業者の案内をご確認ください。