結論
避ける理由は3つに整理できます。 言葉の連想(鉢植え・櫛・パジャマ)、 病室の事情(生花・においの強いもの・要冷蔵)、 持ち帰りの負担(大きいもの・重いもの)。
このうち実際に問題になるのは後ろの2つです。 言葉の連想は、相手が気にしないなら気にしなくてよい場面もあります。
避けるものと理由
| 避けるもの | 理由 | 分類 |
|---|---|---|
| 鉢植え | 「根づく=寝つく」 | 言葉の連想 |
| シクラメン | 「死」「苦」の音を含む | 言葉の連想 |
| 菊 | 葬儀を連想させる | 言葉の連想 |
| 椿・チューリップ | 花が落ちる | 言葉の連想 |
| アジサイ | 色あせる | 言葉の連想 |
| 櫛(くし) | 「苦」「死」 | 言葉の連想 |
| パジャマ・寝間着 | 「寝つく」 | 言葉の連想 |
| 生花 | 持ち込み禁止の病院が多い | 病室の事情 |
| 香りの強いもの | こもる。同室の方に影響 | 病室の事情 |
| 生もの・要冷蔵 | 冷蔵庫が使えないことがある | 病室の事情 |
| 大きいもの・重いもの | 置き場所がない。退院時の荷物 | 持ち帰りの負担 |
「4つ」「9つ」といった数も避けます。 「死」「苦」を連想させるためで、金額と同じ考え方です。
言葉の連想で避けるもの
日本の贈答マナーには、音や様子からの連想で避けるものがあります。 お見舞いでは、病気が長引くことを連想させるものが対象です。
避けられるものの一部は言葉の連想から来ています。 根拠が語呂にあるため、 気にする方とそうでない方に分かれます。
| 避けるもの | 連想 |
|---|---|
| 鉢植え | 根が張る=寝つく(入院が長引く) |
| シクラメン | 「シ」=死、「ク」=苦 |
| 菊 | 葬儀の花 |
| 椿 | 花が首から落ちる |
| アジサイ | 枯れて色あせる |
| 櫛 | 「く」=苦、「し」=死 |
| パジャマ・寝間着 | 寝つく |
| 4つ・9つの品 | 死・苦 |
これらは「気にする人がいる」という性質の慣習です。 絶対的な禁止ではありません。相手や状況によって判断が変わります。
病室の事情で避けるもの
こちらは実際に困るものです。連想ではなく、 受け取れない・使えないという実務上の理由があります。
もう一方は病室で実際に困るものです。 こちらは慣習ではなく、 置き場所や管理の問題として起こります。
| 避けるもの | 起きること |
|---|---|
| 生花 | 持ち込み禁止の病院が多い。受け取れない |
| 香りの強い花・香水 | 病室にこもり、同室の方にも影響 |
| 生もの・要冷蔵 | 冷蔵庫がない、または共用で入らない |
| 食事制限に触れる食べ物 | 受け取っても食べられない |
| 音の出るもの | 同室の方の迷惑になる |
いずれも事前確認で防げます。 「生花は大丈夫?」「食事の制限はある?」と聞くだけで、選択肢が絞れます。
持ち帰りの負担になるもの
見落とされがちなのが退院日の荷物です。 入院中に受け取ったものは、すべて自宅へ運ぶことになります。
見落とされやすいのが退院日の荷物です。 入院中に受け取ったものは、 すべて家に持ち帰ることになります。
| 避けるもの | 理由 |
|---|---|
| 大きな箱 | 病室に置き場所がない |
| 重いもの | 飲料の箱など。退院時に運べない |
| かさばる花束 | 花瓶がない。持ち帰りも難しい |
| 壊れやすいもの | 移動中に破損する |
重いものを贈りたい場合は、退院後に自宅あてへ送るほうが親切です。 入院中に渡す必要はありません。
例外として認められる場合
本人が欲しがっているもの
パジャマは「寝つく」を連想させるとされますが、本人が必要としているなら差し支えありません。前開きのパジャマは入院中にとくに重宝します。
相手が希望している品を、慣習を理由に外すのは本末転倒です。判断の軸は「相手が慣習を重んじる方かどうか」「直接聞ける関係かどうか」になります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 本人から頼まれた | そのまま贈ってよい |
| 親しい友人・家族 | 実用性を優先してよい |
| 目上の方・年配の方 | 慣習に沿って避ける |
| 相手の考えが分からない | 避けておくほうが安全 |
どこまで気にするか
3つの分類のうち、実際に問題になるのは「病室の事情」と「持ち帰りの負担」です。 こちらは相手が気にするかどうかに関係なく、困りごとが生じます。
一方、言葉の連想は「気にする人がいる」という性質のものです。 相手や関係によって、判断が変わって構いません。
迷ったら、確実なものを選びます
判断がつかない場合は、個包装の菓子・タオル・商品券のいずれかにしておけば外しません。
どれも連想の問題がなく、かさばらず、持ち帰りやすいためです。
代わりに選べるもの
避けたいものが分かっても、では何を贈るかが残ります。 定番が軒並み外れることもあります。
置き換えの考え方は同じ役割で条件を満たすものを探すことです。 花なら日持ちする形、 食べ物なら制限に関わらないものになります。
| 避けたいもの | 代わりに |
|---|---|
| 鉢植え・生花 | プリザーブドフラワー、造花、花の絵のカード |
| パジャマ | タオル、ガーゼハンカチ、靴下 |
| 生もの・要冷蔵 | 常温で日持ちする個包装の菓子 |
| 重い飲料 | 商品券(売店で使える場合も) |
| 大きな品物 | カタログギフト(退院後に選べる) |
カタログギフトは、この場面と相性がよい選択です。 かさばらず、退院後に落ち着いて選べます。
よくある質問
お見舞いで避けるものは何ですか?
鉢植え(根づく=寝つく)、シクラメン・菊・椿などの花、櫛、パジャマ、生花、香りの強いもの、生もの、大きいもの・重いものです。理由は「言葉の連想」「病室の事情」「持ち帰りの負担」の3つに整理できます。
なぜ鉢植えを避けるのですか?
根が張ることが「寝つく(入院が長引く)」を連想させるためです。同じように、シクラメンは「死」「苦」の音を含み、椿は花が首から落ち、アジサイは色あせるとして避けられます。
パジャマを贈ってはいけませんか?
「寝つく」を連想させるとして避ける考え方があります。ただし本人が必要としているなら差し支えありません。相手が希望している品を、慣習を理由に外すのは本末転倒です。目上の方や年配の方には避けておくほうが安全です。
3つの理由のうち、どれをいちばん気にすべきですか?
「病室の事情」と「持ち帰りの負担」です。こちらは相手が気にするかどうかに関係なく、受け取れない・使えない・運べないという困りごとが生じます。言葉の連想は「気にする人がいる」という性質のものです。
判断がつかないときは何を選べばよいですか?
個包装の菓子、タオル、商品券のいずれかにしておけば外しません。どれも連想の問題がなく、かさばらず、持ち帰りやすいためです。
花を贈りたいのですが、代わりになるものはありますか?
プリザーブドフラワーや造花があります。生花の持ち込みが禁止されていても受け取れ、水替えの手間もありません。花の絵のカードを添える方法もあります。
まとめ
- 避ける理由は連想・病室の事情・持ち帰りの負担
- 鉢植えは「根づく=寝つく」
- シクラメン・菊・椿・アジサイ・櫛・パジャマも連想で避ける
- 実際に困るのは病室の事情と持ち帰り
- 本人が希望するなら例外としてよい
- 迷ったら菓子・タオル・商品券
- 花の代わりにプリザーブドフラワー
参考情報
- 日比谷花壇「お見舞い・退院祝いに避けたいタブーなお花の種類」
https://www.hibiyakadan.com/item/LIFESTYLE_Z_0009.html - 青山花茂「お見舞い、退院祝い、快気祝い 花を贈るときのタブーとマナー」
https://www.aoyamahanamohonten.jp/blog/2020/08/25/omimai-flowergift/ - イオンのお葬式「お見舞い金のマナーについて金額相場・封筒の書き方・渡すタイミングなど解説」
https://www.aeonlife.jp/knowledge/manner/omimaikin_manner
鉢植えを避ける理由、シクラメン・菊・椿などを避ける理由は、参照した情報源で共通しています。生花の持ち込み可否は病院ごとに異なるため、本文で確認を促しています。
本記事で紹介している目安は一般的なものです。生花の持ち込みや食べ物の制限は病院・病状によって異なります。必ず事前にご確認ください。