結論

お見舞い品を選ぶ基準は消耗すること、かさばらないこと、 それに退院するときに持ち帰りやすいことの三つになります。 定番として挙げられるのは個包装の菓子やタオル、本や雑誌、商品券といったあたりで、 どれも病室の小さな棚に収まって、使えばなくなっていくものばかりです。

金額のほうは3千円から5千円があたりの目安になり、鉢植えと生花については避けておくことになります。 鉢植えは「根づく=寝つく」を連想させるとされてきましたし、 生花のほうは、そもそも持ち込みを禁じている病院が多くなっています。

向いているもの

品物理由
個包装の菓子日持ちして面会者にも分けられます。食事制限は要確認です
タオル・ガーゼ入院しているあいだに必ず消耗します
本・雑誌時間を持て余しますので、軽い読み物が向きます
商品券・カタログギフト相手が選べますし、置き場所もとりません
ペットボトルの飲み物実用的ですが、持ち帰るときに重くなります
保湿クリーム・リップ病室は乾燥しやすいため、そのまま使えます
ウェットシート・ティッシュ地味に見えますが、確実に使ってもらえます

退院するときにその荷物を持ち帰るというところまで考えて、品を選んでおいてください。大きいものや重いものは、退院の日にそのまま荷物として残ることになりますので、ご家族が車を回すところから段取りが要ります。

選び方の3つの基準

入院したと聞いて売り場に立つと、贈答用の棚には立派な詰め合わせが並んでいますので、 見栄えを考えてつい箱の大きいもののほうへ手が伸びます。ところが病室というのは思っているよりずっと狭く、 ベッドの脇に小さな棚が一つと、細いロッカーが置かれているだけということも珍しくありません。

置き場所が限られているという事情に加えて、退院する日にそれを持ち帰るというところまでが付いてくることになります。 その二つを頭に入れておくと、選ぶときに見るところが値段から大きさと重さのほうへ移ってきますので、棚の見え方そのものが変わってきます。

基準なぜそうするのか
消耗する使えばなくなり、あとに残らないためです
かさばらない病室の収納は小さな棚とロッカーだけになります
持ち帰りやすい退院の日は荷物が多く、重いものは負担になります

病室というのは思っているよりもずっと狭く、大きな箱や花瓶になると置き場所そのものがありません。ベッド脇の棚とロッカーに収まる大きさかどうかを、売り場で品物を手に取った段階で見当を付けておいてください。

弔事の贈り物と同じように、お見舞いのほうでも形の残らないものが長く好まれてきました。病気やけがの記憶を残さないという考え方によるものですが、 これは厳密に守らなければならないという性質のものではありませんので、実際に使ってもらえるかどうかのほうを優先して構いません。

退院の日というのは、入院しているあいだにたまった荷物をまとめて運び出すことになります。その日にご家族が車を回すところから段取りが要りますので、 大きな箱や重い飲み物の詰め合わせは、まさにそのときになって効いてくることになります。

定番の品物

基準のほうが分かったとしても、では具体的に何を持っていけばよいのかというところが残ります。 お見舞い品には昔から選ばれてきた定番がありますので迷ったときにはそこから取ればよいのですが、定番だからといって、そのまま選べるというわけでもありません。

同じ菓子折りであっても常温で日持ちするかどうかで扱いが変わりますし、同じ本であっても重いものは寝ながら読めません。 病室に置けるかと食事の制限に触れないかという二つの条件を、 定番の上に重ねて見ていくことになります。

品物選ぶときの注意
菓子個包装・日持ち・常温にし、食事制限を先に確認します
タオルフェイスタオルが使いやすく、洗濯の負担も減ります
本・雑誌重い本は避け、寝ながら読めるものを選びます
商品券・図書カード売店で使えることもあり、現金より軽く見えます
カタログギフト退院後に選べますし、置き場所もとりません
保湿用品無香料のものを選んでおいてください
日用品ウェットシートやティッシュ、綿棒などが向きます

タオルは地味に見える品ですが、実際のところは意外なほど喜ばれるものになります。入院しているあいだは洗濯を家族が担うことが多くなりますので、枚数があるだけでその往復が減りますし、快気祝いの定番でもあるため、贈られた側も扱いに困りません。

菓子を選ぶのであれば、個包装になっていて日持ちのする、常温で置けるものにしておきます。面会に来た方へ分けて出すこともできますし、 少しずつ食べられる形になりますので、体調に合わせて手を付けてもらうことができます。

本や雑誌は入院中の時間を埋めるものとしてよく選ばれますが、 重い単行本になると、横になったまま持ち続けることができません。薄い雑誌や軽い読み物にしておけば、 点滴をしている腕でも扱えますので、そこまで見ておくと外しません。

本人に聞くのがいちばん早い

売り場で何時間も悩んでいるより、本人か家族のほうへ直接尋ねてしまうほうが確実になります。 入院しているあいだは必要なものがはっきりしていますので、こちらで見当を付けるより、聞いてしまったほうが早いということが多くなります。

ただし尋ね方のほうには、そこで少しだけ一工夫が要ることになります。漠然と尋ねてしまうと相手は遠慮して「大丈夫」と返してきますので、 具体的な品を挙げて尋ねるか、 制限の有無だけを尋ねる形にしておくと、答えが返ってきやすくなります。

尋ね方返ってくる答え
「何か必要なものはある?」遠慮して「大丈夫」と返ってきてしまいます
「〇〇を持っていこうと思うけど、どう?」具体的なので答えやすくなります
「食べ物は大丈夫?」制限の有無だけを知ることができます

遠慮を挟ませないためには、こちらのほうから選択肢を出してしまうのが、いちばん早い形になります。「必要なものはある?」と尋ねると相手は頼みごとを考えることになりますが、品を挙げてしまえば、あとは頷くか断るかだけで済みます。

本人ではなく、付き添っているご家族のほうに尋ねてしまうという方法もあります。本人は遠慮して何も言わないことが多いものですが、付き添っている家族であれば、いま足りていないものをそのまま挙げてくれます。

食べ物を持っていくつもりなのであれば、制限の有無だけを尋ねておけば、病状そのものを聞き出すことにはなりません。 「食べ物は大丈夫?」という一言であれば答えるほうも構えずに済みますので、 そこだけ確かめてから売り場へ向かえば足ります。

金額の目安

品物で贈る場合にも、いくらくらいのものを選べばよいのかというところで、やはり手が止まります。 現金を包むときと同じく関係の近さで幅が決まっていきますが、 上のほうには天井がありますので、高くすればよいというものではありません。

その天井を作っているのは快気祝いを返す前提があるという点で、贈った額がそのまま返ってきます。 いただいた額の三分の一から半額を返すのが目安とされていますので、 こちらの選んだ額の半分ほどを、療養明けの相手が用意することになります。

関係目安
親・兄弟姉妹5千円から1万円相当の品を選びます
友人・同僚3千円から5千円相当の品を選びます
上司3千円から1万円相当にし、現金より品物にします
連名1人1千円から2千円で、合計5千円から1万円にします

高額なものを選んでしまうと、それがそのまま返礼の負担という形になって返ってきます。快気祝いとして3分の1から半額を返すことになりますので、療養明けの相手に、品を選んで送るという手間をかけることになります。

上司へのお見舞いについては、現金よりも品物のほうが選ばれることのほうが多くなります。現金を包むと生活を助けるという意味合いが出てしまいますので、目上の方にお渡しするのであれば、品物の形にしておくほうが収まります。

職場でまとめて贈るのであれば、一人あたり千円から二千円ほどを出し合って、 合計を五千円から一万円のあたりに整えます。 連名にしておけば快気祝いのほうも一つで済みますので、別々に渡すより、受け取る側の手間がそのぶん減ることになります。

関係別の金額を詳しく見る

掛け紙と渡し方

品物が決まったところで、今度は掛け紙をどうするかというところが残ることになります。 お祝いごとと同じ紅白を使うのに、のしだけは付けないという少し変わった組み合わせですので、 売り場でそのまま頼むと、こちらの意図と違うものが出てくることがあります。

渡し方のほうにも、あわせて気を配っておきたい点があります。病室には同室の方がいることも多く、 改まった所作はその場で目立ちますので、 玄関先で贈答品を渡すときと同じようには進みません。

項目内容
水引紅白の結び切り(5本)のものを使います
のし付けません。ここが祝い事とは違います
表書き「御見舞」とし、目上の方には「御伺」とします
持参外のしにし、紙袋から出してお渡しします
配送内のしにし、宛先はご自宅にしておきます

病室では、あまり大げさに渡さないほうが自然な形になります。同室の方がいる場合はとくにそうで、そっと差し出して構いませんので、廊下に響くような声で用件を告げる必要はありません。

持参するのであれば外のしにしておき、 紙袋から出したうえで、表書きが相手から読める向きに回してお渡しします。空になった袋のほうは、たたんでそのまま持ち帰るのが本来の形になります。

配送で届けるのであれば内のしにしておき、宛先のほうはご自宅にしておきます。 病院あてに送ってしまうと受け取りの手続きが必要になることがありますし、退院の日に、そのまま荷物として持ち帰ることにもなってしまいます。

掛け紙と表書きを詳しく見る

避けるもの

よかれと思って選んだ品が、お見舞いには向いていないということがあります。 花を持っていけば病室が明るくなりそうですし、新しいパジャマは入院中にそのまま使えそうに見えますが、どちらも長く避けられてきた品になります。

避けられている理由のほうは二種類に分かれていて、一つは言葉の連想によるもの、もう一つは病室の事情によるものになります。 前者は気にしない方も増えていますが、 後者のほうは実際に困ることになりますので、そこは分けて見ておいてください。

避けるもの理由
鉢植え「根づく=寝つく」を連想させるとされています
生花持ち込みを禁じている病院が多くなっています
香りの強いもの病室にこもりますし、同室の方にも影響します
大きいもの・重いもの置き場所がなく、持ち帰りも負担になります
生もの・要冷蔵冷蔵庫を使えないことがありますので向きません
パジャマ・寝間着「寝つく」を連想させるという考え方があります
櫛(くし)「苦」「死」を連想させるとされてきました

親しい間柄であれば、本人が欲しがっているのならパジャマを贈っても差し支えありません。言葉の連想より、実際に役立つかどうかを優先するという考え方もありますので、そこは相手との関係を見て決めてください。

生花を避けるのは言い伝えのためではなく、病院の側の決まりによるところが大きくなります。感染の管理や花瓶の水の扱いから持ち込みを禁じている病院が多くなっていますので、 贈るのであれば、注文する前に先に病院のほうへ確かめておいてください。

香りの強いものを避けるのも同じく実際の事情によるもので、 病室は窓を開けられないことが多く、においがそのままこもります。 同室の方にも影響することになりますので、保湿用品を選ぶのであれば、無香料のものにしておいてください。

何を選ぶかに一つだけの正解があるわけではなく、病室に置ける大きさかどうかと、 退院の日に持ち帰れるかどうかの二つを満たしていれば、菓子でもタオルでも構いません。 食事に制限があるかどうか分からないのであれば、 商品券やカタログギフトのように相手が選べる形へ寄せておけば外すことはありません。

どの場面でも変わらないのは、迷ったら本人か家族に尋ねてしまうという一点だけになります。 具体的な品を挙げて尋ねれば遠慮を挟ませずに済みますので、 定番や言い伝えを細かく思い出せなくても外すことはありませんし、 受け取る側も、いま本当に足りているものを受け取ることができます。

よくある質問

お見舞い品は何を選べばよいですか?

消耗すること、かさばらないこと、退院するときに持ち帰りやすいことの三つを基準に選びます。定番は個包装の菓子やタオル、本や雑誌、商品券といったあたりです。病室の収納はベッド脇の小さな棚とロッカーだけですので、大きな箱は置き場所そのものがありません。

金額はいくらくらいですか?

3千円から5千円が目安で、親や兄弟姉妹であれば5千円から1万円相当になります。上司へは現金より品物のほうが選ばれます。快気祝いとして3分の1から半額を返す前提がありますので、高額なものは療養明けの相手の負担になって返ってきます。

花を贈ってもよいですか?

鉢植えは「根づく=寝つく」を連想させるとされて避けられます。生花のほうは、感染の管理や花瓶の水の扱いから持ち込みを禁じている病院が多くなっていますので、贈るのであれば先に病院へ確かめておいてください。

何が必要か本人に聞いてもよいですか?

聞いてしまうほうが確実です。ただし「何か必要なものはある?」と尋ねると遠慮して「大丈夫」と返ってきますので、「〇〇を持っていこうと思うけど、どう?」と具体的に尋ねてください。「食べ物は大丈夫?」と制限の有無だけを聞く方法もあります。

掛け紙はどうしますか?

紅白の結び切り(5本)を使い、のしは付けません。表書きは「御見舞」で、目上の方には「御伺」とします。持参するのであれば外のしにして紙袋から出してお渡しし、配送するのであれば内のしにして、宛先はご自宅にしておきます。

パジャマは避けたほうがよいですか?

「寝つく」を連想させるという考え方があるため避けられてきましたが、親しい間柄であれば、本人が欲しがっているなら差し支えありません。言葉の連想より実際に役立つかどうかを優先するという考え方もありますので、相手との関係を見て決めてください。

まとめ

  • 消耗するものを選びます
  • かさばらないものにします
  • 退院の日に持ち帰れる大きさにします
  • 菓子は個包装で常温のものにします
  • 金額は3千円から5千円を目安にします
  • 掛け紙は紅白の結び切りでのしを付けません
  • 鉢植えと生花は避けます
  • 迷ったら具体的な品を挙げて尋ねます

参考情報

  1. 日比谷花壇「お見舞い・退院祝いに避けたいタブーなお花の種類」
    https://www.hibiyakadan.com/item/LIFESTYLE_Z_0009.html
  2. 青山花茂「お見舞い、退院祝い、快気祝い 花を贈るときのタブーとマナー」
    https://www.aoyamahanamohonten.jp/blog/2020/08/25/omimai-flowergift/
  3. イオンのお葬式「お見舞い金のマナーについて金額相場・封筒の書き方・渡すタイミングなど解説」
    https://www.aeonlife.jp/knowledge/manner/omimaikin_manner

鉢植えを避ける理由と、シクラメン・菊・椿などを避ける理由については、参照した情報源で共通しています。生花の持ち込みができるかどうかは病院ごとに異なりますので、本文のほうで確認を促しています。

本記事で紹介している目安は一般的なものにあたります。生花の持ち込みや食べ物の制限は病院・病状によって異なりますので、必ず事前にご確認ください。