結論

お中元は配送が主流になっていますが、 直接お渡しできる相手であれば、手渡しのほうがより丁寧な形ということになります。 ただし訪問するのであれば必ず事前に連絡を入れておき、伺う日と時間のほうは、相手のほうに決めてもらうことになります。

渡すときは紙袋から品物を出し、正面を相手のほうへ向けて表書きが読める形にしたうえで、両手で差し出します。 空になった紙袋はたたんで持ち帰るのが基本の形になりますので、 袋ごと押しつけるような渡し方にはしないでおいてください。

手渡しと配送

項目手渡し配送
掛け紙外のしにして用途を見せます内のしにして包装の内側に入れます
事前連絡必ず入れて都合を尋ねます送り状を品物より先に出しておきます
丁寧さこちらのほうがより丁寧な形になりますこちらでも失礼にはあたりません
向く相手近くに住む相手や、訪問の機会がある相手です遠方の相手や、多数へ贈る場合に向きます
品物自分で持ち運べる重さに収めます重いものやかさばるものも選べます
紙袋たたんで持ち帰りますこちらは考えなくて構いません

配送で贈ったからといって、それが失礼にあたるということはとくにありません。現在はこちらのほうが主流になっていて、遠方の相手や多数へ贈る場合にはむしろ現実的な形になりますので、送り状さえ添えておけば丁寧さのほうは保てます。

手渡しか配送か

売り場で品物を決めたところで、配送を頼むのか自分で届けに行くのかというところで迷うことになります。 手渡しのほうが丁寧だという話はよく耳にしますので、近くに住んでいる相手ということであれば、伺ったほうがよいのだろうかという気持ちが働いてきます。

実のところ、そのどちらを選んだとしても、失礼にあたるということはとくにありません。どちらが丁寧かという決まりがあるわけでもありませんので、 相手の都合のほうから選んでいくことになりますし、現在はむしろ、配送のほうが主流の形になってきています。

状況向く方法
近くに住み、訪問の機会がある手渡しにすると、より丁寧な形になります
帰省が時期と重なるこちらも手渡しにしてしまえば十分です
遠方配送にしておくのが現実的になります
多数へ贈る配送であれば、一括で手配することができます
重い・かさばる品物こちらも配送にしておくほうが確実です
相手が忙しい訪問は時間を取らせますので、配送にします

訪問というのは、相手のその日の時間をこちらがそのまま使うことになる形になります。丁寧にしたつもりであっても応対の手間をかけることになりますので、こちらの気持ちより、相手の都合のほうを優先して選んでください。

多数の相手へ贈るのであれば、配送にしておくほうが手配も記録も一度で済むことになります。 同じ売り場で一括して頼んでしまえば宛先の控えもそこに残ることになりますので、翌年に同じ相手へ贈るときにも、それをそのまま使えることになります。

帰省の時期と中元の時期が重なるのであれば、 持って行ってその場で手渡すという形がいちばん自然になります。その場合は自分で持ち運べる重さに収めておく必要がありますので、 瓶詰めや飲み物の詰め合わせは、はじめから外しておくことになります。

訪問の段取り

手渡しにすると決めたところで、では品物を持って伺えばそれで済むのかというと、そうはいきません。 相手の側には迎えるための準備というものがありますので、急に伺ってしまうと、その時間をこちらの都合で奪うことになります。

ここで押さえておくのはいつ伺うかとどれだけの時間そこに居るかという二つになります。 日時のほうは相手に決めてもらうことになりますし、滞在の長さについても、こちらのほうから区切りをつけておくのが親切な形になります。

手順内容
1. 事前に連絡する都合のほうは相手に決めてもらいます
2. 時間帯を選ぶ午前10時から11時、午後2時から4時にします
3. 食事どきを避ける昼どきや夕方は、相手の手を止めてしまいます
4. 服装を整える目上の方の家であれば、きちんとした服装で伺います
5. 長居しない30分ほどのところで切り上げておきます

「近くまで来たので今から」というような伺い方だけは、そこで必ず避けておいてください。相手のほうに準備の時間がまったくありませんので、数日前に連絡を入れておき、都合を聞いてから伺うという順番にしてください。

時間帯のほうは午前十時から十一時、午後であれば二時から四時のあたりを選んでおいてください。 昼どきや夕方というのは食事の支度にかかる時間にあたりますので、そこへ訪ねてしまうと、相手の手をそのまま止めてしまうことになります。

目上の方のお宅へ伺うということであれば、あわせて服装のほうもきちんと整えておいてください。 玄関先で失礼するつもりであったとしても、普段着のまま立つことになると、それだけで用件の重さと釣り合わなくなってしまいます。

渡すときの所作

玄関で挨拶を交わし部屋に通されたところで、 手に提げてきた紙袋をどう出すかというところで、一拍だけ間ができます。 袋ごと差し出すのか、中身だけを出すのかというところで手が止まってしまい、そのあいだ、相手を待たせることになります。

押さえておく点は紙袋から出すことと正面を相手に向けることの二つで、どちらも受け取る側のための決まりになります。 受け取った側はそのまま表書きを読むことになりますので、向きが逆のまま渡してしまうと、相手はその場で品物を回すことになってしまいます。

手順内容
1. 部屋に通されてから挨拶を済ませ、席についてからお渡しします
2. 紙袋から出す紙袋のまま差し出すことはしません
3. 正面を相手に向ける表書きが相手から読める向きに回します
4. 両手で差し出す片手で渡すことは避けておいてください
5. 一言添える下の「添える言葉」から場面に合うものを選びます
6. 紙袋は持ち帰るたたんでカバンへしまっておきます

紙袋のほうは、あくまで「持ち運ぶための埃よけ」なのだと考えておいてください。贈り物そのものの一部ではありませんので持ち帰ることになりますが、相手が「袋のままで」とおっしゃるのであれば、そちらに従って構いません。

座敷に上がらずに玄関先で失礼するというような場合であっても、所作そのものは変わりません。玄関のところで紙袋から品物を出し、正面を相手のほうへ向けたうえで両手でお渡しします。 「すぐ失礼しますので」と先に伝えておけば、相手のほうも応対の準備をせずに済むことになりますので、そのほうが親切なこともあります。

品物を片手だけで差し出してしまうことは、この場面では避けておいてください。品物の重さにかかわらず両手を添えるという形が決まりになっていますので、かばんを持っているのであれば、一度足元に置いてから、あらためて両手で差し出すことになります。

添える言葉

品物を差し出す段になって、そこで何と言えばよいのかというところで、ふと言葉に詰まります。 無言のまま出す場面ではありませんので一言添えることになりますが、 改まった言い方をしようとするほど、その言葉が出てこなくなります。

迷いやすいのは昔からの決まり文句をそのまま使うかどうかという点で、ここは選び直す余地があります。 長く使われてきた言い方の中には、 いまの耳には不自然に響くものも混じっていますので、そこは一度選び直しておくことになります。

場面言葉の例
基本「いつもお世話になっております。心ばかりの品ですが、お納めください」
目上の方へ「日ごろの感謝の気持ちです。ご笑納ください」
品物に触れる「こちらの名物です。よろしければ皆さんで」
親しい相手へ「いつもありがとう。よかったら食べてね」
要冷蔵のとき「冷蔵のものですので、お早めに」

「つまらないものですが」という言い方のほうは、いまはもう使わなくて構いません。へりくだるための表現ではあるものの、不自然に響くと感じる方もいますので、「心ばかりの品ですが」としておけばそれで十分に伝わります。

要冷蔵の品を持参したのであれば、渡すときにその旨のほうを必ず一言添えておいてください。 黙って渡してしまうと常温のものだと思われてしまい、そのまま棚に置かれたまま日が過ぎるということになりかねません。

品物そのものに触れる一言が添えてあると、受け取った側もそのぶん開けやすくなります。 その土地の名物であることや、皆さんで分けてほしいということを伝えておけば、相手のほうも置き場所や食べ方を決めやすくなりますので、そこまで添えておけば十分です。

配送の場合

配送で贈るのであれば、売り場で注文を済ませた時点でもう用は足りたようにも思えてきます。 ところが手渡しにはない手順が一つだけ残っていて、そこが抜けてしまうと、相手のところには荷物だけが突然届くことになります。

そこでいちばん抜けやすくなるのが送り状を出すという手順のほうになります。品物より先に届くように出しておけば、相手は何がいつ届くのかを知ることができますので、 受け取りの支度もできますし、届いた荷物の差出人を確かめる手間も生じません。

やること内容
送り状を先に出す品物より2日から3日早く届くようにします
掛け紙内のしにし、表書きは「御中元」とします
到着日を指定する相手の在宅や、営業日のほうを考えて決めます
連休の直前長期の不在も考えられますので、避けておきます
要冷蔵・要冷凍受け取れる日に確実に届くよう手配します
複数へ贈る1か所で一括手配すれば、記録もそこに残ります

送り状を省いてしまうと、相手のところには荷物のほうだけが何の前触れもなく届くことになります。親しい相手であれば省いても構いませんが、目上の方や取引先が相手であれば、出しておくほうが丁寧な形になります。

到着する日については、相手の在宅の状況や営業日のほうを考えて指定しておきます。 連休の直前に届くようにすると長期の不在と重なってしまうことがありますので、その時期だけは外しておくほうが確実になります。

要冷蔵や要冷凍の品を送るのであれば、相手が受け取れる日に確実に届くよう手配しておいてください。 留守のあいだに持ち帰られてしまうと再配達までのあいだ品質が保てませんし、受け取る側にも、時間を合わせるという手間をかけることになります。

送り状の書き方と例文を見る

職場で渡す場合

上司や取引先の方が相手ということになると、 顔を合わせる機会があるのは職場のほうになりますので、そこで渡してしまおうという考えが浮かびます。 わざわざ自宅のほうへ送るより、顔を見て直接手渡すほうが丁寧なようにも思えてきます。

ところが職場での手渡しというのは、そのまま周囲の目に触れることになります。 贈っていない同僚がそれを見て気にすることもありますし、 上司の側も、部下の見ている場所では受け取りにくくなりますので、 上司へのお中元は自宅宛に配送するのが基本になります。

状況やり方
上司へ自宅宛に配送するのが基本の形になります
取引先を訪問して応接室で、辞去の前にお渡しします
部署一同で代表者がまとめてお渡しすることになります
受付で預ける名刺と送り状を添えて預けておきます

どうしても職場で渡すということであれば、人目のないところで短く済ませておいてください。周囲から見えるところで改まって差し出してしまうと、受け取る側のほうが立場に困ることになります。

取引先を訪問して渡すのであれば、まず用件のほうを済ませたあとにしてください。 先のほうで渡してしまうと、これから頼み事があるように見えてしまうことがありますので、辞去する直前のところで差し出すのが、いちばん収まりのよい形になります。

相手が不在で受付に預けることになった場合には、名刺と送り状の二つを添えたうえで預けておきます。 品物だけを置いてきてしまうと誰から届いたものか分からなくなりますので、その二つさえあれば、後から取り次いでもらうこともできます。

渡し方に一つだけの正解があるわけではなく、相手との距離と、相手の忙しさを見て決めれば それで足ります。 近くに住んでいて訪問の機会があるのであれば手渡しにすればよいですし、 遠方であったり多数へ贈るのであれば、配送にしておくほうがかえって現実的な形になります。

どの場面でも変わらないのは、こちらの都合で相手の時間を使わないでおくという一点だけになります。 伺うのであれば日時を相手に決めてもらい、送るのであれば送り状を先に出しておけば、 細かい所作を思い出せなくても失礼にはなりませんし、 受け取る側も、落ち着いた形で受け取ることができます。

よくある質問

手渡しと配送、どちらがよいですか?

どちらを選んでも失礼にはあたりません。手渡しのほうがより丁寧な形にはなりますが、現在は配送が主流になっていて、遠方の相手や多数へ贈る場合にはむしろ現実的です。訪問は相手の時間をそのまま使うことになりますので、相手の都合のほうから選んでください。

訪問するときの段取りは?

必ず数日前に連絡を入れ、都合のほうは相手に決めてもらってください。「近くまで来たので今から」という伺い方では、相手に準備の時間がありません。時間帯は午前10時から11時、午後2時から4時のあたりにし、食事どきは避けます。滞在は30分ほどで切り上げてください。

渡すときの所作を教えてください

部屋に通されて挨拶を済ませ、席についてから渡します。紙袋から品物を出し、表書きが相手から読める向きに回して、両手で差し出してください。空になった紙袋は「持ち運ぶための埃よけ」ですので、たたんで持ち帰ります。

「つまらないものですが」と言うべきですか?

使わなくて構いません。へりくだるための表現ではあるものの、いまの耳には不自然に響くと感じる方もいます。「いつもお世話になっております。心ばかりの品ですが、お納めください」としておけば、それで十分に伝わります。

配送のときに気をつけることは?

送り状を、品物より2日から3日早く届くように出しておいてください。これを省くと、相手のところには荷物だけが突然届くことになります。掛け紙は内のしで表書きは「御中元」とし、到着日は相手の在宅や営業日を考えて指定します。連休の直前は避けてください。

職場で渡してもよいですか?

周囲の目に触れますので、上司へのお中元は自宅宛に配送するのが基本になります。贈っていない同僚が気にすることもありますし、上司の側も受け取りにくくなります。取引先を訪問して渡すのであれば、用件を済ませたあと、辞去の前にお渡ししてください。

まとめ

  • 手渡しも配送も失礼にはあたりません
  • 訪問は必ず事前に連絡します
  • 日時は相手に決めてもらいます
  • 紙袋から出して渡します
  • 正面を相手に向けて両手で差し出します
  • 紙袋はたたんで持ち帰ります
  • 配送は送り状を先に出します
  • 上司へは自宅宛に配送します

参考情報

  1. 郵便局のネットショップ「お中元の熨斗(のし)のマナー|水引の種類と結び方、正しい表書き」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/column/ochugen/ochugen_noshi.html
  2. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  3. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html

お中元にお返しは不要でお礼状を出すこと、送り状は品物より先に届くように出すこと、手渡しは紙袋から出して渡すことは、参照した情報源で共通しています。送り状を省略してよいかどうかは相手との関係によりますので、本文では相手別に整理しています。

本記事の例文はそのまま使えることを目指した目安にあたります。相手との関係や置かれている状況によって、ふさわしい言い方は変わってきます。会社としてのやり取りをする場合には、自社の慣例のほうを優先してください。