結論
贈る品を選ぶ基準は好みが分かれないことと、当日に持ち帰りやすいことの二つで、 この二点さえ外していなければ、贈って困らせることはまず起こりません。 趣味の色が濃く出ている品ほど、受け取った方は置き場所に困ることになります。
迷ったときはカタログギフトや商品券のように、本人が選べる形にすると収まりますし、 名前入りや写真入りの品は、処分しにくくなるため避けておくほうが無難です。 大きな花束を渡すのであれば、帰り道の荷物になることも見込んでおいてください。
定番の品
送別の品を任されると、まず何を選べば外さないのかというところで手が止まり、 同じ部署にいたとはいえ、相手の家の様子や好みまでは案外知らないままだと気づきます。 有志で集めた金額の幅も決まっていますので、そこから選べる範囲もおのずと限られてきます。
ここで判断が分かれるのは金額の多寡ではなく相手が自分で選べる余地を残すかという点で、 品物を決めて贈れば気持ちは伝わりやすい一方、好みに合わなければ使われないまま残りますし、 選べる形にすれば確実に使ってもらえるかわりに、そっけない贈り方に見えることもあります。 有志の人数が多い職場であるほど、後者を選んでおくほうが失敗は少なくなります。
| 品 | 向いている理由 |
|---|---|
| カタログギフト | 本人が選べますので、好みを外しません |
| 商品券・ギフトカード | かさばらず、持ち帰りの負担になりません |
| 菓子の詰め合わせ | 家族と分けられ、後に残りません |
| 入浴剤・タオル | 好みが分かれにくく、使い切れます |
| コーヒー・紅茶 | 日ごろ飲んでいるかを確かめてから選びます |
| 文房具 | 次も同じ仕事を続ける方には向いています |
使い切れる品を選んでおくと、受け取った側は置き場所に悩まずに済みます。飾っておくものは好みが強く出ますし、しまい込んだまま処分もしにくくなってしまいます。食べ物や消耗品であれば、使い終えた時点で自然に片づきますから、後に負担が残りません。
実際に迷いやすいのは、相手の趣味に合わせた品を選ぼうとして情報が足りない場面で、 釣りが好きだと聞いていたとしても、道具の好みまでは本人でなければ分かりません。 調べるほどに選択肢のほうが増えていき、締め切りだけが近づいてくることになります。
趣味に寄せるのであればその分野の商品券や、消耗品にあたるものを選ぶと外れませんし、 道具そのものについては本人に選んでもらうほうが、結局はよく使われることになります。 迷って決まらないままなのであれば、カタログギフトに寄せてしまって差し支えありません。
退職理由別の選び方
品を絞り込む前に引っかかるのがその方がなぜ辞めるのかという点で、 転職なのか家庭の事情なのか体調によるものなのかで、ふさわしい品はそれぞれ変わってきます。 理由を知らないまま選んでしまうと、触れてほしくない事情に意図せず触れることになります。
判断が分かれるのは配慮の深さより次の生活が見えているかどうかという点で、 新しい職場が決まっている方には仕事で使えるものが喜ばれますし、 次が決まっていない方に仕事の道具を贈れば、急かされているようにも受け取られます。 理由がはっきりしないのであれば、どちらにも当てはまらない品を選ぶほうが安全です。
| 退職の理由 | 向いている品 |
|---|---|
| 転職・独立 | 仕事で使える文房具や名刺入れが向きます |
| 結婚・出産 | 家庭で使える日用品を選ぶと収まります |
| 体調によるもの | 負担にならない菓子や入浴剤にとどめます |
| 定年退職 | 時間を使って楽しめるものが向いています |
| 理由が分からない | カタログギフトにしておくと外しません |
| 介護や家庭の事情 | 持ち帰りやすい軽いものを選んでください |
退職の理由がどのようなものかを、本人や周りに尋ねて回るのは避けてください。話したい方は自分から話しますし、触れられたくない事情を抱えている場合もあります。分からないまま選ぶのであれば、どの事情にも当てはまらない品にしておけば、それで差し支えありません。
実際に起きやすいのは、体調を理由に辞める方へ趣味の道具を贈ってしまうという場面で、 本人がその趣味を続けられる状態にあるかどうかは、周りからでは分かりません。 良かれと思って選んだ品のほうが、かえって気を遣わせる結果になることもあります。
事情が読めないのであれば菓子の詰め合わせや入浴剤のように、負担の軽い品にとどめると収まりますし、 短い手紙を添えておきさえすれば、品の大きさとは関わりなく気持ちのほうが伝わります。 贈る金額を上げて補おうとするより、この選び方のほうが確実に気持ちが届きます。
避けたいもの
候補が絞れてくると、今度は選んではいけない品があるのかどうかが気になり、 縁起をかつぐ言い伝えがどこまで本当なのかも、調べるほどに分からなくなってきます。 職場の有志として贈る以上、誰かが引っかかりそうな品は外しておきたいところです。
判断が分かれるのは縁起の是非より受け取った後に処分できるかという点で、 名前や写真が入った品は使わなくなっても捨てにくく、置き場所に困ることになりますし、 好みが強く出る品についても、使われないまま棚に残ることになります。 縁起の話を気にする方が一定数いる以上、外しておくほうが後の手間もかかりません。
| 品 | 避ける理由 |
|---|---|
| 名前入り・写真入り | 使わなくなっても処分しにくくなります |
| 刃物 | 縁を切ると結びつける方がいます |
| 櫛(くし) | 語呂を気にする方がいますので外します |
| ハンカチ | 別れを連想する見方があるため避けます |
| 大きな置物 | 持ち帰りにくく、置き場所にも困ります |
| 香りの強いもの | 好みが強く分かれますので選びません |
縁起にまつわる言い伝えは、根拠がはっきりしているものばかりではありません。ただし気にする方が実際にいる以上、その品でなければならない理由がないかぎり外しておくほうが早く済みます。同じ予算で選べる品はいくらでもありますから、無理に押し通す必要はありません。
よくあるのは、記念になるようにと名前を入れた品を注文してしまうという場面で、 渡した当日は喜ばれたとしても、使わなくなった後の置き場所が本人の負担として残ります。 名前が入っていれば人に譲ることもできず、そのまま押し入れに入ることになります。
記念に残したいのであれば寄せ書きの色紙や短い手紙のほうがふさわしく、 場所を取りませんし、後から読み返せるものとして手元に置いてもらえます。 品のほうは使い切れるものを選んで、気持ちは言葉で残すという分け方が収まります。
寄せ書き・花束
品とは別に用意するかどうかで迷うのが寄せ書きと花束で、 どちらも定番ではあるものの、当日の荷物の量を考えるとやはり決めかねることになります。 色紙を回していく時間が取れるかどうかも、繁忙期に当たっていれば読めません。
判断が分かれるのは形式よりその日に持って帰れるかという点で、 色紙は薄くて鞄に入る一方、大きな花束は電車で持ち帰るとかなりの荷物になりますし、 持ち帰った後の手入れについても、受け取った方の手間になってしまいます。 有志の人数が多い職場ほど、用意される花束の大きさは膨らみやすくなります。
| もの | 扱い方 |
|---|---|
| 寄せ書きの色紙 | 薄くて持ち帰りやすく、後にも残ります |
| 大きな花束 | 持ち帰りの負担を考えて大きさを抑えます |
| 鉢植え | 重いため、通勤の方には向いていません |
| プリザーブドフラワー | 手入れが要らず、持ち運びも楽に済みます |
| 色紙を回す時間 | 2週間ほど前から回し始めてください |
| 遠方の方の分 | 写真に撮って送り、後で貼り足します |
寄せ書きの色紙は、一人あたりの欄が大きいほど何を書くかで手が止まります。あらかじめ枠を分けておくか、一人あたりの行数を決めておくと、回り始めてから止まりません。締め切りを添えて回せば、当日までに全員分がそろわないという事態も防げます。
実際に困るのは、色紙が途中で止まって当日までに戻ってこないという場面で、 出張や休みが重なってしまうと、一人のところで何日も止まったままになります。 渡す直前になってから、空欄を残したまま手渡すかどうかを決めることになりかねません。
これを防ぐには回す順番と締め切りを先に決めて、名簿に沿って動かすだけで足りますし、 席を外しがちな方のところには、こちらから出向いて書いてもらうほうが早く回ります。 間に合わなかった方の分については、後日あらためて手紙を送ってもらえば十分に伝わります。
渡し方
品がそろったあとに残るのがいつ、誰が渡すのかという段取りで、 最終出社日は挨拶や片づけが重なりますので、落ち着いて渡す時間を取りにくくなります。 送別会が別の日に開かれる場合であれば、どちらの場で渡すかも決めておく必要があります。
判断が分かれるのは形式よりその場に誰がいるかという点で、 送別会の席であれば有志の全員がそろっている一方、参加しない方の気持ちは伝わりませんし、 最終出社日の職場で渡すのであれば、席にいる全員の前で渡すことができます。 どちらか一方に決めておきさえすれば、二重に用意することになる手間も省けます。
| 場面 | どうするか |
|---|---|
| 送別会がある | その席の終わりごろに渡すと収まります |
| 送別会がない | 最終出社日の終業前に手渡してください |
| 渡す人 | 取りまとめた方か、直属の上司が渡します |
| 添える言葉 | 短く礼を述べ、長い挨拶は避けます |
| かさばる品 | 後日の郵送に切り替えても差し支えありません |
| 本人が欠席 | 自宅へ送るか、後日改めて手渡します |
荷物が多くなりそうなときは、当日に渡さず後日郵送する形へ切り替えて差し支えありません。最終出社日は私物の持ち帰りだけでも荷物になりますし、電車で帰る方であればなおさらです。その場では色紙と一言だけを渡して、品は自宅へ届ける形にすると負担が残りません。
起きやすいのは、渡す担当を決めないまま当日を迎えるという場面で、 終業間際になってから誰が前に出るかを相談し始め、本人を待たせることになります。 添える挨拶の言葉も用意されていないまま、その場の空気で決まってしまいます。
これを避けるには渡す人と順番を前日までに決めておくだけで足りますし、 添える言葉も一言だけと決めておけば、その場で長引いてしまうこともありません。 その場では本人の挨拶のほうが主役ですので、贈る側は短く済ませるほうが収まります。
退職する方への餞別の金額の目安を見る贈る品に決まった正解があるわけではなく、 その方の事情と当日の荷物を考えながら、受け取って困らない形を選べばそれで足ります。 品を決めて贈る職場もあれば、選べる形にする職場もあり、 どちらが正しいということでもありません。
どの職場でも変わらないのは、好みが強く出る品を避けることと、 持ち帰りの負担を見込んでおくことの二つだけで、 この二つさえ守っていれば、細かな選び方を思い出せなくても失礼にはなりません。 受け取る側にとっても、置き場所や帰り道を心配せずに受け取れるほうが助かります。
よくある質問
何を選べば外しませんか?
好みが分かれないことと、当日に持ち帰りやすいことの二つを基準にしてください。迷ったときはカタログギフトや商品券のように本人が選べる形にすると収まります。
趣味に合わせた品を贈りたいのですが。
その分野の商品券や消耗品にあたるものを選ぶと外れません。道具そのものは好みが細かく分かれますので、本人に選んでもらうほうが結局はよく使われます。
退職の理由で選び方は変わりますか?
変わります。新しい職場が決まっている方には仕事で使えるものが喜ばれますが、次が決まっていない方に仕事の道具を贈れば急かされているようにも受け取れます。理由を本人に尋ねて回るのは避けてください。
避けたほうがよい品はありますか?
名前入りや写真入りの品は、使わなくなっても処分しにくいため避けてください。刃物や櫛、ハンカチも気にする方が一定数いますので、その品でなければならない理由がなければ外しておくほうが早く済みます。
寄せ書きは用意したほうがよいですか?
薄くて持ち帰りやすく後にも残りますので、品より記念に向いています。回す順番と締め切りを先に決めて名簿に沿って動かすと、当日までに戻ってこないという事態を防げます。
花束は大きいほうがよいですか?
持ち帰りの負担を考えて大きさを抑えてください。電車で帰る方であればかなりの荷物になりますし、持ち帰った後の手入れについても、受け取った方の手間になってしまいます。
いつ渡せばよいですか?
送別会があればその席の終わりごろ、なければ最終出社日の終業前に手渡してください。荷物が多くなりそうなときは、色紙と一言だけをその場で渡して品は後日郵送する形でも差し支えありません。
まとめ
- 好みが分かれない品を選びます
- 持ち帰りやすさを最優先にします
- 迷ったら本人が選べる形にします
- 退職の理由は詮索しません
- 名前入り・写真入りは避けます
- 記念は寄せ書きや手紙で残します
- かさばるなら後日郵送に切り替えます
参考情報
- 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html - 高島屋「進物の基礎知識」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html - 郵便局のネットショップ「贈り物のマナー」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_107.aspx
餞別やお返しの金額に公的な基準はありません。本記事は広く共通して挙げられる目安をまとめたものです。職場ごとの慣行が優先します。前例を確認するのがもっとも確実です。出典は2026年8月15日に確認しました。
本記事で紹介している金額や品物は一般的な目安です。職場ごとの慣行が大きく異なります。前任者がどうしたか、部署の慣例があるかを確認するのがもっとも確実です。また贈ること自体が必須ではありません。