結論

母の日の定番はカーネーション、菓子や食品、ハンカチやエプロンなどの衣料品、 アクセサリー、趣味のもののあたりで、 好みが読みにくい相手ほど、使えばなくなる品へ寄せておくと外れが小さくなります。

避けられることがあるのは、黄色いカーネーション、刃物、櫛、靴や靴下、 家事の道具、ダイエットに関わる品などです。 いずれも縁起の言い伝えか、受け取り方の問題によるもので、 ハンカチのように資料によって評価が逆になる品もありますので、 迷ったときは言い伝えの無い品へ寄せてください。

定番として挙げられている品

四月の終わりに売り場へ行くと、花から菓子、衣料品、健康器具までが一つの棚に並んでいて、 どれが母の日の定番なのかがかえって分からなくなります。 何年も贈っていると、去年と同じものを避けようとして選択肢がさらに狭まります。

定番と呼ばれる品には共通した性格があって、 手元に置いても場所を取らず、好みが多少外れても使い道があるという点でそろっています。 百貨店のご贈答マナーが挙げている好適品もこの範囲に収まっていますので、 迷ったときは、そこから相手の暮らしに合うものを拾っていくのが早い選び方になります。

品の種類向いている場面選ぶときの目安
カーネーションもっとも定番で、外れがほとんどありません切り花か、手入れの軽いアレンジにします
そのほかの花毎年カーネーションで飽きた年に選ばれます香りが強すぎないものを選びます
菓子・食品好みが外れても、手元に残りません日持ちと、一人分の量を確かめておきます
ハンカチ・エプロン百貨店の好適品に挙げられている品です言い伝えを気にする方には向きません
アクセサリー好みがはっきり分かっている相手に向きます普段つけているものの色に合わせます
趣味のもの長く続けている趣味があるときに向きます本人が選びたい道具は、商品券より現物です

好適品として挙がる品には、置き場所を取らず使い道が広いという共通点があります。逆にいえば、大きくて置き場所を選ぶものや、使う場面が限られるものは、贈られた側に扱いの負担が残ります。相手の家の広さと生活の形を思い浮かべて、そこに無理なく収まるかどうかで絞っていくと、候補がかなり減ります。

毎年同じ品を続けることは、飽きられるどころか目印になっていきます。 五月の第二日曜に決まった店の花が届くという形が定着すれば、 受け取る側も心づもりができますし、贈る側も毎年の品選びから解放されます。

形に残る品を選ぶときは、その品が十年後にどうなっているかを一度考えてください。 置物や額入りの写真は、飾る場所が決まっていれば長く楽しんでもらえますが、 置き場所が無い家では、しまい込んだまま処分に困らせることになります。

カーネーションの色と、その意味

花屋の店先には赤、ピンク、白、オレンジ、黄色、紫と並んでいて、 母の好きな色で選べばよいのか、色ごとに決まりがあるのかで手が止まります。 白いカーネーションだけは避けたほうがいい、と聞いたことがある方も多いはずです。

色ごとに付けられているのは花言葉であって作法ではありませんが、 贈られた側がその意味を知っている場合に、印象がそのまま変わってしまうため、 避けられている色があります。 とくに黄色は、どの資料も一致して母の日には向かない色として挙げています。

色付けられている花言葉母の日での扱い
赤「母への愛」「愛を信じる」とされていますもっとも定番で、迷ったらこの色です
ピンク「感謝」「上品」「温かい心」とされています赤より柔らかく、幅広い年代に向きます
オレンジ「純粋な愛」「あなたを愛します」とされています明るい色合いを好む方に向きます
白「尊敬」のほか「亡き母をしのぶ」とされています存命の母には避ける家が多くあります
黄色「軽蔑」「嫉妬」という意味が付いています母の日には選ばれない色にあたります
紫・青「気品」「誇り」とされています落ち着いた色を好む方に向きます

色の意味は花言葉として広まっているもので、決まりではありません。ただし黄色いカーネーションに「軽蔑」「嫉妬」という花言葉が付いていることは各社の案内が一致して書いており、贈られた側が知っていた場合に気まずくなりますので、母の日は赤・ピンク・オレンジのあたりから選ぶのが無難です。父の日のシンボルカラーは反対に黄色ですので、同じ黄色でも扱いが入れ替わります。(最終確認:2026年8月)

白いカーネーションが亡き母に結びついたのは、 母の日の始まりにあたる追悼の集まりで白い花が配られたことに由来しています。 その後、存命の母には赤、亡くなった母には白という区別が広まりましたが、 現在は色を自由に選ぶ形になっていますので、白を混ぜた花束が失礼になるわけではありません。

色より先に効いてくるのは、その花を置く場所です。 玄関の下駄箱の上に置くのか、居間のテーブルに置くのかで似合う色が変わりますし、 背の高いアレンジメントは食卓に置くと向かい合った相手が見えなくなりますので、 売り場では高さも一緒に見ておいてください。

避けたほうがよいとされる品

よかれと思って選んだ品が、あとから調べると避けるべきものに挙がっていて、 すでに渡してしまったあとで気になりはじめる、ということがあります。 とくに贈答の言い伝えは、知っている人と知らない人の差が大きい部分です。

避けられている理由は言葉の連想によるものと、受け取り方によるものの二通りに分かれ、 前者は言い伝えを知らない相手にはまったく通じませんが、 後者は言い伝えと関係なく、その場で相手を傷つけることがあります。 同じ「避けたい品」でも、注意の必要な度合いがかなり違います。

品避けられる理由扱い
刃物(包丁・はさみ)「縁を切る」と読まれることによります本人の希望が無い限り、選びません
櫛(くし)「苦」「死」の音に通じるとされています髪飾りも、同じ理由で避ける家があります
靴・靴下・スリッパ「踏みつける」意味に取られることがあります目上へ贈る品としては避けられます
家事の道具「もっと家事をしてほしい」と読まれます本人が欲しがっている場合は別です
ダイエット関連の品体型を指摘されたと受け取られます健康食品も、言い方によっては同じです
白い花だけの花束亡き母に供える形と重なります色花を混ぜれば差し支えありません

品物の評価は、同じ物でも資料によって逆になります。高島屋は母の日の好適品として「カーネーション ハンカチ・エプロンなどの衣料品 アクセサリー 趣味のもの」を挙げていますが、縁起を説く記事の側はハンカチを「手巾=手切れ」と読んで避けるとしています。どちらか一方が誤りというわけではなく、受け取る側がその言い伝えを知っているかどうかで印象が変わるだけですので、迷うときは言い伝えの無い品へ寄せてください。(最終確認:2026年8月)

家事の道具とダイエット関連の品は、言い伝えとは関係なく相手を傷つけます。 新しい掃除機や高性能な調理器具は暮らしを楽にする品ですが、 母の日という名目で渡されると、家事を担い続けることを前提にした贈り物として受け取られますので、 本人が欲しがって話題に出していたのでない限り、この日には向きません。

刃物や櫛は、本人が希望している場合には差し支えありません。 料理好きの母が包丁を新しくしたいと話していたのであれば、 それを母の日に贈るのは的を射た選び方になりますので、 言い伝えより本人の希望のほうを優先してください。

評価が分かれる品|ハンカチ・現金・家電

調べていくと、同じ品が別の記事では正反対に書かれていることがあります。 ハンカチはその代表で、好適品として挙げる案内と、避けるべき品として挙げる記事が、 どちらも同じくらいの数だけ見つかります。

こうした食い違いが起きるのは言い伝えを重く見るかどうかで結論が変わるためで、 百貨店のご贈答マナーは実際の売れ筋と使い勝手から好適品を挙げ、 縁起を説く記事は言葉の連想から避けるべき品を挙げていますので、 片方だけを読むと正解が一つに見えてしまいます。

品好適品とする側避けるとする側
ハンカチ百貨店の好適品に挙げられています「手巾」を「手切れ」と読んで避けます
現金本人が自由に選べる点で挙げられます感謝を金額に置き換えた形になります
商品券・ギフトカード好みを外さない点で選ばれています金額が見えることを気にする方もいます
家電暮らしが楽になる点で選ばれています家事の道具と同じに読まれることがあります
鉢植えの花長く楽しめる点で挙げられています水やりの手間が負担になることがあります
健康食品・サプリメント体を気遣う形として選ばれています衰えを指摘されたと取られることがあります

どちらの言い分にも根拠があり、決め手になるのは相手がその言い伝えを知っているかどうかだけです。言い伝えを重んじる世代の義母へ贈るのであれば避けておくほうが気が楽ですし、実母から「ハンカチが欲しい」と言われているのであれば、それを避ける理由はありません。判断がつかないときは、言い伝えの付いていない品へ寄せておけば考えずに済みます。

現金と商品券は、実の親子であれば受け取られることもあります。 遠方に住んでいて品物を選べない年や、 母が自分で選びたいものがある年には現実的な形になりますが、 義理の関係では金額がそのまま見えることが気になりますので、避ける家が多くなります。

家電を贈るのであれば、家事の道具ではなく本人が使うものにしてください。 掃除機や炊飯器は家事の道具として読まれますが、 マッサージ器やコーヒーメーカーのように本人が座って使うものであれば、 同じ家電でもまったく違う受け取られ方になります。

相手の暮らしから選ぶ|同居・遠方・高齢

品の善し悪しだけで選ぶと、届いてから置き場所に困らせることがあります。 一人暮らしの母に大きな菓子折りを送ってしまい、 食べきれずに近所へ配ることになった、という話は珍しくありません。

押さえておきたいのはその品を受け取ったあと、相手が何をすることになるかで、 水をやる、冷蔵庫に入れる、箱を片づける、置き場所を作るといった手間が、 すべて相手の側に残ります。 年齢が上がるほど、この手間が贈り物の値打ちを上回ってしまうことがあります。

相手の暮らし向いている品避けたい品
一人暮らし小分けの菓子や、少量の食品が向きます大箱の詰め合わせは食べきれません
同居しているその日の食事や、外出に誘う形も向きます物が増えることを負担に感じる方もいます
遠方で会えない配送で届く花や食品が向きます冷蔵・冷凍品は在宅を確かめてからにします
家を空けることが多い切り花やアレンジメントが向きます鉢植えは水やりが続けられません
高齢で足腰が弱い軽くて、持ち運びしやすい品が向きます重い箱や、大きな花瓶は扱いに困ります
施設に入っている持ち込める品を、事前に確かめます生花や食品は、制限があることがあります

贈り物の値打ちは品そのものではなく、受け取ったあとの扱いやすさで決まります。七十代八十代の母に大きな花瓶入りのアレンジメントを届けると、水を替えるだけでも重くて持ち上げられないことがありますし、施設では生花の持ち込みが制限されている場合もあります。買う前に、届いたあとの一週間を思い浮かべてみてください。

相手の家の冷蔵庫の大きさを知っているかどうかは、 食品を選ぶときにそのまま効いてきます。 冷凍が必要な品を送って、入れる場所が無いまま解凍させてしまうと、 喜ばれるどころか困らせることになります。

施設に入られている場合は、持ち込める品が決まっていることがあります。 生花が禁じられている施設や、食品の持ち込みに制限のある施設がありますので、 面会の予約をするときに、あわせて確かめておいてください。

品物以外で添えられるもの

毎年同じような品を選び続けていると、 そろそろ別の形にしたいと感じてくることがありますし、 その年は予算が取れないという事情が重なることもあります。

ここで手がかりになるのが物として残らない贈り方で、 食事に誘う、一緒に出かける、手紙を書くといった形は、 置き場所の負担をかけずに済みますし、 高齢の親ほど、物より時間のほうを望んでいることが少なくありません。

形向いている場面進め方
手書きのカードどの品に添えても、印象が変わります短くてよいので、本人の字で書きます
食事に誘う近くに住んでいて、会える場合に向きます段差の少ない店を選び、早めに予約します
一緒に出かける体力に余裕のある年代に向きます歩く距離と、休める場所を確かめます
電話をかける遠方で会えない年に向きます当日のうちに、五分でも声を届けます
家事を代わる同居している場合に向きます「今日はやらなくていい」と伝えます
孫から一言もらう祖母にあたる相手へ贈るときに向きます短い言葉でも、本人の字なら十分です

手書きの一言は、どの品に添えても効きます。品物だけが箱で届くのと、そこに二行のカードが入っているのとでは、受け取ったときの印象がまるで違いますし、カードは花よりずっと長く手元に残ります。文章に自信が無くても、「いつもありがとう」と名前が書いてあれば十分に伝わります。

食事に誘う形にするときは、店選びを味より足元で決めてください。 階段しかない店や掘りごたつの座敷は、 当日になって座りにくいことが分かっても動かせませんので、 予約のときに「高齢の母と行きます」と伝えておくと、入口に近い椅子席へ替えてもらえます。

カードに書くことが思いつかないときは、 その一年のあいだにあった具体的な出来事を一つ入れてください。 「去年もらった梅干しが美味しかった」という一行があるだけで、 決まり文句だけのカードとはまったく違うものになります。

母の日の贈り物に決まった正解があるわけではなく、 毎年花を選ぶ家もあれば、食事に誘う家も、電話だけの家もあって、 どれが正しいというものではありませんので、 相手の暮らしに無理なく収まる形を選べばそれで十分です。

どの品を選ぶときでも変わらないのは、受け取ったあとの扱いを相手に押しつけないことと、 言い伝えより本人の希望を先に見ることの二つだけで、 この二つさえ押さえておけば、去年と同じ品でも、 小さな花一束でも、失礼にはなりません。

よくある質問

母の日の定番の贈り物は何ですか。

カーネーション、菓子や食品、ハンカチやエプロンなどの衣料品、アクセサリー、趣味のものが百貨店のご贈答マナーに好適品として挙げられています。好みが読みにくい相手であれば、使えばなくなる品へ寄せておくと外れが小さくなります。

黄色いカーネーションを贈ってもよいですか。

母の日には避けるのが無難です。黄色いカーネーションには「軽蔑」「嫉妬」という花言葉が付いていて、この意味を知っている方に贈ると気まずくなります。父の日のシンボルカラーは反対に黄色ですので、同じ色でも扱いが入れ替わります。

白いカーネーションは失礼になりますか。

白だけで束ねると亡き母に供える形と重なりますが、色花に混ぜて使う分には差し支えありません。もともとは存命の母に赤、亡くなった母に白という区別がありましたが、現在は色を自由に選ぶ形になっています。

母の日にハンカチを贈るのはいけませんか。

資料によって評価が分かれます。百貨店のご贈答マナーは好適品に挙げていますが、縁起を説く記事は「手巾」を「手切れ」と読んで避けるとしています。相手がその言い伝えを知っているかどうかで印象が変わりますので、迷うときは別の品へ寄せてください。

母の日に家電を贈ってもよいですか。

本人が座って使うものであれば差し支えありません。掃除機や炊飯器は家事の道具として読まれますが、マッサージ器やコーヒーメーカーのように本人のための品であれば、同じ家電でも受け取られ方がまったく違います。

予算が取れない年はどうしますか。

手紙や電話だけでも差し支えありません。食事に誘う、家事を代わる、孫から一言もらうといった形も贈り方のうちですし、高齢の親ほど物より時間のほうを望んでいることが少なくありません。

まとめ

  • 定番は花・菓子・衣料品・アクセサリー・趣味のものにあたります
  • 黄色いカーネーションは、花言葉の意味から避けます
  • 白は色花に混ぜれば差し支えなく、白だけの束を避けます
  • 刃物・櫛・靴・家事の道具・ダイエット用品は避ける家が多くあります
  • ハンカチは評価が分かれる品で、相手を見て決めます
  • 受け取ったあとの置き場所と手間を先に考えます
  • 手書きのカードを一枚添えれば、どの品でも印象が変わります

参考情報

  1. 高島屋「高島屋のご贈答マナー/シーズンギフト 母の日、父の日」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/season_05.html
  2. 大丸松坂屋「母の日にカーネーションを贈る理由とは? カーネーションの色の意味も紹介」
    https://www.daimaru-matsuzakaya.jp/mothersday/chishiki4/
  3. ハーモニック「母の日に贈ってはNGなアイテムは? マナーと喜ばれる母の日ギフト」
    https://www.harmonick.co.jp/media/archives/3055/
  4. シャディ「母の日ギフトの平均予算や金額相場とは?」
    https://shaddy.jp/mothersday/column/marketprice/

好適品は高島屋のご贈答マナーが挙げているもの、避けたい品はハーモニックの解説が挙げているものを軸に、大丸松坂屋の色の説明を合わせました。ハンカチのように資料で評価の分かれる品は、どちらか一方に寄せず両論を並べています。花言葉は言い伝えとして広まっているもので、作法として定まったものではありません。(最終確認:2026年8月)

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。母の日・父の日は宗教行事でも伝統行事でもなく、家ごとの習慣の差がとくに大きい贈答にあたります。配偶者側の家に前例があるときは、そちらに合わせるほうが角が立ちません。