結論
お中元に何を選ぶかで迷ったのであれば、使えばなくなる「消えもの」のほうから探してみてください。 夏らしい涼菓、そうめん、ジュース、ハム、ビールといったあたりが定番になりますので、 そこから相手に合うものを一つ選んでおけば、品のところで外すことはありません。
値段のところを決めたあとで先に効いてくるのが、相手の家族構成と、届いた箱を置いておく場所のほうになります。 二人暮らしの家に届く大容量の箱や、冷蔵庫の棚をふさぐ大箱は、 こちらが丁寧なつもりで選んだものであっても、受け取る側にとっては負担のほうに変わります。
定番の品物
| 品物 | 向く相手 | 注意 |
|---|---|---|
| 涼菓(ゼリー・水ようかん) | 相手を選ばず、ほぼどなたにも向きます | 要冷蔵のものがありますので確かめます |
| 焼き菓子・個包装の菓子 | 職場や大人数のところに向きます | 常温で日持ちしますので確実な品です |
| そうめん | 家族の多い世帯のところに向きます | 毎年ほかの家と重なりやすい品です |
| ジュース・コーヒー | 子どものいる家庭に喜ばれる品です | 箱で届きますので、かなり重くなります |
| ハム・ソーセージ | こちらも家族の多い世帯に向きます | のしは付けず、要冷蔵のものになります |
| ビール・日本酒 | 飲むと分かっている相手に限ります | 重いうえ、飲まない方には向きません |
| 洗剤・タオル | 好みが分からない相手に向きます | 外れが少なく、選びやすい品になります |
| カタログギフト | 迷ったときの逃げ道として使えます | やや事務的に見えることもあります |
要冷蔵と要冷凍のものは、届いたその日から相手の冷蔵庫の棚を一段ぶん占領してしまうことになります。お中元の時期にはほかの方からの荷物も同じ週に集まってきますので、常温で日持ちのするものを選んでおくほうが確実です。
選び方の基本
贈答品の売り場に立ってみると、似たような大きさの箱がいくつも並んでいて、そこからどれを選べばよいのかというところで手が止まります。 いくらのものにするかは先に決めてきたつもりでも、中身までは決めてこなかったということに、そこで気づかされます。
お中元の品には、相手が誰であっても共通してくる条件がいくつかあり、その中心にあるのが、毎年続いていくものだという性質になります。 形の残るものは、相手の好みに合わなかったときに捨てるわけにもいきませんので、処分のほうで困らせることになります。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 消えもの | 好みに合わなくても、処分に困らせません |
| 家族構成に合う量 | 二人暮らしに大容量は持て余させます |
| 常温・日持ち | 不在でも受け取れ、冷蔵庫も圧迫しません |
| 重すぎない | 高齢の相手には、運ぶだけで負担になります |
| 好みに左右されにくい | 毎年贈るぶん、外れの少ないものが安全です |
同じだけの額を出すのであれば、「立派なもの」よりも「使い切れるもの」のほうを選んでおいてください。高価な品であっても、余らせてしまえばそこで喜ばれることはありませんので、値段の高さより先に、その品が相手の暮らしに合っているかどうかを考えることになります。
形の残るものというのは、置き場所が決まるまでのあいだ、棚の上や玄関の隅に出しっぱなしになります。 趣味に合わない置物や食器を毎年受け取ることになれば、相手はいずれ、それをどう片付けるかという算段のほうを考え始めます。
毎年贈るものになりますので、その年ごとに当たりを狙わないほうが、結局のところ長く続きます。 好みに左右されにくい品を選んでおけば、相手の暮らしのほうが多少変わったとしても、そのまま使ってもらえます。
夏の定番
では夏には何が選ばれてきたのかというと、売り場のいちばん目立つところに並ぶ品は、だいたい決まっています。 暑い時期に届くという一点に合わせて、冷たいものと、常温で長く置けるものだけが残ってきました。
ただし夏の定番として知られているがゆえに、そこで品が重なるという別の問題のほうが起こり、贈る側の誰もが同じ棚を見て同じことを考えますので、受け取る側の玄関には、同じ形の箱が何軒ぶんも積み上がることになります。
| 品物 | 選ばれる理由 |
|---|---|
| ゼリー・水ようかん | 夏らしく、小分けで食べやすくなっています |
| 焼き菓子の詰め合わせ | 常温で日持ちし、家族で分けられます |
| そうめん・冷やし中華 | 夏に食べるもので、日持ちもしてくれます |
| ジュース・炭酸飲料 | 子どものいる家庭にとくに喜ばれます |
| コーヒー・紅茶 | 来客のときにも、そのまま使ってもらえます |
| ハム・ソーセージ | 夏の定番ですが、のしは付けません |
| 果物 | 季節感が出ますが、日持ちに注意します |
| ビール | 夏の定番で、飲む相手に限って選びます |
そうめんは、夏の定番のなかでも、とりわけほかの家からのものと重なりやすい品になります。選ぶ側が多いぶん、同じ夏に何軒からも届くということが起こりますので、相手の家に今どれだけ届いているのか分からないのであれば、別のものを選んでおくほうが安全です。
ゼリーや水ようかんは、小分けの容器に入っていて一つずつ食べられますので、家族の人数が読めないときでも扱いやすくなっています。 ただし要冷蔵のものが混じっていることがありますので、箱に貼られた表示のところだけは確かめておいてください。
ハムやソーセージのような生ものについては、掛け紙にのしを付けないという扱いのほうになっています。 売り場で掛け紙を頼むときに生ものだと伝えておけば、店の側でその形に整えてもらえますので、こちらで悩む必要はありません。
相手別の選び方
定番をひととおり押さえたところで、では目の前の相手にそのまま当てはめてよいのかというと、そこがまた変わってきます。 同じ焼き菓子の詰め合わせでも、二人暮らしの家に届くのと、子どもが何人もいる家に届くのとでは、意味がまるで違ってきます。
効いてくるのは相手の暮らしの形のほうで、人数と年齢と、飲み食いの習慣という三つで決まってきます。 同じ品でも使い切れるかどうかはそこで分かれますので、まずは相手の家に何人が暮らしているのかを思い出してください。
| 相手 | 向くもの | 考え方 |
|---|---|---|
| 両親・義両親 | 好みが分かっているものにします | 身内ですので、直接聞いてしまえます |
| 高齢の親戚 | 少量で軽く、常温のものを選びます | 受け取りと保管の負担を減らしておきます |
| 上司(自宅宛) | 家族で分けられるものを選びます | 家族構成が分かれば、そこに合わせます |
| 取引先(会社宛) | 個包装の菓子がいちばん向きます | その場で配れるかどうかで選びます |
| 子どものいる家庭 | ジュースや菓子のほうが喜ばれます | 子どもが喜ぶものは、親も喜びます |
| 単身の相手 | 少量で日持ちのするものにします | 大容量のものは、食べきれずに残ります |
| 好みが分からない | 洗剤・タオル・カタログギフトにします | 外れが少なく、無難なところに収まります |
お酒については、その方が飲むとはっきり分かっている相手のときだけにしておいてください。健康上の理由でやめられた方もいらっしゃいますので、確信が持てないのであれば選ばないほうが安全ですし、ほかに向く品はいくらでもあります。
取引先の会社宛に送るのであれば、届いたその場で配れるかどうかという一点だけで選ぶことになります。 給湯室の机の上で人数分に分けることを考えれば、切り分けの要る大きな菓子より、個包装のものが確実に向きます。
高齢の親戚が相手であれば、少量で軽く、常温のまま置いておけるものを選んでおいてください。 玄関先で受け取って台所まで運ぶという動きまで含めて考えれば、瓶や缶の詰まった箱は、それだけで負担になります。
保管と受け取りの負担
品を決めたあとに残るのが、それがいつ、どういう形で相手の家に着くのかというところになります。 お中元は贈る時期がだいたい決まっていますので、相手のもとには、ほかの方からの荷物も同じ週に集まってきます。
そこで問題になってくるのが相手の家の冷蔵庫の空きと、受け取りに要る手間のほうで、要冷蔵の大箱がいくつも重なれば棚に入りきりませんし、生ものであれば、在宅していなければそもそも受け取ってもらえません。
| 避けたい条件 | なぜ |
|---|---|
| 要冷蔵・要冷凍 | 冷蔵庫を占領し、在宅も必要になります |
| 賞味期限が短い | 不在が続くと、食べきるのに間に合いません |
| 大容量 | そもそも食べきれずに残ってしまいます |
| 重い(瓶・缶の箱) | 高齢の相手には、運ぶだけで負担になります |
| かさばる | 置き場所のほうに困らせてしまいます |
お盆や連休の直前に届くような手配だけは、はじめのところで避けておいてください。長く家を空けている相手であれば受け取れませんので、お盆に帰省される相手ということであれば、お盆の前に着くように日を指定しておくことになります。
常温で日持ちのするものを選んでおけば、受け取る側は届いた箱を廊下の隅に置いておくことができます。 冷蔵庫の扉を開けて場所を作る必要もありませんし、その日のうちに開けなかったとしても差し支えありません。
こちらが丁寧なつもりで大きなものを選んでしまうと、その心遣いがそのまま逆のほうに働き、二人暮らしの家に大容量の箱が届けば、食べきる算段のほうで気を使わせることになりますので、小さめのものを選んでおいてください。
届く日の決め方を見る毎年同じでよいか
二年目、三年目と続けていくうちに、去年と同じものを送ってしまってよいのかどうかというところで迷います。 同じ箱が毎年続くと手を抜いたように思われないか、という心配のほうが先に立ってきます。
ここについては去年と同じもので構わないと考えて差し支えなく、お中元は毎年続けるものですので、「今年もあれが届いた」という形で定着してしまうほうが、受け取る側にとっても分かりやすくなります。
| 状況 | やり方 |
|---|---|
| 喜ばれている | そのまま続けてしまって構いません |
| 反応が薄い | 翌年のところで、別のものに変えてみます |
| 家族構成が変わった | 量や種類のほうを見直しておきます |
| 相手が高齢になった | 軽く、少量のものへ切り替えます |
| 価格帯を変えたい | 同じ系統で価格だけ動かすと目立ちません |
相手の暮らしの状況のほうが変わったときにだけ、そこで一度見直しておいてください。子どもが独立した、一人暮らしになったといった変化があったのであれば、同じ品のまま量だけを減らしておくほうが親切な形になります。
喜ばれていることがはっきり分かっているのであれば、そこでわざわざ変える必要はなく、毎年の売り場で選び直す手間も省けますし、相手の側にも、夏になればあの箱が届くという見当が立つようになります。
価格帯のほうを変えたいときは、同じ系統の品のなかで額だけを動かしておくと目立ちません。 菓子から洗剤へというように系統ごと変えてしまうと、そこで何かあったのかと受け取られることになります。
どこで買うか
品と量まで決まったところで最後に残るのが、それをどこで買うのかというところで、同じ品であったとしても、買う場所によって、手配にかかる手間のほうがかなり変わってきます。
差がはっきり出てくるのは贈る相手が二軒三軒と複数あるときで、送り先も、到着日も、掛け紙の表書きも、一件ずつ指定していくことになりますので、そこが分かれていると手間だけが積み上がります。
| 買う場所 | 向いている点 |
|---|---|
| 百貨店(店頭) | 相談でき、掛け紙まで任せてしまえます |
| 百貨店・通販サイト | 早期割引があり、複数宛先をまとめられます |
| 産地直送 | 名産を贈れますが、到着日に注意します |
| スーパー・量販店 | 価格のほうを抑えることができます |
複数の相手へ贈るのであれば、どこか一か所でまとめて手配してしまうほうが楽になります。送り先と掛け紙と到着日を一度に指定できますし、注文の記録がそのまま残りますので、翌年に誰へ何を贈ったのかを見返す手がかりにもなります。
百貨店の店頭であれば、相手の家族構成を伝えたうえで相談できますし、掛け紙のほうも任せてしまえます。 生ものにのしを付けないといった扱いも、その場で店の側が整えてくれますので、こちらで覚えておく必要がありません。
産地直送は土地の名産を選べる代わりに、到着日の指定のほうが効きにくいことがあります。 相手の予定と重ならない日に届いてしまうと受け取ってもらえませんので、日を指定できるかどうかだけは、注文の前に確かめてください。
何を贈るかに一つだけの正解があるわけではなく、相手の家に何人が暮らしていて、 届いた箱をどこに置けるのかという二つが分かれば、そこで品は選べます。 子どものいる家であればジュースや菓子が喜ばれますし、 二人暮らしの家であれば、小分けの涼菓を少しだけという形で十分に足ります。
どの相手でも変わらないのは、立派なものより使い切れるもののほうが喜ばれるという一点だけです。 常温で日持ちのする、小さめのものを選んでおけば、細かな定番を思い出せなくても外すことはありませんし、 受け取る側にも、置き場所のことで気を回させずに済みます。
よくある質問
お中元は何を贈ればよいですか?
使えばなくなる「消えもの」が基本です。ゼリーや水ようかんなどの涼菓、焼き菓子、そうめん、ジュース、コーヒー、ハム、ビールなどが定番です。形が残るものは、好みに合わないと処分に困らせます。
選ぶときにいちばん大切なことは何ですか?
相手の家族構成と保管場所です。二人暮らしに大容量、冷蔵庫を占める大箱は、丁寧なつもりでも負担になります。お中元は同じ時期にほかからも届くため、常温で日持ちするものが確実です。
お酒を贈ってもよいですか?
飲むと分かっている相手だけにします。健康上の理由でやめた方もいます。確信がなければ選ばないほうが安全です。取引先の会社宛も、職場で分けにくいため向きません。
会社宛にはどんな品物が向きますか?
「その場で配れるか」で選びます。個包装の菓子が向き、常温で日持ちするものが確実です。要冷蔵・要冷凍は会社に保管場所がないため避けます。個数は人数より多めにします。
毎年同じものを贈ってもよいですか?
構いません。「今年もあれが届いた」と定着するほうが分かりやすく、選び直す手間も省けます。ただし相手の家族構成が変わった、高齢になったといった変化があれば、量や重さを見直してください。
どこで買うのがよいですか?
複数の相手へ贈るなら、1か所でまとめて手配すると楽です。送り先・掛け紙・到着日を一度に指定でき、記録も残るため翌年の参考になります。百貨店の店頭なら相談もできます。
まとめ
- 使えばなくなる消えものを選びます
- 涼菓・焼き菓子・そうめん・ジュースが定番になります
- 家族構成に合う量にそろえます
- 常温・日持ち・小さめにしておきます
- お酒は飲むと分かっている相手だけにします
- 会社宛はその場で配れるものにします
- 毎年同じものでも構いません
参考情報
- 郵便局のネットショップ「お中元の熨斗(のし)のマナー|水引の種類と結び方、正しい表書き」
https://www.shop.post.japanpost.jp/column/ochugen/ochugen_noshi.html - 高島屋「進物の基礎知識」
https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html - 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
「消えもの」を選ぶこと、生ものにのしを付けないこと、目上の方へ現金・商品券を贈らないとされることは、参照した情報源で共通しています。刃物やハンカチなどを避ける理由は語呂合わせによるもので、気にしない考え方も広がっているため、その旨を本文に記載しています。
本記事で紹介している内容は一般的な目安です。地域やご家庭、業界の慣習によって異なる場合があります。相手の家族構成・食事の制限・保管場所を考えて選んでください。