結論

お中元の時期を過ぎてしまっても贈ること自体に差し支えはなく、 掛け紙の表書きを季節に合わせて書き替えるだけで形が整います。 立秋(8月7日ごろ)までであれば「暑中御見舞」、 立秋から8月末までであれば「残暑御見舞」として出してください。

上司や恩師のような目上の方へ贈るときには、「見舞う」の字を避けて 「暑中御伺」「残暑御伺」と書き替えるほうが収まりがよく、 9月に入ってからであれば「御礼」に切り替えるほうが自然です。 11月を回ってしまった年は、季節外れの品を無理に送らず、 年末のお歳暮にまとめてしまえば形が整います。

時期と表書きの対応

時期表書き目上の方には
地域の期間内「御中元」のままで差し支えありません目上の方にも「御中元」で通ります
期間後〜立秋(8月7日ごろ)「暑中御見舞」と書き替えて出します「暑中御伺」と書き替えて出します
立秋〜8月末「残暑御見舞」へ切り替えて出します「残暑御伺」へ切り替えて出します
9月以降「御礼」として贈るほうが自然に収まります目上の方にも「御礼」で構いません
大きく遅れた年内のお歳暮にまとめてしまいます「御歳暮」としてまとめて贈ります

この表で迷いやすいのは、いま自分がどの行にいるのかという一点だけです。地域によってお中元の期間そのものが1か月違いますので、暦の上の立秋より先に、自分の地域の期間がいつ終わったのかを確かめてください。期間を過ぎてから立秋までのあいだが「暑中」、立秋から8月末までが「残暑」にあたります。

切り替えの考え方

百貨店のギフトカウンターで配送伝票を書きかけたところ、 壁に貼られた案内で自分の地域のお中元の受付期間がもう終わっていたことに気づく、 ということがあります。 品物のほうは涼菓の詰め合わせに決めてしまっていますし、 いまさら取り下げるのも気が引けて、伝票を持ったまま手が止まります。

ここで押さえておきたいのは、掛け紙の表書きというのは贈り物の中身ではなく、 いま暦のうえでいつなのかを示すものだという点です。 時期を過ぎているのに「御中元」と書いてしまうと季節と合わない贈り物になりますし、 受け取った側も、いつのお中元なのだろうと戸惑うことになります。

地域「暑中御見舞」に切り替える日
東北・関東7月16日から表書きを切り替えます
北陸(7月15日までの地区)こちらも7月16日から切り替えます
東海・関西・中国・四国8月16日からで、この時期はすでに残暑にあたります
九州8月16日からで、こちらも残暑の時期に入ります

関西など8月15日までを期間としている地域では、期間を過ぎた時点でもう立秋を回っています。そのため「暑中御見舞」を使う余地がほとんど残らず、はじめから「残暑御見舞」で出すことになります。東北や関東のように7月15日までを期間とする地域だけ、期間の後に「暑中御見舞」として出せるひと月ほどが生まれます。

時期を逃してしまったこと自体は、そこまで重く受け止めなくて構いません。 株式会社オンワード樫山のマーケティンググループと株式会社大和が 2025年6月30日から7月1日にかけて、全国の男女551名から回答を得た インターネットアンケートでは、お中元を「毎年のように贈っている」と 答えた人は22.5%にとどまり、「一度も贈ったことがない」が44.1%でもっとも多くなっています。

この調査は実際の出荷を数えたものではなく贈る側の意識を尋ねたもので、 「昔は贈っていたが、今はやめた」が23.4%、「たまに贈る」が9.6%と続きます。 贈ることへの印象としても「費用や手間がかかる」が35.6%、 「形式的・堅苦しいと感じる」が33.2%と上位に並んでいますから、 毎年こなす手続きとして段取りが体に入っている人のほうがむしろ少数派になっています。

続けている人であっても時期を逃しやすいということですので、 遅れたことを詫びる文面を考え込むより、 表書きを一つ書き替えて早く出してしまうほうが話が早く済みます。 売り場で短冊を差し替えてもらえば手続きとしてはそれで終わりますし、 配送伝票のほうを書き直す必要もどこにもありません。

立秋がいつか

「暑中御見舞」と「残暑御見舞」の境目は立秋だと聞かされても、 その立秋が今年はいつなのかまでは、すぐには出てきません。 カレンダーの隅に小さく刷られた二十四節気の欄を探すことになりますが、 日めくりや暦の付いたものでなければ、そもそも載っていないこともあります。

判断が分かれるのは、決まった日付で切り替えるのか暦で切り替えるのかというところで、 8月7日という数字だけを覚えていると、 その年の立秋が8月8日だった場合に一日ぶんずれてしまいます。 表書きは暦のうえの季節に合わせるものですから、 境目にかかる数日だけは、どちらの言葉を選ぶかで迷うことになります。

項目内容
立秋8月7日ごろで、年によっては8月8日になります
暦のうえでの意味暦のうえで秋が始まる日にあたります
立秋の前日まで表書きは「暑中御見舞」にします
立秋から表書きを「残暑御見舞」に切り替えます
残暑の終わり8月末が目安で、9月上旬までとする説明もあります

立秋は年によって1日ずれますので、贈る年の暦のほうを一度だけ確かめてください。とはいえ、境目にあたる数日については「暑中御見舞」と「残暑御見舞」のどちらで出しても大きな問題にはなりません。受け取る側も暦を手元で照らし合わせているわけではなく、日付より、季節の言葉として自然に読めるかどうかのほうが先に目に入ります。

「残暑御見舞」として通るのは8月末までが目安で、 9月上旬までを含めて説明されることもありますが、 月が替わってから「残暑」の文字が届くと、受け取る側の季節の感じ方とはずれ始めます。 9月に入ってしまった年については、表書きを「御礼」に替えてしまうほうが、 贈る側としても添える文面を考えやすくなります。

立秋の前後にあたる数日で迷ったときは、暦を調べ直すことに時間をかけるより、 品物と配送日のほうを先に決めてしまうほうが早く片づきます。 8月に入ってから思い立ったのであれば、どちらにしても残暑に近い時期になりますから、 「残暑御見舞」で出しておけば季節から外れることはありません。

「御伺」を使う相手

売り場ののし紙の見本には「暑中御見舞」と刷られた短冊が並んでいて、 同じものを頼めばそれで済むように見えます。 ところが、その言葉を上司や恩師に向けて使ってよいのかというところで、 短冊を指さしかけた手がいったん止まります。

同じ時期に出す品であっても、相手が誰かによって書き入れる言葉のほうは変わってきます。 印刷済みの掛け紙をそのまま使うと、 相手を選ばずに同じ表書きで出してしまうことになりますし、 届いてから書き替えることもできません。

相手表書き
上司・恩師・目上の親族「暑中御伺」「残暑御伺」と書き替えます
取引先こちらも「暑中御伺」「残暑御伺」にします
両親・義両親どちらでも構いませんが「御伺」なら丁寧です
友人・同僚「暑中御見舞」「残暑御見舞」で足ります
部下同じく「暑中御見舞」「残暑御見舞」にします

「見舞う」は本来、目上の側から目下へ向ける言葉とされていますので、上司や恩師には「伺う」に置き換えます。迷ったときには「御伺」を選んでおけば失礼になりませんし、目下の相手に「御伺」を使ったからといって、とがめられることもありません。表書きの言葉一つで、相手をどう見ているかが紙の上に出てしまう部分です。

会社として取引先へ何件もまとめて送るときには、 宛先ごとに表書きを変えるのが手間になりますから、 全部を「暑中御伺」でそろえてしまうほうが行き違いが起きません。 配送伝票と掛け紙を一件ずつ突き合わせる作業が減りますし、 社名で出す品であれば、丁寧な側にそろえておいて困ることはありません。

判断に迷いやすいのは両親や義両親で、身内なのだから「御見舞」で構わないという見方もあれば、 義理の親には丁寧にという見方もあります。 どちらでも差し支えはありませんが、 結婚してから日が浅く、まだ距離のつかめていない相手であれば、 「御伺」にしておくほうが後から気になりません。

掛け紙と水引

表書きを書き替えると聞かされると、 掛け紙そのものも別のものに取り替えるのだろうかと考えてしまいます。 夏の贈り物のために選んだ紅白の掛け紙を、 いったん外して掛け直す必要があるのかどうかまでは、 売り場に並んだ見本を眺めていても見当がつきません。

掛け紙には水引・のし・表書き・名前と書き入れる欄がいくつもあり、 そのうちどこが季節で動くのかが分からないまま売り場に立つことになります。 実のところ動くのは表書きの一行だけで、 残りは夏に選んだままの形でそのまま出せます。

項目内容
水引紅白の蝶結び(5本)で、御中元のときと同じです
のし付けます。生ものを贈るときだけは付けません
表書き暑中御見舞・暑中御伺・残暑御見舞・残暑御伺のいずれかにします
名前贈る人のフルネームを水引の下に書き入れます
墨御中元のときと同じく濃墨で書きます
内のし・外のし配送するなら内のし、手渡しするなら外のしにします

売り場では「時期を過ぎたので暑中御見舞で」と伝えれば、それだけで通じます。変えるのは表書きの文字だけですので、選んだ品物や包装をやり直す必要はありませんし、水引や名前の書き方を相談し直すこともありません。表書きの言葉さえ決めてから並べば、あとは店の側で整えてもらえます。

配送で送るのか、手に持って届けるのかで変わってくるのは、 掛け紙を包装紙の内側にするか外側にするかという点だけです。 宅配便に預けるのであれば紙が擦れないよう内のしにし、 玄関先で手渡しするのであれば表書きの見える外のしにしておくと、 受け取った相手にその場で何の品かが伝わります。

掛け紙の右上に付けるのしは、御中元のときと同じように付けますが、 生ものを贈る場合だけは付けずに出します。 名前の欄には贈る人のフルネームを水引の下に書き入れ、 墨は薄めずに濃墨のまま書きますので、 弔事で使う薄墨と取り違えないようにしてください。

掛け紙と表書きを詳しく見る

添える言葉

品物の手配が済むと、こんどは送り状に何をどこまで書くかで手が止まります。 遅れてしまった負い目から、事情の説明と詫びを長々と書き連ねてしまいそうになりますが、 それを読まされる側のことを思うと、便箋を前にしてまた手が止まります。

分かれ目になるのは、遅れた事情を説明する手紙にするのか、 その季節の挨拶として書くのかという一点です。 表書きを「暑中御見舞」「残暑御見舞」に替えて出す以上、 文面のほうも、その季節の挨拶として読める形にそろえておくほうが収まります。

書くこと書かなくてよいこと
季節の挨拶遅れた理由の詳しい説明は要りません
日ごろのお礼長い謝罪を並べる必要はありません
品を送った旨品物の値段や中身の自慢は書きません
相手の体調を気づかう言葉結びに「ご自愛ください」と一言添えます

「遅くなりました」というひと言があれば、詫びとしてはそれで足ります。表書きを季節に合わせてあれば、そもそも遅れた贈り物としては見えませんので、詫びを重ねるほど、かえって相手に気を遣わせることになります。書く側にとっても、詫びの言い回しを探す時間がまるごと要らなくなります。

書き直しているうちに、便箋の上半分が詫びで埋まってしまうことがあります。 読む側からすれば、季節の挨拶より先に長い謝罪が目に入ることになりますし、 返事を書くときに何と添えればよいのかという宿題まで渡してしまいます。 詫びは一行に収めておくほうが、受け取った側も素直に礼だけを返せます。

時期送り状の文面の例
少し遅れた場合「暑さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。日ごろのお礼のしるしまでに、心ばかりの品をお送りいたします。どうぞご自愛ください。」
残暑の時期になった場合「残暑なお厳しい毎日ですが、お変わりございませんか。ご挨拶が遅くなりましたが、日ごろの感謝を込めて心ばかりの品をお送りいたします。」

二つの文面で違っているのは、書き出しの季節の言葉と、挨拶が遅くなった旨のひと言だけです。残暑の時期に「暑さ厳しき折」と書き出してしまうと、表書きだけが季節に合っていて中身が合わないという形になりますので、書き写すときには冒頭の一行を入れ替えてください。

文面を短く収めておけば、そのぶん結びに相手の体調を気づかう一行を置く余地が残ります。 涼菓のように冷たいものを贈った相手であれば、 届く日の受け取りやすさに触れておくこともできますので、 詫びを削ったぶんを、そうした言葉のほうへ回してください。

送り状の書き方と例文を見る

大きく遅れた場合

朝晩に秋の気配が出てきたころになって、 夏に贈るはずだった相手のことをふと思い出す、ということがあります。 手帳の隅に書き留めたまま忘れていた、 あるいは先方の事情で見送っているうちに9月を回っていた、というような場合です。

ここで分かれるのは、季節外れでも出すのか、 次の機会にまとめるのかという判断になります。 表書きを替えれば紙の上の形は整いますが、 届く季節そのものが合わなくなってくると、言葉の選び方だけでは追いつかなくなります。

時期やり方
9月〜10月表書きを「御礼」にして贈ります
11月以降お歳暮にまとめ、無理には贈らないようにします
お歳暮を少し厚くするそれだけで自然な埋め合わせになります
今年は見送る見送っても問題はなく、翌年から再開できます

10月に「暑中御見舞」と書かれた品が届くと、受け取る側は季節との差のほうに目が行きます。季節外れの品を無理に送るより、年末のお歳暮にまとめてしまうほうが自然に収まりますし、贈る側としても、時期に追われずに品を選べるようになります。

夏のぶんが抜けてしまったことがどうしても気にかかるのであれば、 お歳暮の品を少し厚くしておくだけで、それが自然な埋め合わせになります。 改まって詫びを書き添えなくても、 例年より一段よい品が年末に届けば、それだけで相手には伝わります。

お中元は毎年続けるものとされていますが、 1年抜けたら二度と贈れないという決まりはどこにもありません。 翌年から何事もなかったように再開して構いませんし、 そこで改めて説明や謝罪を添えると、かえって相手に気を遣わせることになります。

遅れたときの表書きに唯一の正解があるわけではなく、 いまが立秋の前なのか後なのか、 そして相手が目上かどうかという二つを見て決めればそれで足ります。 8月のはじめであれば「暑中御見舞」、立秋を回っていれば「残暑御見舞」、 目上の方であれば、それぞれを「御伺」に置き換えるだけです。

どの時期でも変わらないのは、いまの季節に合った言葉で出すという一点だけで、 これさえ守っていれば、暦の日付や地域ごとの期間を思い出せなくても失礼にはなりません。 詫びを長く書き足すより、季節の合った表書きで早く届けるほうが、 受け取る側にとってはずっと分かりやすい形になります。

よくある質問

お中元の時期を過ぎたらもう贈れませんか?

贈れます。表書きを季節に合わせて変えるだけです。立秋(8月7日ごろ)までは「暑中御見舞」、立秋から8月末までは「残暑御見舞」とします。遅れたことを取り繕う手段ではなく、正しい呼び方に直すだけです。

立秋はいつですか?

8月7日ごろで、年によって8月8日のこともあります。立秋の前日までが「暑中御見舞」、立秋からが「残暑御見舞」です。境目の数日はどちらでも大きな問題になりません。

「御伺」とは何ですか?

目上の方への言い方です。「見舞う」は本来、目上から目下へ向ける言葉とされるため、上司・恩師・取引先には「暑中御伺」「残暑御伺」を使います。迷ったら「御伺」にしておけば失礼になりません。

掛け紙は御中元のときと変わりますか?

変わりません。紅白の蝶結び(5本)にのしを付け、名前は贈る人のフルネームを書きます。違うのは表書きの文字だけです。売り場では「時期を過ぎたので暑中御見舞で」と伝えれば通じます。

9月を過ぎてしまいました。

表書きを「御礼」にして贈ります。11月以降ならお歳暮にまとめるほうが自然です。10月に「暑中御見舞」が届くと受け取る側が戸惑います。お歳暮を少し厚くすれば、自然な埋め合わせになります。

今年贈れませんでした。来年から再開できますか?

できます。1年抜けたら二度と贈れないという決まりはありません。翌年から何事もなかったように再開して構いません。説明や謝罪は不要で、かえって相手に気を遣わせます。

まとめ

  • 時期を過ぎても表書きを変えれば贈れます
  • 立秋(8月7日ごろ)までは「暑中御見舞」にします
  • 立秋から8月末までは「残暑御見舞」にします
  • 目上の方には「暑中御伺」「残暑御伺」を使います
  • 掛け紙は御中元と同じで、表書きだけを変えます
  • 9月以降は「御礼」に切り替えます
  • 11月以降はお歳暮にまとめます
  • 1年空けても、翌年から再開できます

参考情報

  1. 郵便局のネットショップ「お中元の熨斗(のし)のマナー|水引の種類と結び方、正しい表書き」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/column/ochugen/ochugen_noshi.html
  2. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  3. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html
  4. 株式会社オンワード樫山 マーケティンググループ/株式会社大和「お中元に関する意識調査」(2025年6月30日〜7月1日実施・インターネット調査・全国の男女551名)
    https://www.onward-hd.co.jp/release/2025/20250715_2.html

オンワード樫山と大和の調査は、全国の男女551名にインターネットで意識を尋ねたもので、標本が小さいため、割合そのものは幅をもって受け取ってください。金額の目安(3千〜5千円)、時期を過ぎた場合に「暑中御見舞」「残暑御見舞」を使うことは、参照した情報源で共通しています。地域ごとの時期は年々早まっており、情報源によって幅があるため、本文では幅をもたせて記載しています。

本記事で紹介している金額や時期は一般的な目安です。地域やご家庭、業界の慣習によって異なる場合があります。お勤め先や取引先の規定で贈答が制限されていることがあります。事前にご確認ください。