結論

両親へのお中元というのは必ず贈らなければならないものではありません。贈らないという家も多く、近年はその数がさらに減ってきていますので、 遠方に住んでいて会う機会が少ないときや、 日ごろ援助を受けているときといった場面で贈るのが自然な形になります。

贈るのであれば金額は3千円から5千円のあたりが目安になりますが、 それよりもきょうだいのあいだで額をそろえておくことのほうが効いてきます。 一人だけ突出していると後々の話し合いで持ち出されることになりますので、 始める前に一言かけ合っておけば、そこでもめずに済みます。

贈るかどうかの判断

状況判断
遠方で会う機会が少ない贈っておけば、近況を伝える機会になります
援助を受けているお礼として贈るのが自然な形になります
きょうだいが贈っている額と時期をそろえておくことになります
近くに住み、よく会う帰省のときの手土産で足りることになります
親が「要らない」と言う贈らずにおき、無理に続けないでください
帰省が中元の時期と重なる手渡しにしてしまえば、それで十分です

両親へのお中元は「しなければ失礼にあたる」という性質のものではありません。親子のあいだに形式は要らないという考え方が広がってきていますので、贈らないという選択のほうも、いまではごく一般的なものになっています。

必要かどうか

結婚して所帯を持つと、実家へお中元を贈るべきなのかどうかというところで最初に迷います。 贈っていないという話も聞きますし、毎年きちんと送っているという家の話も耳に入りますので、どちらが当たり前なのかというところが、どうにも見えてきません。

結論から言えばこれは家によりますので、贈るのが常識だというような決まりは、どこにもないことになります。 お中元にはもともと日ごろ会えない方への挨拶という性格がありますから、 頻繁に顔を合わせている親子のあいだでは、形式のほうが省かれやすい贈り物になります。

確かめること聞き方
これまでの慣習「うちはお中元ってどうしてた?」と尋ねてみます
きょうだいはどうしているか直接きょうだいに聞くのがいちばん早くなります
親の希望「要る?」ではなく「何が助かる?」と尋ねます
配偶者の実家の慣習結婚後は、両家で足並みをそろえておきます

「要る?」という尋ね方をすると、たいていの場合は「要らない」と返ってきます。そこに遠慮が入ってしまうためですので、きょうだいや配偶者のほうに確かめるようにすると、実態が分かることになります。

贈らない家のほうが珍しいということもなく、そのぶん帰省したときの手土産や、誕生日や敬老の日の贈り物で気持ちを伝える家が多くなっています。 形を変えて伝わっているのであればそれで足りますので、どちらが正しいというようなものでもありません。

親のほうに直接尋ねるときには、その聞き方のほうを少しだけ変えておいてください。 「要る?」という尋ね方をすると、気を遣わせまいとして必ず「要らない」と返ってきますので、 「何が助かる?」という形に置き換えておけば、 本当に使ってもらえるものが返ってくることになります。

贈る場合の考え方

贈ると決めたところで、では実際に何をどう贈るのかというところが残ることになります。 売り場でよく見かける詰め合わせを毎年同じように送っていれば形は整いますが、 それだけでは、こちらの様子が何ひとつ伝わらないまま年が過ぎていきます。

両親へのお中元は必須のものではありませんので、贈るのであれば何のために贈るのかという目的のほうを、先に決めておくことになります。 形式だけで贈ってしまうと意味が薄くなりますし、 毎年決まった品が届くだけでは、近況のほうが伝わりません。

目的向く形
近況を伝えたい手紙や写真を添えます。品物のほうは軽くて構いません
お礼を伝えたい相場どおりの品物を選んでおくことになります
生活の助けにしたい日用品や食品など、実用的なものを選びます
形式を整えたい掛け紙を付けて「御中元」としておきます

親が喜ぶのは品物そのものよりも、こちらの近況のほうであることが多いものになります。孫の写真を一枚入れておくだけで贈り物の意味が変わってきますので、品を選ぶことに時間をかけるより、そちらへ手をかけるほうが伝わります。

遠方に住んでいて年に一度しか帰らないという場合には、お中元がそのまま近況を知らせる機会になります。 品物のほうは軽いもので構いませんので、 その代わりに手紙を一枚添えておけば、荷物の意味がまったく変わってきます。

日ごろ生活の面で助けてもらっているのであれば、お礼という位置づけになりますので、相場どおりの品物を選んでおきます。 実用的なものを選んでおけば、そのまま日々の暮らしに入りますので、 形式のためだけに贈っているようにも見えません。

金額の目安

贈ると決めて品を探し始めると、いくらくらいのものを選べばよいのかというところで手が止まります。 身内だからと安く済ませてしまっては気が引けますし、日ごろの感謝を込めてと考えて上の棚へ手を伸ばすと、今度は別の心配が出てきます。

両親への贈り物では額を上げると親のほうが気にするという点が効いてきますので、上限は低めに置かれます。 無理をしているのではないかと考えさせてしまいますので、 相場の範囲に収めておいて、長く続けられる額にしておくほうが、 結果として喜ばれることになります。

 お中元お歳暮
両親3千円から5千円のあいだで選びます5千円ほどを目安にします
祖父母3千円から5千円のあいだで選びますこちらも3千円から5千円にします

高額にしてしまうと、親のほうが「無理をしているのでは」と気にすることになってしまいます。相場の範囲の中で、毎年続けたとしても負担にならない額のところに置いておいてください。長く続けられるかどうかのほうが、額の大きさよりもよほど効いてきます。

実家と義実家のあいだでは、そこで贈る額のほうをそろえておいてください。どちらか片方が多いと分かったときに、それを気にする方がいますので、 夫婦のどちらかが一人で決めてしまうのではなく、 二人で相談したうえで決めておくと、後々の話にもなりません。

品物の内容についても、極端に差をつけてしまわないほうが無難ということになります。同じ額であっても片方だけ見栄えのするものになっていると、 並べて話題になったときに、そこだけが目に付くことになります。

義実家へ贈る場合を見る

品物の選び方

額の見当が付いたところで、では実際に何を選ぶのかというところが残ることになります。 取引先へ贈るときのように好みが分からないという相手ではありませんので、 その意味では、選ぶのがいちばん楽な相手ということになります。

それでも一つだけ考えておきたいのが量のほうで、ここだけは毎年少しずつ変わっていきます。 年齢が上がるにつれて食べる量は少しずつ減っていきますので、 去年と同じつもりで大きな箱を送ると、 食べきれないまま棚に置かれることになってしまいます。

条件理由
使い切れる量二人暮らしに大容量の詰め合わせは持て余します
好みが分かっている身内であれば、遠慮なく直接聞くことができます
重すぎない高齢になると、運ぶこと自体が負担になります
日持ちするすぐに食べきれないということがあります
冷蔵庫を圧迫しない要冷蔵の大箱は、置き場所で困らせてしまいます

身内が相手なのであれば「何がいい?」と直接聞いてしまうのが、いちばん確実な形になります。気を遣わなければならない相手ではありませんので、毎年同じものを喜ばれるのであれば、そのまま同じものを続けて構いません。

二人暮らしの家に大容量の詰め合わせが届いてしまうと、食べきる前に日が経ってしまうということになります。 同じ品を選ぶにしても小さいほうを取っておけば、ちょうど食べきれる量になりますので、そのほうが結局は喜ばれることになります。

重さについても、量と同じように年ごとに一度は見直しておいてください。瓶詰めや飲み物の詰め合わせは玄関から台所まで運ぶだけでも負担になりますので、 年齢が上がってきたのであれば、 軽くて日持ちのするものへ、少しずつ切り替えておくと安心です。

品物の選び方を詳しく見る

きょうだいとの足並み

両親へ贈ろうと決めたところで、今度はきょうだいがどうしているのかが気にかかってきます。 自分だけが贈っていると角が立つのではないかとも思えますし、黙って始めてしまうと、後から知られたときに気まずくなりそうにも思えます。

ここは自分ひとりの判断だけで決められるという性質の話ではありません。一人だけ始めると、ほかのきょうだいが気にすることになりますので、 やらなければという空気がそこから生まれて、 本人たちが望んでいない負担を作ることになってしまいます。

状況やり方
きょうだいが贈っている額と時期をそろえておくことになります
誰も贈っていない始めると他が困ることがありますので、先に相談します
経済状況に差がある連名にするという方法も取れます
同居しているきょうだいがいる同居している側は、日常の世話で足りています

一人だけ先に始めてしまうと、ほかのきょうだいが「やらなければ」と感じることになります。始めるときにも一言相談しておけば、余計な負担を生まずに済みますので、そこは黙って動かないでください。

きょうだいのあいだで経済的な事情に差があるという場合は、 連名にしてしまうという方法もあります。 一人あたりの負担が軽くなりますし、両親のほうも受け取るものが一つで済みますので、置き場所や返礼のことで気を回さずに済むことになります。

同居しているきょうだいがいるのであれば、その方は形の上では贈らないでいることが多くなります。 日常の世話をそのまま担っているためで、 そこへさらに贈り物まで求めることになると、 同じ立場に置いているようで、実際にはまったく釣り合いません。

渡し方

品物が決まったところで、今度はそれをどう届けるのかというところが残ることになります。 取引先へ贈るのであれば配送の一択になりますが、両親が相手ということであれば、帰省の折に直接手渡すという道も選べます。

手渡しできるのであれば、形式のほうはとくに要らないということになります。 掛け紙も送り状も、身内どうしのやり取りとしては大げさになりますので、 手土産と同じような形にしてしまっても、それで十分に伝わります。

方法ポイント
帰省して手渡しいちばん喜ばれます。掛け紙は外のしにします
配送内のしにしておき、到着する日を伝えます
掛け紙を省く身内であれば構いません。手土産と同じ形になります
電話を添える届いたころに一本かけます。これが本体にあたります

身内が相手なのであれば、掛け紙のほうを省いてしまっても構いません。形式よりも、顔を見せることや声を聞かせることのほうが伝わりますので、帰省の時期と中元の時期が重なるのであれば、手渡しにしてしまえば十分です。

配送で届ける場合は内のしにしておき、いつ頃に届くのかを先に伝えておいてください。 留守にしていると再配達になってしまいますし、冷蔵のものであれば、受け取れないまま時間が経つことにもなります。

届いたころに電話を一本入れておけば、それだけでそのまま近況のやり取りになってくれます。 品物のほうは形として届くだけのものになりますので、その電話のほうが、実のところ贈り物の本体にあたると考えておいてください。

贈るかどうかに一つだけの正解があるわけではなく、 日ごろどれだけ顔を合わせているかと、きょうだいがどうしているかを見て決めればそれで足ります。 近くに住んでいてよく会うのであれば帰省の手土産で構いませんし、 遠方であれば、近況を知らせる機会として贈っておくと、そこに意味が生まれます。

どの場面でも変わらないのは、親が気にするような額にしないという一点だけになります。 相場の範囲で長く続けられるところに置いておけば、 作法を細かく思い出せなくても失礼にはなりませんし、 受け取る親のほうも、無理をさせているのではないかと気を回さずに済みます。

よくある質問

両親にお中元は贈るものですか?

必須ではありません。贈らないという家も多く、近年はその数がさらに減ってきています。お中元にはもともと日ごろ会えない方への挨拶という性格がありますので、頻繁に顔を合わせている親子のあいだでは、形式のほうが省かれやすい贈り物になります。

どんなときに贈ると自然ですか?

遠方に住んでいて会う機会が少ないときや、日ごろ援助を受けているときが自然な形になります。きょうだいが贈っているのであれば額と時期をそろえておきます。近くに住んでよく会うのであれば、帰省のときの手土産で足りることになります。

金額はいくらにしますか?

両親へはお中元が3千円から5千円、お歳暮が5千円ほど、祖父母へはどちらも3千円から5千円が目安です。高額にすると親のほうが「無理をしているのでは」と気にすることになりますので、相場の範囲で、毎年続けても負担にならない額にしておいてください。

きょうだいと相談したほうがよいですか?

相談しておいてください。一人だけ始めると、ほかのきょうだいが「やらなければ」と感じることになり、望んでいない負担を作ってしまいます。経済的な事情に差があるのであれば、連名にするという方法もあります。

品物は何を選べばよいですか?

身内には「何がいい?」と直接聞いてしまうのがいちばん確実です。気を遣わなければならない相手ではありませんので、毎年同じものを喜ばれるのであれば、そのまま続けて構いません。ただし量だけは年ごとに見直し、二人暮らしなら使い切れる大きさにしておいてください。

掛け紙は省いてもよいですか?

身内であれば省いてしまっても構いません。帰省の時期と中元の時期が重なるのであれば手渡しで十分ですし、そのときの形は手土産と同じで差し支えありません。形式よりも、顔を見せることや声を聞かせることのほうが伝わります。

まとめ

  • 両親へのお中元は必須ではありません
  • 贈らない家も多くなっています
  • 遠方や援助を受けているなら贈ると自然な形になります
  • 金額は3千円から5千円にします
  • きょうだいと額をそろえておきます
  • 実家と義実家でも額をそろえます
  • 品物は使い切れる量にします
  • 帰省と重なるなら手渡しで済ませます

参考情報

  1. 郵便局のネットショップ「お中元の熨斗(のし)のマナー|水引の種類と結び方、正しい表書き」
    https://www.shop.post.japanpost.jp/column/ochugen/ochugen_noshi.html
  2. 高島屋「進物の基礎知識」
    https://www.takashimaya.co.jp/giftnavi/shinmotu_01.html
  3. 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」
    https://www.mistore.jp/gift/manner/knowledge/noshi_mizuhiki/article/noshi_manner.html

金額の目安(3千〜5千円)と、掛け紙(紅白の蝶結び・のし付き・「御中元」)については、参照した情報源で共通しています。身内へお中元を贈るかどうかは家ごとの慣習によりますので、本記事では「贈るべき」とはせず、確かめ方と決め方を示しています。

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安であり、地域やご家庭、業界の慣習によって異なる場合があります。お勤め先や取引先の規定によって贈答が制限されていることがありますので、事前にご確認ください。