結論

結納返しの額は地域で大きく変わり、 関東式は結納金の半額から3分の1、関西式は1割程度が目安になります。 現金での平均額は全国で45万2000円、首都圏で54万円、関西圏で27万5000円でした。

品物で返すなら腕時計やスーツが選ばれていますが、 いただいた結納品より豪華にならないようにするのが決まりですので、 先に結納金の額を確かめてから品を探し始めてください。

結納返しは必要なのか

結納金を受け取ることになった側がまず考えるのが返礼のことで、 いただいたお金にさらにお返しをするという構図が どうにも落ち着かないまま、金額を調べ始めることになります。

迷いを生んでいるのは、結納返しにする・しないの両方が実在しているという点で、 地域の慣習として最初から行わない土地もあれば、 半額を返すのが当たり前という土地もあり、どちらも間違いではありません。

結納返しの有無実際の割合
結納返しをしたゼクシィの調査では全体の6割近くにのぼります
品物で返した33.6パーセントで、返し方としては最も多い形です
現金で返した26.1パーセントが選んでいます
結納飾りで返した7.9パーセントと少数にとどまります
していない40.9パーセントあり、珍しい選択ではありません
しない理由お返しは不要と言われた、地域に慣習が無いという声が並びます

していない人が4割いるという数字は、しなくてよいという意味ではありません。この中には最初から結納返し分を差し引いた額を結納金として受け取った人が含まれていますし、関西のように1割の返礼を別の形で済ませている場合も含まれます。自分の家がどの形にあたるのかは、親に尋ねないと分かりません(最終確認:2026年8月)。

判断に迷ったときは、金品をいただいたらお返しをするという 日ごろの付き合いの考え方に戻ってみると輪郭がはっきりします。 形式の名前ではなく、受け取りっぱなしにしないという一点が軸になります。

とはいえ結納金は結婚式や新生活のために使うことの多いお金ですので、 そこからさらに半分を返すと手元に残る額が減ります。 だからこそ関東では最初から半返し分を引いて包む形が広まりましたし、 両家が納得できるなら、その形をとるほうが実際的にあたります。

関東式と関西式の違い

結納返しについて調べ始めると必ず出てくるのが関東式と関西式という区分で、 自分がどちらに属するのかさえ分からないまま、 二つの数字を見比べることになります。

二つを分けているのは金額の多寡ではなく結納そのものの考え方で、 両家が対等に品を交わすと考えるか、男性側が納めるものと考えるかによって、 返礼の位置づけが根本から変わります。

項目関東式と関西式
結納の考え方関東は両家が対等に交わし、関西は男性側が納めます
結納返しの相場関東は半額から3分の1、関西は1割程度です
返礼の呼び方どちらも御袴料と呼び、関東では半返しの額を包みます
品目数関東は同じ数、関西は受け取る側が少なくします
返さない選択関西では返さない家も珍しくありません
境目関東より東と、西側エリアという分け方が使われます

結納返しの額が地域で倍近く違うのは、結納の考え方そのものが違うためです。ゼクシィの調査で現金による結納返しの平均額は全国45万2000円でしたが、首都圏は54万円、関西圏は27万5000円でした。関東式は両家が同じ格で品を交わすと考えるため半返しになり、関西式は男性側が納めるものと考えるため1割程度にとどまります。どちらが正しいという話ではなく、両家がどちらで進めるかを先に決める話です(最終確認:2026年8月)。

関西で混同されやすいのが結納返しと「お多芽」で、 どちらも結納金の1割を用いるため同じものに見えますが、 お多芽は受書に添える別の風習ですので、二つを一つで済ませることはできません。

もう一つ実際に問題になるのが彼が関東で彼女が関西という組み合わせで、 どちらの形で進めるかを決めないまま準備を始めると、 片方が半額を用意し、片方が1割を想定しているという状態が生まれます。

決め方に正解はありませんが、結納そのものをどちらの式で行うかを先に決めれば、 結納返しはそれに従って自然に決まります。 形式を決めずに返礼の額だけを話し合うと、根拠のない数字の比べ合いになりますので、 順番を入れ替えないでください。

返す金額の目安

形式が決まっても、実際に包む額を出す段になると 半返しの半とは何の半分なのかという疑問が出てきて、 結納金だけなのか結納品も含むのかで手が止まります。

結納返しは結納金に対して行うものと考えれば足りますので、 結納品や婚約指輪までを合計して半分を出す必要はなく、 その分まで返そうとすると、かえって不釣り合いな額になります。

結納金の額返す額の目安
100万円・関東式半返しで50万円、3分の1なら30万円ほどになります
100万円・関西式1割の10万円程度か、返さない形をとります
50万円・関東式25万円から17万円ほどが目安になります
現金の全国平均45万2000円で、50万〜60万円未満が最も多い層です
首都圏の平均54万円と、全国平均より高く出ています
関西圏の平均27万5000円で、首都圏の半分ほどです

結納金の額を知らないまま用意を始めると、まず間違いなくやり直しになります。結納返しは相手の額に連動して決まりますので、いくら包むつもりかを事前に確かめるのが前提にあたりますが、これを親同士で直接尋ねるのは切り出しにくい話です。二人のあいだで額を共有し、それぞれが自分の親へ伝えるという順にすると角が立ちません(最終確認:2026年8月)。

金額を出すときに気をつけたいのが、いただいた品より豪華にしないという決まりで、 これは関東式のように同じ格で交わす場合でも変わりません。 返礼が上回ると、受け取った側が改めて返す必要を感じてしまいます。

結納金がなく結納品だけを受け取った場合は、 品目の数を調整することで返礼に代える方法があります。 男性側が7品目を用意したのであれば女性側は5品目や3品目にするという形で、 現金や品物を別に用意せずに格を下げられます。

品物で返す場合

現金を返すのはかえって味気ないという理由から品物を選ぶ家は多いのですが、 何を選べばよいのかという段で手が止まり、 売り場を何度も往復することになります。

選ばれているものには傾向があり、身に着けて長く残るものに集中していて、 結納の記念として手元に置ける品が好まれているという形が 調査の数字にもはっきり出ています。

品物選ばれ方
腕時計31.4パーセントで1位にあたり、最も選ばれています
スーツ29.5パーセントで、腕時計に迫る人気があります
電化製品13.3パーセントで、新生活の道具として選ばれます
品物の全国平均額23万5000円で、現金より控えめな額になります
首都圏の平均額30万7000円と、全国平均を上回ります
関西圏の平均額14万3000円にとどまります

品物で返すなら、身に着けられるものが選ばれています。ゼクシィが過去2年以内に結納を行った既婚女性110人に尋ねた調査では、結納返しの内訳が品物33.6パーセント、現金26.1パーセント、結納飾り7.9パーセントで、していないが40.9パーセントでした(複数回答)。品物の1位は腕時計で31.4パーセント、2位がスーツ29.5パーセント、3位が電化製品13.3パーセントです。標本が110人と小さい調査ですので、傾向として読むにとどめてください(最終確認:2026年8月)。

腕時計とスーツが選ばれているのには理由があり、 どちらも本人の好みと寸法が必要になる品ですので、 本人を連れて買いに行く形になり、選ぶ過程そのものが記念として残ります。

注意しておきたいのが、これらは結納当日までに用意が要るという点です。 オーダーのスーツは仕立てに数週間かかりますし、 腕時計もサイズの調整や取り寄せで日数を要しますので、 当日にお披露目したいのであれば、一か月前には動き始めてください。

渡す時期と口上

結納返しの用意ができても、いつ渡すのかが決まっていないと、 当日に持っていくべきなのか後日でよいのか判断できず、 とりあえず持参して出しそびれるという形になりがちです。

調査の上では当日と後日でほぼ半分に割れていて、 どちらを選んでも差し支えないのですが、 前者を選べるかどうかは相手の額を先に聞けているかどうかで決まりますので、 実のところ自分の都合だけでは決められません。

渡す時期割合と進め方
結納当日に渡す42.9パーセントで、その場で受け渡しが完結します
結納の後に渡す40.5パーセントで、当日とほぼ並びます
結納より前に渡す16.7パーセントで、婚約記念品として先に贈る形です
額を聞けなかった場合無理に当日へ合わせず、後日改めて渡します
後日に渡す口実新居の家具や家電を選ぶ時期に合わせる形があります
遠方の場合次に両家が集まる機会に合わせても差し支えありません

渡す時期は当日と後日でほぼ半分に分かれます。ゼクシィが結納経験者110人に尋ねた調査では、結納当日に渡した人が42.9パーセント、結納後に渡した人が40.5パーセント、結納より前に渡した人が16.7パーセントでした。標本の小さい調査ですが、当日に渡すには金額を事前に知っておく必要がありますので、額を聞けていない段階で当日に間に合わせようとしないほうが結局は落ち着きます(最終確認:2026年8月)。

当日に渡す場合の口上は 「○○家からの結納返しの品でございます。幾久しくお納めください」で、 納める側と同じ言い回しを使いますので、新たに覚えることはありません。

後日に改めて渡す場合は 「先日は結構な結納の品々をありがとうございました。本日は吉日ですので、 結納返しの品をお持ちいたしました」と前置きを添えます。 日を改めたことを詫びる必要はなく、 吉日を選んで持参したという形にしておけば、遅れたようには受け取られません。

当日の流れと口上を見る

のしと水引の選び方

結納返しを現金で用意するとなると袋が要りますが、 ご祝儀袋をそのまま使ってよいのかが分からず、 売り場で似た袋を前に迷うことになります。

結納に使う水引は、婚礼のほかの場面と同じく ほどけない結び方を選びますので、 蝶結びの袋を手に取らないことだけ押さえておけば大きく外れません。

項目選び方
水引の結びあわじ結びを選び、一度結んだらほどけない形にします
蝶結び繰り返してよい場面のものですので、婚礼には使いません
表書き「御袴料」が基本で、地域によって呼び名が変わります
のし紅白の飾りが付いたものを選び、松竹梅や鶴亀の意匠も使えます
名前水引の下に、女性側の姓を書き入れます
品物にかける場合のし紙をかけ、表書きは同じ言葉にそろえます

結納返しの袋は、いただいた結納金の袋より控えめにしておくほうが収まります。返礼が贈られた品を上回らないという考え方は、金額だけでなく袋の見た目にも及びますので、同じ格か一段控えめなものを選んでください。結納品をそろえた店で一緒に相談すれば、格の釣り合いも見てもらえます(最終確認:2026年8月)。

品物で返す場合はのし紙をかけますが、 包装紙の内側にかける内のしにしておくと、 持ち運ぶあいだに表書きが擦れず、渡すときにも仰々しくなりません。

腕時計やスーツのように箱が大きい品では、 のし紙が箱の面に合わないことがありますので、 短冊のしを使うか、目録を添える形で代えられます。 買った店にその旨を伝えれば、婚礼の返礼にふさわしい形にしてもらえます。

判断に迷う場面

ここまでの目安に当てはまらない場面はいくつもあって、 お返しは不要と言われた、当日に予告なく金封が出てきたといった状況は 実際によく起きています。

こうした場面に共通しているのは相手の意図が読めないということで、 額の計算では答えが出ませんので、 別の考え方を用意しておく必要があります。

場面対処
お返しは不要と言われたそのまま受け取り、記念の品を控えめに贈る形にします
顔合わせのはずが金封が出た後日一緒に記念品を買いに行く形で返します
結納金の額を聞けなかった当日は用意せず、額が分かってから改めて渡します
婚約指輪も受け取っている結納返しは結納金に対して行えば足ります
結納品だけで結納金が無い品目の数を少なくすることで返礼に代えられます
両家の地域が違う結納をどちらの式で行うかを先に決めます

不要と言われたら、その言葉はそのまま受け取って差し支えありません。本音かどうかを読もうとしても答えは出ませんし、無理に返すと相手の気遣いを押し戻す形になります。それでも何か贈りたいのであれば、高価でない記念の品にとどめるのが、相手の意図を尊重したうえでの落としどころにあたります(最終確認:2026年8月)。

婚約指輪と結納金の両方を受け取ると返礼の額が大きくなりそうに思えますが、 指輪は財産として持ち続けられる贈り物で、 支度金である結納金とは意味合いが違いますので、合算して考える必要はありません。

どの場面でも共通して効くのが、親に一度確かめてから動くという手順です。 結納返しの慣習は地域と家によって残り方が違いますので、 調べて出てきた数字より、その家がこれまでどうしてきたかのほうが実際の判断に近く、 親から聞いた形に合わせておけば、あとから食い違いが出ません。

結納品の品目数を見る

結納返しに唯一の正解があるわけではなく、 関東式の半返しと関西式の1割はどちらも長く続いてきた形ですし、 していない人が4割いるという数字も、慣習の無い土地が実在することを示しています。 相場を探すより、両家がどちらの形で進めるかを決めるほうが先に来ます。

どの場面でも変わらないのは、結納金の額を先に知るという一点だけで、 返礼は相手の額に連動して決まる以上、そこが分からないまま品を選び始めると、 用意したものが釣り合わなくなります。二人が額を共有し、 それぞれ自分の親へ伝える形にしておけば、この工程でつまずくことはありません。

結納金の相場を見る

よくある質問

結納返しはいくら返しますか?

関東式は結納金の半額から3分の1、関西式は1割程度が目安です。現金での平均額は全国45万2000円、首都圏54万円、関西圏27万5000円でした。

結納返しはしなくてもいいですか?

ゼクシィの調査ではしていない人が40.9%います。地域に慣習が無い場合や、最初から結納返し分を差し引いた額を受け取った場合が含まれますので、まず親に確かめてください。

関東式と関西式は何が違いますか?

結納の考え方が違います。関東は両家が対等に品を交わすため半返しになり、関西は男性側が納めるものと考えるため1割程度にとどまります。

品物で返すなら何を選びますか?

腕時計が31.4%で1位、次いでスーツが29.5%、電化製品が13.3%です。身に着けて長く残るものが選ばれています。

結納返しはいつ渡しますか?

結納当日が42.9%、結納後が40.5%でほぼ半分に分かれます。結納金の額を事前に知っていないと当日には間に合いませんので、聞けていなければ後日で差し支えありません。

「お返しは不要」と言われたらどうしますか?

そのまま受け取って差し支えありません。それでも何か贈りたい場合は、腕時計や服など高価すぎない記念の品にとどめてください。

婚約指輪も結納金ももらった場合は?

結納返しは結納金に対して行えば足ります。婚約指輪は財産として持ち続けられる贈り物で、支度金である結納金とは意味合いが違うためです。

まとめ

  • 関東式は半額から3分の1、関西式は1割を目安にします
  • 現金の平均は全国45万2000円、首都圏54万円になります
  • 品物なら腕時計が31.4パーセントで1位を占めます
  • 用意する前に結納金の額を確かめます

参考情報

  1. ゼクシィ「結納返しとは?するべきか悩む人必見!金額の相場・品物・マナー完全ガイド」(2025年3月マクロミル調査110人/ゼクシィ結婚トレンド調査2024 全国推計値/2025年5月時点)
    https://zexy.net/article/app002505015/
  2. リンベル「関東式と関西式は何が違う? 結納や結納返しでのしきたりの違い」
    https://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/4358
  3. ゼクシィ「116人に調査【最近の結納事情】費用から結納返しまで今どきの傾向を解説!」(データはゼクシィ結婚トレンド調査2024 全国推計値/2025年6月マクロミル会員110人調査/2025年7月時点)
    https://zexy.net/article/app000000050/

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。結納は地域と家によるしきたりの差がとりわけ大きい行事ですので、両家の親の考えを先に聞いてください。本記事の内容と食い違う場合は、親から聞いた形に合わせるほうが角が立ちません。